「ランタンポレル」
聞き慣れない言葉ですが、今年はそのフェスティヴァルの
第1回にあたるそうです。
「L'intemporel」とは、「時を超えた、非時間的な」
というフラン語だそうで。
フランスの複数の音楽祭とブーレーズによって創設された
IRCAM(イルカム:ポンピドゥーの関連組織にある
世界最大級の公的音楽研究機関)と提携したフェスティヴァルだそうで。
何のことやらよく理解できていません
東京文化会館音楽監督の野平一郎さんによると、
現在の音楽祭は、現代音楽においては、ますます
専門化し一般聴衆には近寄りがたくなっており、
一方、古典音楽は限定された名曲を繰り返し
演奏しているだけで、この2つには全く交わる点がない、と。
なのでこの音楽祭では、この現状を打開すべく、
2つの「ランタンポレル」をお考えになったそうです。
ひとつは、
現代に活躍する作曲家と、歴史上著名な作曲家を
ペアにしたコンサート。
もうひとつは、
20世紀初頭の無声映画の名作に音楽を付けた
シネマコンサート。
こちらはIRCAMと全面的に提携しているとのこと。
前者は、レ・ヴォルク音楽祭と提携していて、
この主要メンバーはピリオド楽器のオケとして
知られる楽員たちが中心であることから、
ピアノリサイタルでも、一人で古典作品では
フォルテピアノ、現代作品ではモダンピアノを
使い分けて演奏するそうです。
ということで、今日は
阪田知樹さんのその演奏を聴いてきました。
最初は、フィリップ・マヌリの第2ソナタ「変奏曲」
こちらはモダンピアノ。
30分ほどの大曲で、久し振りに生粋の現代曲を
聴いた感じでした。
長いフレーズはほとんどなく、俳句を並べたような、
短い詩を並べたような、
それが変奏だったのかもしれませんが、
さっぱりわかりませんでした。
ソステヌートペダルで響きを残して
ひとつの変奏が終わる形態が主でした。
このような感性と言うのはどこからくるのだろうと
思いながら、このような音楽でも演奏家は
理解して演奏するのだなと、尊敬しかないです。
作曲者のマヌリさんも会場にいらしていました。
前日にご本人からアドヴァイスを受けられたようですが、
作曲者本人の前で演奏するのはどのような気分なのでしょう。
続いて休憩なしで、1時間ほどかかるベートーヴェンの
ディアベリ変奏曲。
こちらはフォルテピアノ。
コンサート会場ではじめてフォルテピアノを聴きました。
モダンピアノに比べると、音量が圧倒的に小さい。
こんなに違うのだなと、ピリオドしかない
コンサートでしたらその違いがはっきりとは
分からなかったかもしれなかったので、
良い経験でした。
ショパンのピリオドコンクールはこれにオケが入るのかと、
あの従来のショパンコンクールと同じ会場でコンチェルトを
演奏しているわけで、ピリオドのコンクールをやろうと
最初に思い付いた人は凄い発想の持ち主だなと思いました。
作曲家がこの楽器の音で曲を考えたわけで、
フォルテピアノで実際に弾くと、おそらくモダンでは
気付かなかったことを発見するだろうな、と思いました。
機会があったら、遊びで良いのでちょっと弾いてみたいと
思いました。
11/30は務川さんが登場します。
聴きに行けないのが残念です。
彼はフォルテピアノの勉強もパリでずっとされていますし、
聴きたかったです。
曲は現代曲とシューベルトの組み合わせ。
彼のシューベルトも多様な音色で聴かせてくれるのだろうな
と興味がありますが、今回はレッスンがあるので行けません。
カントロフも祝日の翌週にサントリーホールでは
聴きに行けないので、川崎まで行きました。
祝日の翌週はピアノの先生は休めないのでは
ないかと・・
でも、川崎でも行けて良かったです。