おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

好奇心っていい

2020年02月26日 | 楽譜の話題
先週のレッスンで面白いことがありました

不思議な音の国の後は「Die Russische Klavier Schule」を使っています。
良質な童話集のような内容です。
初めは外国の楽譜だし抵抗があるかもと思いましたが、思いの外大丈夫なようです。

amazonで手軽に買えてしまうことと表紙のクマさんの絵のおかげかもしれません。



これはドイツの楽譜です。
とーぜん、曲名もドイツ語です。調べなければわからない言葉もたくさんあります。

先週のレッスンで小2の生徒が楽譜をめくって曲名を読み始めました。
英語を習っているからと言って。

もちろん英語読みでは読めません。
「これは英語ならそう読むけど、ドイツ語はこう読むの」と読みました。

目につくものをどんどん自分で読もうとします。
その度に「こうだよ」と読みました。たまたま知っている言葉のものを選んでくれていたので意味を言いながら。

その時最後に「Die alte Wachtel」を彼女は「ディー」と読んだので、「すごいね、合ってるよ」と言いました。その後も読もうとしました。最後の「Wachtel」は3回聞き直しました。英語にも日本語にもない音が入っているからです。

4回目から真似し始めました。しかし同じ音になりません。
何度かその音を聴いては自分で「ちがうな」という顔で言い直し、ついに言えました。

こうなのです。
子供にドイツ語なんてムリムリと、読んだり聞き慣れない音を発音して聴かせなければこの経験はできなかったのです。

来週この読み方は忘れています。
それでも良いと思います。興味を持ったこと、試してみようと思ったことに意味があるので。

それにしても、発音しながら「Wachtel」ってなんだ?と私はズ~ッと思っていました。
生徒にはこの言葉の意味は知らないと言いました。知らないのに言っている自分も変だと思いながら。

帰って調べましたら「鶉(うずら)」

知るわけありません。
年老いた鶉だから「うずらおばあさん」ですか。


Amazonでのご注文はこちら↑
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンプルに考えて良いのでは

2020年02月25日 | 重力奏法
ピアノを弾く身体の使い方を知る必要があるのはなぜでしょう。

キレイな音で好きな曲を弾きたいからです。

そのための方法をレッスンで覚えてもらっているのです。
プロになるためにしているのではありません。しかし、プロになる道も開けています。

外国語を覚える時に海外でも通じるように、発音もできるだけその言葉のものに近付こうとすると思います。

それと同じです。
通じるようにしているだけです。何を?気持ちを、言いたいことを。

それを効率的に身に付けられるのがロシアンメソッドです。
その他の方法でもそれができれば良いわけです。しかし、その他の方法では私の経験では限られた人しか身に付けられません。

どちらを選ぶかです。

語学を一人で勉強してネイティヴと変わらないくらいになれる人もいれば、外国人の先生に発音を直してもらって覚える人もいます。

直してもらってもわからない人もいます、違いが分かっても発音できない人もいます。他の人の発音を聞いてマネている内にできるようになる人もいます。

発音がおかしいのに直さない先生がいたとしたら、正しいものを知らないか、教える気がないか、諦めているか、体調が悪いか?

そろそろピアノも音楽語で話せるように意識が変わってくれたらと思います。

語学とピアノはそっくりです。

さてさて、私の発音はどの程度のものかと書きながら思いました。
自分のことは棚に上げています
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感激!グネーシンソルフェ

2020年02月23日 | グネーシンソルフェージュ
久し振りにグネーシンのあのソルフェージュの話を。

こちらの動画
Evgenia Oskolova's Music Theory open lesson № 19


調性の感覚を付けるために即興でメロディーを生徒さんと作っています。15'30"~

これ、結構便利です。
私の場合は新しい調を覚える時や生徒が調号をポロポロ落とす時にこれをします。

1本指でも構わないと言ってその調のスケールをまずは弾いてもらいます。
そのあと2小節分即興でメロディーを私が弾き、続きを生徒に弾いてもらいます。

実は最初に作る方が楽なので、生徒が曲を終わらせられずにいる時は交替して最初に作ってもらいます。

するといつまでも弾き続けている生徒がいます。後半を作ってもらう時もそうなる生徒がいます。

グネーシンの動画では先生が何やら歌いながら弾いています。生徒さんが弾く時も歌われています。
これがあるとどこまで弾くのかわかります。

何か適当に歌詞を考えようかと思いましたが、どのような内容の歌にしているのか知りたいと思い、そのままにしておりました。

そうしましたら、なんと思いがけずロシア語がお分かりになる方に出会いまして、このグネーシンの動画の歌をどんな歌詞で歌っているのか知りたいとお伝えしましたら、お忙しい中、時間を作って訳してくださいました。

有難いことです。
歌ですし聞き取りにくかったと思います。

驚いたことに、同じ歌詞でどの生徒さんにも歌っているわけではないと。(訂正: 調性によって歌詞が異なるのだそうです)
そのうちの一つを教えていただきました。

「もし音符と仲良くすれば・・・歌が出来上がります」

韻を踏んでいるのではというお話でした。
他の歌を聴くと詩の断片のようだと。
(これも調性によって韻を踏んでいるもの、そうではないもの、詩の断片のようなもの、そうではないもの、と色々あるようで、何かの形に統一しているわけではないようです。)

調性は、単に調号を覚えれば良いというものではなく、調によって性格が異なるのでその点も考えた歌詞にしているかもしれません。

そこが気になっていたので勝手に歌詞を作らずにおりました。
音程もその性格によって考えられた歌になっていると思います。この動画のシリーズにはありませんが、Ⅴ→Ⅰの終止形は「お家に帰る」と歌うそうです。

お訊きして良かったです。
まさかこのような内容だとは想像していませんでした。

ロシアでは詩は最も高度な文学だそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おぼろげな記憶

2020年02月22日 | 重力奏法
ロシアンメソッドのことでずっと記憶の中にかすかにあるものが、自分のものなのか何かとすり替わっているのかよくわからずにいたことがあります。

今、生徒さんの手を持ってレッスンをしておりますが、手を預けるのがスンナリできる人もいれば、やっていく内に預けられるようになる人もいますし、3カ月の闘いの末預けられるようになったという人もいます。

生徒さんのこの様子を見ながら、何か自分もこんなことされた気がするとかすかに思っておりました。

私はスンナリ派ではありません。
先生が微妙な感じだったことは覚えています。それが何をした時だったのか定かではありませんでした。

その時の様子が急にじわじわ思い出されてきたのが、今日です。
ずっと思い出そうとしていたわけではなく、勝手に「あら?」と思い出された感じです。

ただ、それが実際にあったことかはわかりません。

私は見かけだけは器用に見えるらしいのですが、実際はけっこう不器用です。
人の何倍も試して人並みです。そのおかげで自分で試行錯誤する習慣がつきました。

その時も先生は私はスンナリできると思ってされた記憶があります。
ところが力が抜けず「何もしなくていいから」と言われた気がします。

学生の頃の話です。
私が一番長く、そして最後に師事した先生で、その恩師からは多くのことを教わりました。

恩師に最初に言われた言葉が「身体の使い方が分かったらもっと音が鳴る。それをレッスンでやりたい」

それを聞いた時に、ピアノを弾くのに身体の使い方なんてあるのかと思いました。
そんなに音が出ていない方ではありませんでしたし、指も動かない方ではありませんでした。

しかし先生は最初にそうおっしゃったのです。
私の知らない世界があるのだと思いました。

恩師には20年師事しましたが、結局習っていた頃は、せいぜい肘辺りまで広げられるくらいになり手首が以前より柔軟になった程度でした。

しかし、今自分で奏法をやり直して、「先生があの時教えて下さっていたのはこれだ!」と気付くことがボロボロ出てきています。
結局、腕をもっと根元から使う感覚がわからなかったのです。鍵盤のそばにいることにとらわれていたので肩から腕を持ち上げるところまで意識が向かなかったのです。

きっと先生は伝えて下さっていたのだと思いますが、私が自分の狭い感覚を広げられなかった、狭いとも思っていなかったと言う方が正しいでしょうか。

これを書いている間も、もっと自分の周りを広く使って、とおっしゃていたなと思い出します。
腕をもっと大きく使うとよく言われました。

先生はよく弾いて見せて下さいました。
その姿をよく覚えているので、私は今一人で多少なりとも探していけるのです。

学生の頃、その先生に最初からピアノを習ったら上手くなるだろうと思いました。
現に、副科でその先生の門下だった同級生がいるのですが、卒業前に初めてその人のレッスンを聴き、副科なのにバルトークの難しそうな曲を弾いていて(何の曲かわからないという知識のなさ)、指は回るわ、音は鳴るわで驚きました。

私のレッスンになった時に、「〇〇君、ピアノ科でも良かったんじゃないですか」と話しましたら、最初は大変だったそうです。インヴェンションなんて1秒に1音しか弾けなくて、いつ終わるのかという状態だったと。それが4年経ったらバルトークを見事に弾けるようになっているという・・

先生の根気にも驚きますが、それについて行った本人もスゴイ。
彼の方がその頃の私よりずっとピアノを弾く時の身体の使い方が分かっていたと思います。

まっさらに近いほど習得しやすく、そうではないほど時間がかかるのがこのメソッドです。

だから、諦めないでほしいと思います。
求めれば気付く時が来ます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシアンメソッドって何でしょう

2020年02月21日 | 重力奏法
ロシアンメソッドなるものでレッスンをするようになってそろそろ3年を迎えようとしています。

この「ロシアンメソッド」という言葉、どうやら解釈がひとつではなさそうです。

私の理解では「身体の重さを使った奏法、つまり重力奏法を子供たちにどう教え始めるか」をロシアンメソッドというと解釈しています。

ハイフィンガー奏法が一世を風靡していた時代はとうの昔に過ぎ去りました。現代では重力奏法が当たり前です。

日本はとうの昔に過ぎ去ったはずのものが現役な国なので、そう弾かざるを得ない教本がたくさんあります。

フランスではベロフ、ロジェ、ルヴィエ、ジャン=フィリップ・コラール等が十代前半~中頃に現代の奏法に切り替わっていきました。ロジェは元々その奏法だったので直す必要はなかったようですが。

ハイフィンガー奏法が主流だった頃、旧ソ連では既に身体の重みを使った奏法が使われていました。
何がハイフィンガーと異なるかと言えば音色の豊かさです。

大きな音も確かに出しやすいですが、それはガツンとした音ではなく、まろやかな響きを伴った音です。
狭いレッスン室で聴くとガツンとした音の方が大きく聞こえますが、ホールに行くと逆になります。
衝撃音で聴かせるのではないのです。

指だけでコントロールするより身体の様々な部分を使い分けられた方が音色が豊かになります。

その大元になる大きな筋肉を使ってまずは弾き始めましょうと考えたのが「ロシアンメソッド」と私は理解しています。

この方法で始めると誰でもそこそこ深い音で、タッチも使い分けられ、美しい音で弾けるようになってきます。それは、初めに力みのない腕、指、手首、それらを支える肩、指先を徹底して身に付けるからです。力みすぎも力まなすぎも上手くいきません。身体を支えるのは腰、足ですので、それもレッスン中に何度言うか数えられないくらい子供たちに言っています。

ここから先は様々なテクニックを覚えていきます。
それはパッセージを速く弾くことではなく、音色をどう作るかです。

水泳に詳しいわけではありませんが、まずは水に浮いて足の根元からバタ足ができるようにすること。
昔は水しぶきが多い方が良いとされていたそうですが、今は大きな筋肉を使うことで効率よく泳ぐように指導されているとか。シンクロの田中ウルヴェ京さんがそうお話しされていました。

ロシアピアニズムはおそらくロシア人がよくやる歌い方やフレージング、細やかな音色づくりといったことを指すのだと思います。
それはロシア人に教わった方が良いと思われます。
教わったところで同じようにはできません。音楽は育った環境や風土がどうしても表れます。
ロシアは広大ですしロシア人が皆同じように弾くこともないはずです。現に多くのピアニストが今の時代は楽派というものは既に存在しないと言っています。

以前オルガンを習っていた時に、音色や音の高さはそのオルガンのある土地に根差したものだと聞きました。音色だけではなく音の高ささえ土地によって異なるのは衝撃でした。絶対音感なんて持っていたらとても弾けません。ヨーロッパで絶対音感が重視されていない所以はそんなところにもあるのかもしれません。

どんな音で弾きたいか、それをどうやったら実現できるか、それは私自身も永遠に追い求めるのだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

賛成しかねますが

2020年02月20日 | 書籍紹介
前回、”「賢い子」に育てる究極のコツ”という本をご紹介いたしました。

この本に「音楽は幼いうちに始めた方が絶対いい」とあります。
音楽は、その人の好奇心と人生を一生涯を通じて豊かに広げてくれる。そのスタートは幼い頃に始めたピアノかもしれないからと。著者の方ご自身もそうなのだそうです。

このこと自体は素晴らしいと思います。

始める時期ですが、細かな運動(巧緻運動/こうちうんどう)、つまり器用な手先は3~5歳の時期に身に付きやすいからこの時期に始めるのが良いと。

五嶋みどりさん、五嶋龍さん、卓球の福原愛さん、体操の内村航平さんも3歳から始めていると。

内村さんはどうか存じ上げないのですが、五嶋さんたちや福原さんはお母様が毎日練習を徹底的に見てあげていたと思います。
その条件下なら3歳からでも良いのかもしれません。

しかし、多くの生徒さんは、この年齢で週に1度のレッスンでご家族にピアノ経験がない場合上手くいく例はほぼないと思います。

ピアノは左右で異なることをするので脳梁という神経線維を発達させ、脳と手をつなぐ錐体路(すいたいろ)の発達も見られると。

電子ピアノだったら比較的安価で手に入り、ピアノ教室も周りにたくさんある。そういった意味でも始めるハードルが比較的低い、とあります。

この考え方、全く賛成できません。
何のためにピアノを習うのか、脳のためなのか・・

人間の脳は後ろから発達して前から壊れていくそうです。

後頭葉(視覚情報)→側頭葉(聴覚)→頭頂葉(空間認知、触感、体の動き)→前頭葉(記憶、思考、判断力、コミュニケーション力)の順に発達するそうです。

視覚、聴覚は0歳から、運動は3~5歳、コミュニケーション力は10歳~思春期に発達するそうです。

さて、ロシアンメソッドでレッスンをしているとわかると思いますが、4歳半の生徒さんでも指先はクネクネです。本人も何のために指先を強く保つのかわからないと思います。

ところが5歳近くになると急に手がしっかりしてきます。
こうなると弾きやすくなります。年長さんでもクネクネだなと思っていたらあっという間に指先がしっかりしてきます。
指先を強く保ち腕の重さを使うことを教えられてこなかった生徒さんは、7歳になっても8歳になってもクネクネです。当然音質はよくありません。

脳のことだけで手軽にピアノレッスンを勧められると教える側は正直迷惑です。
海外のピアニストの多くは5歳からピアノを習い始めています。

3歳からというピアニストも稀にいますが、それは親御さんがピアニストだったりピアノ教師だったりする場合です。
環境によって始めるのに適した年齢は存在すると思います。

小さいうちは、家庭で音楽を聴くだけで十分だと思っています。

そういえば、年中の生徒さんの生後3か月の弟がお母様と一緒にレッスン室に入っているのですが、この弟が、少し前まで高音の音はスヤスヤしていても中音域を大きく弾かれるとグズリ始めていました。

それで私も大きく弾けなくてとても控え目な音で弾いておりました。
ところが先週、指でかつかつ弾いたら「ンン~」と呻き、肩から重さを使って深く柔らかく弾きましたらその声がピタリと止みました。

0歳児聴覚発達中です。

それから、CDの伴奏をかけた時に音量が大きくなっていたことがあり、ビックリしてしゃっくりが出始めたこともありました。

いやいや、申し訳ない。驚かせてしまいました・・

この本、先程の内容は賛成できませんが、その他は良いことが書かれています。
何より心強かったことは「子どもの能力が伸びるのも伸びないのも、親の関わり方次第です」という言葉。

イリーナ先生も「子供の成長は親次第」とおっしゃっています。
もちろんピアノレッスンは親御さんと教師の両方の翼あってこそです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

題名は気に入りませんが

2020年02月19日 | 書籍紹介
この本の題名は趣味ではありませんが、音楽関係のことも書かれているらしいので読み始めました。

脳医学者の方が書いた本です。
最近の研究から「ぐんぐん伸びる子の条件」が見えてきたそうです。

単に「成績が良い子」というのは必ずどこかで限界が来る。
好きなことに取り組んだ子供は自分で自分の力を伸ばしていくことができる。
どんな子供でも何歳からでも親の働きかけ次第で賢く育つ。

この本には子供に図鑑を与えると良いと書かれています。
しかし、図鑑を渡すだけではダメだと。

子供のなぜ?(好奇心)に親が答えてあげる、できる範囲で良いからと。
一緒に調べるのも良いし、時間がない時は「忙しいからムリ!」ではなく、調べてお母さんにあとで教えてねでも良いと。

この本では図鑑を勧めているので「親も図鑑が好き」というのを何らかの形で示してあげる、とあります。親も図鑑を楽しそうに見るとか。
家は女の子だから図鑑はいらないのではと考えてしまうと、子供の未来を狭めることになりかねないと。

それから、この言葉は知らないはずだからとか子供には難しすぎるだろうと知識を制限する必要はないと。子供の好奇心に制限をかけると親の反応に子供は敏感なので、「このくらいでいい」と自分に制限をかけるようになると。

結局、音楽も同じで、楽器の経験のない親御さんが自分はわからないから教えられないとか、「〇〇ちゃん、お母さん(お父さん)はわからないから宿題一人でやってね」は絶対に禁句です。

わからなければ一緒にレッスン室に入って覚えれば良いし、一緒に来られなければご家庭で好きな音楽を一緒に聴いても良いし、思い切って音楽会(子供を対象にした音楽会が23区では年に1回は開催されていることが多いです)に出掛けても良いわけです。

レッスンにだけ通わせておしまいでは、長続きしません。
しかし、親御さんが関わり過ぎてもうまくいきません。

一緒に覚えようとするご家庭が一番うまくいきます。
子供の方がすぐに大人を追い越します。そうしたらお子さんのファンになれば良いのです。

音楽の専門家になるわけではないからこのくらいで良いと考えるご家庭は多いです。
音楽家になれる人なんてほんの一握りですのでそのような心配はいらないのですが、私はできるだけどの生徒にも本物を身に付けてもらいたいと思っています。

難しい曲が弾けるという意味ではありません。
そこにある音楽を理解して心の伝わる音で演奏する、そうしたいと精一杯やる、それで良いと思っています。私だって大した演奏はできません。ただ、いつもその時にできる精一杯のことをしようと思っています。

脳には「汎化(はんか)」という特徴があるそうです。
何か一つの能力が伸びると、それに直接関係しない部分の能力も伸びていくのだそうです。

子供の好奇心を育てるためには親にはある程度の努力が求められるが、必ず、かけた手間と努力以上の子供の成長となって戻ってくるはずとあります。

保護者の方におススメの本としていかがでしょうか。
https://amzn.to/3Gld0Le
16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2016/4/13 瀧 靖之 (著)



そういえば、今日のレッスンで「学校で伴奏を任された。来月の初めに合わせるので、今月中に弾けるようにしなければいけなくなった」という生徒さんがいました。

なんて名誉なことでしょう。初めて伴奏を任された生徒さんです。
その話をしにご両親揃って来てくださいました。いつもはお母様が送り迎えをされるのですが、今日はお父様も一緒にいらっしゃいました。

こういうことなのです。ご両親でお子様を応援する姿。これが頑張ろう!という気持ちにさせるのです。
子供に、自分で先生に言ってではなく、ご両親でこのような事情ですがお願いしたいと言いに来てくださった。この姿を見たら本人だって「やるぞ!」と頑張れますし、私だって「ヨーシッ!」と気合が入ります!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発表会、これも嬉しい

2020年02月13日 | 重力奏法
発表会の後はレッスンを1回お休みにすることが多いのですが、お休みにできなかった曜日がありました。

その曜日の生徒さんで「自分が弾いた曲がたくさんあって嬉しかった」と言った小5の女の子がいました。

ん?どういう意味だろう?と、訊いてみましたら、

「今まで発表会やレッスンで弾いた曲がたくさんあった」と。

そうなのです。私はこの2年、レッスンで弾く曲も発表会で弾く曲も同じにしているのです。
レッスンで何人もの生徒さんが弾いた曲を発表会で弾く生徒さんがいるようにしています。

発表会ではその生徒さんにとって少しだけ難しいものを弾いてもらっています。
前年の発表会で弾いた曲を翌年に他の人が弾く、発表会で聴いた曲をレッスンで弾く。

こうしていけばアニメやJポップ,ボカロではなくとも知っている曲になります。

なのでレッスンの選曲も魅力のあるものを心掛けています。
曲調が偏らないようにもしています。
美しい音で弾かなければ魅力的に聞こえないものにもしています。

私は楽器店で教えているので複数の先生方と組みます。
組み合わせによってディズニーとJポップしかないような部もあります。そうかと思えばクラシックの曲が大半を占め、ポピュラー系が1曲ということもあります。

自分の生徒を全員同じ日には組んでもらえないので、生徒さん同士がお互いの成長を見ることができないのがいつも残念です。

誰がどの先生に習っているかもわからないようになっているので、発表会で自分が弾いた曲に出会えることで生徒さん同士が何かつながっている気持ちになってくれたら私も嬉しいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マエストロ・プロフォンド

2020年02月12日 | 書籍紹介
10数年前に生徒さん全員にこのようなものを渡しました。





これを作った当時のパソコンがだいぶ前に壊れてしまい、自分の分を印刷していないと思っていたので何を書いたかよく覚えておりませんでした。

最近この内容が気になり、大人の生徒さんでまだ持っているという方がいらっしゃるのでお借りしようかと思っておりました。

ところが、先程ひょっこり見つかりました。

内容が素晴らしい!
これは、とーぜん私が考えたものではなく、本にある言葉です。

東京文化会館の資料室に行った時にこの本が目に留まり、メモしたものです。

すてきにピアノ 第2巻 (日本語) 楽譜 – 1998/12/10
ピーター コラッジオ (著), エリザベス・恵莉子・コラッジオ (翻訳)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コパチェフスキー来日

2020年02月11日 | コンサート情報
昨年のチャイコフスキーコンクールで知ったモスクワ出身のコパチェフスキーが3月に来日するそうです。

3月7日(土)宗次ホール
3月8日(日)ヤマハホール

ク~ッ、またしても行けません・・
翌週発表会があり、休めません。
マスレエフのリサイタルに引き続き残念無念・・夜なら行けるのにと個人的な都合を言っても始まりませんが残念過ぎます。

これは、ロシアに行きなさいというお告げか

OGPイメージ

2020.3.8(Sun) フィリップ・コパチェフスキー ピアノ・リサイタル Philipp Kopachevsky Piano Recital | Concerts | MCS Young Artists

フィリップ・コパチェフスキー ピアノ・リサイタル 日時:2020年3月8日 (日) 14:00開演 [13:30開場] 会場:ヤマハホール(...

MCS Young Artists

 


ショパンコンクールの予備予選が延期になるかもしれないとのこと。
コパチェフスキーのプログラムがオールショパンなので、思い出しました。
https://chopin2020.pl/en/article/18/suspended-ticket-sales-for-eliminations-?fbclid=IwAR1KSNuqRZu0vP-mmYZap-6ezTX5XjVZ_QiYrW-730LIdN2ua0r5T4mILDY

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早く気付いておけば良かった··

2020年02月11日 | コンサート情報
海外の名門バレエスクールのガラ公演があるそうです。

次の6校の生徒さんたちが来日するとのこと。

ロイヤルバレエスクール、ハンブルクバレエ学校 、ベルリン国立バレエ学校、サンフランシスコバレエスクール、ローザンヌバレエアカデミー、ワガノワバレエアカデミー

きっと国によって特徴があるのだと思います。
どんな美がそれぞれの国にあるのか興味があります。

なのにレッスンがあるので行けません··

サンクトペテルブルクのワガノワバレエアカデミーは、10歳で入学18歳で卒業なのだそうです。進級試験に合格しなければ即退学。創設1738年、ロシア最古のバレエ学校だそうです。

1738年··
そんな昔からバレエ学校があったとは驚きました。
ハイドンが1732年生まれです。

ついでにバレエの歴史を調べてみましたら、発祥はイタリア。
宮廷でバロと言われていたもののようで、フィギュアスケートのコンパルソリーのようなものかと。床に図形を描くのをバルコニーから貴族たちが眺めて楽しんだそうで。

100年位経ってメディチ家からフランスにお嫁に行ったカトリーヌさんによってフランスにバレエがもたらされたそうです。フランス革命辺りで妖精や悪魔が登場するロマンチックバレエができ、それが現在踊られているバレエの最古の形式だそうで。「ラ·シルフィード」「ジゼル」「コッペリア」がそれです。しかし、バレエは低俗化しフランスでは衰退。

ロシアにはフランスから宮廷バレエが伝わり、ロマンチックバレエが踊り続けられ、その後独自の発展をしクラシックバレエができたそうです。技法が複雑になり、これが現在のバレエ構成となっているそうです。チャイコフスキーの一連のバレエ曲がそうです。

モダンバレエもアメリカ人に刺激を受け、確立したのはロシア人。
ニジンスキーの「牧神の午後」「春の祭典」の振り付けは有名です。

バレエでもロシアは後進国だったとは··
真似るだけではなく、そこから発展させる才能がこの国にはあるようで。
音楽もフランスやドイツから学び、独自の芸術を発展させました。自分達のものを持ちたいと思ったのかもしれません。


「ワガノワ・世界一過酷で美しいバレエ学校の世界~ロシアが誇る伝統の“くるみ割り人形”が日本へ~」Bunkamura オーチャード・バレエ・ガラ特別映像
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年ひとつ目の発表会

2020年02月09日 | 重力奏法
本日、今年最初の発表会がありました。

ロシアンメソッドでレッスンをするようになって2回目の発表会です。

このメソッドにする前より生徒たちの音が良くなっていることは確かです。
しかし、もっと音が鳴っていいはずなのにな、と少々不満が残りました。

緊張のせいもあると思いますが、息をしっかりと吸って腕を十分にリラックスさせストンと落とすことが十分にできぬまま弾き終えてしまう生徒さんが多かったです。

やはり形だけではなく呼吸することをもっと習慣化する必要があると思いました。

緊張するとゆっくりと息が吸えなくなると思いますが、レッスンの時だけではなく練習の時から呼吸とリラックスした腕が実行できていれば、お客様の前に出ても当たり前にできるはずです。

ところで、ひとつとても嬉しく思ったことがあります。
どの生徒さんも音楽を表現しようとしていたことが伝わってきたことです。ただ弾けばいいと弾いた生徒さんは一人もいませんでした。

これは大きな前進です。

このメソッドに変えてこれまでと全く違うことは、どんな音で弾きたいか、それはそこにどんな音楽があるからそうしたいかをレッスンで一緒に考えていくことが当たり前になったことです。

”音を作り出す”、何のためにそうするのか、その大事なことをこれまでまともに教えてきませんでした。
誰にでもそれを教えられるとは思っていなかったからです。進みが早く音楽に興味がある生徒にしかそれはできないと思っていました。いくらやっても音も気持ちも通じなかったからです。

しかし、「不思議な音の国」で育った生徒さんは違います。

スタートを間違えなければ子供たちはちゃんと成長できます。

今日はそれを改めて実感した日でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

間違えてません?

2020年02月07日 | 重力奏法
「ロシアンメソッド」はノンレガートから始めますが、ただ切ればいいのがロシアンメソッドだと勘違いされている先生がいらっしゃるかもしれません。

先月1カ月だけ年長の生徒さんがお母様が実家に帰るというのでそちらの教室に移動してレッスンを受けました。

昨年10月からレッスンを始めたので、まだノンレガートで弾いています。
不思議の教本はご存知ない先生のようでしたので、レガートだけ避けていただければあとは自由にレッスンしていただいて構わないと伝えました。

教本は持たずに帰省されたので、その先生が手持ちの楽譜をお持ちくださりレッスンしてくださったようです。

さて、1カ月ぶりに今週レッスンがありました。

ロシアンメソッドのノンレガートでレッスンしましたとその先生からのコメントにありました。

不思議な音の国の「おうさま すんでる まんなかの ド~」と「ぼくらは へいし~ おとのくにを まもる~」をやりました。

指先がふにゃふにゃになっていました。
これは珍しいことではないので手を持って一緒にやりました。

「おうさま すんでる~」は指を「234」と変えていきます。音は「ド」だけです。
一音弾いたら必ず手をリラックスさせて次の音でまた重さを載せて弾きます。

指をただ変えればよいのではなく、一音ずつ手首から手を持ち上げます。

ここまで進んでくるとほとんどの生徒さんは鍵盤上でただ指を変えることはしないのですが、1カ月ぶりに会ったこの生徒さん、指をただ変えていただけでした。

まずい・・

この弾き方で1カ月間OKだったってことかな・・
それとも、ちゃんとしてくださったのにこう弾いてしまうのか・・

結局、ずっと手を持ってこの日はレッスンしました。
「1こひいたら、てくびダラ~ンだよ」

指先もふにゃふにゃにしていたのでイリーナ先生直伝の「指ぬき」を使いました。
イリーナ先生は「指のブーツ」とおっしゃっているとか。

これをしたままピアノは弾けないのですが、指ぬきの中で自分の指がクネッとしていないのを知ってもらうのです。
このクネッとしない指でピアノを弾くんだと知ってもらうのです。

前回ご紹介した「3びきのこぶた」を弾いている生徒さんもずっと指先がクネッと反り返っていました。この生徒さんにも気になった時に指のブーツをつけてもらいました。

1カ月ぶりの生徒さん、ずっと手を持ってレッスンをしていたら最後の方で弾き方が戻ってきました。

今回のことでもしやと思ったのは、ロシアンメソッドがノンレガートでレッスンを始めると話だけご存知の方が、実際にどう手を使うかを教えているのをご存知なく、一音一音弾けばいいと単純に思っている可能性があるのではないか、と。

Piano Lesson in Progress.


指のブーツ。子供はこのサイズNo.0で第1関節も余裕で入ります。 私はムリッ



Clover シンブルNo.0 クロバー(Clover)
画像をクリックしていただくとamazonサイトが見られます。

追加:
ロシアンメソッド ノンレガート

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピーター・ゼルキンさん

2020年02月02日 | コンサート情報
なんて悲しいことでしょう。

1週間ほど前にこちらの動画を見ておりました。

シューマンって心の優しい人だなとピーター・ゼルキンさんの演奏を聴いてしみじみ思っておりました。

あまり聴いてこなかったピアニストなのですが、この演奏を聴いて良い演奏家だなと思いました。

そのピーターさんが昨日お亡くなりになったそうです。

私はお父様のルドルフ・ゼルキンさんが好きで、高校生の時にたまたま見たベートーヴェンの皇帝の演奏が今も忘れられないのです。

昔は日曜日の夜遅くに教育テレビでクラシックの番組が放送されていました。
いつも最初だけ見て、興味のない曲だと見てはおりませんでした。

その時も「なんだ、コンチェルトか。ベートーヴェンの皇帝?どんな曲かあまり知らないな」と、当時はロマン派なら聴くけど・・と興味が偏っておりましたので、さほど聴く気はなかったのです。

ところが、始まったとたん釘付けでした・・
もう何が凄いのかわかりませんでしたが、身動きもできないくらい聴き入ってしまい、演奏が終わると拍手せずにはいられず、夜も遅く家族は皆就寝していたので、大きな音にならないようにもの凄い拍手をゼルキンさんに送っていました。

翌日、驚いたことに、高校のクラスメイトでクィーンが好きでクラシック音楽には全く興味がないという子が「昨日のピアノの演奏は凄かった。あれはホントに良かった」と言うので、番組を見たことにも驚きましたが、その演奏が凄いと感じたことにも驚きました。

どれだけゼルキンさんの演奏に惹きつけるものがあったかです。

ルドルフ・ゼルキンさんのあのひたむきな集中力、ただただ音楽に向き合っていたあの姿が今も忘れられません。
私の中ではあの演奏が今も一番心に残っている演奏です。

生で聴きたいと思っておりましたが、やっとのことで買えたチケットはご自宅前での転倒でキャンセルになり、その後まもなく亡くなりました。

そして、息子さんも天国に。

息子さんがまだゼルキンさんと現世をつないでいて下さっていた感覚だったので、本当に遠くにいってしまった気がします・・

合掌

Schumann: Waldszenen, Op. 82 | Peter Serkin
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする