おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

本態性振戦による手の震え

2017年12月22日 | 緊張について
緊張すると演奏に支障が出るほど手が震えるようになってしまったので、5年前から演奏前に震えを止める薬を飲んでいます。

手品師の方も手が震えると困るので飲んでいらっしゃる方がいるそうです。

この薬のおかげで本当に助かっておりますが、実は先月全く効きませんでした。

こんなことは初めてでした。

なぜだろうと久し振りに気持ちを引きずりました。

原因が思い当たらなかったのですが、最近になりふと気になることが思い出され調べてみましたらわかりました。

ここ数カ月、毎日のように頭痛があり鎮痛剤を飲んでおります。
いい加減飲みすぎたようで、胃の調子もおかしくなってきまして鎮痛剤の事を調べてみました。

痛みのメカニズムには血管を拡張させる作用があるそうで、鎮痛剤はその血管を収縮させる働きがあるのだそうです。

震えを止める薬は逆に血管を拡張させて心拍を抑え血圧を下げます。

鎮痛剤を飲むことで血管が拡張できなかったので薬の効果が全く表れなかったと言ってよさそうです。

本態性振戦の薬の「飲み合わせ」の注意の所に、
『鎮痛薬との併用により、降圧作用が弱まる可能性があります。』としっかりありました・・

筋肉の緊張によっておこる緊張型頭痛(血管が収縮する)には、血管を収縮させないロキソニンが効くそうで、胃腸の負担も少ないそうです。

鎮痛剤なら何でも良いのかと思っていたので今回のことで勉強になりました・・
ちなみに片頭痛は血管が拡張することで起きる頭痛とのことです。
なので血管を収縮させる方の薬を飲まなければ効果がないわけです。

偶然にも先週、教室のスタッフの方と頭痛の話になり、入浴すると良くなる頭痛、痛みが増す頭痛があると聞いていました。
調べてみてその意味を理解しました。

本態性振戦ではなくとも本番前の鎮痛剤には注意です。

追記:
アラウが自宅にホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ゼルキンを招いたときに彼らの間でもっぱら話題になったのは「ステージに上がる前にどんな薬を飲むか」だったそうです。(青柳いづみこさんのヴィンテージ·ピアニストの魅力にこの記事があります)

アレキサンダーテクニークの古屋先生は「演奏振戦は神経内科に行って薬もらえば済む」とあっさりおっしゃていました。


アロチノロール:(アルマール)
私は本態性振戦も診られる内科の先生の所で薬を出して頂いています。
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緊張のきっかけ

2017年02月09日 | 緊張について
緊張すると手が震える話を以前書きました。
今もそれは変わりませんが、人前で演奏する時にはある薬を飲んでいるので震えは起こりません。

あまりに震えないので、もしかしたらもうその症状は起きないようになったのかと思うこともありました。

しかし、生徒の発表会前のレッスンで「先生の演奏を録音させて下さい」(生徒が演奏する曲の)と突然言われると、断るわけに行かずロシア人の先生方を思い出しつつ全力で演奏し、なんとか震えず行けそうでも最後の方で結局震えが起きます。

震えは治っていないのです。

今はこんな私ですが、昔はかしこまった場所で演奏する時しか震えませんでした。

高校生の時、少し大きな発表会に出演させていただいたことがあります。
地元の先生方で作られた会で、年に1度ご自分の生徒さんから1~2名選びその会の発表会に出演させるというものでした。
発表会前にその先生方の前で演奏したのですが、私は全く緊張せず、手も震えずでした。

ところが1人の先生に「緊張した?」ときかれました。
同じ門下からもう1人参加しており、その人は「すごく緊張しました!」と言っておりました。

私はこういう時は緊張しなければいけないものなのかと思い、緊張なぞしておりませんでしたが
「緊張しました」と答えました。



舞台袖で最後に掛けられる言葉は大事です。

以前、ジョイントコンサートでステージに出ていこうとドアに近付いた時に、
主催者の方に「大丈夫ですか?」と言われたことがあります。
さあ、行こう!と決意して向かったのに聞きたくない言葉でした。

逆に、ステージに出ていく時に、袖にいらした調律師さんに満面の笑顔で
「いってらっしゃい!」と拍手されて送り出されたことがあります。
ものすごい勇気が湧いてきて「よーし!」とステージに出ていけました。


ちょっとしたことがトラウマになります。

発表会の生徒さんへの声掛けには気を付けましょう。
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続・緊張による手の震え

2012年04月29日 | 緊張について
緊張による手の震えを止める薬を、再び試す機会が訪れました。

初めて試した時は全く震えませんでしたが、実は半信半疑でした。
考えにくいことではありますが、震えなかった時と偶然重なっただけかもしれないと思いました。

1週間後、再び演奏の機会がやってきました。

私は演奏する場所やお客様の人数に関係なくいつでも震えますので、リハーサルの時間に合わせて薬を飲みました。
震えてほしくない時間の30分~1時間前に飲むと良いそうです。

結果・・・

やはり震えませんでした。
驚いてしまいます。何十年もこの震えに悩まされてきたというのに・・

本番で震えないとわかると練習も違ってきます。
日々の練習で確実にできるようにしておいたことは本番でも出来るとわかるので、練習の質が違ってきます。

やっと人並みのスタートラインに立てた気分です。


                   
           


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緊張による手の震え

2012年04月16日 | 緊張について
緊張すると手が震える方がいらっしゃると思います。

これは普通のことのようですが、ピアノを演奏する時にこれが強く現れると大変困ります。
私は学生の頃からいつも手が震えていたので、頭のどこかにその心配は常にあったように思います。

弾き始めは何ともないのですが、演奏の途中からよく震えていました。
震えが始終続くわけではなく、演奏途中でそれが突然止まることもありました。

学生の頃、先生に相談しましたら、「じゃ、弾く前に手を振っておけば?」と言われました。
冗談かと思いましたがそれを実行した所、驚いたことにほとんど震えませんでした。

それ以来、演奏前には必ず体をほぐすようにしました。
歩きながら肩や肩甲骨を動かしたり、腕を伸ばしたり、屈伸をしたり・・
このようなことは他の方もされていると思います。

これでずいぶん長いこと震えを恐れることはなかったのですが、ここ数年事態は変わってきました。
体をほぐしても全く効果がなくなってきたのです。

副交感神経が働くように睡眠や食事に気をつけたり、呼吸もこれまで以上に意識しましたがどうにもコントロールできなくなってきたのです。

この仕事を続けている限り、最低でも発表会での講師演奏は避けられないのでこれは深刻な問題です。

そこでネットで緊張による震えについて調べてみましたら、何と遺伝性の「本態性振戦」というものがあることを知りました。
そしてこの震えは薬によって止めることができるようなのです。
しかしすぐには飛びつく気になれず、何とか自力でコントロールしたいと思い、演奏の1週間前から食事メニューに気を付け、前日には睡眠を十分に取ることをこれまで以上に確実に行いました。

それでもやはりダメでした。
演奏が止まってしまうことはないのですが、何せ手の震えが大きいのでミスタッチが多くなるのです。

もうこれは耐えられないと思い、神経内科に行きました。
診察程度では緊張しないのでその時は全く手は震えませんでしたが、話を聞くとどうやら本態性振戦であろうということで薬を出してもらえました。

そして、いよいよその薬の効果を試す時がやってきました。

結果は・・・

全く震えませんでした。
人前で演奏して演奏することをこんなに嬉しく思えたのはいつ以来か記憶にないくらい久し振りでした。

少しは勇気を持って演奏に臨めそうです。


                   



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