5~6年前まで、ピアノを専門に勉強していなくとも教えられるような事を、ただ工夫して教えていただけだなと最近思いました。
何がきっかけでそう思ったかというと、今、冬に3回だけ受講できる短期レッスンを受けている生徒さんがいます。
私が稼働している楽器店では、夏と冬にそのようなレッスンを受講することが出来ます。
ここ何年かこれを就学前のお子さんが受講することが私の場合は増えていてます。おそらく、年齢的にピアノのレッスンを受けられるかを保護者の方が試すために受講されているのだろうと思います。
体験レッスンで僅かな時間受けてみるより、ずっと確実だと思います。
正直な所、体験レッスンは出来ないことは避けて終わるので、本当の所は保護者の方はわからないと思います。
また、問題を認識できないまま入会されると、現実とのギャップに戸惑われていく可能性があります。
今回申し込まれた方は、保護者の方にピアノ経験があるようで、「子どもにどう教えたら伸ばすことが出来るか知りたい」とアンケートにありました。
電子ピアノをお持ちなようなので、趣味で習ったことがあるのだろうと思います。ご自分で教えるつもりで、最初の導入法をお知りになりたいのだろうと思いました。
私は音符の読み方や鍵盤の場所を教えるのがレッスンだとは考えておりませんので、音符の読み方やリズムをいきなり教えることはしません。
その前の段階にすべきことがたくさんありますので、それを正しい奏法を身に付けると同時に行っています。
この短期レッスンでも同様です。
ただ、3回のレッスンで曲の一部分でも良いので弾けるようにして終わらせています。
手や指の力みがさほどなければ、聞き覚えで1曲丸ごと弾ける可能性があります。そうでなければ、知っている曲の一部分にしています。
弾く時に何に注意を払うか、鍵盤の位置を覚える時にどのようなことをするか、音の聴き取りの最初の段階をどのようなことから始めるか、リズムというものを意識するために最初に何をするか。
これら全てが同時に行われるのがレッスンです。
個別に、あれをやったら次はこれではありません。
奏法そのものも専門家でなければ分かりませんが、これらをリンクさせレッスンを進めるのも専門家でなければ難しいかもしれません。
自分がしていることが随分専門家らしくなったものだと、今回の経験でふと思いました。
以前は工夫することばかりに目が行っていて、正しく教えられていなかったなと思います。