五連続二組。下町対山手、町娘対武家娘、カジュアル対フォーマル、ポピュラー対クラシックのクインテット競艶。
嘆きつつ・明けぬれば・かくとだに・君がため惜しからざりし・風をいたみ
各楽器 上 太鼓、鼓、鉦、笛、三味線
下 月琴、羯鼓、琵琶、木琴[当時の名称不明、インドネシア渡りのガンバンという楽器]、笙
なお、下の五点だけ大和絵などの雲、霞の紋様が用いられている。
有馬山・めぐりあひて・あらざらん・瀧の音は・忘れじの
ここから十番の背景には「杏葉牡丹」という家紋四個を円形にした紋様が使われる。
やすらはで ・ 大江山 ・ いにしへの ・ 夜をこめて
今はただ ・ 朝ぼらけ宇治の ・ うらみわび ・ もろともに
※ 註
下は木琴の浮世絵で歌麿作だというが歌麿らしくない。また手前に「本琴」の文字が見えるが「本」は「木」との取り違えではないか。
しかし日本人がこんな簡単な間違いをするだろうか。
右は「杏葉牡丹 ぎょうようぼたん」家紋の一例