~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

ウィーン・フィル広島公演

2011年10月15日 22時04分30秒 | 交響曲・管弦楽曲等

ほんとに突然ですが・・・・、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会に行ってまいりました。

指揮はクリストフ・エッシェンバッハ、ピアノはランラン。

プログラムは

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リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S124

ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 WAB 104

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故意か偶然かどちらも変ホ長調。

 

ウィーンフィルは、広島にきてから聴いた記憶はないし、

東京でも聴いたかどうか・・・・・・

はっきりしているのは、18年前旅行先でオペラを見に行き、オーケストラピットでの演奏を聴いたこと。

・・・・なので、もしかするとステージ上の音を聴いたのは初めてかもしれません。

エッシェンバッハもランランもライブで見るのは初めて。

 

席は2階3列目、上手側でした。

聴きしにまさるというのか、動画にまさるというのか(汗)、

ランラン、思っていたよりずっと凄かった~~~。

まずは、もうまったく手元に不安がないばかりか、ほとんど手元など見ずに弾いていて、

速いところでも、ほんとはその数倍の速度で弾けるのだけどこれくらいにしておきますか・・・・みたいな余裕。

大きい音にしても小さい音にしても、音色にしても、

実際出しているものの数倍のポテンシャルがありながら、その表現にふさわしいレベルをチョイスしている感じがあって、

とにかく「上手い!!」と圧倒されてしまいました。

テクニックはもちろんですが、表現も非常に洗練されていて、

ウィーンフィルの音色ともとても合っていたように思います。

ソロアンコールは、リストの「コンソレーション3番」でしたが、自然な歌と感情が聴き手にそっと寄り添うようで、とても心地よかった。

ランランというと、何年前かのN響とのラフマニノフ3番コンチェルトの演奏の印象があまりにも強烈すぎ、

表情やパフォーマンスがあまりに独特でついていけない感じがあったのですけど、

今日はそんなこともなく(時々2階席にいても目が合いそうな瞬間はありましたけど)、

服装やスタイルも洗練されてきた感じだし、姿勢もいいし、ステージマナーも堂々たるもので、

あの少年がこんなに立派になったのね(現在28歳だそうです)・・・。としみじみしてしまいました。

 

ウィーンフィルについてはあれこれ語る言葉も持たないのですけど、一言でいうと

「なんであんな音が出るのかわからない」です。

弦については、たとえ同じ人数でユニゾン弾いていても、

ひとりで弾いているかのように聴こえることもあれば、

会場の底から揺るがすような音がすることもある。

ピアニッシモのトレモロなんか、どこから音が降ってくるのだろうと思って目をこらすと

ステージ上でふつうにそろって弾いている・・・弾いているだけ。

うーん・・・わかりません。

 

ブルックナーは、私これまでほぼ聴いたことがないと言っても過言ではなく(恥)、

ゆうべも慌てて予習をしようとしましたが、聴きながら寝てしまい(殴)、

あきらめて、本日「初発の感想」にかけました。

せっかくなので(?)あえてプログラムノートも読まず、まっさらの状態で聴きました。

川やら森やらに連れていかれ、

時々角笛や教会のオルガンが鳴り、

また時々は「じっと手をみる・・・・」じゃないけど、自分や神様と向き合い、

4楽章ではいろいろなものがまた戻ってきて、

・・・・・・といった感じで、まとまったものを聴きとるのは難しかったですけど、

自然、調和、神々しさに包まれた1時間余りでした。

弦もですけれど、管楽器、とくに金管楽器の音色がこんなにも素晴らしいことに初めて気づきました。

主張もするけれど、

溶け合いにじみあってハーモニーを作り、

また会場の空気と一体化して聴き手を包み込む。

・・・・・参りました・・・・・

曲のことも、オケのこともわけわからない人間に、

これだけのことを「聴かせてくれる」ウィーン・フィル、おそるべし。

 

会場はほぼ満員でしたが、なりやまぬ拍手とブラボーの中、

アンコールはヨハン・シュトラウス「美しき青きドナウ」。

1階はスタンディングオベーションでした。

 

ここのところご無沙汰の知り合いにも何人か会えましたし、行ってよかった~!