一年前、朝日新聞夕刊に相当読ませる記事シリーズがあった。
それは:人生への贈りもの 私の半生「久米 宏」
全10回で面白かったのは、後半=「ニュース・ステーション」誕生~成長~ のくだり。
そして満を辞して?登場したのが、この本。
この冬休み、ゆっくり読もうと決めていた。
そして記事シリーズと同様、ハイライトは後半=「ニュースステーション」誕生・成長 のくだり。
入社試験~新人時代~ラジオ時代~「ぴったしカン・カン」「ベストテン」「TVスクランブル」
そして「ニュースステーション」へ到達する。
そして、この番組の記述は、本全体の半分以上!
以下の数行に、著者の番組18年半への思い入れが圧縮されていると思う(p.322)
<テレビでできることは全て「ニュースステーション」でし尽くした。
<というのが僕の偽わざる実感だった。
<セットやファッションや小道具(当ブログ追記:マイクカバー、ペン etc…)やカメラワーク
<ジャンルもニュースだけでなく、スポーツ、バラエティ、趣味、インタビュー。
<テレビを形づくるほとんどの要素について、映像と言葉の力を信じて
<僕たちは思いつく限りのことを実践した。
ご存知の通り、著者が切り開いた平日22時~枠は「報道ステーション」として現在も続いている。
だけでなく、他にも痺れるような表現をもうひとつ紹介。
「ザ・ベストテン」に関し。
<黒柳さんは、「ザ・ベストテン」の時代は1台のテレビを家族全員で見ていた
<最後の約10年だったのかもしれません」と語っている。
<なるほど、そうかもしれない。
<番組そのものは1989年まで11年と8ヶ月続くことになるが、僕が司会を
<辞めた85年の時点で、若い世代を中心にミュージックシーンは変化の兆しをみせ
<すでに「誰でも知っているヒット曲」に時代はほころびをみせていた。
<TBSの音楽ディレクターも知らない歌い手が次から次に登場し、CDをはじめとする
<メディアの進展とともに、音楽は急速に多様化、細分化していく。
<それはランキングの意味が失われていく過程でもあった。
テレビ中心に書いてきてしまったが「ニュースステーション」後、著者はラジオに戻る。
本のラストあたりで著者は語る。
「ラジオはトランペット。テレビはドラム」
どんな意味なのかは、是非この本を手にとってご確認いただきたい!