〇また突然だが、出張で今度は京都に来ている。急な用だったけれども、来てみて京都駅に下りてから気づいて「しまった」と思った。5月の京都を甘く見ていた。季節はまさに、観光や修学旅行のシーズンラッシュ?のよう。平日の朝10時頃のオフィスタイムのはずなのに、このバス乗り場のバス待ちの物見遊山な気分満々の群衆の混雑は何だ(爆)。老若男女かつ東西南北(世界遺産だののせいか異常に外国人も多い)から押し寄せたかのごとき、こういうのを多分(国際的にも)「田舎からのおのぼりさん」というのだろう。やむなく同乗して仕事先に向かう。
最近の修学旅行生は何か、グループで自由行動らしく、路線バスに乗り込んでは「ここで降りるのか?」「違うぞ!」などと騒いでいる。オリエンテーリングかおまいらは。
まあいずれにせよ仕事を済ませて、午後少し時間があったので、四条河原町で下車する。
キイロイトリ「ハンカガイ デスナ」
高島屋のあるあたりで、そりゃそうだ。千年以上首都だし大都会でしょ。思えば修学旅行で初めて京都に来た時は、自分もまだ子どもだったから、そりゃ史跡もメインで回るんだけど、どっちかというと観光バスで通る街のビルの多さや都会っぷりの衝撃で動揺しましたよ田舎の中学生的にはw。(まだ上越新幹線もなかった時代、自分の街と東京との比較の感覚すら子どもにはなかった頃である)
そういえばこのへんにタワーレコードもあるらしいから、ちょっと寄るか、と携帯サイトで地図を確認しながら位置を探す。しかしどこなのか。さっき通った祇園付近の町家住宅とは全然違う界隈だが…と思いつつ、少し歩いて、やっと河原町オーパがわかった。
エレベーターに乗ると、眼下にはH&Mが(!?)そしてその向こうに東山が(??)という「超時空の歪み」(爆)がたまらないww。こんなところに?と半信半疑で、階に着くと
見よ、この京都の町衆のエネルギーが迸っているかのごときサインボードの嵐(爆)wwwwww
そしてタワーレコード京都店こそ、究極の「うなぎの寝床」店舗だったのだ!ww
おそらく京都という古都のイメージの中にあって、TOWER RECORDSロゴのいかにもなやつはあまり通りに面した外まではみ出してPRはできなさそうだ。そこでビル階上の奥のショップとなる。入口は狭そうだ。が、入ってみると結構、中の空間は広い。そして洋楽を中心に品揃えを見たが、オーソドックスなものも思ったより充実している方だった。大阪のマルビル店もなかなかだったが、ここも店にいろいろ置いてある。試しにBryan Ferryの棚を見て納得(このくらい置いてあれば、店員さんもわかってるな・笑)。ある種、「朝食は実はパン食」とかいってたりするハイカラな京都人、ねちっこいカスタマーに支えられているのか、さすが歴史と文化のレベルの高さを表しているのか。
そんな店頭で、見つけた一枚が、これだ:
Four Corners / Yellowjackets (1987)〔UCCU-90088、2015.3.25.〕
たれぱんだ「なんと、リマスター盤が今年3月に出てた、んですね」
イエロージャケッツのこの盤については以前にMile Highにも言及したし、「The Spin」(1989)もわりと聴きまくった盤ではある。が、1980年代の末頃、一番「カセットテープがよれよれになるほどウォークマンで聴き倒した」ために、マーク・ルッソのAlto Sax.のフレーズをほぼ全曲、旋律として鼻歌気分で覚えてしまっていたのは、やはりこの「Four Corners」の方であることは間違いない。カセットに入れてはいたが、もしかすると、家のCD棚のどこかに当時の輸入盤CDがあるのではないかと思うのだが雑然としていて見つけられず、という状態でいたのである。それが、つい最近デジタルリマスタリングで生産限定盤が企画されていたとは!今回、偶然にもふらっと入った京都のタワレコで、このCDに遭遇できた。ふっと見てたら、見つかったのである。「おおっ」と思いましたね。ありがたいことです。巡り合わせというのか、不思議とこんなこともあるのね。
1987年頃というとPat Methenyもある種かなりPOPな頃でもあったが、イエロージャケッツのこの盤は特にフレーズがPOPな印象のあるもので、何かとよくいろいろなBGMで流れていた。わりと有名でよく使われるMile Highとともに印象的なのは、このいかにも拍の取りにくそうな、しかし限りなく気持ちのいいSightseeing(作曲:Jimmy Haslip(Bs))である。家に持ち帰ってさっそく試聴。カセットウォークマンではどうしてもモーター音が入り微かに歪んでいた感があるが、今やこうしてデジタル音源で歪まないのを聴くと、やはりよい音だ。LPレコードならまたさらに良い音なのであろう。
所謂Fusion(フュージョン)というジャンルとされる、最近ではスムース・ジャズなどという言い方も時々聞くが、このへんも洋楽ロックも全部含めて、1980年代後半~1990年代前半は日常的なPOPな音楽、として聴いていた(「クロスオーバーイレブン」という番組は、そういう意味では本当にクロスオーバーで、ジャンル関係なくこの手のが何でも流れていた)。こういうのが一番よく使われるのがラジオの道路交通情報や気象情報系のBGMあたりだろうと思う。「歌うヘッドライト」のBob Jamesといい、RKBラジオの道路交通情報のFourplayといい、よくある。もともと文化放送「KinKi Kids どんなもんヤ!」のオープニングの曲が何なのかが、なぜ気になるかというのも、わりとそういうFusion系の何か、だからだ。
まさに車載動画編集向け(笑)というか、ドライブやツーリングの時の気分というか。音の一つ一つが人生の遥かな旅のシーンで、途中下車の景色を彩るように懐かしくもあるし、Past PortsやOpen Roadを聴いていたのはツーリングの途中、小休憩時の国道4号線の脇の寺とかだったな、と思い出す。それが25年後、同じような青空の下とはいえ、今は国道3号線の脇の神社や公園とかで聴いてたりするわけですよ。それだけでも流浪の人生をしみじみ思いますね(苦笑)(20150509)