おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

あてっこゲーム

2021年07月31日 | 苦手なことがある子供たち
以前から気になりつつも、すぐにションボリしてしまうので、あまり言えずに進んでしまった生徒さんがいます。

何が言えなかったか、というと

「できるだけ顔を上げて、楽譜を見ながら弾く」こと。

その生徒さんは、間違えないで弾くことが一番正しい、という考えがあります。

私は、不注意に何度も同じ間違いを繰り返す生徒には、たまりかねた時に「間違えないで」とは言いますが、そうではない場合はその言葉を言うことはありません。

この生徒さんにも、間違えないで弾くことが大事なのではなく、どんな音楽かが伝わること、ピアノから良い音が聞こえてくること、そちらの方が間違えない事より大事なのだと話してきたのですが、上手くいきませんでした。

彼女は、間違えないで弾くために鍵盤を凝視します。楽譜は見ません。腕はカチカチに固まります。

不思議な音の国上巻からピアノを始め、しかも初めからアコースティックピアノで練習できています。それなのにです・・

習い始めた頃の方が上手でした・・

鍵盤なんて見なくても弾けるものだ、と話しても彼女にとっては信じられない話のようでした。

あまり言うと、シュンとうつむいて余計ダメになるので、私もそのことに触れづらい状況でした。



前回のレッスン後、お母様が「楽譜が良く読めない様だ」とおっしゃるので、あれだけ鍵盤を凝視して聴いて覚えてを繰り返していたらそうなるのは必然。これは手を打たなければいけない時が来たと思いました。

それで、もしかしたら10年位していなかった、そして、この方法をすっかり忘れてもいた、「見なくたって結構当てられちゃうゲーム」をすることにしました。

このような生徒さんは、空間認知の力が上手く育っていない傾向があると考えています。感覚的に物や場所を想像することが苦手な傾向があります。

しかし、多くの場合、本当にそうなのではなく、出来ないと思い込んでいることの方が多いものです。

それで、自信を持ってもらうためにこのようなことをしています。

袋の中に色々な小物を入れて、手で触って何かを当てるのです。
事前に、何が入っているかは紹介します。

このようなものです。ソフトドリンクについていたおまけやら、大きさの異なるスーパーボールやら、何でも良いのです。ここに用意したものの中では、ピーターパンとミニーが大きさが似ていて間違えやすいです。(サイコロになったものは木製、サッカーボールは軟らかくプニュプニュしています。形だけではなく触感も変えてあります)


中が見えなければどんな袋だろうが良いので、そこにこれらの小物を入れて、手で触ったものが何かを袋の中で言って、それから袋から出して確かめます。右手でやったら左手でもやります。



こうして、この生徒さんは両手ともパーフェクト!

「見なくても全部当てられたじゃない!大丈夫でしょう?ピアノは指が目なの。鍵盤なんてそんなに見なくても弾けるものなの。試してみる?」

と、今日は下巻の復習もあって7曲弾きましたが、全部顔を上げて弾けました。
もちろん、反対の手に変わる時はチラリと鍵盤を見なければわからないので、必要な時は鍵盤を見ます。

というわけで、今日は久し振りに昔の技を思い出してレッスンしてみました。


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古いけど新しい世界

2021年07月29日 | コンサート情報
物知りピアニストさんのお陰で、名前さえ知らなかった演奏家や作品を聴く機会ができました。

ロシアピアニズムの一連の流れの中で、名前だけは知ることとなったピアニストの演奏を、録音なんて残っていないのだろうと思いこみ、真剣に探しもせずにいましたが、実際は案外残っていることを知りました。

そして、物知りピアニストさんは、ちゃんとご自分の演奏会前に何枚もの録音を聴いて勉強されていることを知り、やはり違うものだと感心しきり。

そんな中で、ゴリデンヴェイゼル&ギンツブルグの「ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲第1番、第2番」の存在を知りました。

2人の名前は記憶にありますが、どういう関係だったか全く記憶になく、改めて復習。

ギンツブルグはゴリデンヴェイゼルの弟子。

ゴリデンヴェイゼルはジロティ(ラフマニノフの従弟)とハプストに師事。ジロティはリストの最後の高弟、ハプストはリスト折り紙付きのピアニスト。

ジロティはズヴェーレフの弟子でもあります。ズヴェーレフは厳しいレッスンで知られ、素晴らしい教育者で、特に腕の使い方にはうるさかったという人物。

ズヴェーレフはヘンゼルトとデュビュックの弟子。その師はフンメルとフィールド。その師はモーツァルトとクレメンティ。


フィールドはロシアピアニズムの種を蒔いた人物。ヘンゼルトはリストと互いの名声を聞き及び、40年間親交を続けた人物。

どんどん遡ると、大抵ここに行きつきます。
リストの弟子に師事をするとベートーヴェンに行きつきます。


ゴリデンヴェイゼルの門弟には他に、ラザール・ベルマン(好きなピアニストです!)、タチアナ・ニコライエワ、カプースチンがいます。


Rachmaninov Suite No.1 Op.5 (Goldenweiser & Ginzburg)

1948年録音。神秘的です。

物知りピアニストさんがルガンスキー&ルデンコも紹介されていました。第2番が気に入りました。音が澄んでいて美しく、スマートな演奏。Rachmaninov - Suite for two pianos n°2 - Rudenko / Lugansky

もう一つ紹介されていて、これは全く知らないピアニスト。
Lyubov Bruk & Mark Taimanov
リューボフ・ブルックはタイマノフの最初の奥様で、デュオを組み活動。離婚後はデュオ解散。
Rachmaninov - Suite for two pianos n°2 - Bruk / Taimanov
第2番しか見つけられませんでした。流れ具合が雪解け水のように流れていきます。どーゆーこと?という声が聞こえてきそうです・・何の抵抗もなくスーッと滑るように、春の訪れのような爽やかさをたたえて流れていきます。これはきっと、北国育ちの人しかわからない。
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なんと、このタイミング?

2021年07月26日 | 楽譜の話題
ここ数日、何とはなしにマントヴァニ(Buruno Mantovani)の作品がレッスンで使っているテキストに載っている話を書いていました。

先程、Editions Henry Lemoineがエリザベートコンクールの課題曲になっていたMantovaniの“D’un jardin féérique” の楽譜を出版した投稿がfacebookに・・

おぉっ、

全く関係ないのに、私には旬の話題と化したのでした。

ご興味のある方はこちらで楽譜が購入できます。
https://urlz.fr/g8Ol?fbclid=IwAR3MPij4PzHOWkZF84vtnXcGmODc24GjZtaHbZat0xR9m1IEBWgGeD4pFK8

コンクールの課題曲がこんなに早く出版されるとは、これが普通なのか、特別なことなのかもわかりません・・

非常に複雑で難しい”妖精の庭から”は15分の現代作品で、ラヴェルから着想を得てピアノとオーケストラのために作られた、とあります。



阪田さんの演奏ばかりご紹介してしまいますが、オケとの調和具合がとても良いと思います。おっとりとした優しい女の子の妖精という感じがします。務川さんの妖精は好奇心のあるちょっと勝気な妖精という感じ、でしょうか。
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またも偶然 Mantovani

2021年07月25日 | フォルマシオン・ミュジカル
大人の生徒さんに使っている、フォルマシオン・ミュジカルのこちらのテキスト。



いつも順番に進めるでもなく、計画性もなく使っているのですが、今日は 「lecture(音読み)」から何か選ぼうとページを開くと、「Bruno Mantovani」のお名前が!

「おや?このテキストにもマントヴァニの曲があったのか・・」

ご縁と思い、せっかくなのでやってみました。

こちらの楽譜です。


フルートの曲です。
旋律楽器で細かい動きができる楽器は大変だなと、生徒さんとそんな感想を分かち合って終わりました。

いえ、一応一緒に読みました。

ピアノは自分で伴奏も弾くので、テンポ・リズム・ハーモニーを感じ取って演奏できますが、旋律楽器はそのようなことを旋律だけで作り出さなければいけない。

大変な作業です。吹けばいい、ってものじゃないです・・

この課題を見て、私はピアノで良かったと思ったのでした。

この素人感・・


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ブレハッチ来日情報

2021年07月21日 | コンサート情報
ブレハッチが10月に来日予定です。



こちらは、阪田さんのリサイタルに行った時に戴いたチラシです。
この時に初めてブレハッチ来日を知りました。

彼の演奏も好きですが、今回のプログラムが私には魅力。

フランクはオルガン曲の編曲です。私はこの曲をオルガンで演奏したことがあります。とっても良い曲です。

オルガンで弾いていた時には、これはピアノでも弾けるなと思って、何年も経ってからピアノアレンジの楽譜の存在を知り購入しましたが、弾いてみたらオルガンの方が弾きやすかったので、そのまま放置中の曲です。

オルガンも演奏するブレハッチの演奏、是非聴きたいです!
それにピアノリサイタルでお目にかかれるのは、ほぼない曲です。

7月の阪田さんのリサイタルは私にとっては1年4カ月ぶりに行くコンサートでした。
昨年3月に上原彩子さんのリサイタルに行きました。それ以来でした。上原さんの演奏、素晴らしかったです。何層にもなって聴こえるあの細やかな表現はロシア的。音も言うまでもなく惚れ惚れする音でした。

海外のアーティストの演奏はしばらく聴いていないので、ブレハッチが無事に来日できることを願っています。

ブレハッチチケット発売(ぴあ)
 [夢倶楽部ネット会員] 2021年8月7日(土) 10:00〜
 [夢倶楽部会員電話受付] 2021年8月8日(日) 10:00〜
 [ジャパン・アーツぴあネット会員] 2021年8月12日(木) 10:00〜
 [一般発売日] 2021年8月14日(土) 10:00

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阪田知樹さんリサイタル 2021/07/17

2021年07月17日 | コンサート情報
阪田さんのリサイタルを聴いてきました。

阪田さんを生で聴くのも、ミューザ川崎に行くのも初。

最後のご挨拶で阪田さんも仰っていましたが、”地味なプログラム”
ご本人は当日出来上がったプログラムを見て、その時初めて”地味なプログラムだ”と思われたそうです。

どんなプログラムだろうと、阪田さんの音を生で聴きたかったのでノー・プロブレムです。

エリザベートコンクールや阪田さんが編曲した曲を聴いて、歌が好きなのかな?と思っておりましたら、オペラがお好きだそうで。スティホーム中は、オペラのDVDを深夜に見るのが日課になっていたそうです。

プログラムの特にリスト、フォーレからそれがわかるほど、歌が彼の演奏からたくさん聴こえてきました。

そして、長いフレーズに見られる壮大さ。
これは彼の魅力のひとつです。大海原を想像しました。船長ー!って感じ。
そして、本当に怯まない方です。それも無理をせず。

行く前に、月刊「ショパン」をチラリと立ち読みしました。
エリザベートコンクールの記事があり、審査員のヴィルサラーゼが、時間の過ごし方が曲のテンポや間に表れる、と書かれていたと思います。

阪田さんの演奏を聴いていると余裕のある方だと感じます。
プログラムの最後にフォーレのノクターンを持って来た理由が、土曜日の夜の公演でリストのソナタで気持ちが高揚したのを、フォーレのノクターンで穏やかな気持ちになって帰って頂きたかったからと話されていました。

アンコールは大サービス。
普段アンコールで弾く曲ではないですがと、ラヴェルのスカルボ。その後はラフマニノフ楽興の時No.2

プログラムが歌をたくさん聴いた印象でしたので、超ピアニスティックなスカルボを持って来たのは、聴いていてニヤリとしました。

ラフマニノフはピアニスティックなのに歌を聴かせる、そんな曲。

10月にはサントリーホールでリサイタルがあります。
来期のテーマは「ファンタジー」だそうです。

シューマンのファンタジーを演奏されます。
ちょうど私個人としてまた始めた曲なので、聴き逃せない!

今日はお顔も音も良く見えて聴こえる席でした。
前髪、少し切ったかな?




こちらは、終演後1階席優先でフロアに出ることになったので、待っている間にパチリ。

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The 18th International Fryderyk Chopin Piano Competition (preliminary round), session 1, 14.07.2021

2021年07月15日 | コンサート情報
ショパンコンクールの予備予選が始まっております。

日本人の参加者が2日目から出てきました。

先程何気に3日目午前の部の日本人のお名前をクリックして見てみましたら、「あら?上手。雰囲気がある。どこで勉強されているのだろう?」と調べてみましたら、モスクワ中央音楽学校でピアセツキー先生に師事されている方。

あ~、ロシアで勉強されている方は音も音楽の作り方もやはり違うなぁ、と改めて思います。
ピアセツキー先生の所に日本人の女の子がいたなぁ、と思い出しました。彼女だったのですね。

進藤実優さん、18歳。(訂正:4月生まれで19歳になられていました)
愛知県出身だそうです。愛知県って芸術家が多く育つところなのですね。フィギュアスケートも素晴らしい選手が多いし・・

彼女、素晴らしいピアニストです。

The 18th International Fryderyk Chopin Piano Competition (preliminary round), session 1, 14.07.2021

01:15:55~実優さんの演奏
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週何日練習?

2021年07月11日 | 不思議な音の国
私が書くまでもない、と思いつつ書いてしまいます。

ピアノの練習は、最低週に何日練習すると前週より進歩するのか。

私は生徒にどのくらい練習をして、と言うことはまずないです。
したければするし、義務のように思われるのは嫌なので。ただ、練習したくなるように、と思ってレッスンをしようと常に考えています。

私自身は高校生になってからでしたが、カレンダーにその日何時間練習したか書き込んでいました。目で見えるように記録すると、これを途絶えさせたくないと練習を続けます。

そんな過去を思い出し、昨年初めより小学生の生徒さんに、こちらのカレンダーを渡すようになりました。

レッスンカレンダー | ダウンロード広場~どれみのピアノレッスン準備室

「レッスンカレンダー」の記事一覧です。

ダウンロード広場~どれみのピアノレッスン準備室

 


渡したのは小2~6年生。
6年生になるといちいち書くのが面倒になってくるようなので、昨年末で6年生は終わりにしました。

365日毎日欠かさず練習した生徒さんは3人。
スタンプを3種類用意し、1週間の練習日数によって押し分けました。7日間毎日できた週が4回揃ったらポストカード大の表彰状。365日欠かさず練習した生徒さんには大きな表彰状。

表彰状をコレクションするために練習している生徒さんはおりませんが、形として無いよりあった方が良いかと思って渡しています。

このカレンダーを1年半ほど続けて分かったことは、進度に関係なく意味のあるレッスンになるかならないかの境目は、週4日以上練習したか、しなかったか。

3日で足りる生徒は誰もいません。たとえ曲が短かろうが易しかろうが。
最低4日練習できていると、前週の繰り返しになることはほぼありません。

1年くらい経つと、生徒さんも週何日練習すると自分は弾けるようになるのか分かってきます。

ただ、このカレンダー、プレッシャーになる生徒さんもいるので、選んで渡す必要はあります。
勝手に書かなくなった生徒も何人かいます。このカレンダーは問題を解く内容にもなっているので、単に練習をした日に印を付けるだけのものではないので続けてほしかったのですが··

3回は促しますが、それ以上は機会を失うのも自己責任なので放置です。
色々な分かれ道はこんな所にも存在するのだと静観。

このカレンダーを使ったおかげで、不毛なレッスンが続く理由がはっきりしました。
全く練習をせずに来る生徒に、何が分からないのだろう、どうしたらできるようになるのだろうと、私は毎回頭を悩ませていたのです。

練習しなくともレッスンが何とか成立する生徒さんは限定的です。それを可能にする条件を持っている生徒さんだけです。

ピアノのレッスンをしていると、結構色々と見えてしまいます。


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武満徹の作品で、驚く

2021年07月09日 | 楽譜の話題
こちらは物知りなピアニストさんのSNSで知りました。

  
   


ピアニストの為のコロナ、弦楽の為のコロナは図形楽譜なのだそうです。
武満さん、まるで未来を予測していらしたかのような・・

作曲した年を調べましたら、
CORONA FOR PIANIST(S) 、CORONA FOR STRINGS 1962年
PIANO DISTANCE 1961年、DISTANCE 1971年
MASQUE 1951年

以前も書きましたが、渋谷でレストランから出ていらした武満さんにバッタリ遭遇したことがあります。37年位前の話。あの頃はそんな凄い方とは存じませんでした・・

Toru Takemitsu 《Piano Distance》 1961 / 武満 徹 《ピアノ・ディスタンス》 1961
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Tomoki Sakata | Queen Elisabeth Competition 2021 - First round

2021年07月08日 | コンサート情報
まだ書くのかと思われてしまいますが、エリザベートコンクールの全てのコンペティターたちの演奏が、1人ずつyoutubeにアップされています。

只今、ファースト・ラウンドの途中です。
少し前に阪田さん、務川さんの演奏が見られるようになりました。

阪田さんは、ベートーヴェンのピアノソナタNo.15「田園」から演奏が始まりました。
この曲はベートーヴェンのソナタの中でもかなり好きな作品だそうです。このラウンドでは全楽章は演奏しませんので、第1楽章だけです。

オーケストラの音をイメージする楽しみがある曲です。
収穫の秋から始まり、次のショパンエチュードは初めて聴いた時に驚いた演奏です。

Op.10-2
冷たい風が吹き込んでくる冬の始まり、といった印象で、こんな表現がこの曲にあるのだと驚きました。これを聴いて、「あら?阪田さん何者?」と実は思ったのです。

以前からお名前は存じていました。少しだけyoutubeで演奏を聴いたこともありました。
しかし、それ以上にはなっていませんでした。なので、このOp.10-2は私にとっては「え?」と衝撃を感じた演奏でした。

次はリストの「鬼火」
この曲の由来は知りませんが(邦題と原語のニュアンスの違いがよくわからないので)、火が揺らめいて小悪魔なのか悪戯好きな妖精なのか、踊っているのか悪さをして人間を困らせているのか。

秋、初冬、冬と、なんだか季節を感じる演奏。

最後はリゴレットパラフレーズ。
これは女たらしのマントヴァ公爵、ナンパされるマッダレーナ、公爵にフラれ2人の様子を物陰から目撃するジルダ、その父リゴレットの四重唱「美しい恋の乙女よ(Bella figlia dell'amore)のパラフレーズ。

ジルダとリゴレットにとっては悲劇、はたから見るとマントヴァ公爵よくやるよなわけで、その曲で閉めるところが心憎い。

改めて聴いてみて、ベートーヴェンが素晴らしい。

私自身は、もうベートーヴェンを弾く気力はない、と20年位前から思っていますが、昨日ソナチネアルバム1にあるハイドンのソナタを弾いている生徒さんのレッスンで、オーケストラだったらこの楽器、と頭の中にたくさん浮かんできて、今だったらベートーヴェン弾けるかも・・、とちょっと思い始めています。

これは明らかに、8年前から始めたフォルマシオン・ミュジカルのお陰です。
吹奏楽の経験もなく、オーケストラ作品をたくさん聴いているわけでもない人間なので、ピアノ曲から他の楽器をイメージする力に乏しかったのです。

シューマンの幻想曲の終楽章も最近弾いてみて、頭の中に他の楽器や歌の声が聞こえてきたので、これはまた弾こう、と思いました。

知っていたのに知らなかった阪田さんというピアニストから、多くのものを受け取りました。

感謝!
ありがとう!

と、ここで言っても届きませんが、ありがとう

ちなみに、7月17日ミューザ川崎のリサイタルでベートーヴェンの「田園」ソナタも演奏されます。

楽しみすぎる!

Tomoki Sakata | Queen Elisabeth Competition 2021 - First round
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不思議な音の国 レパード&シカ

2021年07月07日 | 不思議な音の国
「不思議な音の国 上巻」を使っている生徒さんが、現在4人います。

その内の1人の生徒さんが今週こちらの曲を弾きました。


上巻は初めのうちは、拍子記号、小節はありません。
少し経ってから、大譜表の中が混みあって危なくなるので、小節という部屋を小節線で区切って作る。そしてそこには、拍子記号によって決まった数の拍数が入る、となるのです。

音楽の理論的なことを、このように紹介している教本があるでしょうか。とてもクリエイティヴ!


さて、上にある「おかをすべろう」

大体この曲で、どの生徒さんもこの不思議なイラストをジ~っと見ます。突っ込みどころが色々あるイラストです。

レパードはやる気満々で装備バッチリなのに対して、シカはポ~っとしています。

まずこの生徒さん、レパードの顔色が良くないと言いました。「具合悪いんじゃない?」と。(画像では見にくいですが。顔の色が胴体と違うのです)

ホー、これは初めて聞くご意見でした。

病気じゃ困ると思い「寒いんじゃないの?」と私。「レパードは寒いからこんな格好してて、シカは寒くないから何もつけてない」と生徒さん。これも初めてのご意見。


まだ、ジーっと見ているので、
「シカは滑る準備が全然できてないね」と私が言うと、「レパードが先に滑って、そのあとに滑ろうと思って待ってるんじゃない?」と生徒さん。


いや~、優しい。

私はやる気のないシカだ、くらいにしか思いませんが、子供たちは心が綺麗なので、この不思議なイラストからこのようなことを想像するのです。

「不思議な音の国」は、習い始めから奏法もしっかりと身に付ける教本です。

しかし、それだけではない、こんな面白いことも実は満載な教本です!


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真の基礎

2021年07月05日 | コンサート情報
先程、こちらの投稿を拝見して、この一言で、「本物の基礎を身に付ける教育を受けてこられた先生だ」と、ヨーロッパの教育の確かさを改めて感じました。

その一言とは、「ブラームスを弾くピアニストが忘れていることは、ブラームスが真の男だったということ」「まずドイツの音楽ということを理解しておかなければいけない」と。

そうお話しされているのは、ロシア人のアントン·イグブノフ先生。

何度も書いてしまって申し訳ないのですが、エリザベートで阪田さんの演奏が素晴らしいと思ったのは、そこです。

1位のピアニストの演奏も良かったのかもしれませんが、その方の味付けが親しみやすかったのかもしれません。阪田さんは真っ向勝負で、ブラームスの音楽として演奏していらした。「自分はヨーロッパの伝統の中で勉強してきた人間なので」と仰った意味を改めて考えさせられました。

日本でここまでの教育を受けることは非常に難しい。
知らない事が多すぎて、無知なまま演奏したり教えたりしていることに、恥ずかしさを感じてきています··

ユーラシア交流支援センター(ESC)

お待たせいたしま̅...

 

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生徒さん作曲をする

2021年07月01日 | 不思議な音の国
不思議な音の国上巻にある作曲のページ。

現在下巻に進んだ生徒さんが上巻時代に作った曲を、やっと連弾で合わせることができました。2曲あります。

どちらも本人が曲名をすぐにつけました。

最初に作った曲は『にゃんにゃんこねこ』昨年7月作曲
子猫が、「かまって、かまって」と言っているけどかまってくれなくて、「あーぁ」と思っているそうです。

もう1曲は『おほしさまありがとう』昨年11月作曲
曲名については、何故これにしたかは聞いておりませんが、『ありがとう』というだけでこの生徒さんらしいと思い、気に入りました。

他の楽器のアンサンブルver.とピアノ連弾の2パターンを作りました。2曲とも曲名がついていたので、イメージが絞りやすく助かりました。

『おほしさまありがとう』はメロディーにシンコペーションがあり、伴奏が高音で8分音符で奏されるので、合わせるのが難しかったようです。

いつも作る時に生徒さんが弾きやすいかは考えないので、合わせた時に難しかったのかと反省するのですが、次に作る時には完璧にそんなこと忘れています。

あきらめずに弾いてくれるみんなに感謝!
よろしければ、お聴きください。





2曲とも録画は1カ月半前です。現在は、下巻の「ララ」まで進みました。
これらの曲を作った時はまだ楽器を持っていませんでした。上巻が終わる頃だったか、下巻に入ってすぐの頃かに、電子ピアノでしたがご購入されました。1年間は楽器がないままでした。

アレンジする時はいつも夜中にパソコンで譜面を作っています。
コードだけ空き時間に付けておいて、あとは頭の中で作ります。弾きながら作ると自分の手の癖で弾いてしまうので、同じものばかりできてしまう・・


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