週刊誌を読んでおりましたら、こんな記事がありました。
銀座九兵衛二代目主人さんのお話より:
<・・・・・親父はいちいち教えてくれませんでした。唯一教えてくれたのは「寿司は手先で握るのではなく腰で握るもの」ということ。当時は「技術は横目で盗むもの」で、握り方は身体で覚えていくものだったんです。今、うちの若い者は僕の握り方を真似ますが、僕と親父は少し違いますし、息子も僕とは少し違います。自分なりの握り方を会得していけばいいんです。要は手早く、力みなく、無駄な動きをしないで握ることですね。・・・・・・・>
寿司は腰で握る
なんの動作でも腰は大事なので、なんとなくわかるような気がしますけど、こうすぱっと言われると爽快です。
ピアノは腰で弾く
・・・・なんかカッコいい(笑)。
中華料理の鍋使いなどは、いかにも腰でやらないとダメそうな感じがするんですが、あまり動きのなさそうな寿司握りにして腰なのか・・・・深い。
音楽だと、声楽、管楽器、弦楽器は見るからに全身をちゃんと使わないと音が出なさそうで、たとえ「腰で歌う」「腰で吹く」「腰で弾く」と言われても、「いやそうでしょうとも」と思うのですが、
ピアノについてはそこまで身体身体という感じがしないのはなぜか・・・。管楽器の方などはブランクがあると「まずは走り込みからを始めます」という人もおられるのに、「ウン十年ぶりにピアノを再開するので、まずは腹筋から始めます」などということはついぞきいたことがありません。
でも、ほんとは相当要るんだと思います、身体そのものが。
私は、ピアノそのものの楽曲よりもオケパートを弾くことの方が多いんじゃないかと思うような、邪道ピアノ弾きですけど、
いつも悩むのが、オケがトゥッティ(全部一緒に)で、「ウヮン」と鳴らす和音部分がうまく弾けないこと。
師匠にも相談したことありますけど、いまだにできない。
先日の伴奏の録音を聴いてみても、そういう部分が硬いというか、いわゆる「鳴って」ないんですよね。音量ではなく、まったくもって音質の問題です。
ここだけ、若くてスリムな女の子のような音になっていて(もちろんそういう子でもいい音を出せる子は出せるわけですが)、「なんのための体重だよ、二の腕の重みはどうした・・・」と自分で突っ込みたくなります。
いや体重じゃないんですよ・・・おもに腹筋の問題。
先日、ベートーヴェンのソナタをレッスンしていただいたとき、師匠が弾きながら「腹筋が痛い」とおっしゃってましたけど、
その後やっと、今日あたり、私も腹筋が痛くなるような感覚がわかってきました(・・・遅っ・・・)
まだタイミングよく、必要な音すべてをきちっと腹筋かけて弾けるわけではないですが、
かかったときとかかってないときが、全然音が違うのははっきりわかってきました。
腹筋を使うためには、腰に余分な力が入ってるとやりにくい。でも、ちゃんと安定していて、ある意味「意識」してないと、うまくいかないんですね。
いろいろ考えなくても、できる方は最初からできるんだと思いますけど、もともと身体使えてない人間なので、ああでもないこうでもないとやってみないことにはできるようにならないんですよ。
まずは、腹筋の手前にある脂肪をとりたい・・・(殴)。