おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

阪田さん指揮者デビュー 2022/2/26

2022年02月26日 | コンサート情報

阪田さんの指揮者デビュー、聴いてきました。

プログラムはこちら


モーツァルト+(プラス)という
神奈川県立音楽堂のシリーズのひとつ。

阪田さんらしいプログラム。
あまり見かけない曲目です。


最初のコンサート・ロンド。
師のスコダ氏のカデンツァがあるそうですが、今日は自分のカデンツァを弾く、とプレトークでお話しされていました。

これが素晴らしいカデンツァでした。
阪田さんは、ちゃんとモーツァルトのテイストを
残しながらも、オリジナルの閃きがありました。

オペラ風に始まったので、
この路線かと思ったらどんどん音世界が広がり
楽しかったです。

自作のカデンツァが
作曲家とは関係のないものとなっているものを
耳にすることがありますが、
阪田さんのものはモーツァルトが書いたと思ってしまうほど、
曲にマッチしている上に新鮮でした。


そして、やはり本領発揮は最後のコンチェルト。

第1楽章はカッチリ始まり、クレンペラー?
という感じ・・

と言いながら、さほどクレンペラーを分かってはいないのですが
ドイツで勉強している人なんだなぁ、と思って聴いておりました。


最高だったのが第3楽章。

この楽章はヴァリエーションになっていますが、
各ヴァリエーションのキャラクターがくっきり。

最後はエリザベートで阪田さんとブラレイの終わり方が
合っていなかったので、今回やっとスッキリしました。

阪田さんがしたかったのはこの演奏だったのだと、
コンクールの時に、少々中途半端感が全体に漂っていたので、
自分で指揮できるコンチェルトは、弾き振りの方が良いな、
と思いました。

それにしても、ご自分が弾く直前まで常に立って
少しの間も指揮をされていたので、
律儀だなぁ、と拝見していました。

アンコールは、ピアニストなのにソロが1曲もないのは・・
と、袖で言われ、ご自身が編曲した
アーンの「クロリスに」


おー!

私はこの曲をyoutubeで聴いて、
「あら、阪田さんって、音キレイで歌えるのね」と知りました。

その翌年にエリザベートコンクールで
すっかりファンになりました。


今回、初めて神奈川県立音楽堂に行きました。
駅から少し歩くので迷わないか心配でしたが、問題なく到着。

紅葉坂は思ったより大変ではなかったです。
もっと長い坂がずっと続くと思っていたので

坂道の写真を撮ったつもりが、撮れていませんでした・・
残念




早く着いたので、ホールの裏の方にあるベンチで一休み
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作曲家を知ろうシリーズ

2022年02月23日 | 作曲家を知ろうシリーズ

生徒さんに毎月一人の作曲家を取り上げて紹介するシリーズ。

その月生まれの作曲家を選んでいます。

2月はメンデルスゾーン。
小3以上の生徒さんに実施しています。

子供たちにとって、メンデルスゾーンは
全く知らぬ作曲家でした。

それを知り、あら?私はいつからメンデルスゾーンを
知っているのだろう?と思いましたが、
全く思い出せません


レッスンでは、生徒さんたちに感想を
書いてもらったものを受け取り、
それに対する私の感想やページに書ききれなかったことを
書いて返しています。

インターネットを使うので、
親御さんにご協力いただかなくてはならず、
きっと面倒な先生になっていると思いますが、

一緒に音楽を聴いて頂いたり、
音楽を学ぶと他の分野のことも知ることができ、
音楽がただメロディーがあってリズムがあって、流れているもの、
というだけではないことを知っていただきたい、
という気持ちもあって、ご協力いただいております。

メンデルスゾーン | Composer Sakkyokuka

Composer Sakkyokuka

 


生徒さんの感想は今週末の公開予定です。


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カントロフのベートーヴェン

2022年02月20日 | コンサート情報

モスクワでのライブ配信。

カントロフがベートーヴェンのコンチェルト第4番を演奏。
彼のベートーヴェンは初めて聴きます。

第1楽章で釘付け。

輝かしい

そして、カデンツァ。
ピアノの音を越えている!


第2楽章は祈ることを忘れてしまった人のような、
救いという希望を忘れてしまった人のような・・

しかし、それが絶望ではなく・・

なんでしょう、この感覚


彼の音楽は、私の中には持ち合わせていない感覚を
聴かせてくれる感じがします。

個人の趣味など超えたところにある・・

[LIVE]Александр Канторов, Василий Петренко, ГАСО || Alexandre Kantorow, Svetlanov Symphony Orchestra
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フレデリック·ショパン その情熱と悲哀 -リスト著

2022年02月18日 | 書籍紹介

リストが書いたショパン伝。

なんでも、ショパンが亡くなって最初に書かれたショパンの伝記はリストが書いたそうで、
誰よりも先にリストが書いたので、ショパンを知る他の人たちは書きづらくなったとか。

他の本にそのような事が書かれていたので、興味を持ち、
その本を読んでみることにしました。

まだ読んでいる途中ではありますが、既に、リストの教養の深さと言葉の表現力に圧倒されています。

単にショパンとの思い出を書いているのではありません。

ポロネーズやマズルカが、ポーランドの舞踊としてどのような存在だったのか。
ポロネーズに関しては、衣装まで細かく説明されています。

何かの解説書でポロネーズやマズルカについて調べるより、
この本でリストに教えて頂いた方が勉強になりそうです。

ポーランド人がどのような人柄なのかも書かれています。


そして、ショパンの音楽についての描写が上手い !

病的にまで高められた感受性の強さ
喜びを曇らせながらも悲しみを和らげる神秘の響き

など、この数十倍もの言葉がこの本にはあり、
リストが音楽のイメージを非常に具体的に持っていた人物であることが分かります。


生涯、ほぼピアノ曲しか作らなかったショパンですが、
その事についてリストは、
管楽器や弦楽器がいかに魅惑的であるか述べ、
本文を抜粋させていただきますが、


一見すると荒野のようでさえあるピアノ音楽の分野に身を尽くして、
その痩せた土壌に望むべくもないほどの豊穣な花々を咲かせるまでには、
どれほどの才能と情熱が必要とされたことか !

と、書いています。


ほぼピアノ曲しか書かなかったショパンを
このように捉えるリスト。

ショパンの才能を目の当たりにした人物でなくては
書けない言葉。


ショパンを知り、リストを知り、音楽家の人柄と知性に触れられる本です。


歴史に名を残す人はやはり違うな、と実感。
そのような人たちが作った音楽を演奏しているのだと、恐れ多さも感じます。


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N響定期 ストラヴィンスキー

2022年02月12日 | コンサート情報

今年最初のコンサートは、N響定期。

指揮者が鈴木雅明さんに代わったので聴きに行きました。

雅明さんは、バッハ・コレギウム・ジャパンの設立者です。

当然のことながら、オルガニスト、チェンバリストでもあります。
BCJの方は、最近は息子の優人さんにお任せされることも多くなってきた分、他のオーケストラの指揮をされることが増えてきた気がします。

雅明さんのオルガン演奏が、濃厚で立体的で構築性があると感じていたので、ストラヴィンスキーをどう指揮されるのか興味があり、聴きに行きました。

曲目は、
プルチネッラとペトルーシュカ

プルチネッラは、ペルゴレージの作品をストラヴィンスキーが頼まれて編曲したもの。

元がバロック音楽なので、鈴木さんのお得意分野。
キリリと引き締まり、立体的で音楽が次々と飛び出る感じ。ストラヴィンスキーのスパイスも効いていて楽しめました。

この曲は初めて聴きましたが、また聴きたい曲です。
バロック好きなので、踊れもしないのに踊りたくなりました。

N響って、やっぱり上手い。


ペトルーシュカはオーケストラでまともに聴いたのは
これが初めてだと思います。

情景が鮮やかに描き出されていました。

管楽器が核を成している曲なんだ、と思って聴いていました。
物語が見えてくるようで、バレエも観たいと思いながら聴きました。

弦楽器が主体ではないせいか、
管楽器はそれだけで個性があるので、まとまりを持たせるのが難しいとも思いました。

ピアノ版しか聴いていない身なので、
数十人のパワーに感覚的に付いていけてない所があったかもしれません。


テレビカメラが入っていたので、
その内、放送されると思います。

休憩なしで19時半開演。
カーテンコールが終わって時計を見たら、
20時50分。

80分位のコンサートでした。

休憩なしで、短めに行うのも良いものだ、と思いました。



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一汁一菜でよいという提案 より

2022年02月09日 | 書籍紹介

土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」に、
このようなことが書かれています。

お料理と人間との間に箸を揃えて横に置くのは、
自然と人間、お天道様から生まれた恵みと人間との間に
境を引いているのです。

私たちは「いただきます」という言葉で結界を解いて
食事を始めるのだと考えられます。


昨年、オンラインで受講した講座で、
ピアノの前に座っていきなり弾き始めるのは、
ご飯を食べる時に、「いただきます」も言わずに
いきなり食べ始めるようなものだ、と講師の先生が仰っていました。

その例えはわかり易いと思い、
その後レッスンでこのフレーズをよく使っています。

弾く前に息を吸って、と言うより子供たちにはピンときます。


土井さんの結界を解く話。

音楽もそのような神聖なものを始めさせてもらう、
そんな感覚があるべきなのだろう、と思ったのでした。


「一生懸命したことは純粋なことで、純粋なことは最も美しく尊い」
レッスンで度々この言葉を思い出して過ごしています。

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【作曲】さみしがり屋のオレ

2022年02月07日 | 不思議な音の国

3,4月に楽器店の発表会があります。

感染対策のため、出来るだけ同じ講師の生徒さんで
ひとつの部を作ったり、
同じ講師の生徒さんを続けて演奏するように
プログラムを組ませてもらっています。

4月の発表会が私の生徒さんだけで
ひとつの部を構成させて頂けるので、
普段やりづらく遠慮していたことを実施することにしました。


小学3年生以下の生徒さんは、
全員、不思議な音の国上巻からレッスンを始めています。

ということは、作曲した作品があるということです。
それを、今回の発表会でお披露目してもらうことにしました。

作ったのは2~3年前の作品が多いのですが、
声を掛けた生徒さんは1人を除き、弾いてくれることになりました。

曲名は本人に付けてもらっていますが、
1人だけ、自分で付けていない生徒がおりました。

当時小学1年生。
分からないと言うので、仕方なく私が付けました。
寂し気な曲だったので、犬が留守番しているイメージで、
「おるすばん」


今回、発表会で弾くことになり、本人にこの題で良いかきいたところ、
変えると言って、本人が付けた題が、

「さみしがり屋のオレ」

もう、絶対こちらの方が数百倍イイです

作曲者の所に、本人の名前が入るので
「〇〇君が、さみしがり屋かと思われるかもしれないけど、
大丈夫?」
と、ききましたら、
「曲として作ったからいい。これはこういう曲だから」と。

自分の考えを持っているところが、
素晴らしい!


「不思議な音の国」を使って、これまでと違うと思うことのひとつに、
どんな音楽か考えることを伝えやすくなった、ことがあります。

私は、生徒さんを飛躍的に上達させる力はありませんが、
こうして、音楽というのは人間の様々な想いが
込められたものだと知ってもらえるだけで
かなり嬉しいです。



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