イタリアには、ミュンヘンから飛行機を乗り継いで入った。
直行便の予定であったが、乗り継ぎ便に変わった。
しかし、これが「大正解」だった。
直行便なら、そのままミラノに入る予定だったのが、ミュンヘン経由だったのでエアバス(300人乗りくらい)から、ローカル線の小型機(100人乗りくらい)に乗り継いだ。
片側3席の小さなジェットだった。
私と妻は、ローカル線のジェット機の席に早めに座れたので、後から乗り込んでくる人たちを待っていた。
びっくりしたのは、乗り込んでくる人たちの服装だ。
まるで、映画を見ているよう。
ビジネスウーマンの黒のスーツがびしっと決まっている。
金髪で背は高く、すらっとしている。
鼻筋の通った美人。
しかも、足先から頭の先まで一本の線のよう。
身のこなしは、まるでモデルを見ているよう。
もちろん、ビジネスマンも素晴らしい。
スーツの線が実にきれいだ。
派手目のネクタイがこれまたスーツによく似合う。
シャツはカラーで、スーツ、ネクタイとぴたっと合っている。
すべての人が身長が高いわけではない。
むしろ、身長は日本人の男性とそれほど変わらないように思えた。
しかし、こちらもまるで映画俳優が登場したよう。
まるで、映画のワンシーンの中に入り込んで見ている気分。
ちょっと古いが、ショーンコネリーが美女と一緒に乗り込んで来たようであった。
おそらく、イタリアからミュンヘンへ出張したであろう方たちとたまたま便が一緒になったと思われた。
そうした方たちの素晴らしい着こなしを見て、これが本物のイタリアなんだとしばし呆然。
いつもなら、ジェット機の外に見える素晴らしいアルプスの写真を撮りまくるのだが、撮影するのさえ忘れてしまったくらいだ。
この1シーンだけでもイタリアへ来た価値はあった。
イタリアは、どこを撮っても絵になる。
今、考えると少しリスクを冒してでもニコンは持っていくべきであったかもしれない。
できれば、ニコンとサブにコンパクトデジカメの組み合わせがベストかも知れない。
コンパクトデジカメは、ニコンではリスクの高いところや夫婦のツーショットを撮ってもらうのに使う。
ニコンは、これぞと思うところのベストショット用だ。
ちなみに、ヴェネツィアのゴンドラの記念写真を撮ってくれたプロのカメラマンは、ニコンD200を使っていた。
これは、腕もあるだろうけれど、さすがと思わせるいい写真であった。
下の写真は、私が大好きになったカプリを高速船が遠ざかっていくシーンがあまりに美しいので、思わずシャッターを切った一枚である。