おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシア人ピアニストの秘密?

2016年08月21日 | 楽譜の話題
2015年に開催された第15回チャイコフスキーコンクール。
そこで優勝したドミトリー・マスレエフの活躍を願って止みません。

彼をきっかけに、主にロシア国内で活躍する若いロシア人ピアニストの演奏を動画で聴く機会が増えました。

彼らの演奏はこれまで全く聴いてきませんでしたが、皆さんとても音が美しい。
テクニックも音楽に結びついたもので素晴らしい。

オケ伴をしている先生も本気で生徒さんの伴奏をしています。
バリバリの現役ピアニストが先生でもあり、そのような方の演奏を身近に聴きながらレッスンを受ける環境にあるのだと思いました。

ロシアの音楽教育の真剣さが彼らの演奏を聴くとよくわかります。

聴いているうちに、一体どのようなメソードで教育しているのだろうと思い始めました。

昔からロシア人の偉大なピアニストは幾人もおりますが、その方たちは特別なのだろうと思っておりました。
しかしマスレエフをきっかけに、もっと若い方たちの演奏を聴いてみても素晴らしい方たちがたくさんいることを知りました。

ますます秘密を知りたくなりました。

            

そこで一つ興味深いものを見つけました。

日本でもご存知の方はいらっしゃるテキストのようですが、ロシア版ハノンのようなものを見つけました。
ピアノ曲に実際によくあるパッセージを全調で練習できる基礎テクニックのためのテキストです。

入手し、早速全部弾いてみました。

まともに弾けないものがたくさんありました・・
途方に暮れるくらい弾けないものもありました・・

ロシアの10代前半の学生さんたちの演奏を思い浮かべると、私は音楽愛好家だとガックリきました。

しかし途方に暮れてガックリときている場合ではありません。
私が目指している演奏に近付く方法がここにある!と思いました。

今、毎日そのテキストを練習しています。

そして生徒にも使える子には使おうと、早速数人に使い始めました。

テキストの範囲は生徒の力に応じてです。

導入期に多様なタッチを学ぶことができるテキストも見つけたのでこちらも試したいと思っています。

どちらも良いお手本があってこそのテキストなので、私もロシアの先生方を見習って本気モード全開で臨みます!
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フォルマシオン・ミュジカルを始めて思うこと

2016年08月07日 | フォルマシオン・ミュジカル
フォルマシオン・ミュジカルをレッスンに取り入れて4年目を迎えました。

F.M.のないレッスンは今では考えられないほど大切なものとなっています。

生徒たちにどのくらい役に立っているかは真実を知るのが怖くて本人たちにはまだ確かめておりませんが・・・

私は生きた音楽から、聴音、視唱、読譜、リズム打ちといった力が身に付けられれば素晴らしいことだと思いF.M.を始めました。

実際は聴音や視唱に関しては従来の方法の方が手っ取り早く身に付きます。
F.M.はピアノ以外の楽器の音の聴き取りを初めからしますので、聴き取り易さから言うとピアノの音が一番聴き取り易いです。
ピアノで全音や半音は聴き取れても管楽器や声になるとわからないということがよくあります。
習い始めの生徒にそれでも耳が慣れるまでしばらくそのような音を聴かせるべきか、それともピアノの音で訓練した方が良いのか
悩みます。
ピアノの音に慣れて他の楽器の音ではわからない耳になってしまっては惜しいとも思います。

両方をじっくり行うことができれば悩むこともないかと思われますが、私が行っている楽器店の30分レッスンではピアノのレッスンが
メインですのでこればかりに時間を割くことはできません。

F.M.を始める前は生徒たちはピアノの音だけで聴音をしていました。
あとから他の楽器の音を覚えて聴き取ることを始めても生徒は少しずつ聴き取れてきますので、それを考えると習い始めは聴き取り易い楽器の音で音感を身に付ける方法でもよいのかもしれません。


リズム打ちに関してはF.M.の方が機械的になりませんので良いと思います。
ただ、以前はカードを使った両手のリズム打ちを随分してもらっていたのですが、習い始めからF.M.でレッスンをしている生徒はその機会がほぼなくなってしまいました。

左右で異なるアーティキュレーションやフレージングが出てきた時にうまく対応できないでいるのを目にし、これは両手のリズム打ちはやらなければいけないと思いまたやり始めました。

                                                              
F.M.をやって最も良かったと思うことは、生徒たちに色々な曲を聴いてもらう機会ができたことです。
ピアノ曲以外のもの、様々な形態のアンサンブル、ルネサンスから現代までの幅広い作品など通常のピアノのレッスンだけでは
生徒たちに聴いてもらうことができなかったものが数多くあります。

現代曲に合わせてリズムを叩いたり(頻繁に変わる拍子にお互い必死です)、
ピアノ曲以外の譜面を一緒に読んだり・・

生徒は自分の進度にあった楽譜しかお目にかからないことも少なくないと思います。
しかし、F.M.では弾けそうにない現代曲の楽譜も目にすることができます。
管楽器や弦楽器の経験がなくともそれらの楽器のための譜面を見ることができます。

クラシック音楽と言っても様々なものがあることを知るだけでもF.M.の意味があると思います。

それから生徒と会話が増えたことも嬉しいことです。
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フォルマシオン・ミュジカル Faisons de la musique en F.M.vol.3

2016年08月01日 | フォルマシオン・ミュジカル
愛用している「Faisons de la musique en F.M.」の第3巻が6月に発刊されました。

早速入手し6月末から使い始めています。

オリジナル曲が増えております。
特にリズム打ちに多くそれは見受けられます。

そして、曲も長くなっております。
1ページど~んとあります。

音の跳躍が大きいもの
音部記号が途中から変わるもの
臨時記号が頻繁に現れ音程が取りにくいもの
調号が多いもの
1段譜に2声体で記譜されているもの
重音や和音が多いもの
ポリフォニーのもの

など、内容はこれまでより少し難しくなっております。

リズム打ちでは、それらを読みながら、または聴きながらその音楽とは全く異なるリズムを叩きます。

読む練習ではポリフォニーの課題が5題はあります。
これは大変助かります。

             

ポリフォニーの譜面に慣れていないと縦に音を合わせる習慣がついてしまい、横に声部を分けて見る目が育たないことがあります。
子供の頃にピアノの経験がある大人の生徒さんで、よくわからずにぼんやりと弾いている部分にありがちなのがこのポリフォニックな表記の部分です。

声部が横に分かれているものを自分の目で分けて見ることができない。
声部ごとに私が弾いてみたりご本人に弾いていただいても、何をしているかわからない、次にどの音を弾いたら良いかわからないといったことが見受けられます。

私はできる限りJ.B.バッハの「インヴェンション&シンフォニア」は子供たちに全曲弾いてもらうようにしています。
エチュードは無理にやらないことも少なくありませんが、バッハだけは別です。

どんな作曲家も部分的にポリフォニックな部分はあり、それを理解することができるかできないかでレパートリーの幅が
全く異なります。

しかし、インヴェンションやシンフォニアはある程度進みませんと使えません。
それ以前の生徒さんには、私はハンガリーの作曲家の作品を使うことがよくあります。
初級の生徒さんでも弾けるものが探すと見つかります。

輸入盤ですが、ショット社の「VON BARTOK BIS STRAWINSKY」は短い曲が多いので何曲か生徒に弾いてもらっています。
バルトーク「こどものために第1巻」もインヴェンションに入る前に使っています。
細かく記譜されたアーティキュレーションも良い練習になります。
ヤマハの「現代ハンガリーやさしいピアノ曲集3」には発表会で生徒に薦めているお気に入りの曲があります。
ポリフォニーは易しくはありませんので趣味の生徒さんには遠ざけてしまうことがあるかもしれません。
しかし、フォルマシオン・ミュジカルを使ってポリフォニーの経験をすることで導入のきっかけを作ることができそうです。

最近のピアノテキストはポリフォニーも習い始めから導入されているものがあります。
フォルマシオン・ミュジカルでさらに補強してみようと思っています。

ルモワンヌでのご注文はこちら
Faisons de la musique en F.M. vol.3

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