おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

はぁ~、違うものです

2019年05月30日 | 重力奏法
小6の生徒さんに2週間前のレッスンで「すずめ」という曲を宿題に出しました。

こんな曲です。すずめ
こちらの演奏は他の生徒さんのものです。こんなヒラヒラさせなくても良いのですがこれを録画した時にはまだヒラヒラが直せていませんでした。こちらの生徒さんは先週「不思議上巻」を修了しました。

この曲はピアノを始めて6~8カ月の生徒さんに弾いてもらっています。
ノンレガートの時期に弾けます。カエルでスタッカートと1ヶ所だけある2音のレガートでお猿のスイングを練習すると弾くことができます。

先々週宿題にした小6の生徒さん。
グループレッスン出身で小4からピアノの個人レッスンを始めました。5年生になる時に他の先生から引き継ぎました。
ピアノドリームを使っていたのでそのまま継続して使いました。
ずっと右手でメロディ、左手で伴奏の形で曲も退屈でした。

そのまま使ってはいましたが6年生です。このスタイルを継続していてはこれで終わってしまう可能性があります。
このスタイルは終わりにしたいと思いました。

そこで、スタッカートで手首が上手く使えないこともあり「すずめ」を渡しました。
譜読みは難しくありません。

先週学校行事でお休みしたので今日がこの曲の初回でした。
スタッカートのために選んだのですが、それどころではありませんでした。
1拍弾くのにエラく時間がかかりそれが最後まで続きました。
聴いて覚えるだけでもこれまでの生徒はあっさり覚えていたのでこの事態に驚きました。

どうしてこんなことになるのか・・
思い当たるのは右手はメロディ、左手は伴奏。そのスタイルしか弾いて来なかったからです。

ここでもメソッドがどんなに重要か知ったのでした。
様々な曲のスタイルを弾くことができる可能性をメソッドによって潰してはいけない。
進みが速い生徒さんは問題がなくても、そうではない生徒さんは決まったパターンの曲しか弾けなくなります。

ロシアの楽譜にある「すずめ」の挿絵です。
解説によると「猫がすずめに近付いているのを見て男の子が危ないよと教えに行っている」のだそうで。
男の子が近付いているらしき場面の音が完全4度の連続です。この音程は呼びかけを表わす特性を持っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ずっとほしかった楽譜

2019年05月28日 | 楽譜の話題
ずっとほしかったガヴリーリンの連弾曲集が届きました。

もの凄いハードカバーです。
学生の頃に新バッハ全集で見たっきりのハードカバーです。
なんだか神聖な気持ちになります。


収録曲を見ると、これもあれも弾いてみたい!と思わせるものばかりです。
しかも思ったより難しくなく中級の生徒さんでも弾けるものがあります。
ソナチネ程度のものが多いです。
あくまで譜読みがたいへんではない気がするだけで、合わせがどうかはわかりません。

こんな曲調です。

エキゾチックです。ちょっと毒があっていいです。
こちらの生徒さんたちはイリーナ先生のお友達のTania Kozlova先生のお弟子さんです。

他にこんな曲もあります。

「Little Clock」は中級の生徒さんとすぐ弾けると思います。
しかも5ページで短いです。





面白い曲が多いです。
また世界が広がりました!

まっ、知らなかっただけですが
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「不思議な音の国」の魔法

2019年05月27日 | 不思議な音の国
この教本の魔法の一つをご紹介します。

この教本を上巻から使っている生徒さんは、4分音符、2分音符、全音符の名前と長さをこの本で初めて登場した時にすぐに覚えられます。

すぐにと言っても見た瞬間ではなく、翌週か翌々週には覚えてくるということです。
年少さんでもです。
しかも「覚えてきて!」とは一言も言っていません。
ノートに100回書きましょうなどどいう原始的なこともしていません。
私はワークには否定的なのでそれも使っていません。

教本にあるのは四角の中に5回ずつそれらを書くことだけです。

なのに皆、覚えられるのです。
てっきりお母様が家でビシバシ教え込んでいるのかと思っていました。

ところがどなたもそんなことはしていないと。
横で「あら、覚えたの?」とお母様が驚かれています。

なぜでしょう。

ここにこの教本の魔法が!

これらのリズムが初登場するページにリズム王子がリズム研究所にこもって長いリズムを発明しようとする話があります。

これか!と思い、下巻から始めた生徒やそれ以外の教本を使っている生徒にもこの話をしました。
しかし、誰も覚えません・・

なぜだ、何が違う・・

恐らく違いはこれです

ここに至るまでの経験です。

この教本は初めから楽譜にはなっていません。

階段状になったものを弾く、白丸黒丸のリズム打ち、階段と白黒丸が合体、階段が1本線に変わりそこにある丸の位置を見て弾く、そこに白丸黒丸が加わる。

5線になってもまだ白黒の丸のままです。それが「レ」を覚えて3曲弾いたところで初めて4分音符、2分音符、全音符として登場します。

この経験なのです。やっと正体をここで知るのです。
年少の生徒さんでも2週間でこれらの名前や長さを自然に覚えられるのはずっと謎の白黒丸だったからです。

急がないけれど、結局は近道なのです。
遠回りだと思ったことが実は一番の近道だった。

と、イチローさんも言っています。

ピアノを始めて1年経たなくともゲディケ「小さなハンゼンの踊り」「リゴードン」、シュタイベルト「アダージョ」が響きを伴った音で音楽的に弾けます。

1年で年長さんや小学1年生の生徒さんが「ちょうちょう」「チューリップ」「ぶんぶんぶん」「かえるのうた」「ミッキーマウスマーチ」、もう少し進んでも「気のいいがちょう」を弾くのを発表会でよく耳にしました。
しかも音質も良くありません。

音楽の内容を比べてみて下さい。

ノンレガートで始めて、楽譜らしきものも初めはなかなか登場しないのに、1年経たずにこれだけの差が出ます。
普通の子達です。

私のこれまでの経験ではこのようなことはありませんでした。

結局これが近道。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「不思議な音の国」の歌

2019年05月26日 | 不思議な音の国
私は子供の教本にある曲を歌詞で歌うことがほぼない人間なのですが、不思議な音の国は歌ってしまうのです。

なぜなら、楽しい、面白い、そして意味があるからです。

初めは今まで通り音名で歌っているだけでした。
ところが余裕が出てきてよく見てみると、新しい音を覚えるための歌だったり、物語に関係した歌だったりすることに気付きました。意味のあるものだったのです。

これまで他の教本ではその歌詞で歌う意味を感じなかったので音名で歌うだけで済ませていました。

さて、なぜ急にこの話を書いたかと申しますと、指の癖が強く保護者のご協力も得られず、私一人ではもう直せないとサジを投げようと思っていた生徒が、4月の発表会後私の話を素直に聞き始めたのです。

先週、今練習している2曲の他に復習で7曲選んで弾いてきてという宿題を出しました。(7歳なので7曲)

今週、しっかり選んで弾いてきました。
その時に全曲歌いながら弾いていたのです。下巻になると歌いながらでは難しい曲もあると思うのですがこの本の歌が好きだと言って歌っていました。

1曲だけ歌いながらでは少し難しい曲がありました。
黙って聞いていたら、「歌って」と言います。「わかった、歌う」と言って<ちいさなネズミ>を歌いました。でも横で歌っていたらその生徒さんも結局歌いながら弾けていました。

手がモンスターのカギ爪状態の生徒ですが、発表会後少し変わってきました。
レッスンは同じバレエ教室に通う1歳年下の生徒さんと時間が続いています。
その生徒さんも同じところまで進んでいます。

2人ともねずみの前の<シェフのドナルド>の歌が好きだと言っていました。
1歳年下の生徒さんはお家でこの歌をずっと歌っているとお母様がおっしゃっていました。何で好きかわからないと・・
「○○ちゃんもさっきこの曲好きって歌っていました。」と言いましたら、「子供はこの曲が好きなんですね。」と。

私もこの教本がどんどん好きになります。
なんだか愛着がわいてきます。
この教本には人や動物の思いやりの気持ちがあります。無意味に曲が並んでいるのではないのです。

グネーシンのソルフェージュの動画を見て音程の特性を歌で覚えるようにしたいと思っていました。
はじめの一歩から選曲し準備はしてあるのですがなかなか使い出せずにいます。
今日この2人のレッスンを見ていて「不思議」から選曲した方が生徒も私も馴染みがあってやりやすいと思いました。

さあ、工作の時間です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不思議下巻が終わると弾けます

2019年05月24日 | 不思議な音の国
ロシアンメソッドに変えて生徒の曲のレパートリーが広がるのが速くて驚いています。

ピアノを始めて1年経ってもピアノの真ん中しか弾かないということはザラにありました。
音が読める範囲でしか弾かせなかったからです。
それと腕や手首の使い方を十分に教えてこなかったからです。

音が読めるようになって余裕ができたら手の使い方をやらなければとても無理と考えていました。
しかしその頃には弾き方が固まってしまっていて、生徒が自分で出す音に慣れてしまい、それがピアノの音、これで何がいけないの?という具合でした。

このストレス・・
毎日限界だと思いながら我慢しておりました。

それがロシアンメソッドのおかげで救われました。
音の鳴らし方、腕・手首の使い方、指先の注意、音質の良し悪しを初めから徹底して教えていきますので、たとえ聞き覚えで少し難しい曲でも良い音で音楽を表現することができます。
音をただ弾くということにはならないのです。

さて本日ご紹介したいのは「不思議下巻」が終わったら、というより終わりに近付いたら絶対に弾ける曲をご紹介します。

実は以前にも紹介したのですがエレナ・コッブさんの「HIGGLEDY PIGGLEDY JAZZ」です。
ジャズバンドの伴奏と一緒に弾ける楽しい曲です。

この中の「Super Duck」を弾いているイリーナ先生の動画があります。


他の曲は「不思議下巻」が終わってすぐに弾けないかもしれませんが、下巻からピアノをやり直した生徒さんでしたら弾ける曲がわりとあります。
5~95歳まで弾ける曲集らしいので、1冊あると便利です。
(楽譜には95歳とありますが、エレナさんの販売サイトでは75歳となっています)

テキスト&オーディオファイル

私はオーディオダウンロードだけこちらでして、楽譜はアマゾンで買いました。
購入したアマゾンを先程見ましたら在庫なしになっておりました。
エレナさんのサイトで全て購入しようと思ったのですが、やたら高かったので別々に買いました。

1年4か月前の話ですので状況が変わったのか記憶違いなのか、今見るとテキストとオーディオファイルがセットになっていても£ 14.95です。送料が加わりますのでこれより高くなりますが、私が見た時にはセットになったものがもっと高かったと思います。

ご興味がございましたら取り寄せてみて下さい。
乗りの良い曲で手の使い方も覚えられ、コード進行の感覚も覚えられます。
Time to catch a train
Higgledy Piggledy Jazz
Peony Pink
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舘野泉さんの言葉

2019年05月23日 | コンサート情報
少し前に受講したセミナーで、ピアニストの舘野泉さんが話されていたことでとても心に残ったことがあります。

舘野さんのお弟子さんだった方が講師を務められたセミナーでした。

舘野さんは「僕はピアノの教え方がわからないんですよ」

しかし、お弟子さんは「先生はそうおっしゃいますけど、レッスンの時に僕はこの曲のここが好きだとよく弾いてくださった。それを聴いているだけで学ぶことがたくさんあった」と。

これを聞いてイスラエルの名教師アリエ・ヴァルディ氏のこの言葉を思い出していました。

「飛べない鳥に飛び方を教えるのも必要だけどそれは重要な仕事ではない。飛び方を教えるのではなく、飛んだ時に見える景色がどんなに素晴らしいかを教えるのが先生だ」

素晴らしい景色が見せられるように学び続けなければ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽との初めての出会い 入手法

2019年05月22日 | 楽譜の話題
ロシアで最初に使われるというこちらのテキスト。

「音楽との初めての出会い」です。

PDFでダウンロードもできますが現物がほしい場合はこちらで注文できます。
Abebooks.co.uk

サイトの上にある赤い本も同じ内容ですがこちらは絵がありません。
(緑の本は取り扱いがなくなったかもしれません)

注文するとすぐに「Your Order has been Received 」のメールが来ます。
注文した時に支払い手続きをしてなかった気がすると思い「???」でした。
よく読むと商品が確保できたら知らせると。

大丈夫かなと思っておりましたら2日後に
「Thanks a lot for your order!
You have purchased a product from the Finnish bookstore Ruslania.
We are based in Helsinki.
We have now registered you as a customer.」

さらに同じ日に
「Ruslania has processed the following order and has put the book(s) on hold for you. The bookseller will contact you to confirm the charge and to arrange for payment.
Contact information for the bookseller is provided at the end of this e-mail. Orders are normally shipped within 2 business days of order processing.」

なんだ、どうしたらいいんだ。
どうやって支払うのかと思っておりましたら翌日、
「Ruslania Books Ltd sent you a money request 」
pay nowをクリックし支払い完了。
「Ruslania Books Ltd様への支払いがありました」とメールも来ました。

少し不安になるシステムですがちゃんと届きました。
支払い完了後1週間以内に届いたように思います。予定では1カ月後だったのですが・・

PDFダウンロードはこちら
Первая встреча с музыкой

このテキストの解説が素晴らしいのです。
「冬」という曲。<森の中からオオカミの声が聞こえる>とあります。
私の貧困な発想ではそこまで思いつきません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガヴリリュク放送されます!

2019年05月22日 | コンサート情報
2月にガヴリリュクが代役で出演したN響の定期演奏会。

6月に放送されます!

2019年6月2日(日) 9:00pm ~ 11:00pm
NHK Eテレ クラシック音楽館

「第1907回 定期公演 Cプログラム」
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
プロコフィエフ/交響曲 第6番 変ホ短調 作品111
指揮 : パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ : アレクサンダー・ガヴリリュク

諦めていました。
まさか放送されるなんて・・嬉しすぎますっ

演奏会当日、ライブでラジオ放送はされていたのですがそれも知りませんでした。
海外ではアーカイブでしばらくラジオ放送は聴けるのですが日本はまずそのようなことはありません。

昨日何気に、2015年のチャイコン上位入賞者のフランスでのコンサートを聴いてみましたら、まだやっていました。
4年近く前の放送です。

ガヴ殿録画します!!

こちらはプロムスの3番です。

Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 in D minor - Alexander Gavrylyuk - BBC Proms 2017

そういえば今年初めて開催される日本でのBBCプロムスでこちらの指揮者の方が来日されます。

こちらは以前に書いたガヴ殿の記事です。アレクサンダー・ガヴリリュクピアノリサイタル2016年7月14日
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分のために

2019年05月21日 | 楽譜の話題
もう楽譜は買わない気でいたのですが、この1年で海外の楽譜を随分買ってしまいました。

生徒さん用です・・

興味深い楽譜がたくさんありますが、色々探していたらこのようなものを見つけました。


ロシアやその近隣国の子供の演奏を聴くと9歳10歳でオクターブが続くものを弾いているので、手を広げる訓練も何かしらしているのではと推測しています。

ピレシュも手が小さいのでテーブルを使って指の間を開くストレッチを毎日しているそうです。(現役を引退したので現在もそうかはわかりません)

このテキストの中に指の間をストレッチするエクササイズが載っています。


これは自分のために買いました。
指の間は開いた方が余計な力を極力減らせます。


追記:
昨年テレビ番組で、千葉県にある新体操が強い学校にロシア人のコーチを招いて1週間でしたか指導してもらうという企画をしていました。
ロシア人のコーチが指導したことは基礎を大事にすること。日本の生徒たちにひたすら柔軟体操をやらせました。生徒たちは不満顔。なんでこんなこと。しかしそのコーチは彼女らにこれ以上は無理と思うところまで柔軟性を要求し続けました。ついて来られる生徒は誰もいません。

コーチが1人だけロシアから生徒を連れてきていました。
コーチは彼女の演技を生徒たちに見せました。同年代とは思えない表現力と柔軟性。生徒たちは唖然としていました。それを見て生徒たちはツラい柔軟体操を歯を食いしばりやり始めました。徐々にできないと思っていたものができるようになります。そして演技が変わっていきます。
生徒たちは言いました。「日本ではできるところまでしかやらせない。しかしロシアのコーチはできなくてもやらせる。」

ロシア人のコーチは番組スタッフに言いました。「できるできないではなく、挑戦させること。」

ストレッチでこの話を思い出したもので書きました。
(但し、このテキストは小さな子供用ではありませんのでお使いになりませんように)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

調号はないけれど

2019年05月20日 | 不思議な音の国
「不思議な音の国」下巻になると調号で表記はしておりませんがG-dur,g-moll,F-dur,D-dur,A-dur,E-dur,e-moll,B-dur,の曲を弾きます。

ずっとこの調性について触れるべきか悩んでおりました。
この調のスケールを弾くのはまだ難しいのでやはり無視しようと思いました。

しかし、グネーシンのソルフェのレッスン動画で1本指でも色々な調のスケールを弾いているのを見て、この方法ならできる、やろう!と決めました。

初めから理論的な説明はしません。

弾いている曲の臨時記号が決まった音にあることに気付いてもらいます。
そして私が1本指でスケールを弾きます。
生徒の弾き方が良くない時は当然直します。こんな時でも腕、手首、指先に注意です。

それからメロディーを2人で即興で作ります。
やり方を話して見せても「わからない」となかなかやろうとしない子もいるので、グネーシンのビデオを見せます。

3~4曲作って「不思議」の曲に戻ります。
これは「実はヘ長調の曲」と言います。

「不思議」には短調の曲が多いので下巻に入ってから音楽には長調、短調があるという話をすると通じます。
一般的な子供用の教本は長調が圧倒的に多いので比較できる経験が少ないのですが、「不思議」のようにこれだけ短調が多いと違いを自然に感じ取れるようになります。

「バンブルビー」で長調、短調の話をするとわかりやすいです。
ハンドサインで歌うとさらに良いです。

このようなものを使うとわかりやすいです。




日本音名はまだ教えていません。
聴いたまま模唱してもらっています。
「ドレミ♪ハちょうちょう、ドレミ(♭)♪ハたんちょう」

これで一気にニ短調までは歌います。音色を変えるのを忘れずに。

まずはこの言葉に慣れて、「不思議」で弾いている曲の調の感覚を感じてもらう。
「不思議」下巻が終わるまではこれで良いかと思います。

知識として調性が分かっても調の感覚がなければ意味がないので。

絵もあった方が良いです。


全てグネーシンでしていたことです。
あまり学年が上がると感覚としてはわからなくなるので早めに始めた方が良いです。

Evgenia Oskolova's Music Theory open lesson № 19

即興はこんな具合です。14'08"~
歌を歌いながらやると拍子や小節数がわかります。
と言いながら、歌詞を思いついていないので拍子もテンポも合っていなかったり、いつまでも一人で弾いて終わらない子がいたり・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

力みがあると

2019年05月19日 | 不思議な音の国
「不思議な音の国」でレッスンをしている生徒は修了した生徒さんを含め15か月で26人です。

このメソッドに完全に変えてレッスンするようになったのも同じ期間です。

生徒さんの手を持って教え始めるのがこのメソッドの特徴でもあります。
やり始めた頃は生徒さんの音を上手く鳴らせない時もありましたが、これは私に問題があると思っていました。

しかし、次第にそうではないと分かってきました。

少しでも生徒に力みがあると本当に鳴らないです。
では力んでいないとうまくいくかというとそうでもなく、ふにゃふにゃでも鳴らしようがないのです。

生徒によって力む場所は違います。
力むタイミングも違います。

今日も力が入る小3の生徒(2カ月前からレッスン開始)が腕の内側の手首の少し上に力が入るので「力抜いて~」「何にもしないで~」とぶらぶらやっていましたが、「力入れてない」と本人は言います。

ハハ

ぶらぶらして力が抜けた時の音と徐々に力が入ってきた音では全く違うのですが、その違いが分かる耳になるまではこの抗議は続くと思われます・・

この辺りの年齢になるとちゃんとやってるのに・・という気持ちが出てきます。

今日は去年の6月から始めたもう一人の小3の生徒が、元々固いのですが突っつくように弾いているので、下におろして重さを載せるよう注意しましたがやはり『ちゃんとやってるのに・・』という顔をしていました。

難しいお年頃で・・

その生徒には音の違いが速攻で分かるPaula Drayer「Little Gems for piano」から<Moon Dust>を覚えてもらいました。

私も常に楽譜を持ち歩いてるわけではないので、聞き覚えしてもらいました。
このメソッドにしてから聞き覚えで弾くことをどの生徒にもしているので(ロシアンメソッドの生徒)、このような時に抵抗がなく助かります。

「音を聴く」はこのような体験を通しても培われていきます。
いつも楽譜を読んで曲を覚えるのではなく、聴いて覚えることも意味があります。

Moon Dustで音質を聴き比べてもらいました。
「こっちの音で弾いてるよ」と言いましたら、どちらがこの曲の美しさを表現できるかわかってもらえました。そして弾き方を直してくれました。

その音は音楽にならない、この曲に合わないという話が通じるのもメソッドを変えたおかげです。
「聴く」ことが自然に身に付いて行きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

むずかしいー

2019年05月19日 | 重力奏法
途中で引き継いだ上に、手の癖が強い生徒さんの奏法を直すのは本当に難しいです。

指導者の経験値に比例して生徒さんを見れると良いのですが、レベル1なのにキメラと戦う旅人状態なので攻略に苦戦するわけです。

不思議下巻から始め、ノンレガートを集中的に行っていない生徒さん。
下巻から始める生徒は私が初めから教えている生徒の中にもいます。

ただ、指でカツンカツンという弾き方はさせなかったのでこの点は思いの外大丈夫なのです。
腕の重みを使い深く弾くこと、これが課題です。

ところがなのです。
おそらく「はっきり弾いて」と言われてきたのだと思います。
叩く弾き方が沁みついていて1年経っても取れません。

今日はこの1年で3回目と思われるお父様が付き添われました。
いつもはお母様ですが都合がつかなかったのだと思います。

不思議下巻が終わったので、「Die Russische Klavier Schule Band1」と「ピアノエチュード集1 ギンジン/カラフィンカ共著(全音)」を使っています。

Die Russischeは1年目の教本なので最初にノンレガートが載っています。
なのでそれでノンレガートをやり直している所です。

ノンレガートで集中しての8小節は長いなと思っておりましたら、本人もそう感じたらしく「長い」と言いましたので、2小節だけ弾くことにしました。

横に座っていたお父様の方が重みで弾いた音と叩いた音の違いがわかり、「うん」とか「ん~」とか言っていました。

レガートは下巻で相当直したのでモンスターのカギ爪状態は随分なくなっています。
ノンレガートも力みはそれほどないのですが、肩から下ろしても鍵盤が近付くと動きを止めてしまい「カツン」とやってしまいます。上腕を触ると力が入っています。ここをぬかないと深い音にはなりません。

小学1年生ですが嫌がらずにノンレガートはやってくれます。
このメソッドに変えてレッスンをするようになった頃、小学3年生や5年生の生徒に何度もため息をつかれました。

音の違いに気付くまでは話が通じませんので早々とあきらめてはいけません。

年齢的に運動機能がまだ発達してはいないので焦らずにと思ってはおりますが、不思議で育ってこのカツンはやはりやめてほしいと思うのです・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぶきみぃ~

2019年05月17日 | フォルマシオン・ミュジカル
久し振りにフォルマシオン・ミュジカルの話を。

こちらの楽譜から何を感じますか?

音符見にくいですけど・・

はい、そうですよね。
拡大

これでも見えづらいと思いますが、下声部は「ラレラレ」の伴奏が続きます。
完全4度の音程です。

呼びかけています。
完全4度にはそのような特性があります。

そしてメロディーの「ドファシー、ドファファシー」
ここにも完全4度出現。しかし次の「ファシー」に聞こえる減5度。

減5度の音程をあちこち弾いてみて下さい。
いかがでしょう。
2人の生徒にこの音程をしばらく聞かせましたら2人とも「こわい」と言い始めました。
そして怯え始めました・・

姿が見えない何者かが「ここ、ここだよ」とラレラレで言っている。
応えて見たら骸骨が・・
さらに短2度が続きキャーです

相当不気味な音楽が表現されていることが想像できます。

この減5度をあちこちで弾いていて突然気付きました。
これサンサーンスの「死の舞踏」で使われている音程です。
Camille Saint-Saëns – Franz Liszt. Danse macabre (arr. by Vladimir Horowitz)
マスレエフの演奏です。
12'30"~ Camille Saint-Saëns – Franz Liszt. Danse macabre (arr. by Vladimir Horowitz)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシアンメソッド勉強会無事終了!

2019年05月16日 | 重力奏法
本日、勉強会が無事に終了いたしました!

企画した時には目標参加人数10人!
と思っていたのですが、25人の先生にお申し込み頂きました。

ありがとうございます。
この場をお借りし御礼申し上げます。

ロシアンメソッドの話を初めて聞かれる先生、まだ「不思議な音の国」がどのような教本なのかご存知ない先生も少なくありませんでした。

一般的なセミナーと異なるのでお話をお願いした阿形先生も焦点を絞るのに困られたと思うのですが、そこは流石です!

概念の話を聞いたことのある私でも、不思議を使っている私でも、新鮮な気持ちで興味深く伺うことができました。

さらに、一般的な教本のレパートリーとロシアンメソッドのレパートリーの違いをお話し下さいました。

ピアノは広い音域を持つ楽器にもかかわらず、一般的な教本はごく一部の音域しか使わない。
右手でメロディー、左手は伴奏の形が多いこと。そしてそのままポジションが変わって新しい曲を弾いていくというパターン。

それに比べロシアンメソッドのレパートリーは、音域が広いこと、左は伴奏という決まった形ではないこと、そして音楽に物語がある。

さらにさらに、ウクライナ民謡「やあ、お嬢さん!」のレッスン例をお話して下さいました。
奏法上の注意点の他、「何を表現するのか」というお話。
例えばこんな場面とお話し下さいました。(面白い設定でした)


何を表現するかを考える。
抽象的なものを具体的に伝える。指導者の力量が問われます。

これまでイメージを持てれば音も変わると思い続けてレッスンをしてきました。
しかしそれは一部の生徒にしか通用しませんでした。

ロシアンメソッドに出会い、美しい音で音楽を表現することが多くの生徒に可能であることを知りました。
個人差はありますが、自分がどんな音で弾いているか聴く耳があれば必ず変われます。

あとは先生の根気!!


当日お配りした資料のひとつです。
2019年勉強会資料POF | piano/russianmethod
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャイコフスキーコンクール2019

2019年05月13日 | 重力奏法
本日チャイコフスキーコンクールのコンテスタントが発表されるというので、先程見て見ましたらやはりおりました。
マロフェエフ君。

第1回グランドピアノコンペティション(16歳以下)の優勝者です。
最近ベッソーノフ君がコンサートによく出ており、マロフェエフが鳴りを潜めているのでもしやと思いましたら、やはりでした。

日本からは唯一藤田真央さんが出場します。

どんな演奏を聞かせてくれるか楽しみです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする