豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Salome 5 変容

2013年11月08日 | 今日の美女
グイド・レーニのサロメ
上段二枚と下段二枚を比べると同じ画家の描いた同一人物と見られるだろうか。
下段三枚目は、別画家 Michele De Subleo の描いたヘロディアスで、レーニの二枚目サロメと似てないだろうか。
もしレーニが本当にサロメとして描いたとしたら、下段のサロメは強い意志や憎悪の感情の持ち主のヘロディアスと重ね合わさった別のサロメとして描かれたように思えるがどうだろうか。
  

      


ペーテル・ルーベンスのサロメ 五点  下段では王女というよりオバちゃんぽくみえるのだが・・・
  

    

◎ こうした流れの中にさらに新たに加わったのがオスカー・ワイルド作、ビアズレー描く異様な雰囲気のサロメである。
 単にヘロディアスの娘とあるだけで母の陰の存在でしかなかった彼女が、ワイルドの戯曲では前面に出てきて、しかもヨハネ(戯曲ではヨナカーン)に想いを寄せるという直接的な関わりを持つこれまでには無かった性愛の要素が加わり、しかもその愛が拒絶されて王女としての誇りを傷つけられ、愛情と激しい憎悪の絡みのなかで、あくまでも相手を自分の意に従わせて自分の想いを遂げるべく、自ら求めたヨハネの首に口づけするという異常性を見せる女となって、以後のサロメ像が定着したと思われる。
 殊に日本では聖書を通してのサロメではなく、明治になってからのワイルドの演劇やリヒアルト・シュトラウスのオペラからのサロメ像が広まって、サロメといえばエロティック、サディスティックな悪美女の典型のイメージとなったのだろう。

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