おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

Faisons de la musique en F.M. vol.4

2020年10月26日 | フォルマシオン・ミュジカル
今回は長旅でした。

いつもなら1週間でだいたい届くのですが、2週間かかりました。


フォルマシオン・ミュジカルのテキスト「Faisons de la musique en F.M. vol.4」

covid-19の影響でリモートワークで人手が足りないのかと思っておりましたら、フランスからは週明けすぐに発送されておりました。(うっかり週末に注文してしまったので、土日をしっかり休むあちらでは週が明けないと動いてくれません・・)

PRIORITAIREとあるので、速達のようですが、全く速達ではありません・・

しかし、速達で頼んだわけではないので「なんですとー!」ではないのですが、ちょっと心配はしました。

メールを送らなければいけないかと文章を作ったりしておりました。
届いてホッとしました。

さて、早速全部目を通しました。といっても、CDを聴きながらの課題だけ取りあえずしてみただけです。

和音の聴き取り・読み、コードネーム、半音階、複合拍子、転調を含む歌の課題が多かったです。

内容としてはvol.2が一番充実していると思います。
vol.3、4は似ている感じですが、vol.4の方が聴音の書き取りが幾分多いです。

あまり難しい課題ではないので、趣味の生徒さんで中級以上でしたら楽しみながらできると思います。

対象年齢の記載はありませんが、vol.1はF.M.1年目、vol.2は2年目とあり、vol.4は4年目ということになります。

いつもながら曲が面白いです。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」をアレンジした曲に合わせてのリズム打ち、楽しいです。

どうやらフランスではエリーゼのためには「Lettre à Eliese de Ludwig Van Beethoven」と言うらしいです。

「ベートーヴェンからエリーゼへの手紙」

なんだか一気にロマンティック
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ヴァイオリンの弓使い

2020年10月21日 | 重力奏法
先程、偶然に見かけたヴァイオリニストの大谷康子さんの動画。

ヴァイオリンの弓の使い方で表現が変わるお話をチラッとされています。

ホー、参考になります。

ピアノなら手首かなぁ?

昨日もピアノを始めて4カ月の大人の生徒さんのレッスンで、手首の使い方が速いと話していたところでした。

デジタルピアノで練習をされているので、レッスンでポーラさんのLittle Gems for Pianoにある〈Zero Gravity〉という曲をその生徒さんが弾きましたら、「音が大きい」と驚かれていて、デジタルではこんなに音が拡がらないと。

それで倍音の話をし、ついでに、デジタルで練習されている生徒さんに共通している手首の使い方が速いことの原因が、ゆっくり離すと音が鳴らなくなるからそうなってしまうと話していたのでした。

奏法そのものがデジタルとアコースティックでは異なってしまいます。

ただ一人だけ、デジタルで練習している小学生で手首を音に合わせて使える生徒さんがいて、小学2年生なのに歌う曲や悲しい曲の表現がとても上手な生徒さんがいます。

演奏だけ聴いていると幼さがないのです。

休講中にビデオの添削レッスンを1カ月半した生徒さんで、そのデジタルピアノが音が柔らかかったので、おそらくそれと関係していると思います。

大谷さんです。
OGPイメージ

【YouTubeチャンネル始めました】第1回 大谷康子のテーマ曲「エルガー/愛の挨拶」

BSテレ東で放送中の「おんがく交差点」でお馴染み、ヴァイオリニスト大谷康子の公式チャンネルです。
クラシック音楽はもちろん、いろいろなジャン...

youtube#video

 

大谷さんとは以前ちょっとだけ顔見知りでした。
いつも急いでいらして、タクシーで来られて演奏会場に衣装やCDを送られていました。
明るく気さくで可愛らしい方です。

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エチュードとしてもOK

2020年10月21日 | 楽譜の話題
以前ご紹介したPaula Dreyerさんの<Littel Gems for Piano>


曲として楽しめるだけではなくエチュードと考えても使える曲集です。

エチュードと言っても指を速く動かすためのものではなく、手首の使い方のためのエチュードです。

私は<不思議な音の国>を子供たちに使っていますが、大人の初心者の方にはこのシリーズはまだないので他のものを使うしかありません。

シニアのシリーズを指使いやアーティキュレーションを変えて使っています。

当然のことながら音やリズムが分かれば良いという構成で作られているので、ノンレガートや2音3音のレガートにじっくり取り組めません。

しかし教本の進みに任せてしまうと悲しい結果が待ち構えています。

そこで、Paulaさんの楽譜の出番です。

曲の感じも大人の方には何の違和感もなく素敵な曲ばかりです。

ノンレガート、2音からのレガート練習をPaulaさんの楽譜で補ってみてはいかがでしょうか。

Look Inside

These videos offer an informative sneak peek into each book.  Soa...

 


イリーナ先生のミュージカル・ジャーニーシリーズの大人の方用の教本は現在制作中とのこと。
早く完成しないかと心待ちにしてはおりますが、楽譜の取り寄せが出来るかが問題で・・







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高い、低い

2020年10月16日 | フォルマシオン・ミュジカル
4歳半くらいになるとピアノの鍵盤の右側が高く、左側が低いということが大体一致してきます。

楽譜は左から右に読むので、小さな生徒さんにとってこのような図は初めのうちは混乱をします。


右に進めば高くなるはずなのに、上の曲は階段が低くなっています。

小さな生徒さんには「???」です。

この後、線の音、間の音の場所を判別することに苦労したり、それが分かっても順番に書くことに一苦労。ましてや、一つ飛びなど理解するのはとてもたいへんなことです。
4歳未満の生徒さんは数字もまだ書けないことが少なくありません。

そのような意味でもピアノはあまり早くから習う必要はないというのが個人的な考えです。

週に1回の短いレッスンでこのことを理解するには長い期間が必要です。

そうはいっても私は生徒さんを選べない所で仕事をしているので、何とか工夫をしなければなりません。

今はロシアンメソッドのおかげで、読めなくとも聞き覚えで正しい奏法を身に付ける方法を知りましたので、以前のように読めなければ進めないという考えはなくなりました。

さてさて、フォルマシオン・ミュジカル。
ヨーロッパでは図形の認識ができる年齢からレッスンを始めることが多いので、これも大抵5歳以上を対象にしています。

その前提ではありますが、小さな生徒さんに何とか理解してもらえる方法を模索する必要が私の場合はあります。

F.M.のテキストにこのようなものがあります。


ド~ン!

音の高さがブロックの積み重ねであらわされています。
少し立体性があります。

高い音の下にはこんなにたくさんの音がある。
たくさんの音の上に高い音はある。

このことを理解してもらえれば、最初の画像で紹介した、右に進むのに音が低くなることをわかってもらえるかもしれません。

今月4歳になった2人の生徒さんがいます。
2人ともこの夏からレッスンを始めました。

ちょうど、最初にご紹介した画像のページから線間に進むところです。
この年齢の生徒さんには難しい所に入ります。

高い、低いの聞き分け、上行下行の聞き分け、階段を見て歌うことはできているので、今度はそれをピアノ上に移し替える段階に入ります。

耳が作られてくると、これも使えるかなと思っております。


ブロックの次のページにある、サン・サーンス「動物の謝肉祭」のピアニストの曲です。
音は読めなくて良いのです。下段にある山型になっている音符が上行下行で聞こえてくれば良いのです。

音楽、特にたくさんの音を扱うピアノは空間認知の能力が必要です。
頭の中で音を立体化する、目に見えるものを見えないものと結びつける能力がどうしても必要になります。

その能力は3~5歳に目覚ましく開発されるそうですが、それは最初は身体を運動させることで開発されます。

まずは子供たちには、遊んでほしいというのが私の考えです。

小さな頃からピアノを始めるメリットは36年教えてきて、未だに感じられません。

ド~ンとブロックのあるテキストはこちら。
https://www.henry-lemoine.com/fr/catalogue/fiche/29091
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ダイナミック !

2020年10月15日 | レッスン
イリーナ·ゴリン先生のMusical Journey シリーズにあるエチュード集。

楽譜に白いスペースがたくさんあり、そこにイメージした音楽に合う絵を描きます。
エチュードの曲名も自分で考えて付けます。

ユニークな本です。

ロシアでは曲をイメージした絵を子供たちに描いてもらっているようなので、その流れを汲んでいます。

楽譜に思い切り絵が描けるなんてウキウキします。

さて、先日、珍しく白い余白がないページがあり、「絵を描く場所ないね」と言いましたら、「楽譜の所に描けばいい」と描いてきてくれたのがこれです。


ダイナミック !

彼女の絵は大きく描かれることが多いのですが、細かいところまで描き込まれていて、ストーリー性を感じます。

演奏もヒントを貰うと音楽が拡がっていくタイプです。

生徒さんの別の面も発見でき、面白い教本です。


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別の使い方、でも!

2020年10月11日 | フォルマシオン・ミュジカル
フォルマシオン・ミュジカルのテキストを持っていると、とても役に立ちます。

本来の使い方とは異なりますが、これもありです!

私は歌に勝るものはないと思っておりますが、しかしピアノを何とか歌わせようと思っております。

自分の演奏を録音して聴くと、こんなに歌えてないのかと愕然とします。
まだまだ修行が足らん!です。

さて、自分のことは棚に上げておくとして、今日のレッスンで「おっ、いいものがある」とF.M.のテキストで見つけたものがあります。

シューベルトのヴァイオリンとピアノのためのソナチネという曲。
ヴァイオリンが奏でたメロディーをピアノで同じように奏でます。

同じ旋律なのに表現力の違いをまざまざと聴くことができます。
ピアノにはできないことをヴァイオリンは表現します。

できないけれど、これを目指したい!

テレマンのトランペットコンチェルトもその下にあったので、一緒に聴きました。

F.M.のテキストには幅広い時代、多くの作曲家、様々な楽器、編成の曲が宝物のように掲載されています。一人でこれだけ集めるのは不可能です。

しかも、楽譜まで見ることができます。

このような使い方もできるのだと7年目にして気付きました。

Faisons de la musique en FM Vol.3より
Edition Lemoineで注文できます。一昨年発刊されたVol.4を昨日やっと注文しました。
Vol.3を大体終えた生徒さんがいるのでVol.4に進みます。
このシリーズは使いやすく、子供から大人まで使えます。
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魅惑のプログラム

2020年10月09日 | コンサート情報
イギリスのウィグモアホールのリサイタルシリーズが面白いです。

プログラムがユニークで知らない曲を色々聴けます。
演奏家も日本では聴くことの出来ない方たちが出演されていて興味深いです。

プログラミングの自由さ。
これは聴衆が成熟しているからこそ。

日本でも今、あまり聴けないプログラムが組まれています。

国内の演奏家に頼るしかない現状なので、ピアノ以外のコンサートで面白そうなものがあります。

全曲知らない作品、知らない作曲家だったりして面白そうです。

エンターテイメントに飢えてきているので、滅多に行かない映画を先月、今月と観に行きました。
12月も観たいものがあるので多分行きます。

思いがけず、映画鑑賞が趣味になりつつあります。

休みの日は身体を休めることを優先してきましたが、今は気分転換が優先になってきました。

こんな生活も良いものです。

Zlata Chochieva at Wigmore Hall

This event was recorded at Wigmore Hall on Tuesday 26 March 2019

...

youtube#video

 

楽譜やタブレットを置いて演奏される方も少なくないようで、だからこそ普段聴けない曲も聴けるのかと思います。

暗譜で演奏することをはじめたのは、確かクララ·シューマン。
当時は楽譜を見ないなんて作曲家への冒涜だと非難されたそうで。

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最初は1冊

2020年10月06日 | 不思議な音の国
不思議な音の国はウクライナ出身のイリーナ・ゴリンさんが作られたピアノ導入教本です。

ウクライナはかつて旧ソ連の国でした。

そしてウクライナ出身の音楽家は結構います。

プロコフィエフ、ホロヴィッツ、ネイガウス、アルタバレフスカヤ、カプースチン。
ざっと思い浮かべるだけでも豪華な顔ぶれです。

この中のネイガウスとアルタバレフスカヤはロシアンメソッドを築いた中心人物です。
(ロシアンピアニズムではありませんのでご注意を)

そのウクライナで勉強をされたイリーナ先生の教本は、ピアノの弾き方を教えることのできる本です。

他の本でも教えることはできますが、ここまで綿密に作られ、さらに物語の力を借りてどんな気持ちの音楽かを考えて演奏できる本は他にないように思います。

さて、使い始めの頃、少々気になっていたことが一つ。


曲が暗い・・

子供たちはつまらなくならないだろうか・・


使い始めて2年半が経ちましたが、全く心配ありませんでした。
こんな心配をしていたことさえすっかり忘れておりました。


イリーナ先生が仰っていたと思いますが

人生はいつも楽しいことばかりではない。
悲しみの感情は人を思いやる気持ちを育てる。

まさに。

これまで使ってきた教本は圧倒的に長調で、どんな気持ちを伝えたら良いのかと困っていました。

今は、時々ほかの教本からロマンティックな曲やノリの良い曲を渡す程度で十分です。

もし複数の教本を併用するなら、同じ系統の教本が良いかもしれません。

ロシア系の教本は細かいところまでやるようにできていますので、そうではないものと併用すると、せっかく身に付けようとしていることが生徒さんにとっては面倒臭く思えてしまうかもしれません。

最初はこの1冊に集中した方が良いように思います。

不思議な音の国が値上がりました。
上下巻共、2500円+税



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呼吸できた方がお得

2020年10月05日 | 重力奏法
またしてもスラーのことを。

スラーは呼吸も表しています。

空中で手首ダランをした方が、次の音の準備に余裕ができます。
鍵盤にしがみついていると、呼吸の浅いこじんまりとした演奏になる上に、力も抜けず音が固くなり、音の伸びがなくなります。

良いことなし、です。

しかし、お付き合い程度にスラーの終わりで手を離し、余裕がないから無理と言う生徒さんが少なくありません。特に大人の生徒さん。

私には、水泳で水の中に顔を突っ込んだまま息を吸っているように見えてしまいます。

ありえない。

あってはいけない・・

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お手本は歌

2020年10月04日 | フォルマシオン・ミュジカル
スラー一つで音楽はガラリと変わります。

と、前回に引き続きスラーの話を。

スラーは、音を繋げりゃいい、というものではありません。

ところが、ピアノという楽器は自分の息で音を鳴らさなくとも触れば音は出てしまいます。

自分で楽器を抱え、身体の一部のように奏でる弦楽器や管楽器とは異なり、楽器自体も身体から少し離れたところにあります。

無機質に弾こうと思えばいくらでもそうできてしまうのがピアノの弱点。

だから、他の楽器よりもっと呼吸を意識する必要があります。

私は歌にかなうものはないと思っています。
歌のようにピアノが演奏出来たらどんなに豊かな音楽になるか・・

しかし、ピアノは音域が広く一人で完結できる楽器です。
そして澄んだ音がやはり美しく、聴き慣れた楽器なのにピアノって綺麗な音だなと惚れ直すことしばしば。

さて、スラーで息を吸うんだ、手首から持ち上げるんだとレッスンで口を酸っぱくして言っても、だからなに?と思う生徒さんは多いと思います。

違いを聴き比べてもらっても何を目指しているかピンとこないのが現状です。

やはり実際に歌を聴いてもらわないと・・
と思いましたら、良いものを私は持っているではありませんか!

フォルマシオン・ミュジカルのテキストに歌曲やらオペラやらグレゴリオ聖歌やらがたくさん載っていることを思い出しました。

フレーズの区切りを探してもらい、息を吸っているか、フレーズ(スラー)の終わりをどう歌っているか、フレーズの始まりをどう歌っているかを聞き取ってもらえば良いではありませんか!

早速一人の生徒に試してみました。
声楽家の歌自体聴き慣れていないので、1度聴いただけで「わかった」とはなりませんが、これからチョクチョク聴いてもらおうと思います。

フレーズごとに声のニュアンスも異なりますし、ピアノには絶対にできない一つの音を伸ばしながらさらに変化させる表現。

私も勉強になります。

12の歌曲より No.5巡礼者の詩 / メンデルスゾーン


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スラー一つで音楽は変わる

2020年10月03日 | 不思議な音の国
スラーは音楽をニュアンスに富んだ豊かなものにしてくれます。

だからノンレガートとレガートの弾き分けがまずは必要です。

ノンレガートとレガートは下ろして上げることは全く同じです。
レガートには水平な動きが加わります。

そこにフレーズに合った手首の使い方が加わっていきます。
下ろすスピード、上げるスピード。深く下ろす、浅めに下ろす、浮くギリギリ一歩手前までしか下ろさない。etc.・・

スラー一つで音楽がガラリと変わる。
これは現代に近い作曲家で自身も優れたピアニストだった場合、本当に熟考して書かれています。

さてさて、不思議な音の国では、下巻の第14章8分音符の章で初めて左右で異なるスラーを同時に弾き分ける曲が出てきます。

フレンドという曲です。

バースデーパーティーをお祝いしてもらったミミズクさんが、家に帰る時間になり寂しがります。
そこでミツバチが元気づけてあげようと飛んできます。

ミミズクの頭の上でブンブン言っているミツバチのイラストが、いつ見てもシュールで笑えます。

ちなみにオリジナルはクマの誕生日の話になっていて、クマの頭の上にミツバチです。

この曲の最後のスラーが、左右で終わるタイミングが違うのです。
その前も右手の4分休符と左手のスラーの終わりが同時にならないよう気を付けます。
異なるタイミングだけではなく、左右同時に上げるところもあります。

これなのです!
他の子供の教本で、習い始めにしかも短い曲でこんなに盛沢山な曲があったでしょうか。

なかったのです。

曲が難しくなると出てきますが、難しくなる前に注意深く楽譜を見てそのニュアンスを作り出す。
これはピアノならではです。

大人の生徒さんでクライスラー=ラフマニノフの「愛の悲しみ」を弾いている方がいらっしゃるのですが、ラフマニノフ自身が大ピアニストでしたので、スラー一つで魔法にかけるることができるとわかっているような曲です。

そのスラーを無視するとあの洗練された曲が台無し・・

スラーはただ離せばいいでは、この曲の左右で異なるたくさんのスラーから魅惑的な音楽は生まれません。

スラーは呼吸を表すことが多いですが、様々な息の吸い方があるはずです。

新鮮な空気をいっぱいに吸う時もあれば、花の香りをそっと嗅ぐような時もあります。

小さな子供たちに、面倒だと思われようが、しつこいと思われようが、スラーのことは指摘し続けますっ。

それはピアノに命を吹き込むことでもあるので。

超絶素敵なギルトブルグの演奏です。

ギルトブルグは姿勢が悪いのではありません。肩甲骨のあたりに筋肉がしっかりついているのだと思います。直接お会いすると、歩く姿はバレリーナかと思うくらい美しいです。



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