豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Salome 1

2013年11月04日 | 今日の美女
 過日ユディトについてかなり並べたので、今回は同じ生首を持つ女性サロメを200点ほどの作品から紹介する。
 「サロメ」というと、日本ではユディトよりはるかに有名であるが、ではどんな女性と思われているかというと、サディスティックな妖艶な悪女といったイメージで捉えられているようである。しかし多くの絵画を眺めていくと悪女とは思えないような絵もかなりあって(人は、特に女は見た目では判断できない、という議論は一応脇に置いて )、その点に留意して見てゆきたい。

 サロメは新約聖書のマタイ・マルコ伝にまず登場するが、いずれも「ヘロディアスの娘・少女」というだけで名は明かされていない。サロメという名は別の書にある記述によってのちに特定されたようである。
 母のヘロディアスは夫の異母兄にあたるヘロデ王と娘連れで再婚したが、このことを預言者ヨハネが厳しく非難したのでヨハネは投獄されていた。誕生日の祝宴での娘の踊りを喜んだヘロデ王は「褒美になんでも与える」と約束する。娘は出て行って母ヘロディアスに相談すると「ヨハネの首を願え」とそそのかされたので、王は気が進まなかったが結局兵を地下牢に行かせてヨハネの首を与えことになってしまった。娘はその首を母親のところに持って行って渡した。
 つまり聖書のこの女性は「母親の言いなりになって行動しただけの踊りの上手な一少女A」というだけで、ヨハネを斬首させた元凶は母親ヘロディアスということになる。そのヘロディアスは宴席にはいないで別室にいたように読める。

とりあえず、本日はこの程度のことを頭に入れて、踊りを主にしてあまりどぎつくなさそうな絵を眺めてみる。

 Filippo Lippi  踊り(中央)と首の受け取り(左)と母に献上(右)の三つの場面が一枚に描かれている。 


◎ 踊り  ティソの絵は逆立ちしたアクロバットダンス
  Domenico Ghirlandaio            James Tissot                      Unnown
    

    高畠華宵                Gaston Bussiere                  Pablo Picasso
    

  Gustave Klimt         Paul Antoine de La Boulaye            Leopold Schmutzler
    

  Philips Galle  (二場面を一枚にしている。)                       Bartholomeus Strobel 部分図 下に全図
  



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