おもしろい生徒さんがいます。
何か一言指摘せずにはいられないようで。
今春、他の先生から引き継いだ生徒さんです。小学1年生。
今日は、不思議下巻のミケランジェロの章のレッスンでした。
ギターが得意というミケランジェロ。
しかし、ギターを弾くミケランジェロの絵はひとつもなく、あるのはフェンシング姿のミケランジェロ。
「どうして、ギターを弾く絵がなくてフェンシングの絵があるの?」
―「乗馬したらフェンシング、って歌にあるからじゃないの?」
「でも、ギターが得意って言ってるのにギターを弾く絵がないって」
ー「そうだね。私も変だと思うよ」
連弾曲集おとのくにへでは、”おほしさま、ありがとう”、”さみしがり屋のオレ”を弾きました。
「ありがとうって、なんで?なににありがとうって言ってんの?」
―「この曲を作った子の話じゃ、夜に星を見てたら急に、ありがとうって気持ちになったって言ってたよ」
「・・・」
ー「その日いいことがあったのかもしれないよ」
さみしがり屋のオレを弾く時に挿絵を指さして、この子の気持ちになって弾いて、と私は言いました。
どういうこと?という顔をしていたので、夕陽を見てるこの男の子がなんか寂しい気持ちになってるんじゃない?と話しました。
「なんで?」
ー「たとえば、夏休み最後の日で、明日から学校が始まるから、もう夏休み終わっちゃうのか~、と思っているとか」
「〇〇ちゃんはもう学校始まってるけど。木曜日から学校行ってる」
ー「そうね、〇〇ちゃんはもう学校始まってるけど、この子は明日から学校なんじゃない?」
「えっ、そんなとこあるの?」
話がだんだん逸れていきます
なのに私も私で、
ー「同じ東京でも、世田谷区は9月から学校だって。ここは学校始まるの早いみたいだよ」
「この子、学校でいじめられてるの?」
―「そういうのじゃないよ。もしかしたら、今日は友だちと遊ぶ約束してたけど、友だちが来れなくなっちゃって、さみしいなって思ってるかもしれない」
これでやっと納得した様子で、弾いてくれました。
しかも、雰囲気のある音で。
今日、スタッフから聞いた話では、この生徒さんは気分の浮き沈みが激しくレッスンが大変だったのだそうです。
私の所では今のところそのようなことはないので、ずいぶん安定したのかもしれません。
もしくは、突っ込みどころ満載の教本が彼女の良いはけ口になっているのかも・・
さみしがり屋のオレ挿絵