最近「ヒトラー映画」がやたら多く公開されていて、やや食傷ぎみ(笑)
例えば...
「ヒトラーの忘れ物」の原タイトルは、Under sandet = 砂の下
「ヒトラーへの285枚の葉書」は、Jeder stirbt fur sich allein = ベルリンに一人死す
なので、わかりやすくしようとした努力(売ろうとした努力?)はわかるが、その意図が結果、冒頭のような印象?現象となる。
その点、今作は潔くて良い。
原作モノ(自伝)とはいえ、下手したら「少女ファニー、ヒトラーからの脱出」になってたかも(笑)
さてどんな脱出か。
1943年 ナチスドイツ支配下のフランス。
良心に基づきユダヤ人の子供たちをかくまっていた人たちがいた。
だが圧力が高まり、子供たちをフランスから安全なスイスに脱出させなければならなくなる。
あくまでもドイツ人を装い、「林間学校へ行く」と主張して。
主人公ファニー(写真:センター)はその子供たちのグループのリーダーに引率者(セシル・ドゥ・フランス)に指名される。
彼女の兄弟含む9人の子供たちの命運は、彼女に託されたのだ!
だが待っていたのは、いちいち痺れるような逃亡の旅…
こういう映画ではだいたい、子役の名演技が光る。
今作も同様で、ハラハラするシーンの子役たちの演技に観客もシンクロしていく。
唯一有名な俳優の セシル・ドゥ・フランス(ヒアアフター、スパニッシュ・アパートメント3作 etc…)も存在感を発揮。
結論:こんな歴史があったんだ、を誠実に語る一作。