おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

作曲家シリーズ効果?

2024年02月25日 | 作曲家を知ろうシリーズ

2021年10月から始めた作曲家シリーズ。

1カ月ごとに一人の作曲家を紹介していきます。

ピアノを教え始めた時からこれはやりたいと思い、当時は数人の生徒を1時間レッスンで教えていただけでしたので、毎月聴いてもらっていました。

これをする時だけは時間がかかるので、30分延長して実施しておりました。


しかし、楽器店で教えるようになり、何度かこれを実施したいと策を練り試みましたが、時間的に無理だとの結論に達し全く行わなくなりました。

それが、2年半前にイリーナ先生の講座で、アメリカのサイトで作曲家一人ずつの曲を何曲かまとめたものがあると知り、この方法が今はあったか!と思い自分で作ることにしました。

曲を聴くだけでしたら英語で書かれたサイトでも良いかもしれませんが、子どもたちが日本語で作曲家の生涯や曲についても読めるようにと思い作っています。


出来れば全員に聴いてほしいと思っておりますが、実際は半年くらいで脱落した人もいます。

1年続けられればその後も続けられます。


今、発表会の曲を練習していますが、ふと違うものだと感じました。
このシリーズを通して月に1曲でもクラシック音楽を聴き続けていると、もう2年以上色々と知らない曲を聴いているので、変化が見られるようになっています。

昨年の今頃は感じませんでしたが、今年は感じます。

こんな感じ、と情景や気持ちを話すとそれを掴み表現することが以前よりできるようになっているのです。

ピンとこない時は少し弾いて聞いてもらうと、そういうことかとわかります。


以前はこれが伝わらなくて、とてもたいへんでした。

このシリーズはクラシック音楽を聴いてもらうことが一番の目的です。
ついでに作曲家の名前だけでも覚えてもらえたらさらに良いですし、好きな曲ができたら最高です。

感想を毎回書いてもらっておりますが、最初の頃は皆よくわからなかったようでした。今は曲からなにか感じ取ったものを書いてくれたり、もっと細かく聴く中学生がいたり、自分で新たに調べたことを書く生徒さんもいます。

ほぼ毎回、似顔絵しか描かない生徒さんもおりますが、それでもレッスンでの話が想像以上に伝わっています。


実は「不思議な音の国 上下巻」2冊に3年半かかった生徒さんが2人います。偶然にも同学年で同じ頃にピアノを始めました。

2人ともこのシリーズを同時期に始めましたが、一人は途中で聞かなくなりもう一人は今も続けています。

不思議の教本を終えた頃は同じような進み具合でしたが、それから1年半近く経ち大きな差がついてしまいました。

音楽を感じ取る力や、その前に音楽は何かを伝えるものだという根底の有無に差が出てしまっていると感じます。


音符を読んで鍵盤を押さえるのが音楽ではなく、その音符が生きて自分の中に入って来るのが音楽で、演奏はそれをアウトプットすること。

自分の中にないものは外に出せないので、まずは受け入れて継続することが成長の第一歩かと思います。


石の上にも3年と言いますが、2年半続けていれば変化します。
子どもたちは吸収が速いので、きっと様々なことが大人より少し短くて済む気がします。


私は石の上に何年だろう・・

5年・・

20年・・


石が大きい?
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安川加寿子さんの教本によるスタッカート

2024年02月23日 | 重力奏法

ピアニストの青柳いづみこさんが紹介する安川加寿子さんの教本「ピアノのテクニック」

前回までの2回は、ショパンが長い指が黒鍵に来る調の方が弾きやすいと考えていた話とレガートで腕の重さを次の音次の音と移していくお話でした。


今回はスタッカートのお話。

この動画を拝見していて、スタッカートの弾き方がこれだと思われるとマズイと思いました。
日本人が初めからスタッカートを指だけで切り、粒も音質もない音で弾くものよりは段階を踏んでいるとは思いますが。

青柳さんも仰っていますが、これは前腕の筋力を鍛える&上腕の筋力を鍛えるためのメニューであるということ。

手首に関しては、やり過ぎると痛めるなと思いました。


少しヒントになったことは、生徒さんたちの腕の支えが弱い原因は、前腕と上腕の筋力が弱いからだとはっきりわかったこと。

腕の支えが出来ていないと音はヨロヨロ、デコボコして不安定になります。
力みなく押さえつけず鍵盤を下ろすことも上手くできません。

多くのピアノの先生は自分でも無自覚に支えが出来てしまっているので、どこの筋力を使っているかわからないと思います。


筋力をつけるためにこのエクササイズをしても良いかもしれませんが、ピアノから聞こえてくる音はいただけません。

前腕に筋力を付けるだけでしたら、ピアノを弾かなくとも手の体操でできます。また、手の柔軟体操をしてからの方が安全かとも思います。

こちらのお話は、「特別なスタッカート」の話だということで聞く必要があることをお忘れなく。




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ピアノは聴くのが難しい楽器

2024年02月22日 | レッスン

ピアノという楽器は特殊だなと思います。

自分の息や弓で音を伸ばす楽器ではないという意味で特殊。

そのような意味では打楽器も自分で伸ばし続けることは出来ません。
しかし、打つ時に少しでも伸びのある音を作り出す打ち方があり、伸びている音を聴いてもいます。叩きっぱなしということはないと思います。

ギターも伸びのある響きの良い音にする奏法があると思います。


ところがピアノは、鍵盤を触るだけで任務完了している人が非常に多い楽器です。弾きっぱなし。

伸びている音を聴かなければ、音は良くなりません。


上手くなる電子ピアノを造ってほしい。
鍵盤を押さえつけずに腕の重さで下さないと正しい音程にならない電子ピアノ。

正しい奏法で弾かなければ音程が狂う電子ピアノ。

良さげな音ばかり増やさず、もっと根本を改善できる電子ピアノを造ったらピアノの先生も大喜びでは?

そんな電子ピアノができたら私もそれで練習するかも・・

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おとなっぽく

2024年02月20日 | レッスン

今はどうか知りませんが、イラストや日本人が好きなキャラクターものが入ったものを大人が持ち歩くことは、海外ではちょっと変な目で見られます。

あなた、いくつ?

という感じで。

そのようなものは子ども用として捉えられていると感じます。


先週のレッスンで、ご両親がヨーロッパ出身の年中の生徒さんが大体いつも遅れてくるのですが、その日は前の生徒さんがまだレッスンをしている時に到着しておりました。

ガラス張りのドアの前で張り付いておりました。

その生徒さんのレッスンが終わり、年中の生徒さんにどうぞと声を掛けると、どういうわけか部屋に入ろうとしません。

なにがあったのか・・


一緒に来ていたパパさんに、「ミッキーの服がいやだ」と言っています。
その日はミッキーが正面に大きく入ったトレーナーを着ていました。

頑として服が嫌だから入らないとミッキーを隠しています。

それでパパさんが服を脱がせて裏返しにして着させました。
タグや縫い目が思いっきり見えていますが、ミッキーはいなくなりました。

何十年か前にトレーナーを裏返して着ることが流行っていたことがあるので、有りだなとは思いました。


前の生徒さんは小5のお兄さんでした。
キャラクターものは着ていなかったので、なにか感じたのでしょう。

海外のかたは、曲を選ぶ時もこのような傾向があります。

こちらの生徒さんの発表会の曲を決める時に、弾けるものを何とか選ぶしかなかったので「ひげじいさん」を1曲入れようとしましたら、「これをコンサートで弾くのは・・」と渋い顔をされました。

この曲の楽譜にはひげじいさんがイラストで描かれていました。
この時に一緒に紹介した「こいぬたちのワルツ」はOKでした。こちらは丁寧に描かれた絵がありました。

曲としてはどちらも子供向けなのですが、差は絵だったのかなと思ったりして・・

昔、他の外国の生徒さんの保護者のかたから「アニメやゲームの曲は弾かせたくない」と言われました。


日本人はディズニーやジブリにまっしぐらなので、この前のレッスンの光景で久し振りに国民性の違いを思い出しました。

私が今のメソッドに変えたのは、ロシアやイリーナ先生の生徒さんが子どもでも大人っぽい音で弾いていたからというのがあります。

歌うような音楽表現も全く子どもっぽくありませんでした。


日本のカワイイが、その内カワイソウにならなければ良いのですが・・


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日本にも存在していた

2024年02月15日 | 重力奏法

このような所に引用させて頂き失礼だろうなと思いつつ、72年も前の日本に、今イリーナ先生の教本を使い子どもたちに教えていることが安川加寿子さんの教本にあったとは・・

安川さんのお弟子さんの青柳いづみこさんの新たに公開された動画。

レガートはどのようにするのか。
2音のレガートの練習のお話もあります。

教える方に使い方が理解されていなかったのだと思いますが、なんとも勿体ないことです。


何が良い音かが日本人はわからなかったので、安川さんの教本は日本人には早すぎたのかもしれません。

フランス人のベロフ、ルヴィエ、ロジェという現在70代のピアニストが10代の頃に、フランスではサンカンによって指の奏法から腕や体の重みを使う奏法に変わっていきました。「遊藝黒白 」第2巻#3 - おとのくに♪♪

サンカンはロシアの奏法に詳しかった人です。
3の指のノンレガートから習い始めるロシアのメソッドが、今回の動画を拝見しても元はショパンかな?と思わせます。

ロシアは歴史的にフランスに憧れがあった国です。
こじつけで何とでも言えそうですが、日本人が大好きなショパン。彼のメソッドからきているカモしれないロシアンメソッドが日本になかなか浸透しないとは、ちょっと苦笑い。


リストに関しては誤解されている節があるので、指を鍛えて弾けばリストになるとは言えないように思います。

確かに奏法が正しくなくともそれなりに弾けてしまうのがリストですが、その音はやかましくなります。

プレトニョフやその師のように、勝手に音が増幅しホール中を満たす音はやはり正しい奏法あってこそです。


憧れのショパンを弾きたい人は、腕を使った奏法を身に付けられるメソッドで習った方が上手く行くかもしれません。奏法が正しくなければショパンを弾くことは困難ですので。




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感動してしまいました

2024年02月12日 | コンサート情報

生徒さんに聴いてもらっている作曲家シリーズ。

以前は公開1カ月前に作っておりましたが、今は結構前に作り終えています。
今月のフォーレは昨年10月に作ったもので、今年が没後100年などとは知らずに作りました。

偶然ながら良きタイミングです。


さて、今日は9月の作曲家を作り始め、けっこう有名どころは作り終えたので誰にしようか悩み始めております。といっても、まだまだ作曲家はたくさんいるのでネタに尽きたわけではないのですが、曲は知っていても作曲家自身のことは自分もよく知らないので、新たな勉強になっていて面白いです。

インターネットが使えるから調べられることで、本しかなかった頃でしたら大変な作業です。


9月はサティにすることにしました。
旋法的にドビュッシーやラヴェルに影響を与え、さらに拍子ではストラヴィンスキーに影響を与え、それが現代の図形楽譜につながる、とけっこうなキーパーソンです。

なのに音楽の異端児、変わり者と言われて。異端児だからこそなのですが。


曲はもう絶対これは欠かせないと、ジムノペティ1番をyoutubeで探しましたら、チッコリーニの演奏がありました。

どれどれ、どんな風に弾いているのかなと聴きましたら、メロディーの最初の「ファ~ラ~」で、あつ、すみだトリフォニーで聴いたチッコリーニだ、でした。何とも言えない色気。しかし、そのあとの表現はとても家具の音楽としては聴けませんでした。

沁みて沁みて。

このような演奏は真似できるものではないです。なんでしょうこの魅力は。


短い。短かすぎる。
何度リピートしてもすぐに終わってしまう。
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3の指で黒鍵から始める発想

2024年02月09日 | 重力奏法

日本でロシアンメソッドと呼ばれているものは、3の指から習い始めます。

何の音から始めるかというと、「ド」ではないことが多いです。
私が使っている「不思議な音の国」は黒鍵からです。


この方法は旧ソ連のピアノ教育の大御所、アルタボレフスカヤが中心となって考え出されたものです。ネイガウスもこの時代に共にソ連のピアノ教育を構築していたので、もしかしたら協力していたかもしれません。


なぜ黒鍵で長い3の指という発想が生まれたのだろうと思っておりました。

何となく、ショパンかな・・とは思っておりました。

ご存知のように、ショパンはC-durのスケールがいちばん難しいと言っています。長い指が黒鍵に来る調から始めた方が手の形に合っていると。


ピアニストの青柳いづみこさんがショパンのこの話をされている動画を見つけました。
聞いていて、ロシアンメソッドはきっとショパンから考えついたメソッドだろうと勝手に確信いたしました。


お話の中に出てきますが、コルトーでさえこの意味に気付いていなかったという・・
しかし、ドビュッシーはわかっていた!



ちょうど生徒さんに、「先生はドビュッシーをよく弾くのに、なんでショパンは弾かないのですか?」と言われたばかりでした。

ショパンは自分で弾くと幻滅しかしないので弾かないのですが、手も私には合わないのが理由です。

生徒さんに言われて、なんとなくショパンエチュードを引っ張り出してきて弾いてみましたら、以前より弾きやすくなっておりました。

ちゃんと練習したらやっぱりダメだになるかもしれませんが、弾いてみようかなと思い始めました。



ロシアンメソッドがショパンの考えに基づいているとしたら、「ショパンメソッド」にした方が良いのでは・・

そしたら一気にこのメソッドが日本に広がります。
ルービンシュタインに「あの3流」と鼻で笑われたバイエルのメソッドから脱却できる日が日本にやって来るかも。

(バイエルを日本に紹介した人が「あの3流」とルービンシュタインに言われたのだったと記憶しています。カバイエ先生の本に書いてあったのか、他の本だったか・・)

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やっぱり覚えられた

2024年02月08日 | レッスン

3月の発表会に参加される年中の男の子。

昨年9月の最終週からピアノを始めたので、今回は見送ってほしいと思っておりましたが、ママさんの強いご希望で参加することになりました。


正味あと3回のレッスン。

その内の1回を今日終えました。

3曲弾くのですが、最初は不思議な音の国から「電車がはしる」を弾きます。
右手を弾いたら左手を弾くことにし、実質リピートします。

2曲目はロシアの教本から「こいぬたちのワルツ」
そして3曲目がリストのハンガリー狂詩曲第2番のモチーフです。

リストは、前回2小節だけ覚えたので、今日は残りを全部やらなければ間に合いません。


今日覚えた所は手のクロスがあるところなので、混乱するかなと思っておりましたが、「カッコいいところだよ」の言葉で、「よーし!」とやる気が満ちました。

この曲は2回ずつ同じことを繰り返すのですが、今日は1回の時もあれば2回の時もある状態。
2回弾いたら和声が変わるので、1回で先に行ってしまうと和声的にへんてこりんになってしまいます。

あと2回で数えられるようにしなければ。


感心したのはリズムです。

リズムの模倣はまだよくできないのですが、この曲に関しては乗り方が上手くできています。

やはり日本人とは違うなと思いました。

ママさんはルーマニアのかたなので、ロシアの教本から曲を渡しましたら、すぐにロシア語の曲名を読んでいました。
不思議な音の国が日本語がたくさん書かれていて申し訳ないと思っておりましたので、私も少し気持ちが楽になりました。

日本式のピアノの弾き方を教えているのではなく、ヨーロッパで通用するものを教えていることが伝わっていたら良いなと思います。

ママさんのお名前、イリーナさんというのです。
不思議の教本を作った先生と同じだとご存知かどうかはわかりませんが。
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親次第

2024年02月06日 | レッスン

以前イリーナ先生の有料講座で、「子どもの成長は親次第」との言葉がありました。

その言葉に教える身としては救われました。

一部の生徒さんがいつまで経っても音が読めない、スムーズに弾けないのは全て教え方が良くないからだと思い、色々と工夫を重ねてきました。

しかし、これ以上どう教えたら理解できるのか、覚えてくれるのか、もうお手上げと思った生徒たちがいました。少しでも復習してくれたらここまで出来ない、分からない状態は続かないのではと思っても、その気持ちに持っていけない私に問題があると思っていました。


そうやって何十年も教えてきました。

しかし、メソッドを変えてからご家庭の状況が見えるようになってきておりました。
そこにイリーナ先生の言葉。


教える方も献身的でありたいとの想いは変わっておりませんが、相手を選ぶ必要もあると今は思っています。

今日見かけた記事に次のようなものがありました。

「努力できる子の親がしているたったひとつの習慣」という記事です。

 子どもにどれだけ素晴らしい才能があっても、どれだけ有能なコーチの下で練習していても、コーチ任せにしてはいけません。家庭でも「親が」練習につき合い、励ましながら基礎練習を継続しましょう。グループ練習に参加しているだけでは、技能はよくて平均止まりです。平均止まりでは「自信」につながらず、習い事に参加する意義が半減してしまいます。


詳しくはこちら。

「努力できる子」の親がしているたった1つの習慣(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 「“正しい努力”を知っている子は伸びる」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんな...

Yahoo!ニュース

 


これとは別の記事にありましたが、親がやり抜く力を持っていないと子どもも持てないそうです。
習い事は色々とありますが、楽器はこのタイプの方は難しいです。

向き不向きはあります。

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プア・ジャパンという本

2024年02月04日 | 書籍紹介

常に小さなお子さんと接する職業なので、日本は将来どんな国になっているのだろうと思います。


経済には全く詳しくなく、興味もありませんでしたが、「プア・ジャパン」を読みながら今の日本の状況が少し理解出来てきました。


異次元の金融緩和策が延々と続き、ぬるま湯に漬かりっ放しの輸出企業は新しい技術を開発しなくとも円安により潤い続ける。生産性が上がって潤っているわけではない。

新しい技術開発をしなければ、技術者は育たない。もしくは、高度な技術者は日本にいても役に立たないので海外に流出する。それによりさらに発展は望めない。衰退していく。

円安により、輸入品の価格は上がるわけで物価は上がる。
日本は生産性が低いので企業はコストを掛けられず、賃金が上げられない。

つまり、人件費、設備、原材料などのコストを投入しても大した生産量が上げられなければコスト削減するわけで、そうすると更に微々たる生産性しか上げられないので、その結果賃金が上がらない。

日本はデジタルで大きく後れを取ってしまっているのに、社会構造がそれをスムーズに改善できない構造にある。縦割りというもの。

身近なところでなるほどなと思ったのが、電子マネーカード。
日本は種類が多すぎて情報が共有できない。ひとつにまとまっていたら、様々な店で購買の情報が共有でき在庫管理や発注に活かせる。商品開発にも活かせる。その情報を企業に売れば小売店の収入も増す。

各企業、各役所窓口がそれぞれ独自のシステムを作っているので共有できない。つまり、縦割り。

クラウド上でデータを共有出来たら、海外との仕事も進められるものを日本は縦割り+クラウドに不安を持っていて活用できない。

デジタルの遅れを誤魔化すために、マイナンバーカードを保険証にするとか言っている政府。

日本は未だに製造業に頼っているが、世界は既に情報を大きな産業としていて、時代遅れな日本。


このようなことが書かれていると理解しました。
日本の未来は深刻だろうと思われます。

アメリカと同水準になるには、1ドルが33円位にならないといけないそうで、それだけ差がついているということ。賃金が同水準だった頃もあるのにです。
この数字は1ドル130円だった頃の計算なので、今はもっとあり得ない数字になると思います。



ピアノのメソッドのことを考えても、日本人は「そっちが良いとは思うんですけど」と言って何十年も変わらないので、きっとこの国はこのままなのだと思います。

私は本は電車に乗っている時に読むのですが、スマホを見たりゲームをしている若者たちを見て、そんなことしてる場合かな?と思いました。

今年見た姿で、駅の長い階段を横にした画面から一切目を離さず駈け下りる女の子がいました。朝からたいへんなスピードで通り過ぎた時には、何かの修行かと思いました。忍者のようで滑稽でさえありました。

考える時間をいつ持つのだろうとよく思います。

個人的に、ゆとり教育も問題があったと思っているので、現状を変えようというスピリットは育っていない気がします。


子どもたちには、チャレンジして上手く行かなくとも、またチャレンジできる精神を育てて行けたらと思います。ピアノレッスンはそのような場のひとつになる可能性のある所です。

上手く行かないことは悪いことでも何でもありません。
失敗して恥ずかしいとか悔しいという感情が、次こそはという気持ちになるのです。

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亀井 VS ユンチャン 東京芸術劇場 2024/2/1

2024年02月02日 | コンサート情報

たいへんな逸材。

イム・ユンチャンを聴いて、世界のトップにいる若いピアニストたちに何ら詳しくはなくとも、そう感じました。



このお二人は、なにせお顔の感じがそっくりなので、ただそれだけの理由で聴きに行きました。なんか面白そうだと。


しかし、
ユンチャンのソロを聴いて、目も耳も釘付けでした。

ユンチャンはショパンのエチュードを7曲演奏しました。
まるで物語のように続けて。

最初の3つの新しいエチュード第1番は暗い音色で、ユンチャンの音は初めて聴いたので、こういう音なんだなと聴いていました。

最初に弾いた亀井さんが明るい音なので、特にそう感じるのかなと思いながら、でもショパンはこういう音が合ってるかな、と思いながら聴いておりましたが、そんな余裕は2曲目で既になくなりました。

声楽で母音の響きが言葉でバラバラにならないようにするようなレガートで、まずそれに感心し、信じられないくらいの弱音のレガートと美しく芯のある音。

音も素晴らしいのですが、内向的な音楽から伝わる力が凄まじい。
ショパンはこんな演奏をしたのではないかと思えてしまって、弾いているのはユンチャンではなく、私にはショパンでした。

内に向かうような音楽に感じるのですが、どこかにナイフも持っているようで、いつ襲いかかって来るかわからないので目も耳も離せない。


彼がショパンコンクールに出たら優勝してもおかしくないなと思いました。
スリリングさも持ち合わせ、何をするかわからないところは現代の感覚とも合っているかもしれません。

Op.25-5はコミカルに演奏されることも多いかもしれませんが、彼の演奏は胸に刺さりました。悲しい曲でした。
そしてその後のOp.25-6、あの重音の難曲。聴いたことのないスピードでしたが、ただ速いわけではなく、その前の曲の表現と対なのかと思うような音楽。諸行無常の言葉が浮かんできました。生まれては消滅する儚く虚しいもの。


2台ピアノは大いに楽しめました。
最後に予定されていたラフマニノフはサン=サーンスの動物の謝肉祭に変更されました。

この曲だけユンチャンはファーストであとはセカンドでした。
セカンドでは、弱音でも強音でもピリリとした音が時折聴こえ、それがとても効果的でした。
3階席の中央で聴いていたのですが、弾いている本人が3階席で聴いているのかと思うような耳で、よくピアノ同士の音のアンサンブルでそれができるなと感心しかなかったです。

動物の謝肉祭は面白い演奏でした。
ファーストのユンチャンは自由でした。セカンドの兄貴なら何をしても大丈夫と面白がっている気がしました。
ユンチャンの間や強弱は読めない、というか予想外というか、プレトニョフかという感じで、亀井さんがよく付いて行っていたな、というかそれを楽しんでいる感じで、このような即興性に彼は慣れているように思いました。

亀井さんはユンチャンと共演できたことが感慨深いと感動されていました。


このお二人、最初に2台で一緒にステージに出てこられた時に、どちらがどちらか遠目からはわかりませんでした。

お辞儀をしてやっと、あ~、ファーストが亀井さんで、セカンドがユンチャンかと分かったくらい似ていました。

動物の謝肉祭はこのお二人で、どこかの音楽祭で演奏出来たら良いのにと思いました。1回だけではもったいない。


今年最初のコンサートがこのお二人で良かったです。


もしや投稿されているかなとXを見てみましたらありました。
聴いていて即興性を感じたのは間違いではなかった。





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作曲家を知ろう! フォーレ

2024年02月01日 | 作曲家を知ろうシリーズ

あっという間に1月が終わり、2月になりました。

今月、生徒さんに聴いてもらう作曲家はフォーレ。
今年はフォーレ没後100年です。


フォーレの話で思い出すのは、以前読んだバヴゼ(フランスのピアニスト)の奥様のこと。彼女もピアニストですが、フォーレが嫌いなのだそう。

ご主人のバヴゼがフォーレのピアノ三重奏を演奏した時にリハーサルで譜めくりをしたそうで、その時にバヴゼは横から時々気持ちが悪くなっている声が聞こえてきて演奏できなくなってしまったと。

彼女は、「フォーレの転調が私には耐えられないの。あっちに行ったりこっちに来たり。主和音に戻る気はないのかしらって思うのよ。」と。

後期のフォーレは迷宮のようで、真剣に聴きながら和声分析していた彼女は、めまいがして気持ち悪くなったのだそうです。

結局、本番はバヴゼが自分で譜めくりしたそうです。

ホロヴィッツもアンコールでフォーレを演奏した後に、もう二度とフォーレは弾かないと。転調が覚えられないと言ったそうです。


フォーレの転調、恐るべし。

フォーレ | Composer Sakkyokuka

Composer Sakkyokuka

 


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