日本ではまだ未公開の イラン映画。
(中東でのW杯開幕の影響で紹介か? 笑)
主人公カゼムは自分の事業が成功した建築家 & 開発業者。
故郷に顔を出し、そのインフラを整える事業を進めていた。
こんな中、主人公の「止まっていた時計」が動き出す。
その「止まっていた時計」を動かずのは3人。
・昔心底惚れたが成就しなかった恋人
・既に亡くなった妹のティーンエイジャーの息子
・共通の秘密を共有する親友
主人公は過去の思い出と共に、現在に思いを馳せる…
特に3人目の昔の親友との交流のシーンは印象的。
セリフは少ないのだが、2人のセリフから浮かび上がってくる「過去」を静かに認識する構造。
写真はそのシーンの一部なのだが、歩いているのは 年々後退していく ウルミア胡。
これすら主人公の心を痛める... と共に2人の心情を物語るわけ!
英語字幕を読んでいたので全く理解していなかったが、実はこの映画のセリフはイラン映画なのにイラン言葉ペルシア語ではないそう(汗)
主人公の地元がアゼルバイジャンなので、トルコ語とのこと!
2つの文化が混ざり合う地域を故郷にもつ主人公の苦悩を表現していたわけだ…
こうした、普段は接するきっかけが全くないような映画鑑賞により、そんな文化の多様性に触れられるのも映画の醍醐味!
ちなみに、タイトルの Atabai とは、不屈の男性像 に与えられる言葉だそう。
その言葉のイメージを地元で持たれてつつ、実は苦悩する男性像、を描いたのは女優 → 女性監督の ニキ・カリミ。
女性監督ならではの視点は、イラン映画界で躍進中とのこと!
結論:女性監督が炙り出す、主人公が故郷で経験する苦悩は、女性監督・アジア映画ならではの苦味。