私がブログを書き始めたのが、2012年3月。
気付きませんでしたが、今年で10年を迎えておりました。
書き始めたきっかけは、発達障がいの生徒さんに出会ったことです。
レッスンをしていた頃には、それをどこかに書き留めようなどとは考えておりませんでした。
しかし、その生徒さんたちが手元を離れ、これまでしてきたことを残しておくことで、どなたかの役に立つことがあるかもしれないと考えました。
たった10年前でも、その頃は現在のように発達障がいのことをご存知の先生は少なかったですし、ましてやピアノレッスンで何ができるか、どのようなことに気を付けるか、といったことは全く情報がありませんでした。
私自身も、発達障がいという言葉さえよくわかっていなかったように思います。
特に自閉症の生徒さんのレッスンでは、上手く行くことがほぼなく、毎回自分の無力さに打ちのめされ電車に揺られ帰っておりました。
それでもレッスンは1週間後にはやって来きます。
何をしたら良いのかアイディアを絞り出し、図書館の本で学校の先生がされているアイディアでピアノレッスンに活かせるものはないかと探し、という日々を送っておりました。
こうして7年位過ごしたある時、生徒さんたちのレッスンが一区切りつき、本の整理をしておりましたら紙が1枚出てきました。
それを見て驚きました。
私は楽器店を退職していた期間があるのですが、その間に、ある講座でピアノ演奏を頼まれたことがありました。
講座のテーマは2つありました。
その内の前半のテーマで私はピアノを演奏しました。後半はホールの後ろで聞いてはおりましたが、何についてのお話だったか全く記憶にありませんでした。
その時に配布された紙が整理していた本の間から出てきたのです。
テーマは「発達障がいについて」
この1年後に私は楽器店の採用試験を再び受け、復帰していました。
そのような話を聞いた記憶が全くなかったのは、そのような子供たちに出会うことが自分にはないだろう、と他人ごとに思っていたからだと思います。
ところがその1年後に、1人2人ではないそのようなスペクトラムを持つ複数の生徒さんたちに出会いました。
私は専門的な教育を受けておりませんので、もしかしたらその可能性があるかもしれない、ということを念頭に少し違う方向からレッスンをすることぐらいしか出来ません。
それにより、自信を持ち巣立ってくれた生徒さんがいる一方、親御さん、しかもご両親のご理解が必要であることも強く実感しました。
私が何らかの判断を下すことは出来ませんが、困っている、特に母親の立場を理解できるそのような親御さん同士を引き合わすことは出来ます。
しかし、出過ぎた真似かも知れないと迷っている内に、お母様の方が体調を崩されどんどん痩せられて、外国の方だったこともあり帰国されてしまったことがあります。
自閉症と言われたとおっしゃっておりました。
その方ともお子さんとも、それ以降お会いしておりません。
その頃、もう一人私の所には自閉症の生徒さんが同じ教室に通われていました。
そちらは、ご両親でたいへん協力をしていらっしゃいました。前述の体調を崩されたお母様は、外国の方である上にご主人が教室に姿を見せられたことはなく、おそらくお一人で抱えていらっしゃるのだろうと思っていました。
今でも、引き合わせてお話しできる時間が作れたのでは、と後悔しています。
ご両親で協力されていた生徒さんは、今年24歳。
毎年、年賀状を送ってくれていますが、レッスンに通っていたのは中学2年生までです。
お父様の方がよくレッスンに連れて来てくださっておりましたが、曜日の都合で教室を移動された時に、偶然にも同じ時間に他の先生の生徒さんで、養護学校に通っていらっしゃる生徒さんがおりました。私の生徒さんより1年か2学年上でした。
そのお母様と、レッスンを待っている間に進路のことをよく相談されていらっしゃいました。
レッスンが終わりドアを開けると、よく色々質問されてアドヴァイスを受けていらっしゃる声が聞こえておりました。
その姿を見て、私の後悔は強まりました。
皆様が読んで下さっている記事を自分で振り返り読むことがあります。
発達障がいのことを時々読んで下さる方もいらっしゃいます。
このブログではレッスン法のアイディアを呈示するくらいしかできていませんが、読み返す度に、私のこの後悔の念を繰り返してほしくない、という想いになります。
ブログでは本で参考にした話しか書いておりませんので、自分のレッスンで経験したことをこれから少しずつ書いて行こうかと考え始めているところです。
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