おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

がんばったね!

2018年11月30日 | 不思議な音の国
昨日のゴリン先生のセミナーではマスタークラスがありました。

私の生徒も参加させていただきました。

今年の6月中旬からピアノを始めた5歳の女の子です。
彼女はまだ1度も人前で弾いたことはありません。

楽器店のレッスン室は狭く、いつもすぐ左横にお母様、すぐ右横に私が座っています。
なのにいきなり部屋いっぱいの40人位の先生方の前に出ていってピアノを弾くのです・・

しかもピアノの横には外国の先生が座っていらっしゃいます。
にこやかにして下さっていますが、本人はテキストの写真にある先生とわかっているのかいないのか・・

前に一緒に行こうとした時に、足がピタッと止まりここから動きたくないという気持ちが伝わってきました。

これは無理かもしれないと思いました。
それならそれで仕方ないと思いました。

少し待って「行ける?」と訊き、手を差し出しました。
すると手を握ってきてくれたので「手つないで一緒に行こうか」と前に歩いて行きました。

ステージまではすぐです。

あとはイリーナ先生に託しました。

椅子に座ったものの戸惑っているので弾き出せるか心配しておりました。
イリーナ先生が笑顔で誘導して下さいました。

無理かと思いステージに近付こうとした時に彼女は弾き始めました。

広いところでその生徒の音を聴いたことのない私はどんな音で弾くのかヒヤヒヤしておりました。

聞こえてきた音は、私がこれまで見てきた5歳やピアノを始めて半年程の生徒の音ではありませんでした。

想像していたより重みがあり、ピアノの音として成立しています。
レガートも始めたばかりで必要以上に腕を斜めにする、全音符で肘を張るところまで急に開いてしまうなどマスタークラスの前までには直し切れずどうしようと思っておりました。

それでもこの音は今までの生徒には出せなかった音です。

こんな風になるとは思っていませんでした。

完全にロシアンメソッドで教えるようになって10カ月。
習い始めからこのメソッドでレッスンを受けレガートまで進んだはじめての生徒です。

こうなれると分かったことは私にとっても収穫です。

イリーナ先生からは指先の事を注意されました。
ノンレガートの時はあまり気にならなかったのですが、レガートに入ってから確かに指先が外を向くので「あら?」と思っておりました。

手首の高さに気を付ける必要があるようです。

それにしてもイリーナ先生うまく補助して弾かせていました。
レガートの補助は私はまだ全く下手です。(手を持ってレッスンすることは1年間は必要なのだそうです)

ピアノを弾くことは頑張りましたが、あいさつは状況がさっぱりわからなかったのか全然ダメでした・・
うっ

(あとで聞いたところ、家であいさつの練習をたくさんしたのだそうです。イリーナ先生が中国の大学でも教え始めたので中国語もできるのかもと日本語、英語、中国語で練習したのだそうです。いざ本番になったら何語で言えばよいのかわからなくなり結局何も言えなくなってしまったそうです。その生徒さんは英語も少しはわかるはずなので、ど・し・た?と思っておりました。



イリーナ先生、優しく接して下さってありがとうございます。
私の教え方に色々と問題を感じられたと思うのですが、そこに触れずに進めて下さってあの場では救われましたがお聞きしたいことも残りました。
また来日されることがございましたら伺いたいと思います。

それにしても生徒の代わりに私がイリーナ先生のレッスンを受けたかったなぁ・・
レガートの補助の仕方を知りたかった・・

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ゴリン先生セミナー 横浜 2018年11月29日

2018年11月29日 | 不思議な音の国
本日イリーナ・ゴリン先生のセミナーが横浜で開催されました。

首をなが~くして待っていたイリーナ先生のセミナーです。

世界各国で何度もワークショップを開かれていらっしゃるのに終始にこやかに丁寧にお話をして下さいました。

本当に温かいお人柄。
この先生になら安心して子供をお任せしたいと親御さんは思うでしょう。
しかも指導力も抜群で魔法のような手を持っていらっしゃいます。

動画で見る生徒さんは優秀で、そのような生徒さんを選んでいらっしゃるのかと思ったくらいでしたが、実はそうではないことがわかりました。

悲しい事情を抱えた生徒さんもいらっしゃるのです。

イリーナ先生が最後におっしゃっていた言葉、「決してあきらめてはいけません」

何度もあきらめよう、あきらめた方が良いのか、という気持ちと闘っている私に勇気をくださいました。
あきらめない先にあるものをご存知の方がおっしゃる言葉です。

信じて進もうという気持ちにさせて下さいました。

ピアノを教えることは少しずつの積み重ね。
そのような世界に生きているのですから腹を括らなければ!




追記:
クリスマスソングの楽譜が販売されていたので購入しました。
実は2週間前にノンレガートで弾けるようにアレンジした楽譜を作ったのですが、MuseScoreで作製したら思ったより音符が小さく不満でした。

まさかクリスマスソングのシリーズがあるとは思っていなかったので来年以降も使えると思い購入!

全10曲。
曲ごとに大きな絵と歌詞があります。かわいい




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エリソ・ヴィルサラーゼ ピアノリサイタル 2018年11月27日

2018年11月28日 | コンサート情報
神々しい場にいることができた幸運に感謝です。

こんな感覚は初めてでした。

それはシューマンのダヴィッド同盟(全18曲)の第17曲、第18曲で訪れました。

シューマンの6つの間奏曲 Op.4から始まったプログラム。
20代初めの作品で、ヴィルサラーゼはこの秋初めてステージにのせた曲だそうで、決してわかりやすい作品ではなく、しかも難曲です。

続いてダヴィッド同盟舞曲集 Op.6。

どちらも若い時の作品ですが、書法の複雑さ、シューマン自身の感情の複雑さが若いからこそそのまま表現されているようで、これは演奏者に相当のエネルギーが要求されるなと思いながら聴いておりました。

70代の人間が演奏するのは過酷だ・・、私はもう少し若いけれど既に無理だ・・と思いながら聴いておりましたら、次第にヴィルサラーゼのシューマンへの信愛の想いが伝わってきました。

そして、ダヴィッド同盟の第2曲が再び回想される第17曲。
私はこの曲が好きなのでしみじみした想いで聴いておりましたら、素朴な第18曲でもう何と言ったらよいのかわからない気持ちがこみ上げてきました。
彼女のシューマンへの献身的な姿が本当に美しく、その音楽が純粋で、こんなに美しい心を持った人の演奏を聴くことができた幸せを思っていたら両眼から涙がボロボロ出てきて止まりませんでした。

彼女の姿、音楽は神々しかった。
私は大変な場面に立ち会っているのではないかと思いました。

休憩後はショパンでした。

バラード第2番から始まりワルツ、ノクターンを組み合わせ、最後はバラード第3番。
調性や曲調を考えてヴィルサラーゼが熟慮して構成させた10曲。

劇場に短編の作品を見に来たような、バレエの小さな物語を見に来たような感じがしました。
ショパンの作品をこのように組み合わせるとは、ショパンをよく知っている人でなければこんなにうまく組み合わせられません。


さてさて、今年のコンサートはこれで最後です。
今年最初に聴いたのはブレハッチでした。
最後はヴィルサラーゼ。

このお2人の演奏が心に残りました。
ブレハッチの音楽への愛、ヴィルサラーゼの作曲家への献身的な愛。
お2人の心の美しさが温かく私の中に残っています。
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さらに忍耐

2018年11月25日 | 不思議な音の国
初めてピアノを習い、「不思議な音の国」上巻から下巻に入った生徒たち。

レガートで弾く曲になり少し苦戦しています。
上巻は全曲ノンレガートですが、下巻は3曲目からレガートで弾く曲が始まります。

これまでの生徒とは反対のことで苦戦しています。

これまでの生徒は指だけで弾いてしまうので腕が固まり、腕と指の向きを合わせることが課題になります。

ところが上巻からピアノを始めた生徒は必要以上に腕の向きを斜めにしてしまい、指が音のある場所に届かなくなってしまい指で無理やり弾くという現象が起きています。

「ド」を2で弾いたとして腕を外側に動かしていくと自然に「レ」を3の指で弾くのにちょうど良い向きになるはずですが、その向きになっても「レ」を弾かずに腕だけ外側に動かし続け結局「レ」が弾きにくくなってから弾くので指で無理やり弾いてしまうのです。

上巻を弾いている生徒にもレガートを試してみたのですが同じでした。

腕だけ先に動いてしまうので弾いた音に重みも乗らず・・

これは慌てずに腕が移動しても各指に重みをのせることができるように指導しなければ!です。

ちなみに小学2年生の生徒は下巻のレガートで同じように腕だけが先に動いてしまいましたが、次のレッスンまでに腕と指の向きが合うように修正してきておりました。

そのくらいの年齢になると自分でわかってくるのかもしれませんが、就学前の生徒さんは根気よく修正する必要がありそうです。

何か良い方法があると良いのですが・・

今月イリーナ・ゴリン先生が来日されセミナーが開催されるのでその辺りのお話を伺いたいと思っている所です。

ピアノを始めて半年以下のちびっ子たちが16人いるので、正直クタクタです・・

毎週エナジーを回復できぬまま新しい週を迎えているので「べホマ」の呪文がほしい
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Mon jardin musical 再び

2018年11月23日 | フォルマシオン・ミュジカル
1年以上前に「お薦めテキスト」としてご紹介した”Mon jardin musical"フォルマシオン・ミュジカル「お薦めテキスト」まとめ①

実は最近は出番がなくその存在を忘れつつありました。

出番がなくなったのは、最初に出てくる音の方向(上行、下行)を聴き取るカエルの声がひど過ぎて子供たちが怯えるので使いづらくなったからでした。

今、私のところには講師生活始まって以来のたくさんのちびっ子たちがいます。

ほぼ全員「不思議な音の国」をピアノのテキストに使っていますが、今のところ一番早く上巻が終わった生徒で5カ月(レッスン回数は16回ですが休みを含めるとそのくらいになります)。

このテキストは6カ月で1冊修了するのが目安になっているようですが、上巻で平均8カ月はかかります。
下巻に至っては修了者未だゼロ。10カ月かかっても終わらずです。サボっているわけではないのですが・・

週2回レッスンならゆっくり進んでも6カ月で終わるのではないかと思います。

そのようなわけで予想外に進みが遅いので、このままテキストの進度に従ってF.M.やレガート奏法を始めることを待っていてはさすがに不安になります。子供たちの大切な時機を逃しそうで。

そこで、元々F.M.は楽器のレッスンを始める前に1年間はそれを行うものなので、ピアノの進度を気にせず始めることにしました。

「はじめてのピアノアドヴェンチャー」がプレF.M.として使えそうでしたのでリズムの所を使っておりましたが、CDが日本人好みのキチンとした正確な演奏なのが気になり、あまり長くは使いたくないと思っておりました。

ピアノを始めて4か月経つ生徒には「アドヴェンチャー」のリズムは物足りなくもなりますので、就学前の生徒さんに「Mon jardin musical」を使ってみることにしました。小学生からは「Faisons de la musique en F.M.vol.1」の方が良いと思います。

さてさて久し振りに聴いたカエルの声・・

やはりヒドイものでしたが、生徒さんの反応は以前聴いてもらった子供たちとは違い面白がってくれていました 。

カエルの声に驚いて音の方向なぞ聴くのを忘れるかと思いきや、皆、ちゃんと聴いてくれていました。

どうやら年齢が低い方がこのテキストは良いようです。
対象年齢5~6歳ともありますし。

以前は就学前の生徒さんが1人しかいなかったので小学校低学年の生徒にも使っていました。

歌やリズム打ちにフラ語がついているので、近い意味の日本語にかえてやっています。

さぁ、これから作詞します!
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そういう感覚

2018年11月15日 | フォルマシオン・ミュジカル
ソルフェージュを音楽に結びついたものにしたいと長年思い、出会ったのがフォルマシオンミュジカルでした。

先週、FMの話を楽器店の先生や指導者友の会の先生にさせていただきましたが、若い先生に多かったのが、ソルフェージュとピアノを別個のものとして考えていた。自分もその様に習ってきたのでソルフェをピアノと関連付ける発想がなかった、というものでした。

何のためにソルフェがあるのか。

音感を良くする、音がすぐに読める、正しいテンポできっちりとリズムが叩ける、という目的のためだけにソルフェージュはあるというのが日本のソルフェージュ教育なのだと思います。言い過ぎかもしれませんが。

機械的にそれらを行って演奏に役立つものにはならない。
でもソルフェはそういうものだから・・

音楽に役立たないソルフェージュの力は有害でさえあると思います。

リズムを無機質に叩く習慣は音楽の生命力を奪います。
音を聴いて何の音かわかってもその意味を理解する教育を受けていなければ音の羅列で終わります。

間違えてないけれど音楽的には間違いという現象。

ワークブックでゆっくりとなら音を読むことができても楽譜を見た瞬間に読める瞬発力がなければ役には立ちません。

受験英語はできるけれど会話はできませんと似ています。


ピアノも美しい音を出せるようにならなければ音楽は奏でられないはずなのに、形だけ整えてそれでおしまい。
そのようなものが多くはびこっているのでそれが定番化されて偽物なのに本物のように思われている。

本当の事が後回し、もしくは無視された教育が日本には広まっているように思います。

子供はこの位出来れば良いとか、初心者に初めから本物を求めても無理とか知らぬうちに思ってはいないでしょうか。

日本は貧困国になっているそうで、経済やテクノロジーで一目置かれていた時代は過ぎ去ろうとしています。(過ぎ去りました?)

本物の教養を身に付ける、そんな価値観がより大切になるかもしれません。

教養が大幅に不足している我が身に気付きながら、チャージせずにいる私は残高不足で二進も三進も行かなくなる日がくるでしょう・・

まずい
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「不思議な音の国」下巻に入ったら・・

2018年11月12日 | 不思議な音の国
16回のレッスンで「不思議~」上巻を終え、下巻に入った生徒のレッスン1回目。

初めの2曲は上巻と同様にノンレガートですが、その次からはレガート奏法を覚えます。

その話をしましたら、「これが本当のピアノの弾き方なんですか」と言われました。

だったら初めからそれで教えてくれた方が良かったという気持ちなのだろうと察しました。

その方法で長年教えてきて色々と問題を感じていたのでその方法をやめたのですが、なんでと思われても不思議ではないと思いました。

講師にとっては「不思議ではない音の国」ですが、保護者の方にとっては本気で「不思議な音の国」

下巻で習うレガートは、スラーの初めで重みを掛けてそれを次の音、次の音と手首や腕を使って移していき、スラーの最後でそれを抜く、ということだと私は理解しています。

これは一音で行っていたことと同じです。
複数の音に重みを移し替えていくお猿のスウィングの動きが加わるだけです。

お猿のスウィングは上巻の早い段階で登場します。

それは全音符が登場したところでやってきます。
腕を外側にゆっくりと4拍の長さに合うスピードで開くようにします。

このことによって澄んだ音が伸びるのが分かります。
私はそれが目的だと思っていたのですが、レガートで複数の音をつなげる時の動きのためであるとあとで気付きました。

日本では肘を張らないよう指導されることが少なくないので、この動きはやってはいけないように思うかもしれません。

しかしロシアやその周辺国の子供たちやピアニストの腕の使い方を見るとそうではないことがわかると思います。

上巻から下巻に入った生徒が今週もう1人現れました。

2人ともレッスン回数で行くと4ヶ月くらいで上巻を修了しました。
ロシアでは一音に3年かけると言いますが(その確認を大事に進めるという意味だと思います)、できればノンレガートで弾くことは長い期間やりたくないというのが実際にレッスンをした感想です。

大事なことは十分承知しており、これができなければそのあとも問題を抱えたままいつか良くなるだろうという幻想を抱いてレッスンを続ける結果になると思います。

週2回レッスンで2~3カ月で上巻を修了できるとレガート奏法に入るのも短い期間で始められますが、週1回レッスンで上巻を終えるのに8カ月はかかるとなるとピアノを習っているのにレガートで弾くことをを知らずにその間過ごすわけで、申し訳ない気持ちになります。

ドイツのロシアンメソッドのテキストを見ると、レガートに入るのにそんなに時間は掛けません。

ロシアの「はじめての音楽との出会い」もノンレガートは最初の5曲だけです。
6曲目にスラーが出てきて、7曲目にはスタッカートまで出てきます。
元々このテキストは進みが速いのですが・・

今考えているのは、上巻で全音符のお猿のスウィングまで進んだらレガートの弾き方を教えようかと。

下巻はレガート、ノンレガート、スタッカート、左右で異なるフレージングが出てきますので、レガート奏法を上巻と並行して他のテキストで経験してもらうと、途中からグンと難しくなる下巻でも順調に進めるかもしれません。

初めて使う”奏法を学ぶ”ためのテキスト。
と、言っては怒られます・・日本人にとってはそうですが、音楽を表現するためのテキストです。

私も1年生ですので使って初めてわかること、知ることがあります。

同じテキストを使う先生や使おうと思っていらっしゃる先生、ロシアンメソッドで教えてみようと考えていらっしゃる先生の参考になると幸いです。

追記
ノンレガートですが、やはりこれはじっくりやるべきだと考え直しました。
「重みを掛ける」、この感覚はノンレガートの経験を十分に積んでこそとわかりました。
急いでも焦ってもいけないメソッドです。
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改めて思いました

2018年11月08日 | フォルマシオン・ミュジカル
昨日フォルマシオン・ミュジカルの話を先生方の前でさせていただいて、生きた音楽の中で「音読み」「リズム打ち」「聴き取り」を行う大切さを改めて思いました。

今日レッスンしたピアノ歴11ヶ月の年長の生徒さんが、「不思議な音の国」で新しい曲を一緒に予習した時に、質問しようと思っていたことを私が聞く前に気付いてこう言いました。

「ここと、ここおなじ」

そうです。
音やリズムは1つずつ見ても意味を成しませんが、パターン(形)で読む習慣がつくと音楽を理解することに役立ちます。

今年は稼働日が増えたので引き継いだ生徒さんが多く、その全員がワークブックとソルフェージュの本を使っていて正直辟易しています・・

私は使ってほしいというご要望がない限りワークも有名なソルフェの本も使いません。

それには理由があります。
演奏に結びつかない、音楽に結びつかない。それが理由です。

唯一使用するソルフェはきれいな伴奏がついたものだけです。
(受験生は別メニューです)

ワークや有名なソルフェを使っている生徒さんに共通しているのは、1音1音見る癖がついてしまっていて、まとまりとして音やリズムを見ることができないことです。

その感覚のままピアノを弾くのでブツブツ途切れた演奏になります。(滑らかに弾けないのは奏法の問題だけではないと思います)

指導の仕方を間違えなければワークもソルフェも有効かもしれませんが、勉強している気がするので親御さんも安心すると安易に使ってはいないでしょうか。

「不思議な音の国」は上巻はノンレガートで弾くので、音やリズムをパターンとして捉える力がつきにくいかと不安に思っておりましたがそうではないとわかり安心しました。

おそらくノンレガートで弾いても、音と音の間に虹が見えるように、蝶々が花から花に飛ぶようにつながりをもたせて弾くのでこのような感覚がちゃんと育つのだと思います。

よかった、よかった
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FMで聴音していたとは

2018年11月07日 | フォルマシオン・ミュジカル
今日は3年振り位にフォルマシオン・ミュジカルの話を講師さん方の前でさせていただきました。

同じ楽器店の先生方の前で何度かお話させていただいたことがありますが、今回は楽器店の指導者友の会の先生もお招きしてのレクチャーでした。

これまではFMの内容を全くご存知ない先生方ばかりだったのですが、今回はご本人がFMでレッスンを受けていたという先生が現れました!

おー、こんな時代になっているとは!

ただご本人たちはそれがFMだとご存知なかったり、自分が習ってきたことを生徒さんのレッスンでどのように行えばよいのだろうと思っていらしたようです。

私にとってはFMはまだ浸透しているとは言い難いのですが、講師になりたての若い先生の中にはご自身が生徒としてそれを経験してきたという方もいらっしゃるとは驚きです。

こうして「ロシアンメッソド」も当たり前のことになってほしいと願います。



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喜ばしい日なのに

2018年11月05日 | 不思議な音の国
今日は「不思議な音の国」のテキストを修了した生徒が初めて誕生しました!


まだ上巻の方が修了しただけですが、1冊終えた生徒は誰もおりませんでしたので何とも喜ばしい気持ちです。

16回のレッスンで終えたので私の生徒の中では進みが速い方です。

下巻から始めた生徒は奏法を直しながらですのでスムーズには進まず、まだ誰も終えておりません・・

そうそう簡単には直らないものだと私も悟りまして、最近ではひどくなければ先に進めています。

同じ月からレッスンを始めても最初の1冊目ですでに結構な差がついてしまいました・・

しかし、今日は1冊修了した生徒が現れたので晴れやかな気分でおりました。


ところが、ショックな光景をそのあと目にすることに・・

他の生徒の時に小道具のお猿を使おうとしましたら、袋の中の様子がなにかまずい状況に・・
(私は自宅でレッスンをしていないので小道具もテキストも持ち歩かなければなりません。小道具は袋にまとめて入れています。)

なんと、スライムの蓋が外れ、中身が空に・・

( ̄∇ ̄;)ハハハ、その中身は見事にお猿に絡まっておりました。

帰宅して速攻洗いました。





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ツィメルマン リサイタル活動再開

2018年11月03日 | コンサート情報
休止していたリサイタル活動を再開するツィメルマン。

来年1月にイタリアでリサイタルが開催される情報は得ていたので、日本でもソロが聴けたらいいなと願っておりました。

東京では2019年2月28日(木)サントリーホールで行われます。
プログラムは未定。
一般発売は11月24日(土)
その前にジャパン・アーツ夢倶楽部会員やジャパン・アーツぴあネット会員の先行発売があります。

何を演奏してくれるのでしょう。
楽しみです
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ボリス・ギルトブルグ ピアノリサイタル 2018年11月2日

2018年11月02日 | コンサート情報
私にとっては、昨年の「東京・春・音楽祭」以来2度目のギルトブルグのリサイタルです。

<プログラム>
ラヴェル:クープランの墓
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
          休憩
ショスタコーヴィチ(ギルトブルグ編):弦楽4重奏曲第3番
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番

休憩後の2曲はギルトブルグお得意の世界です。

ショスタコは2番、8番もご自身でピアノ用に編曲していますが、今回は3番。

ギルトブルグ自身の解説によると、

「なぜこの作品をピアノに編曲する必要があったのかと問われれば、私はショスタコーヴィチの大ファンであり、切に自分で演奏したいと思ったからである。」

とあります。

それが本当に伝わってくる演奏でした。
打楽器的な要素があり、ピアノ曲でも成立します。
この曲の世界を表現したいと思うのもわかるなぁと思いながら聴いていました。
ピアノの方がより無慈悲な感じが表現できるように思います。

この作品は<戦争カルテット>とも言えるそうで、当初各楽章に次のようなタイトルが付けられていたそうです。

1嵐の前の静けさ
2不穏な物音と予感
3解き放たれた戦争の力
4死者へのオマージュ
5永遠の問ーなぜ?そして何のため?

出版に当たりこれらのタイトルは取り除かれたそうで、それは第2次世界大戦直後のソビエト政権に受け入れられなかったのだろうとのこと。さらに数回の演奏後この曲はショスタコーヴィチ自身が完全に取り下げてしまったそうですが、スターリンの死後ようやく再演されたそうです。

第3楽章、つらい曲でした・・

今、オリジナルの弦楽四重奏の演奏を聴いていますが、壊滅、破壊、苦痛、不吉といったものはもしかしたらピアノの方が伝わるかもしれません。

この曲はタブレットを譜面台に置いて足元でご自身で譜めくりをして演奏されていました。
ほとんど暗譜されていたので譜めくり時も画面を見ずに足だけ動かし譜めくりしていらっしゃいました。

無駄な動きがないので弾いている感じがしない時もありました。
ソフトペダルを多用していないのにそのような音が自力で作れる。
ノンペダルなのに響く。
単旋律なのに数人で弾いているかのような太く芯のある音が出せる。

そして決してセンチメンタルにならない詩情。
人の世の無常を静かに語る若きピアニスト。

今回はサインは戴かなかったので帰り際にサインをされているお姿をチラリと拝見しただけですが、青い眼がキラキラ美しく輝いていらっしゃいました。
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