おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

きれいなクリスマス

2024年12月19日 | 不思議な音の国

先月、こちらの曲を作った生徒さん。



今月は、「きれいなクリスマス」という
曲を作ってくれました。

宿題にした時に、曲の名前も考えてと言いましたら、
しっかりと付けて来てくれました。

楽譜を写真に撮るのを忘れてしまったのですが、
1小節目と2小節目の音の変化が素晴らしく、
たった一音変化させているだけなのですが、
これはプロの技!

感心しました。

綺麗にアレンジするぞ!と意気込んだ結果、
なんだかFF(ファイナル・ファンタジー)っぽく
なってしまいました。

FFは名曲揃いです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

作曲

2024年11月24日 | 不思議な音の国

夏からレッスンを始めた小1の生徒さん。

レッスンを始めた頃は少しおどおどしていました。


ワークで、間違えて書いてしまったりすると
泣いてしまっていました。

鍵盤の位置がわからなかった時もそうでした。


家のキーボードが鍵盤数が少なかったようです。

家に楽器があると聞いていたので、
習う前に既にあるということは、
ご家族に音楽経験がある方がいらっしゃるのだろうと
鍵盤数までは確認しておりませんでした。

そうしましたら、鍵盤数が少ないのだと。

お母様が本人に「ごめん、ごめん」と。
88鍵の電子ピアノを買われることになりました。


少し前からレッスンも落ち着き、
進むペースも一気に上がりました。

手の癖がほぼなく、指も根元から太く真っすぐなので
ピアノを弾くには向いた手をしています。


実は今春からレッスンを始めた生徒さんの何人かが
この手のタイプで、皆、弾き方を大きく直すことが
初めからほぼないのです。

少し手首が下がってきたり、音を離す時に指だけで
離すことはあるので、そこを注意する程度です。

支えがしっかりとできる手は、
初めからあるのだと知りました。


話は戻り、
今夏からレッスンを始めた生徒さんの
初作品です。

ドとレで作る頃はまだ自信なさそうに
レッスンを受けていたので、作曲は飛ばしました。

なので、作曲 Début!です。


けっこう、曲として成立していると思います。
右手が多いのは少し気になりますが、
限られた音で作ることは容易ではありません。

私が同じ年齢の時でしたら
こんなに作れなかったな、と思います。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しらかばの木

2024年11月17日 | 不思議な音の国

不思議な音の国 上巻にある「しらかばの木」

たいへん美しいロシア民謡です。

はじめてのピアノアドヴェンチャーBにも「ロシアのダンス」
という曲名で載っています。



イリーナ先生の講座のビデオで
この曲の踊りが紹介されていました。

こちらです。




この滑るような踊り。
一体どのようにしているのかと思いましたら、
練習風景がありました。

曲は違いますが同じ踊りです。



ひたすら足を細かく動かしています。
しかもヒール・・


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真似してみました

2024年11月06日 | 不思議な音の国

今日のレッスンで、偶然にも
「あめ、あめ、あがれ」を弾いた生徒さんがいました。


数日前にイリーナ先生がこの曲で移調をさせていた曲です。


早速、私もマネっこしてみました。

A音から始める時に、最初に歌いました。
その生徒さんはピアノで弾いた時に、
A-Fと弾いて歌と違うことにすぐには気付きませんでした。

普通はこんなものだろうなと思い、
私が横で大きめの声で歌いました。


Fを弾いているのでFisで歌う私がまるで音痴の気分・・

でも、これで気付いてくれました。


次にH音から弾いてもらいましたら、
音を出す前に既に勘が働いたようで、H-Gisと弾きました。

偉いものです。


まだ半音の話をしてもチンプンカンプンだろうと思い、
「ひとつ跳びで白鍵同士で弾いても
いつも同じにはならないんだね。不思議だね。」

などと中途半端に締めくくってしまいました。


下巻の#、♭で半音の話は必ずしますが、
本来その前に半音・全音の感覚は身に付けた方が
良いのだと思います。

フォルマシオン・ミュジカルのテキストも、
半音・全音の聴き取りは最初の方にあります。


どのようなきっかけでそれをするか、悩めるところです。

突発的にしても、それが演奏とどう関連するか
わからないと意味がないので・・

とりあえず、「あめ、あめ、あがれ」は
バスを弾いてあげるとわかりやすかったかな、
と後から思いました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

移調

2024年11月04日 | 不思議な音の国

久し振りにイリーナ先生のレッスン動画。


不思議の上巻にある「あめ、あめ、あがれ」

D音ーH音の2音の曲です。


これを移調してもらっています。

白鍵だけで半音が入っている所はそのまま弾けますが、
A音からの時に弾き始める前に歌ってもらっています。

するとA音ーF音と弾いた時にイリーナ先生に
「待って、音合ってる?」と言われるとすぐに気付き、
A音ーFis音に生徒さんが自分で直しています。

H音からもG音を弾いてしまった時に、
すぐに気付き直しています。



奏法の余裕があると、ここでこのようなことも可能です。

腕を使えず指弾きから抜け出せない生徒さんは、
音を読んで、両手を使って、リズムを読んでに
移調まで加わると頭が一杯になってしまいます。

何を今一番出来るようになってほしいかが
分からなくなることは、
意味があることでもしにくい現実があります。

だからこそ音を読み始めるまでには、完璧ではなくとも、
腕を使い、指先で腕を支えて弾くとことを覚えられるよう、
毎日少しの時間で構わないのでピアノを弾くべきなのです。


音を読み始めたら練習をするとか、
曲が長く難しくなってから練習をするでは遅いのです。

私は今でこそ、
音を読み始める前までにピアノを弾く手を作っておきたい、
と親御さんに伝えるようになりましたが、
このメソッドを使う前は、音をたくさん弾くようになったら
練習すればいい、と思っていました。

音をたくさん弾く前の練習法を知らなかったからです。


もし、ピアノを教え始めた時からこのように教えていたら
自分にどんな未来があっただろうと時々思います。


単なるナイモノネダリ··


🎹 Transposition at the First Piano Lessons.


そう言えば、今年の2月の発表会で「はじめての音楽との出合い」
にあるリストのハンガリー狂詩曲 No.2 を弾いた生徒さんが、
この前、急に他の音から弾いていました。

C-H-Cで始まるのですが、F-E-Fで弾き始めて全部弾いていました。

でも、本人はその音から弾いたと思っていただけで、
別の音から弾いてみようなんて全く思っていませんでした。

勘違い移調でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

位置付け

2024年09月26日 | 不思議な音の国

グネーシナの「ピアノのABC 」という教本があります。

細かなタッチを習得する教本で、全50曲。

特徴は初見で弾けてしまいそうな少ない音数、多くが8小節程度の短い曲であること。


しかし、アーティキュレーションが複雑で両手で合わせるのに神経を使います。

50曲を通して弾くと、初心者ではない私でもかなり頭が疲れます。


この本は、ピアノを始めて1年目の子ども用です。
グネーシナが作ったので、プロになる選ばれた子ども用ということです。


ロシア(旧ソ連)のピアノ導入教本の特徴は、左右で異なるアーティキュレーションの複雑さとポリフォニーが主体であること。

耳と頭を使うように作られているのだと思います。


この教本は曲を弾くための基礎。一般に基礎といっても色々とあると思います。

読譜、スケール·アルペジオ、セオリー、ソルフェージュなど。


この教本は音を作り出すためのテクニックの基礎です。

「不思議な音の国」下巻はこのグネーシナの「ピアノのABC 」系統の教本と言えると思います。

そこにセオリーが加えられたもの。それで1冊で済むオールインワンという認識。


しかし、グネーシナの「ピアノのABC 」は内容は異なりますが、分かりやすく言うとバーナムのような存在。バーナムはスケール·アルペジオ系ですので、内容はグネーシナと全く異なりますが、これ自体をメインに使うものではないと思います。


私は「不思議な音の国」を重力奏法習得の基礎のための本と捉えていましたが、重力奏法は海外では常識で、不思議の教本はその先の内容まで含んでおり、一種の練習曲の集まりと位置付けた方が良いのではと思います。

重力奏法の基礎が身に付かなければ何も始まらないと考えておりましたが、イリーナ先生のレッスンを拝見していて、この2冊でそれを習得するわけではないと思いました。

実際は上巻の音を読むまでには鍵盤の上から手を置いて弾けるようにし、あとは指導者が指の支えや腕が下がらないように注意を促し、手を添えて手助けしながら徐々に一人で出来るようにしています。


だからこの教本上下巻に何年もかけることはせず、1年経ったらさっさと次の本に進む。補助が必要なのは長くて1年という意味なのだと思います。



バーナムは音が順番に進むとか、音型パターンが決まっているなど譜読みが単純です。

それに比べると不思議の教本やグネーシナはもっと音楽的なので、譜読みは難しくはありませんが曲を覚えられる程度の練習は必要です。

その譜読み&タッチを要求するのが不思議の教本なので、譜読みに時間のかかる子どもは、タッチが複雑ではなく、ポリフォニーの要素も少ない教本で補う必要があると、気付きました。


イリーナ先生が1曲に3回以上レッスンをせず先に進むと仰っているのは、奏法が十分に満足行くものではなくともという意味だと思います。

私もそのつもりで進めておりましたが、奏法云々以前に、通して弾くことすら1曲に1ヶ月以上掛かる生徒が現れたので、満足に通して弾くことすら出来ていないのに曲を終わらせるわけにはいかずで困っておりました。

かと言って、これ以上短い曲で内容がこの教本に近いものがなかったので、悶々としながら不思議の教本を使い続けておりました。

細かなタッチの弾き分けとポリフォニーの要素を減らす方向に目を向けるべきでした。

9月に入って遅ればせながらそこを見直し、不思議な音の国上巻でスムーズに進んでいる生徒でも下巻に備えて他の教本を併用するようにしました。


必然的に曲が増えるので、レッスンも1曲にかける時間は短いです。2回弾いて直せなければもう1週間練習です。

1回ですぐに合格出来る曲もあればそうではない曲もある。
3~4曲あればどの程度弾けたら合格出来るのか分かってくると思います。


曲が多いと負担になるかと考えていましたが、遠慮した結果を見ると単に甘やかしただけのように思います。

本来、ピアノは自分で練習を進めていかなければ力は付きませんし、好きな曲が弾けるようにもなりませんので、難しいものではなくともどんどん弾ける曲で自信を付けてもらおうと思います。


単なる原点回帰。


でも、中身は少しは成長しているはず··


   


グネーシナの「ピアノのABC」はこちらでダウンロードできてしまいます。
фортепиано азбука PDF
ご購入はこちら
The Piano Abc Gnesina - AbeBooks

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そんなに違う?

2024年09月18日 | 不思議な音の国

2~3週間前から、「不思議な音の国」と別の教本を併用するようにしました。

曲数が増えるので負担になるかな、と少しだけ気にはなりましたが、いざ使ってみると別の教本は曲が「不思議な音の国」より3倍長くとも、難なく弾けます。


なんだ、これは・・

どういうことだ・・


「不思議な音の国 上巻」で4小節の曲がなかなか弾けないのに、別の教本の12小節の曲は1~2回で弾けてしまいました。

初見で弾いてもらい、そのまま合格になった曲さえあります。


年長さんですが、初見で合格した曲は初めてのことです。

その生徒さんが練習中の「不思議な音の国」はこちら。(ぼかしております。音の動きは把握して頂けるかと思います)



これのどこが難しいのかと思うのですが、左手から右手に変わる所で、「むずかしい」「むずかしい」と言います。


一方の別の教本は、ほぼ右手の曲ではありましたが、フレーズの終わり辺りにとても低い音(習っていない加線が4本もある音)がドーンと入ります。

右手のみに集中していれば良いわけではないのですが、それでも2回弾いただけで通せてしまいました。


なのに不思議の教本は、結局レッスンでは半分しか弾けませんでした。

この生徒さんは不思議の教本は上巻で終わりにします。
ご両親が外国の方で、しかもラテン系なので練習や宿題をしてもらうことは難しく、手の使い方も身に付きませんので、昔のレッスンにします。


今日はレッスンの最後に生徒さんが、「〇〇くん、ピアノひくのすき」と。


嬉しい言葉です。

それが一番。


それにしてもなぜ、不思議の教本は難しいと感じるのでしょう・・

見た目?

挿絵の雰囲気?

音の受け渡しが多いことは確かですけど・・



ん~、不思議。

不思議な音の国ですから、不思議なのは当然?


今頃、この教本の不思議さが色々と見つかってきました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お寿司のネタで

2024年09月08日 | 不思議な音の国

今週、レッスンで面白いことがありました。

不思議の教本で、黒白丸でリズムを叩くページをした生徒さんがいます。

本にあるものを叩くだけではなく、自分でも作ります。


漠然と何か作って、ではわからないので、よく好きな食べ物で考えてもらいます。


そう言っても思いつかない生徒さんが案外多いので、ケーキで考えてもらうことが多いです。

そうしましたら、「ケーキはあんまり食べない」と。

「じゃ、何が好き?」とききましたら、

「サーモン」


最初のレッスンで、この本にある「嬉しい時」の質問で、某寿司チェーン店のことを言っていたので、このサーモンはお寿司のネタです。


他にある?ときくと、

「ミートボール軍艦」


へえ、そんなのあるんだ。私は生の魚が苦手なので、お寿司屋さんには縁がなく、全く初耳でした。

この日は、サーモンとミートボール軍艦を黒白丸で書くことを宿題にしました。


翌週(今週のことです)、書いてきたのでそれを叩き、レッスンに付き添いで来ていたお兄ちゃんが、「コーンマヨネーズ軍艦」もある、と。


これは面白そうだと思い、黒白丸のカードで作ってもらいました。

しかし、カードが足りなかったので、「コーンマヨネーズ」まで。


そして、お兄ちゃんがメトロノームやりたい、と言うので無視しようと思いましたが、「軍艦」を並べてもらい、3つの異なるテンポで叩くことにしました。

同じ黒丸でもテンポによって長くも短くも感じてしまいますが、リズムは何も変わってはいなく、テンポが変わっただけです。

このことを実感できるのはもっと先のことだとは思いますが。


思いがけず、寿司ネタは使えると知ったのでした。
しかも、今どきの寿司ネタはリズムを作るのに使えそう。


こちらの動画は、チョコレートケーキを例にしたもの。
色々な音から弾き始めることをこの動画を見るまで忘れていました


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不思議な音の国 継続の目安

2024年09月05日 | 不思議な音の国

「不思議な音の国」を使い始めて7年目を迎えました。

この教本を使い続けられる生徒の目安が掴めたように思います。


この教本はピアノ導入教本です。

曲は大部分が8小節と短く、音域も2オクターブしかありません。
見た目は簡単に見えます。この内容で、本当にピアノが弾けるようになるのか、もっと難しい方が力が付くのではないか。

私も初めて見た時は、これは半年くらいで全部終わってしまうのでは?と思いました。


ところが、いざ使ってみると結構な手強さです。

タッチの細かさが半端ないです。

8小節の中に様々なアーティキュレーションが詰まっている上に、メロディーと伴奏というお決まりのパターンではない曲が多いので、両手で音を受け渡しながら頭の中でメロディーを繋いでいく力が必要です。

右手の音しか聴けないとか、左しか聴けないではメロディーが自分の中で繋がらず、何を弾いているのかわからない、どんな曲なのかさっぱりわからない、となってしまいます。


しかしこれが、多声体の音楽への入り口になります。
メロディーを手の中でどう受け渡そうが、それを続けて聴く力がなければ色々な作曲家には出会えなくなります。


ピアノを教えている身としては、この世にある素晴らしい曲に出合ってほしいと思っています。

しかし、それは全員に叶うことではありません。


出来れば基礎としてこの2冊は終えてほしいと思っておりますが、長い年月をかけて何とか終えても何も身になっていない人もいます。

それでは生徒も私もただの我慢大会に参加しただけです。


それを生徒にさせてしまっていたので、反省を踏まえ他の先生方の参考になればと思い、これまで使ってきた結果を振り返り、わかったことを書かせて頂こうと思います。



この教本は練習が絶対に必要です。音を読んで弾いていくだけで弾ける教本ではないからです。


どのようにレガートを弾くかとか、4分音符のスタッカートはどのように手首を使うかとか、アクセント、テヌート、はどうするかとか・・


長い期間をかけてそれらのことを毎回レッスンしても、全く身に付いていない、記憶にも残っていない生徒が存在します。

音楽は好きでも、音には興味がないのかもしれません。


これは、ただの参考程度にお読み頂ければと思いますが、

上巻は練習をすれば就学前のお子さんでも10カ月で終わります。
それ以上時間がかかっている場合は、下巻に進むのは難しいのではと思います。

小学2年生以上でピアノを始めた生徒さんは、上巻はさほど練習をしなくとも5カ月くらいで終わってしまいます。ただ、音を出す時に注意されたことを自分で意識できているかをみると、練習の有無は大体分かります。そして指使いに無頓着な場合は、あまり練習していないと見て良いかもしれません。

どの指で弾くかがわかっていなければ、力まずに鍵盤に手を下ろす準備ができません。その場で慌ててこっちの指だったとやっていると、上手く力が抜けず、取り敢えず自分は曲が弾けたから良いになってしまい、この教本を使う意味がなくなります。

すると、下巻に入って早々に1曲に3週間くらいかかり、クレッシェンドとデクレッシェンドの章で、さらに時間がかかるようになります。


週に4日以上、1日につき15~30分練習できていると、最低でも上巻は1回のレッスンで3曲は弾けると思いますし、下巻ははじめの方は2曲は弾けると思います。

弾けるの意味は音の出し方に注意を払っての意味です。

上巻で週1曲、それを3週間かけて終わらせているようでしたら、この教本は難しいと考えて良いのではないでしょうか。


長く続けたとしても、残念ながら身に付くものがほぼないのが現実です。

でしたら、方向転換した方が良いと思います。
細やかなニュアンスを要求されていない教本に変えた方が良いです。


どこまで様子を見るかですが、私の経験では3年半が限界だと思います。
発表会で4カ月くらい教本をお休みにした期間を含んでいますので、4カ月×3年で1年分は差し引くと、教本を休みなく使って2年半で終わりが見えていなければ、使い続けても意味を成さないということになりそうです。


教本の著者イリーナさんは、2冊を1年で終えると仰っています。
月3回、30分レッスンで計算すると、倍近くかかると思います。


速く進むことが良いわけではありませんが、ピアノは練習量やご家族のご協力が大きく左右するので、遅くともいつまでにどこまで進んでいるか、どのくらいのペースで曲が仕上がるかは、こうなってくれたらという希望は織り込まずに見極める必要があると思います。


この教本を使っても、良い基礎が身に付いてくれたなと思える生徒は、結局、練習を続けた生徒だけです。

初級でここまでの細かな技術が身に付いた生徒は、この教本を使うまで誰もいませんでした。私自身がこのような教え方を知らなかったということもあります。


どこで方向転換するかもっと早く気付くべきでした。

反省点のもう1点は、併用本を積極的に使うべきだったこと。
この教本の曲の短さが問題で、新しい音が出てきた時に、週に2回程度しか曲を弾かない生徒は、これではいつまでたっても音が読めるようになりません。

16小節、32小節とあると、同じことの繰り返しがあるので、その度に新しく習った音を目にします。
少ない練習回数なのは問題ではありますが、8小節の曲を2~3回しか弾かないよりは、まだましです。

リズムに関しても同様です。
曲が短いと何度も繰り返し練習をする生徒は覚えられますが、そうではない生徒は、曲が新しくなるたびに8分音符の速さがわからなくなります。

この教本を使うようになって、私はそのような生徒が増えました。
弾けなければ曲のレッスンに時間がかかってしまい、リズムをカードで練習をするなどといった時間が作れなくなってしまいます。


イリーナさんが1年以上使わない、と言った意味がこのことからもわかります。

上巻は平均8カ月かかります(未就学児は10か月)。そのペースでしたら下巻に進めると思います。ただし、併用教本なり曲集は必要だと思います。


この教本に変えた頃は、2年弱で皆、2冊終えていたので私も併用するものが必要だとは考えておりませんでした。


皆、よく頑張ってくれていたんだと、今頃、知りました。



色々と書きましたが、7年使って私が得た結論として、1週間で1曲しか弾けない生徒さんにはこの教本は向いていない。
なぜなら、曲が短すぎて音の読み方もリズムも覚えられないから。

3~5曲ずつ練習できれば、音の出し方、手の使い方に集中でき、逆に曲の短さを活かせます。
このペースでしたら2冊を長くとも2年弱で終わらせられます。時々、他の曲を弾く余裕もあるはずです。

この教本の良さを先生方にも活かして頂けたらと思い、反省点を書き連ねてみました。

あくまで私が使ってみての結果ですので、このようなケースもあるのだという程度で捉えて頂ければと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おそろしく時間がかかる

2024年08月29日 | 不思議な音の国

「不思議な音の国」の著者イリーナさんは、この教本は上下巻合わせて1年以上費やさない。1曲に3回以上レッスンせずに進む、と仰っています。



昨年、この教本を3年半かけて終えた生徒が2人います。
練習をサボってというわけではなく、習得するのに時間がかかるタイプだったからです


この2人は、時間はかかりましたが基本は身に付いていると感じます。
音楽的な表現に長けているわけではありませんが、アーティキュレーションに対して無頓着なことはなく、平板な一本調子な演奏はしません。



ところが今、3年半を大きく上回る生徒が3人います。

小1から始めた小6、小5の生徒、年中から始めた小5の生徒です。

この3人は宿題の曲を家で何とか形にしてくることはまずありません。
音が読めないのかと思い、毎回手伝っていましたが一緒にやると読めていないわけでもなく··

レッスンで一緒にしたから、これでどういう曲かわかったので家で練習できるだろうと思っていると、「今週は忙しくてできなかった」ということがよくありました。もしくは「練習するのを忘れていた」と。


練習するのを忘れていた、は疑問しかない言い訳です。

ピアノを習っていたら毎回必ず練習する曲があります。このような生徒は書く宿題も絶対にしてくることはありませんので、翌週また同じものを宿題にします。

しかしそれでもしてこないことが多いので、結局レッスンの時間の中ですることになります。

書く作業は時間がかかります。特に年齢が低いお子さんはそうなので、これだけでレッスン時間の半分以上は使ってしまいます。



こうしたことの積み重ねが、ピアノを始めて5年も経つのに導入教本さえ終えることができない事態を生みます。

これだけ時間をかけたにも関わらず、最後の章に来ても、浅い音でスラーの弾き方さえ覚えることなく弾いている姿を見ると全ては無駄だったとしか思えなくなります。


ご家庭で放置され、やっつけの連続でその場しのぎで続けても、基礎は身に付かないことがこの教本を使ってよくわかるようになりました。


やろうとして時間がかかった3年半は意味がありますが、練習をサボり続けた5年は意味がないです。

練習してこられなかった言い訳に「お兄ちゃんが剣道があったから」と言われたり、レッスンで必要な楽譜を何かしら家に置いてきたり、空の鞄だけ持ってきたり、無断欠席するご家庭があったり··

これは趣味の習い事だとしても、「学ぶ」ということをご家庭で考えるべきだと思います。

子どもの頃の習い事への姿勢は、大人になってからの仕事や態度に表れるのではないかと思います。

信頼されなければ仕事を任せられないし、人として付き合えない。


習い事はその事自体に成果が見られなくとも、どのように向き合ったかに意味があるのではないかと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

作曲

2024年08月07日 | 不思議な音の国

不思議の教本上巻にある作曲のページで生徒さんが作った曲です。

決められたリズムパターンで作るのですが、なぜかリズムも自分で新たに作って作曲してくる生徒さんがよくいます。

今回の生徒さんもそうです。

せっかく作ったのでそのままにしました。


全音符をここに?と思いますが、そのままです。

リズムも音楽の流れに乗ったものを作れた方が良いので、このページではあえてリズムパターンが作られているのだと思います。


生徒さんに曲名をつけてもらおうとしましたら、「わからない」と。

どんな気持ちの曲なの?悲しいの?楽しいの?

「・・・」

先生には悲しく感じる、と言いましたら

「そう思って作った」と。


どんなときに悲しくなる?なにか悲しかったことあった?、とききましたら、

「ピンクのうさちゃんの風船もらってきて、夜寝る時にはあったのに、朝起きたらなくなってた。どこにいったかわからない。われたのか、とんでいったのか、さがしてもみつからなかった」と。


それで、<ピンクのうさちゃんのふうせんが・・>にしました。

どこに行ったんだろう、という意味の「・・」です。



【作曲】ピンクのうさちゃんのふうせんが・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そう思っていたとは

2024年07月25日 | 不思議な音の国

不思議な音の国下巻の最後の章に入った生徒さん。


「これ終わったら何やるの?」

と、きかれたたので


「最初に使ったアドヴェンチャーのシリーズにしようかと思って」

と答えると、


「あれ、簡単だった。」
「この本(不思議な音の国)は難しい。すごく難しい」

と。


あら?そう思ってたの?、と心の中で思い、
「アドヴェンチャーは曲が面白かったと思うけど、こっちは地味な曲が多くない?」

と言うと、


意外な顔をして「そうでもない。けっこういい曲があった」と。

なんと!

曲がつまらないのかと思うくらい弾いてこないので、まさかそのように思っているとは夢にも思いませんでした。


難しかったのか・・と、最後の章に来て初めて知りました。


この教本は短い曲しかありませんが、1小節たりとも気を抜くことが出来ない本です。

何も考えず惰性で音だけ追えれば良し!という本ではありません。


わかってたのか、と同時に、この本の曲がけっこう好きでいてくれたことを知り、嬉しく思いました。



それにしてもこの本、最後の章に来て突然、時代設定はいつ?と疑問が湧いてきます。

古い時代の話かと思っていたら、最後に電車出現。

そんな話をしていたらその生徒さんが、「だったら途中にも変な絵があった」とミミズクがマイクを持って歌っているページを開きました。

あらま、これも古い時代だとしたら可笑しいことに・・


まさに「不思議な音の国」


妙に納得。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

演奏で楽しませる

2024年07月18日 | 不思議な音の国

子どもたちに、音楽ってこんな風に楽しめると教えるのも先生の役目だと思います。

楽器店の発表会では、最近はジブリやディズニーでさえクラシックに思えるほどで、同じ音ばかり続く16分音符のシンコペーションしかないような曲が弾かれることが目立っています。

歌うには良くてもピアノに向いた曲、そうではない曲はあります。
生徒さんが活きる選曲や、知らない曲でも弾いてみたら好きになったという曲は海外の曲集にはいくらでもあるので、若い先生方にはそういったリサーチにもっと時間を使っていただけたら良いなと思います。


でも、こちらの曲は知りませんでした
6手連弾でこのような楽しいものがあるのですね。

パフォーマンスは楽しげでも、音は単純ではありません。頭も耳も使って、アンサンブルも。
このようなことができて羨ましいです。同じ年代の子の実力を揃えるだけでも日々どれだけのことをされているか。真似しようにもできません··




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よるのおはなし

2024年07月12日 | 不思議な音の国

グループレッスンからピアノ個人に移動した小1の生徒さんが作った曲。

曲名が付いていない状態でアレンジしたのですが、最初のヴァージョンは「まぁまぁ」という顔をしていました。

しかし、そのあとの連弾ヴァージョンは複雑な顔をしました。


「イメージと違かった?」と訊くと、頷きました。

がっかりさせてしまったなと思い、「この曲に題名付けられる?曲の名前」と言うと、


「よるのおはなし」


おー!なんてステキな曲名でしょう。


それを聞いて、「全然違かったね。最初に聴いた方が近かったかな」と言うと頷いてくれました。

それで、静かな雰囲気にして連弾をしました。
その様子は録画しておりませんが、この曲名は私の心に残るものになりました。

下の動画の最初のものが、生徒さんのイメージに少し近いようです。後半はダメダメでした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エントランスには椅子

2024年07月08日 | 不思議な音の国

真ん中のドには加線が必要ですが、これを書き忘れる生徒さんもいれば、逆に他の音にも書く生徒さんもいます。

他の音にも書く生徒さんの方が多いかもしれません。


こちらの音のマンション。
 


真ん中のドはマンションの玄関です。つまり入口、かっこ良く言うとエントランス

エントランスの椅子で王様とドラゴンはいつも寛いでいます。
この管理人はマンションのオーナーでもあり、ラグジュアリーなマンションでリッチに暮らしながら音たちとのおしゃべりを楽しんでいます。


このマンションは何せラグジュアリーでリッチなので、エレベーターを降りたら各階ともすぐに部屋の玄関です。ワンフロアで一世帯。
なので、椅子なんて必要ありません。

おぉ、憧れる~


ただ··

エレベーターは5線を越えると無くなります。そこから先は階段を使って下さいになります。
加線のことです。


教本にある王様の椅子を上手く活かせませんでしたが、これで活用できそうです。


私が絵が描けたらエントランスのラグジュアリーさ加減を描いて生徒に伝えられるのに··

クッ··

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする