女性が物思いに沈む姿を描いた「遥かなる思い」というタイトルの絵画をよく見かける。「遥か」とは空間的な距離の遠さだけではなく、、これまでの過去やこれからの未来の長い時間、その両方と様々であろうし、その対象も「恋人」とは限らず人以外の出来事とか場所など多様であろう。逆に同じような絵でも「失われし思い」とか「瞑想」「白昼夢」などと別なタイトルになっている。
ただ、この思いの対象が「遠くの恋人」とするのが一番美しさを感ずるのではなかろうか。
様々な理由で逢うことがかなわない悲しみや憧れは、絵ばかりではなく詩歌として、更に音楽としても扱われている。
伊勢物語の著名な「わが想ふ人はありやなしやと」と都鳥に問う段、ベートーベンの歌曲「遠くの恋人に寄す」など。
Rogelio de Eusquiza ・ Marcus Stone ・ Aaron Westerberg
Eugene Grasset 二点
Henry Bacon 三点