おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

マスレエフのカーネギーデビュー

2017年01月31日 | コンサート情報
大きなコンクールで優勝すると世界各地でたくさんの演奏機会が得られるのだと
マスレエフを通して知りました。
本当にあちこち飛び回っています。

新しいコンチェルトの曲もどんどん登場し、一体いつ練習しているのだろうと不思議になります。

ロシアの子供たちを見ていると11~12歳頃からハイドン、モーツァルトのコンチェルトを始め、
13~14歳でサンサーンス2番やショパン、15~16歳でラフマニノフ1番と続々とコンチェルトを
弾いているのを動画で随分と目にしました。

演奏家になる前にすでにレパートリーは十分持ち合わせているのがわかります。

指導者も自分で譜めくりしながら発表の場で生徒のオケ伴をバリバリ弾いています。
その指導者も国内でリサイタルやオケとの共演、海外での演奏と飛び回っています。


東シベリアのウラン・ウデ出身のマスレエフは親元を離れ、ノヴォシビルスクの音楽学校におばあ様のもとから通いました。
お父さんは地質学者のようで(ちょっとアシュケナージに似ています。お名前も同じウラディミールさん)、今はサンクト・ペテルブルグにお住まいなようで、そこでのコンサートには必ずドミパパ登場しています。

音楽家の家庭ではなかったのでピアノを始めた最初の1年は家にピアノがなかったそうです。
公共施設でピアノを借りて練習したそうです。

そのような少年が、ここまできたのです。感慨深いです・・他人ですが・・


さてさて、カーネギーは「ギフト オブ ライフ」のチャリティーとして行われ、
チケットは完売だったようです。
ファンの情報ではスタンディングオベーションとブラボー!の中、
アンコール4曲を演奏したそうです。

ひとまず無事に終えられたようです。

来月はマスレエフの夢の一つ、お得意のリスト「死の舞踏」のオケとの共演、
恩師ペトゥホフがコンチェルトに編曲したリストの「スペイン狂詩曲」をスイスで演奏するようです。

日本でも聴きたい・・
その前に、また来日してくれるのだろうか・・

カーネギーでの写真。満足そうな表情です。
https://vk.com/albums-102525414?z=photo-102525414_456239766%2Fphotos-102525414

マスレエフが撮影したカーネギーホールの写真。
素晴らしすぎてカーネギーホールがfacebookにシェアしました。
実はマスレエフの写真の腕前は相当なものです。
https://vk.com/albums-102525414?z=photo-102525414_456239757%2Fphotos-102525414


ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
追記
カーネギーデビューのレビューが早速公開されました。
全曲について書かれていますがその中から、
スカルラッティソナタとリスト「死の舞踏」。

By Joshua Rosenblum, Contributing Writer, February 1, 2017

The twenty-eight-year-old Siberian-born pianist Dmitry Masleev achieved worldwide fame in 2015 when he won the Gold Medal at the International Tchaikovsky Competition. He has concertized extensively since then, and January 30 at Carnegie Hall marked his New York recital debut. It was a thoroughly memorable event. Masleev began his fiercely demanding program with four Scarlatti sonatas, easing into the first one (Sonata in B minor, K. 27) with a delicacy of touch that made the opening figure seem to fade in from nowhere. He drew unexpected profundity from the piece’s meltingly beautiful descending sequences, with a tone that managed to be crisp and plush at the same time. He launched into the second one (Sonata in F minor, K. 466) almost without pause, as if he couldn’t wait to get to it. Masleev is clearly passionate about these pieces, but he doesn’t over-romanticize them; he just plays them flawlessly and with unusual soulfulness. The closing piece of the set, Sonata in D minor, K. 141, features dazzling torrents of repeated notes, which Masleev rendered immaculately without sacrificing his generally sumptuous approach.

The program concluded with Liszt’s notorious Totentanz. The original version for piano and orchestra is a formidable challenge for pianists; the version Masleev played—the composer’s own reduction of the piece for solo piano—compounds the level of difficulty to a fearsome degree. The piece is a fiendishly imaginative set of variations on the ancient “Dies irae” theme, and each section somehow outdoes the previous one in virtuosity, pushing piano technique to its very limit. Masleev tossed it off with raging bravura, thundering up and down the keyboard with dizzying speed and jaw-dropping octave passagework. One scarcely missed the orchestra. Those judges in Moscow made the right call—this is one of the genuinely great pianists of his generation. During his bows, Masleev seemed thrilled to have made his Carnegie Hall debut, and the elated audience brought him back for four encores.

全文はこちらhttp://newyorkcityinformer.com/312474/review-dmitry-masleev-dazzles-in-his-new-york-recital-debut-at-carnegie-hall-nyc-events/

繊細なタッチ、豊かな音色で、過度な感情表現なしに作品の奥深さを引き出した。
モスクワの審査員は彼の世代の中で真に偉大なピアニストの1人として正しい選択をした。

というようなことを書いてあると思います。(抜粋しすぎですが・・)

年齢の半分にしか見えない少年のようであるが驚くべき体力とパワーであるともありました。

どのインタビューでも「温厚で控えめな青年」と書かれているマスレエフです。
誰に対しても丁寧に接する青年です。


そんなマスレエフが作品の奥にあるものを引き出し、気付かせてくれることに私はハッとしながら
聴き入ってしまうのです。
そしてそれが多彩な音色とタッチで紡ぎ出されていきます。神がかりです。

今風には「神ってる」ですか・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京・春・音楽祭/ボリス・ギルトブルグ

2017年01月30日 | コンサート情報
今年4月の「東京・春・音楽祭」にギルトブルグがやってきます。
昨年突然に気に入ってしまったピアニストです。

初めて生で聴くのを楽しみにしています♡

澄んだ音と、驚くほど洗練された演奏に惹かれていますが、
生と死のはざまを彷徨うような音楽にも引きつけられています。


ギルトブルグの演奏するクライスラー/ラフマニノフの「愛の悲しみ」が素晴らしく、
彼の演奏を聴いてこの曲を弾きたくなりました。

素晴らしい演奏を聴いて、自分もこんな風に弾いてみたいと憧れるのは何十年振りのことか・・


ギルトブルグの手は大きい方ではなく小柄な方のようにお見受けします。
コンチェルトのオクターブが続く所は自分にとって挑戦だとよくおっしゃっています。

BBC Music Magazine's websiteに記事を書いていらっしゃるのですが、
イマジネーション豊かなのがわかります。

エミール・ギレリスがギルトブルグにとって永遠のヒーローだそうです。
あの金色の音に憧れるとありました。

演奏家が書いた文を読むことができるのは興味深いことです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドミトリー・マスレエフ カーネギー・ホールデビュー近し!

2017年01月29日 | コンサート情報
2015年のチャイコフスキーコンクールで優勝したマスレエフの
カーネギ―ホールデビューが1月30日にやってきます。

1月18日にアメリカに旅立ち、カーネギーの前にリサイタル、コンチェルト、室内楽等が
アメリカ国内で5公演行われました。


そしていよいよカーネギーです。

あ~、ドキドキします。


ご本人はロシアを出発する時からワクワクなようでした。
他の公演を終え、いよいよニューヨークに到着した時には「やったー、やったー」の喜びようです。

マスレエフは長く地道に研鑚を重ねてきた人なので、カーネギーはご本人にとっても
夢に見ていた舞台なのだと思います。

アメリカ公演ではマスレエフの良さが聴衆に受け入れられているようです。ホッ・・



これは今年の最初のコンサートです。
モスクワ音楽院大ホールで行われたカーネギーと同じプログラムのリサイタルです。

プログラムの最初にあるスカルラッティのソナタ。
聴いてやって下さい。


関係ありませんが、日本では演奏家に花束を渡すのは若い女性が多いと思いますが、
ロシアでは年配の女性、若くない男性、若い男性、お子様など、年齢性別は全く関係なく、
渡したければ誰でも渡しに行くようです。

プログラムが全て終わっていなくとも素晴らしいと思った時に渡す。

ステージの手前を花で飾っていることも少なくありません。

そしてよく曲目を司会者が読み上げています。

優しい雰囲気が会場に漂っていて、演奏者を温かく見守っている空気が伝わってきます。


でもロシア人の演奏を聴いていると弱気は禁物!という感じがビシビシ伝わってきます。

                      
               


あ~、ドキドキ・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑩~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月16日 | フォルマシオン・ミュジカル
楽しく両手のリズム打ちができるものをご紹介いたします。


(Faisons de la musique en F.M. vol.2)


これは大人の方に使うことが多いです。

しかしこの課題、8分音符の前にある8分休符がなかなか難しいのです。
大人になってからピアノを始めた方にこのリズムの組み合わせは簡単ではないようです。

このリズムができなくともピアノは弾けますので深刻になる必要はありませんが、
せっかくなので練習していただいています。


8分休符と8分音符を続けて「ンタ ンタ」と手で叩けるようにして、まずはそのリズムだけでCDと合わせます。

それができるようになったら、初めの小節だけ両手で繰り返し叩いていただきCDと合わせます。

大抵、途中からCDとズレていきますが半分できるだけでも進歩です。


一度に楽譜通りできなくとも工夫して使うことができるのがF.M.の良さでもあります。

ただ、CDを使用するのでそのテンポについていく必要があるのが良さでもあり、難しさでもありです。


ネイティヴなスピードの語学教材を思い出します・・

いつか耳が慣れると信じて継続!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑨~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月13日 | フォルマシオン・ミュジカル
ピアノレッスンでオーケストラのスコア譜を見ることはまずありません。

10年間レッスンに通っていてもピアノ以外の楽譜は見たことがないというのは珍しい話ではありません。

私は、F.M.を知るまで生徒にわざわざ他楽器の楽譜やスコア譜を見せようなどと考えたことはありませんでした。

なのに生徒にはフルートのような音とかチェロのような音とか言ってみたりして・・



ハ音記号の読み方がわかった生徒に次の曲を読んでもらっています。


(Faisons de la musique en F.M. vol.2)

ハイドンの交響曲「驚愕」です。
小学生に「驚愕」という言葉は難しいので「びっくり交響曲」と言っています。


実は、F.M.を始める前は生徒たちに少しでもクラシック音楽の作曲家、作品、音楽史を知ってほしいと思いバロックから順に作曲家とその代表作を聴いてもらっておりました。

月に1度のペースでやるようにしていましたが、聴くのにも話をするのにもけっこう時間がかかるので楽器店の30分レッスンでは続けることが難しくなっておりました。

(予定通りすべて達成できたのは学生の頃に出張レッスンで教えていた生徒だけで、音楽を聴いてもらう日は90分レッスンになっていました。普段は60分レッスンです。楽器店の生徒には全く行っておりませんでしたが、このままでは良くないと5~6年前から始めていました。)

時間の捻出に無理がありこの企画が立ち消えになりかけていた頃にF.M.を知ることになり、様々な作品、作曲家を紹介できる機会を得ました。
しかも聴音、視唱、リズム打ちも合わせてできるわけで、私にとっては本当に理想の形態でした。

このハイドンの曲はその立ち消え企画で聴いてもらっていた曲です。
スコアまで見ることができるとはありがたいことです。
私の企画にはスコアを見てもらったり、ハ音記号を読んでもらうことはなかったので単なる鑑賞教室にならぬようこのような要素が必要なのだと学びました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑧~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月12日 | フォルマシオン・ミュジカル
ヘ音記号を読むのが苦手という生徒さんに使っているものの一つです。


 (Faisons de la musique en F.M.vol.2)

自信のなさそうな生徒さんには色のついている所だけ読んでもらいます。
基本的に練習はなしで、すぐにCDの音楽と一緒に読んでもらっています。

何の楽器で演奏されているかも質問します。

CDの曲が始まるとテンポが速いので、ほとんどの生徒は「え~」と驚きます。
心配な生徒さんには黙って一度曲を聴いてもらっても良いと思います。

2~3週同じ課題をしてもらい、忘れたころにまた同じものをしてもらっています。

本当はテキストを買っていただいてご自宅でCDの音楽と共に読む練習をしてもらえると一番良いと思いますが、趣味のために楽譜より高いテキストをご購入いただく勇気はまだ私にはありません・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑦~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月09日 | フォルマシオン・ミュジカル
音部記号にはト音記号、ヘ音記号以外にハ音記号と言うものが存在すると生徒に話すと思いの外興味を示します。

ハ音記号は初級の生徒さんの方が読めます。さらに男の子の方が読めます。


この曲を初めに読んでもらっています。
                


読みながら何の曲か気が付く生徒と、私が質問して初めて何の曲か考える生徒がいます。

差はこうやって生まれていきます。

これは「Faisons de la musique en F.M. vol.2」にあります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑥~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月08日 | フォルマシオン・ミュジカル
音の読み書きの練習に使っているものをご紹介します。




この梯子のような図にある丸を5線に書くわけです。
半音の所は狭くなっております。

まずは丸をたどって歌います。
それから5線に書きます。

ヘ音記号に書くこともしています。
オクターブ高くしたり低くしたりもしています。

最後にこれを聴音に使っています。
4問ずつあるので、その中のどれかを私がピアノで弾いて生徒に当ててもらっています。

これは「Faisons de la musique en F.M. vol.1」にあるものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ、よく使っています⑤~フォルマシオン・ミュジカルテキストから~

2017年01月06日 | フォルマシオン・ミュジカル
第5弾はまたしてもアクセントの課題です。

<アクセントその3>
2つの8分音符の最初にアクセントをつけるリズム打ちを他のテキストでもすることができます。
「Faisons de la musique en F.M.vol.1」です。

但しこちらは12 12と数えるように指示はされてはおりません。
前回ご紹介したテキストの流れで同じように数えてもらっているだけです。

前回ご紹介した「L'ouverture à la musique vol.1」もずっとこの数え方ではなく、
2拍子、3拍子、4拍子と拍子の説明が出てきた所で本来の数え方にしています。
両手で指揮をしながら。

初心者の大人の方で同じリズムが続くとどこを弾いているのか分からなくなる方がいらっしゃると思います。
正統派をつらぬいてあくまで拍子に合わせて演奏していただくのもよいと思いますが、目先を変えて音符の数で数えてみてもよいと思っています。

F.M.のことを全く知らなかった頃は私もあくまで拍子に合わせて弾いていただいておりました。
なかなかできない生徒さんの戸惑う表情を見て励ますことが仕事の一つのように思っておりましたが今は違います。

音符の数を数えて弾いていただくと皆さんすぐにできます。
経験を積むうちに拍子の感覚が分かればよいと思っています。

拍子にこだわってリズム感の良くない演奏になるのとどちらを優先するかです。

F.M.は私の常識を見直す機会にもなっています。

                    


こんな音楽に合わせて手を叩きます。




この課題は最後に5個の音符に合わせて言葉を言います。
フランス語で書かれていますが私は生徒に考えてもらっています。


ある生徒に「5文字の言葉なにかある?」と聞いてみましたら、
しばらくして・・・・

「か・ん・き・せ・ん」

子供の発想には敵いません・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする