サロメ余話ということになろうか、サロメと題されたベロネッセの絵に次の作品があった。ヘロディアスに献上する場面と見えなくはない。
しかし、これは間違いなのである。次の絵とほとんど同じであり、右の女性はサロメでも王妃ヘロディアスでもない。
Gerolamo Brusaferro
ルーベンスにも左右反転した、同じ場面の作品も見られる。
Peter Rubens 二作品
以下をざっと眺めても判るように、サロメ、またはヘロディアスと間違えそうな絵がほかにもある。
さて、この女性は紀元前六世紀ごろのマッサゲタイという国の女王トミュリスである。始めキュロスという王のペルシャ軍に攻められて敗れ息子を失ってしまう。トミュリスは報復を決意して再度戦い、ついに勝利を得て敵のキュロスは戦死してしまう。戦前に「血に飢えた汝に、血を堪能させてやる」と宣言していた女王はキュロスの首を斬りおとして血液の入った容器の中に投げ込むといった話である。
マッサゲタイというのは遊牧民族のようだから衣装にしても最下段の絵やモノクロの版画の方がそれっぽいのではないかと思う。それにしても、女王様が部下の前で素っ裸ということはないだろうけど。首を入れる血の入った容器というのも、サロメのような平たい盆や皿ではなく、版画のような皮袋というのが元の記述らしい。したがって壺や深い入れ物であればサロメの絵ではないのである。最後のトミュリスは若すぎないかしらねェ。
Michiel van Coxcie Giovanni Antonio Pellegrini ? Jean-simon-Berthelemy
Pietro Ricch Antonio Zanchi
Giovanni Antonio Pellegrini 作者不詳 Mattia Preti
作者不詳 Mark Skalinski
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しかし、これは間違いなのである。次の絵とほとんど同じであり、右の女性はサロメでも王妃ヘロディアスでもない。
Gerolamo Brusaferro
ルーベンスにも左右反転した、同じ場面の作品も見られる。
Peter Rubens 二作品
以下をざっと眺めても判るように、サロメ、またはヘロディアスと間違えそうな絵がほかにもある。
さて、この女性は紀元前六世紀ごろのマッサゲタイという国の女王トミュリスである。始めキュロスという王のペルシャ軍に攻められて敗れ息子を失ってしまう。トミュリスは報復を決意して再度戦い、ついに勝利を得て敵のキュロスは戦死してしまう。戦前に「血に飢えた汝に、血を堪能させてやる」と宣言していた女王はキュロスの首を斬りおとして血液の入った容器の中に投げ込むといった話である。
マッサゲタイというのは遊牧民族のようだから衣装にしても最下段の絵やモノクロの版画の方がそれっぽいのではないかと思う。それにしても、女王様が部下の前で素っ裸ということはないだろうけど。首を入れる血の入った容器というのも、サロメのような平たい盆や皿ではなく、版画のような皮袋というのが元の記述らしい。したがって壺や深い入れ物であればサロメの絵ではないのである。最後のトミュリスは若すぎないかしらねェ。
Michiel van Coxcie Giovanni Antonio Pellegrini ? Jean-simon-Berthelemy
Pietro Ricch Antonio Zanchi
Giovanni Antonio Pellegrini 作者不詳 Mattia Preti
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