おまけカードは、またまだ続くのだが、いったん中休みをとって別口。
女性三人をまとめた美人画は西洋も日本も多く見られる。
特に浮世絵では一人ずつ別々に描かれた三枚を並べて一作品としたものが多い。
ただ、それらも仔細に見るといくつかの形がある。
◎ それぞれはほとんど独立していて一枚ずつの単独作品になっている。
しかし、ポーズとか顔の向きや背景などによって並べ方にもちゃんと順序がある。
例えば、最初の豊国では国も時代も異なる「三美人」だからどのように並べてもよさそうだが、三者の姿勢ばかりではなく背景に注意すると「春の桜 夏の牡丹、秋の紅葉」になっていことからこう並べざるを得ない。季節順なら右からも可能だがそうなると両脇がそっぽを向いた並びになってしまう。
歌川豊国

菊川英山 「和歌三神(人麻呂とか住吉明神とか諸説あり)」のもじり

◎ 背景などに連続性があって三枚で横長のの一作品となるもの。個々の独立性は薄く、三者は対等同質である。
歌川豊国

貞斎泉晁

歌川国貞

鳥居清満 「深川娘三幅対」

喜多川歌麿 背景からすれば一連の作品だが、独立性は強い

歌川国郷 インド・日本・中国の異質のものをを比較対等に描いたもの。三枚揃わないと意味がない。

