日本経済新聞の記者が、2012年 4月~2016年までの4年間の取材体験をまとめたもの。
中国の最新状況を現場からうかがい知れる、という点で興味深く読んだ。
章立てでいうとざっと、
第1章 政治
第2章 経済
第3章 土地
第4章 外交
第5章 まとめ
という構成。
が、やはりダントツに面白いのは、第2章 経済、第3章 土地。
中国の現在の国を蝕む体制の矛盾は、いろいろな本で論述されているので全体としては何となく既に知っている。
それを改めてより具体的に指摘されると、特にこの2つの章では取材に基づいた 目新しい指摘が多く...
・影の銀行 高利回りの投資商品を勧める国家
不動産バブルに踊らされた地方。2014年にこれが全国化し結果、民間債務が急増。
のみならず、地方政府も過剰債務を抱えている。デフォルトさえ発生。
・急減速する中国の製造業は「古い中国」の代表
給料を予定通り払っている企業は全体の3割? スマホメーカーさえ経営破綻。
・成長率かさ上げのための投資
山を削って新しい街を創る。山を切り崩すでも見かけのGNPは上がる。
「鬼城」(ゴーストタウン)の発生。「一軒購入すれば、もう一軒サービスします?」
全て「過剰」がキーワードか。
そこで本では「4つの過剰」としてまとめている
(1)製造業の設備過剰
(2)積み上がった住宅在庫
(3)地方政府などの借金
(4)企業の高コスト
結論:世界第2位を標榜するはずが 全く目が離せない、腐食する中国経済...