豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

JUNO (HERA)

2019年09月05日 | 今日の美女

 

Luis Lopez-y-Piquer                Andrea Appiani

    

 

 神話最高の女神であり主役級のジュノーとは言ったが、話の中ではヒロインとなることはなく、むしろ歌舞伎でいう五枚目役、すなわち重要な役ながらもっぱら敵役、憎まれ役といったところだろうか。

 自尊心・嫉妬心の激しい神として、いつも浮気者のジュピター亭主に悩まされ、その怒りを相手女性に向ける話である。

 哀れなのは罪のない相手女性達で、ジュピターに惚れられたばかりに苦難を強いられることになる。そうしたヒロインの引き立たせ役がジュノーというわけである。

 

◎ カリスト

 カリストはダイアナの侍女だったがジュピターの子を身籠ったためダイアナから叱責され、更にジュノーから打擲され熊にされてしまう。

 その内容はダイアナの時にまとめてある。

 

  

 

◎ イオ

 イオも一度扱っているが、作品も少なかったので、違う作品で簡単におさらい。

 イオは河の神の娘で、ジュピターは妻の眼をごまかすために白い雌牛に変えた。お見通しのジュノーは知らぬふりで牛を貰いうける。

Gerbrand-van-den-Eeckhout

    

  「あーらお前さん、こんとこでなにしてんのさ」「イエ、ボク何も悪い事なんかしてませんよ」

Pieter_Lastman

 

「かわいい牛じゃない、わたしに下さるわね」「イエ、それが、ちょっとー」「いいじゃないの、ありがとさん」

David Teniers

 そして百の眼を持つアルゴスに厳重に見張らせた。 「いいかい、寝たりしたらご飯ぬきだよ 分ってるね」

Moyses van Wtenbrouck

  

 困ったジュピターはマーキュリー(ヘルメス)にアルゴス殺害を命じた。彼は策略でアルゴスを眠らせ首を切り落とした。

                                   Jacopo_Amigoni 「へぇ、旦那から言付かってめぇりやした」

  

 かくしてアルゴスを憐れんだジュノーは、アルゴスの眼を孔雀の羽根につけたんだとさ。

Gregorio de Ferrari                    Peter Paul Rubens

  

 

 


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