おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

16人の伝説的ピアニスト

2024年12月28日 | コンサート情報

こちらの動画、16人のレジェンドなピアニストたちの
演奏法について話されています。

各ピアニストの特徴がわかり、面白く拝見しました。


ピアノの弾き方は色々とあるものだと、
このように解説して頂けるとわかりやすいです。

見るつもりはなかっのですが、お話をされている先生が
演奏もお上手でついつい全部見てしまいました。


他の動画でアムランがパッと出された難曲の
譜面を見せられて、それらの曲について話されている
ものもあり、ピアニストの頭脳って・・と思いながら
拝見しました。

こちらのノーマン・クリーガーさんも
パッと曲の断片が演奏出来て、ピアニストなら当たり前
かもしれませんが、やはり記憶の回路が全然違うのだなと・・

音符が読めれば曲が弾けると思っているのは、
趣味の生徒さんだけではなく自分もだな、と
苦笑いしてしまいました。

最後は笑わせてくれます。


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フェスティヴァル・ランタンポレル

2024年11月28日 | コンサート情報

「ランタンポレル」

聞き慣れない言葉ですが、今年はそのフェスティヴァルの
第1回にあたるそうです。

「L'intemporel」とは、「時を超えた、非時間的な」
というフラン語だそうで。


フランスの複数の音楽祭とブーレーズによって創設された
IRCAM(イルカム:ポンピドゥーの関連組織にある
世界最大級の公的音楽研究機関)と提携したフェスティヴァルだそうで。


何のことやらよく理解できていません


東京文化会館音楽監督の野平一郎さんによると、

現在の音楽祭は、現代音楽においては、ますます
専門化し一般聴衆には近寄りがたくなっており、
一方、古典音楽は限定された名曲を繰り返し
演奏しているだけで、この2つには全く交わる点がない、と。

なのでこの音楽祭では、この現状を打開すべく、
2つの「ランタンポレル」をお考えになったそうです。


ひとつは、
現代に活躍する作曲家と、歴史上著名な作曲家を
ペアにしたコンサート。

もうひとつは、
20世紀初頭の無声映画の名作に音楽を付けた
シネマコンサート。
こちらはIRCAMと全面的に提携しているとのこと。


前者は、レ・ヴォルク音楽祭と提携していて、
この主要メンバーはピリオド楽器のオケとして
知られる楽員たちが中心であることから、
ピアノリサイタルでも、一人で古典作品では
フォルテピアノ、現代作品ではモダンピアノを
使い分けて演奏するそうです。


ということで、今日は
阪田知樹さんのその演奏を聴いてきました。

最初は、フィリップ・マヌリの第2ソナタ「変奏曲」

こちらはモダンピアノ。
30分ほどの大曲で、久し振りに生粋の現代曲を
聴いた感じでした。

長いフレーズはほとんどなく、俳句を並べたような、
短い詩を並べたような、
それが変奏だったのかもしれませんが、
さっぱりわかりませんでした。

ソステヌートペダルで響きを残して
ひとつの変奏が終わる形態が主でした。

このような感性と言うのはどこからくるのだろうと
思いながら、このような音楽でも演奏家は
理解して演奏するのだなと、尊敬しかないです。


作曲者のマヌリさんも会場にいらしていました。
前日にご本人からアドヴァイスを受けられたようですが、
作曲者本人の前で演奏するのはどのような気分なのでしょう。


続いて休憩なしで、1時間ほどかかるベートーヴェンの
ディアベリ変奏曲。

こちらはフォルテピアノ。

コンサート会場ではじめてフォルテピアノを聴きました。

モダンピアノに比べると、音量が圧倒的に小さい。
こんなに違うのだなと、ピリオドしかない
コンサートでしたらその違いがはっきりとは
分からなかったかもしれなかったので、
良い経験でした。


ショパンのピリオドコンクールはこれにオケが入るのかと、
あの従来のショパンコンクールと同じ会場でコンチェルトを
演奏しているわけで、ピリオドのコンクールをやろうと
最初に思い付いた人は凄い発想の持ち主だなと思いました。


作曲家がこの楽器の音で曲を考えたわけで、
フォルテピアノで実際に弾くと、おそらくモダンでは
気付かなかったことを発見するだろうな、と思いました。

機会があったら、遊びで良いのでちょっと弾いてみたいと
思いました。


11/30は務川さんが登場します。

聴きに行けないのが残念です。
彼はフォルテピアノの勉強もパリでずっとされていますし、
聴きたかったです。

曲は現代曲とシューベルトの組み合わせ。
彼のシューベルトも多様な音色で聴かせてくれるのだろうな
と興味がありますが、今回はレッスンがあるので行けません。


カントロフも祝日の翌週にサントリーホールでは
聴きに行けないので、川崎まで行きました。

祝日の翌週はピアノの先生は休めないのでは
ないかと・・

でも、川崎でも行けて良かったです。


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カントロフ リサイタル 2024/11/27

2024年11月27日 | コンサート情報

カントロフのリサイタルに行ってきました。

演奏される機会が決して多いとは言えない
曲目でした。




メトネルのソナタ第1番は初めて聴きましたし、
ラフマニノフも腰を据えて最後まで聴いたのは
初めてです。

深い音楽、無限に湧き上がる音。
なのに決して混沌とすることがなく、
聴いている方も、感覚が研ぎ澄まされていきます。

ペダリングも上手い!


プログラムを見た時に、
最後がブラームス編曲のシャコンヌだったので、
地味に終わるけど、なぜ?と思いました。

しかし、メトネル、ラフマニノフと聴いて
最後にシャコンヌを聴いた時に、
バッハの音楽があんなに音数の多い作品の後に聴いても
全く引けを取らない、むしろそれらの作品を超越した所に
バッハはいると感じました。

それを虚飾なしに編曲したブラームスも素晴らしい。
左手だけであれだけの音楽を作り出すカントロフも
いかに成熟したピアニストであるか。

このような3人が合体した音楽を聴かせてもらった、
と感じました。


編曲されたものは、作曲者と編曲者と演奏者の
3人の力が集結すると大変な力を生む、と
初めてそのようなことを考えました。


日本でのコンサートはリサイタルしか目にしておりませんが、
今度はコンチェルトも聴きたいです。

サン・サーンスの5番を是非、お願いしたいです!


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浜コン 結果

2024年11月24日 | コンサート情報

何気に見始めた浜松国際ピアノコンクールが終わりました。

結果はもうご存知だと思いますが、
日本人の女性の方が優勝。


彼女はずっと安定して
きめ細やかな音楽を深い洞察力と
澄んだ美しい音で聴かせてくれていました。

きっと、練習の時から
たいへんな集中力と妥協を許さない
練習をされているのだろうと感じました。

音楽への愛が伝わり、
特に音楽を読み込む力は別格でした。


これからの活躍が楽しみです。


応援していたピアニストさんは、
ファイナルの演奏が始まった途端、
あら・・、でした。

機嫌でも悪いのかと思うような演奏で、
ガッカリ・・


色々あるのかもしれませんが、
音楽への誠実さは失ってはいけないな、
と自分に対しても思います。

エリザベートコンクールでの
ギルトブルクの最後まで誠実だった演奏に、
何が起きたのか全く知らず偶然に聴いて、
その演奏で幸福な気持ちになった私の様な人間もいるので、
演奏家にとって演奏技術より大事なことはあると思います。

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浜コン もうファイナル

2024年11月20日 | コンサート情報

浜松国際ピアノコンクールが、もうファイナルを迎えます。


まだまだ先だと思っておりましたが、もうです。


3次予選でも、とても全員の演奏は聴けませんが、
かいつまんで聴いていて、チェコのピアニストの演奏に
聴き入ってしまいました。

現代曲でしたが、どれも面白く聴きました。

この方の経歴は存じませんが、
これだけの実力があってもまだコンクールを受け、
知ってもらわなければならないとは
厳しい世界だと改めて思います。

この方のリサイタルがあったら
きっと行くと思います。



あと、日本の女性の方。
彼女は何を弾いてもその音楽の世界を
上手く描き出すなと思いながら感心して
聴いておりました。

どの音楽にも彼女自身が魅了されている上に
とても知的な気がします。



モーツァルトのピアノ四重奏曲が
課題になっているのはなかなか良いなと思います。

様々なものがそのピアニストから
透けて見えてきそう・・

初めて合わせる人たちとでも、
音が調和する音質はあると感じます。

現代は、ピアニストはソロだけする人が
むしろ少ない世になっています。

このような素質も問われるなと思いながら、
今のピアニストは何でもできて、
様々な魅力を持っている人が選ばれて行くんだな、
と思いました。



ファイナルのコンチェルトの演奏を
楽しみにしています。

最後は6人なので全員の演奏を
聴くぞ!


それにしても、
審査員の方々の長時間の審査。

皆さんの集中力が桁外れなのはわかっていても、
やはりたいへんな作業です。

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浜コン

2024年11月14日 | コンサート情報

youtubeに浜松国際コンクールが出てきて、
現在開催中と知りました。

どんな国のピアニストが参加されているのだろうと、
ホームページを見てみました。


やはり、韓国、中国は多いです。

ロシアも多いですが、出場辞退された方が
何人かいらっしゃいます。


西ヨーロッパと東ヨーロッパはロシアを外すと
ほぼ同数。ロシアを入れると圧倒的に東欧が多いです。

ついでなので中国と韓国も数えてみました。

韓国の方が多いです。


日本と近い国なので受けやすいこともあると思いますが、
どのコンクールも韓国は多いので、
アジアのクラシック音楽の中心は韓国だな、と思いました。


1次予選を通過したコンペティターを何人か聴いてみました。

始まってすぐにその世界に引き込むピアニストは、
きっと次のラウンドにも進むのだろうと思います。


前回のショパンコンクールで17歳でファイナリストになった
JJ君も参加しています。

音に輝きがあって、切れの良い演奏。
2004年生まれ。まだ20歳です。

1次を通過しても音が整理されていないと
感じる人もいるのですが、JJ君は流石です。

知り合いがハノイでダン・タイ・ソンの
マスタークラスを受講した時にJJ君もいたそうで、
一人で食事をしていたら一緒に食べよう!と
声を掛けてくれたのだとか。

優しい!


日本人では小林海都さんが参加されていて、
リーズで2位だったのでもうコンクールは
卒業されたと思っていました。ちょっと驚きました。

谷さんも頑張ってほしいです。


若い人の色々な音楽が聴けるのは
楽しいです。

こういうのを乗り越えてピアニストに
なるのですね。


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レナ門下

2024年11月05日 | コンサート情報

今頃こちらの動画を見つけました。

エコール・ノルマルのレナ・シェレシェフスカヤ先生の
門下生たちと思われます。

ジャズの即興らしきことができる人もいて、
日本でも若いピアニストは出来る人は珍しくなく、
現代はこのようにピアニストも音楽を楽しんでいるようで。


皆で交代しながら弾いています。

最後はカントロフ。

音の美しさ、澄み具合い、響きの良さ、艶、
やはり別格。

もしカントロフが最後を締めることに
なっていなかったとしても、
この演奏を止める人がいたら大ブーイングです。


ステージ上で皆も聴き入っている様子。

音があって、音楽に深みがあって、
テクニックも抜群で、センスが良くて、

無敵!カントロフ


今月はいよいよカントロフ来日です。


Alexandre Kantorow and friends celebrate their piano teacher Rena Shereshevskaya, Mozart/Volodos
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綺麗!

2024年10月28日 | コンサート情報

この曲をグロッケンシュピール、ヴィブラフォン、マリンバで演奏しようとよく思い付いたなと思って聴いてみましたら、これまた素敵!綺麗!

ラヴェルの「クープランの墓」のトッカータです。

Le Tombeau de Couperin - VI. Toccata - Maurice Ravel (1875 - 1937) / arr. Luca Staffelbach


ピアノは打楽器と言われますが、本物の打楽器の人たちの叩き方を見ていると、誰も押さえつけたり叩きつけたりしていないのが分かります。

腕も手首もしなやか~。


姿勢がずっと良くならないおチビちゃんたちに、立ってピアノを弾いてもらった方が良いかと思わせるこの足腰の支え。

ピアノの鍵盤は位置が高いのでこうはいきませんが・・


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真央君のサン・サーンス

2024年10月26日 | コンサート情報

藤田真央君のフィンランドでのコンサートがこちらで見られます。

Radion sinfoniaorkesterin konsertti | RSO Musiikkitalossa

Radion sinfoniaorkesterin konsertti | RSO Musiikkitalossa

Elim Chan, kapellimestariMao Fujita, pianoNoriko Koide: Swaddling Silk and Gossamer RainCamille Saint-Saëns: Pianokonsertto nro 2 g-molli op. 22Sergei Proko...

Yle Areena

 

サン・サーンスのコンチェルトNo.2です。

世界で活躍し、海外のオケとの共演も多く、どんどん吸収してさらに上手くなっていると感じました。

この曲、最初は重厚で好きなタイプですが、終楽章は忙しい曲だくらいの認識でした。しかし、真央君の演奏で初めて全楽章聴き入ってしまいました。楽しかった。

音楽が好きでそれを皆で分かち合おうとしていて、どんどん惹き付けられます。


若いピアニストたちのおかげで、サン・サーンスやショスタコーヴィチのピアノコンチェルトが一般的になってきたなぁ、と演奏を聴きながら思いました。

私はスクリャービンのコンチェルトも好きなので、こちらも皆さんよろしくお願いします。


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再現 プロコフィエフのリサイタル 2024/10/20

2024年10月20日 | コンサート情報

面白いリサイタルに行ってきました。

プロコフィエフがアメリカに行く船に乗るための経由地、日本で行ったリサイタルのプログラムを再現したコンサートです。


プロコフィエフはそんなつもりで日本に来たわけではなく、日本に到着した時にちょうどアメリカ行きの船が出港したばかりで、次の船まで2カ月待たなければいけなかったのです。

長い期間だったもので、経済的に少しでも余裕をもってアメリカに行きたかったので、じゃピアノコンサートをしようかな、というので東京2回、横浜1回とリサイタルを開催したのです。


その横浜でのプログラムを横浜在住の阪田知樹さんが演奏しました。


プログラムはこちら。



前半の小品は、私はロシアの子どもたちの演奏で耳にしていましたので、今は知られている曲だけれど、大正時代の日本人にはどんな風に聞こえただろうと思いながら聴いていました。

阪田さんのプロコフィエフは珍しいなと思いましたら、前半のプロコフィエフは弾いたことのない曲だったそうです。

小品も聞いたことのない曲だったと。

あの阪田さんが?と意外でしたが、それだけプロコにはさほど興味がなかったようで。でも、楽譜を探したら持っていたと。


プロコはピアノソロは3番、7番のソナタしか弾いたことがなかったそうです。

このお話をいただいて、あまりプロコフィエフを弾いてこなかったので、自分は探求心があって知りたいと思ったのでこの機会にやってみよう、と思ったのだそうです。


阪田さんのプロコフィエフ、良かったです。

知的でどのフレーズも何がそこにあるかよく描き出してくれていました。しかもふわりと軽く柔らかい音から、芯のある重厚で果敢な音まで多彩に、そして勇猛に突き進むところも見せながら見事に演奏されていました。

実は今月、エマールのリサイタルで阪田さんに遭遇したのですが、以前からこのお2人は少し似た感じがあるなと思っていました。

今回、阪田さんのグングン突き進むプロコを聴いて、現代曲を弾く時のエマールを思い出しました。


エリザベートコンクールを聴いて私は阪田さんの演奏が好きになったのですが、あの時はもっと思い切りの良さがあっても良かったのではないか、もっと狙いに行っても良かったのではないか、と思いました。

そして、入賞者コンサートで弾いたリストのコンチェルトを聴いて、あら?阪田さんなんでその勢いをコンクールで出さなかったの?と思いました。

しかし、昨年聴いたラフマニノフのコンチェルト全曲、そして今日のプロコフィエフを聴いて、明らかにひと回り、ふた回り以上に成長していると心強く感じました。


今年はもう1回阪田さんのリサイタルを聴く機会があります。
そして、来年はずっと聴きたいと思っていたリストのコンチェルト。しかも全曲!

楽しみです


ピアノは私にとってただの趣味になっているかと思うくらい、違う世界にいる人なのだなぁ、と思います。


このコンサートを企画された浦久俊彦さんとのアフタートークで、プロコフィエフの短編集の話が出ていました。

私も読んだことがありまして、以前書いた記事がこちらです。
毒舌プロコの日本人観客の話もあります。
プロコフィエフ短編集 - おとのくに♪♪


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ラフマニノフのショパンノクターン

2024年10月15日 | コンサート情報

ラフマニノフが弾くショパンのOp.9-2を聴いたことがありますか?

先程、youtube で初めて遭遇しました。


最初はホントにラフマニノフなのかな?と疑いながら聴き始めましたが、途中からこれはそんじょそこらのピアニストの演奏ではないな、と思いました。


もしラフマニノフがリサイタルのアンコールでこれを弾いたら、これだけで堪能したと満足して帰れそう、と思いながら聴きました。

ラフマニノフがショパンの音楽を味わい楽しんでいるのが伝わってきます。

どうしたらこのような感性が持てるのでしょう。


ラフマニノフってやはり桁外れなピアニストだったと、このような小品でもわからせてくれます。



Rachmaninov plays Chopin Nocturne in E flat Major, Op 9 no 2 | Video Score

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ピエール=ロラン・エマール リサイタル 2024/10/8

2024年10月08日 | コンサート情報

東京文化会館小ホールでエマールを聴いてきました。

プログラムは、リゲティを核に交互にベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーを挟む面白いプログラム。


エマールは、新しい時代の楽曲をもっと自然に楽しむ感覚で聴いて頂けるように、古典とロマン派と組み合わせることを考えたのだそう。


前半はリゲティ「ムジカ・リチェルカータ」にベートーヴェン「バガテル Op.33、Op.119」を交互に挟み込みました。

後半はリゲティ「エチュード」にショパン、ドビュッシー「エチュード」を交互に挟み込みました。



意外にもベートーヴェンがリゲティと交互に聴いても違和感がありませんでした。リチェルカータは発想のユニークな曲ですが、2人の緻密さが聞こえてきて面白かったです。

古い時代であるはずのベートーヴェンが古い気がせず、選曲が上手かったのもあると思いますが、「取るに足らないもの、つまらないもの」という意味の「バガテル」が、ベートーヴェンの手にかかるとエッセンスの集合体のようで、ベートーヴェンを知るにはバガテルを弾いた方が良いのでは、と思ったほど。


後半は、リゲティのエチュードをエマールの生演奏で、こんなにたくさん聴けて感激でした。

以前に聴いた気がしていましたが、その時はアンコールでリゲティがエマールに献呈した「魔法使いの弟子」を聴いたことがあるだけでした。

今回聴いていて、そう言えば初めてなんだと気付き感無量。

「悲しい鳩」と「ワルシャワの秋」、良かったです。


エマールの音を聴いていると宇宙という感じ。

何言ってんの?ですが、様々な音が聞こえてきて痺れます。しばらくボ~ッとしてしまいます。

以前オペラシティで聴いた「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」もとてつもない世界でした。

あれはできるなら、また聴きたい。


今回は、エマールの狙い通りなのか古典、ロマン派、印象派が織り込まれていたので、女性客も少なくはありませんでした。

以前現代曲だけのエマールのリサイタルに行った時に、休憩時にWCに1ミリも並ばずに済み、ほぼ男性客で驚いたのですが今回は違いました。

でも、年齢層が高いです。
私も若くはありませんが、私より年上の人も男女とも結構多くいらしてました。

そんな中、このプログラムは私の好きなピアニストさんが好きそうだな、来てたりして、なんて思っておりましたら、本当にいらしていました。

休憩中に遭遇。

今月そのピアニストさんのこれまたちょっと変わったプログラムのリサイタルに行きます。

楽しみ

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2人のアムラン デュオリサイタル 2023/9/14

2024年09月15日 | コンサート情報

楽しかったです。

カナダのマルク=アンドレ・アムランとシャルル・リシャール=アムランの2台ピアノのコンサートを聴いてきました。


2人とも生で聴いてみたいピアニストでしたので、同時に聴けるとは有り難い!


プログラムは、初めて聴く曲が多く、これもまた楽しかったです。




けっこう細かい掛け合いが多い曲でしたが、チグハグさは全くなくお見事。

アンコールのマルク=アンドレさんが作った「タンゴ」、楽しかった。


今のピアニストはピアノを弾くだけでは済まなくなっているな、と。

いつからか室内楽をするピアニストが増え、弾き振りをすることも増え、自分で編曲した曲をプログラムに入れることが見られるようになり、アンコールで自作の曲を弾くピアニストも珍しくなくなりつつあり、皆さん多才です。


元々そのような力量を持ちながら、従来のリサイタルの形式で演奏をされていただけかもしれません。

演奏家と作曲家が分業化される前の時代に戻ってきたというか・・

ソロ活動をメインにしてきたピアニストでも自分のしたいことをさせてもらえるようになった、というか・・


聴衆の耳がやっとピアニストたちに追い付いてきたので、好きなことが出来るようになってきたのかもしれません。

本来、ピアニストはソロ曲やコンチェルトだけ学んでいたわけではなく、幅広い音楽の力をちゃんと持っていた、学んできたということが表面化しただけかもしれません。

そのきっかけは、アルゲリッチにあるかなと個人的には思っています。
彼女が室内楽をよく行うようになったので。

編曲はファジル・サイやヴォロドス、コチシュが素晴らしいものを作っていますし、作曲はキーシンがピアノ曲以外のものも作っています。若いピアニストほど作曲もお得意なように思います。


一流は何をしても一流なんだなと、どんどん素人化して行く自分に残念賞を渡さなければ

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ピアニストという生き物

2024年09月13日 | コンサート情報

こちらのピレシュが演奏する姿を見て、ピアニストというのはいつまでも真摯に作曲家に向き合うことのできる人でなければ務まらない、と思いました。

ここに至るまでの時間や労力は膨大なものだろうし、さらにアスリートと違い、人生の大部分を費やし続けます。

才能や情熱だけではこうはなれない、と尊敬の念を抱きました。


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プレトニョフのこれはあり!

2024年08月31日 | コンサート情報

プレトニョフはロシア人なのに普通に西側で活動出来ているな、と思っておりましたら、ロシアのウクライナ侵攻に反対の立場を取っていると、今頃知りました。

そして、住居のあるスイスに拠点を移していると。


全く知りませんでした。


日本へは毎年のように来日している気がすると思っておりましたら、「前世は日本人だったのかもしれない」というほど日本を好んでいらっしゃるのだとか。



まぁ、それは良いのですが、プレトニョフのシューマンのコンチェルトの演奏を偶然 youtubeで見かけ、シューマン?珍しいかも・・と思い、聴いてみました。

聴いてすぐに、これはありだ!というか、これだ!と思いました。


シューマンのコンチェルトのテンポが私には速く感じていて、でもどのピアニストもそう弾くし、そうあるのがこの曲なのだろうと思っておりました。

ところがプレトニョフは遅めのテンポで、この曲の良さをじっくりと味合わせてくれています。

これでしょ!

このテンポじゃなきゃシューマンのナイーブさは出せない、と勝手に喜ぶ私でした。

第1楽章の第1テーマをピアノもオケもこんなに切なく歌った演奏は聴いたことがありません。木管との掛け合いもうっとりです。

終楽章も優しい音で、乙女なシューマンでなんだか良かったです。独特なアゴーギグやフレージングはありましたがプレトニョフっぽくて面白かったです。

終楽章の幕開けも印象的です。第2楽章の終わりですが。
眠りから目覚めたような、ちょっと魔法っぽい感じ。


調べてみましたら、シューマンの独奏曲をプレトニョフは録音しているようで、イメージに全くなかったのでこれを機に聴いてみようと思います。


Mikhail Pletnev plays Schumann - Piano Concerto (Budapest, 2016)


プレトニョフのファンではありませんでしたが、聴いていく内になんだかファンになっていきそうです。

この人、本当は繊細で優しい人なのかも・・


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