本日は,HoME7巻最後です。しかし,実は最後の最後で,エオウィンまたはアラゴルン個人のファンの方,及び,何らかの理由(笑)でエオウィンの恋の行末に興味をお持ちの方にとっては,「非常に」興味深い話が出てきますよ。
クリストファーさんは,ここでちょっと視点を替え,トールキンさんが初期のローハンに何を描写しようとしていたのかを探ります。
まず,"second Master"がIsen川の戦いで亡くなり,お葬式の場面があるのですが,最初これは,セオデンの息子ではなく,Eoforedという赤の他人です。(しかし名前はセオドレドにだいぶ近いぞ(笑))エオウィンは,最初からエオメルの妹(姉妹)として登場しますが,セオデンの近くにはもう1人の女性,Idis(なんと,セオデンの娘だそうです),が仕えてます。しかしIdisにはセリフがなく,しかもガンダルフがセオデンのるすの間に誰が国をまとめるのかという質問に対しても,セオデンはエオウィンに任せようと思っていると言い,ガンダルフも「それはいい考えですな。」と答えるそうです。
そして,下書きが進むにつれ,Idisは次第に消えていきます。その代わり,エオウィンに関しては「皆が彼女を愛している。我々が留守の間は彼女をEorlingasの指導者にしよう。」と,最初から,そういう役割を考えていたのですね。
(クリストファーさんは,お父さんがIdisにどんな役割を与えたかったのか,何故王の娘がセリフもなく静かにしていて,従姉妹の影に隠れていなくてはならないのかは,謎だと言ってます)
一方,アラゴルンとエオウィンの出会いは,ますます重要性を増し,形を変えて参ります。初期の下書きでは,セオデンの「厄払い」が終ってエオウィンを見た後のアラゴルンは,「(エオウィンの消えた後の?)ドアをじーっと見ていて,他の事に注意を払わなかった。」とか,出発前のお食事で「アラゴルンは黙っていたが,目はエオウィンを追っていた。(→削除)」とか,エオウィンがワインを持ってきた時,"Long she looked upon Aragorn, and long he looked upon her."だったりとか,またこれが書き換えられ「彼女はアラゴルンの前で立ち止まり彼を見る,まるで今しかはっきり見れないかのように。アラゴルンは,彼女の顔を見る,目が合う。少しの間彼らはそのまま立ちつくし,彼が彼女からカップを取った時,『手』が触れ合う。(ここで,あれれ~?と思ったのは私だけか?(笑))"Hail Aragorn son of Arathorn!"と彼女は言う。」
トールキンさんの恋の場面の描写は,私はいつも,素直,直接的,情熱的だと私は思っているのですが,‥まあそれはいいとして,‥‥(笑)
そしてアラゴルンは,エオウィンに,もし生きて帰ったら,一緒に馬に乗っていこう,と,約束までしちゃいます。そして,最初の計画は,このようになっていました。
<メモ>
アラゴルンはエオメルの妹エオウィン(ローハンの女王?になっている)と結婚し,ゴンドールの王になる
ゴンドールでの祝宴,帰還の旅。彼らはロスロリアンを回って帰る(1番下参照)
</メモ>
ところが,アラゴルンとエオウィンの話は,またまた予想外の方向に展開します。
<メモ>
アラゴルンとエオウィンのラブストーリーは切ってしまおうか? アラゴルンは年取り過ぎ,威厳あり過ぎ,厳格過ぎ。エオウィンを,エオムンドの妹にして,いかめしい男まさりの女とするか?
もしそうなら,ガラドリエルのメッセージを変えねば。
おそらく,エオウィンは,セオデンを守る為か復讐の為に死ぬのがいいだろう。
</メモ>
しかし,お父さんはすぐに,「アラゴルンはエオウィンを本当に愛し,彼女の死後は誰とも結婚しなかった」と書き足したそうです。
ガラドリエルのメッセージとはこちらの最後にへたれ抄訳(笑)したものですが。実はその詩が「変えねば」と言ったその結果なのだそうです。
その2行目と3行目,
In the south under snow a green stone thou shalt see.
Look well, Elfstone! In the shadow of the dark stone
なのですが,このgreen stoneは,セオデンが持っていて,エオウィンが,In the shadow of the dark stoneに立っているという事だそうです。
ところで,上の,「彼らはロスロリアンを回って帰る」ですが,註にとても面白い事が書いてありました。
<メモ>
(ホビット達は)ナズグルがロスロリアンを破壊した事を聞く,ケレボルンは生き残りと逃げ,ガラドリエルは失われたか,隠れたか。それともロリアンはゆっくり失われる事にするか? そうだ,ガラドリエルはケレボルンと別れる。彼はこの世に残る。彼女はフロド(年取って?)に会う。(エルロンドは? いや,彼はまだ裂け谷だ)
</メモ>
この,HoME7巻最後は,いろいろ考えさせられるようなお話がありましたね。トールキンさんは,この時期から,アラゴルンとエオウィンではやっぱり合わないだろうと考えていたのですね。それと,エオウィンの身に試練が起きるという事も,早いうちから決められた事だったのですね。
そして,やはり,ガラドリエルとケレボルンは別れる事が決められていたんですね。。
さて,次の予定ですが,実は今,仕事がギンギンに大変な事になっていて,もう1冊読んでいる本がなかなか進まないので,ちょっとの間,そちらを優先にしようかなあと思います。そして余裕が出てきたら7巻の感想を書こうと思います。おそらく,8巻を始められるのはそんなに先ではない,と,思います。
クリストファーさんは,ここでちょっと視点を替え,トールキンさんが初期のローハンに何を描写しようとしていたのかを探ります。
まず,"second Master"がIsen川の戦いで亡くなり,お葬式の場面があるのですが,最初これは,セオデンの息子ではなく,Eoforedという赤の他人です。(しかし名前はセオドレドにだいぶ近いぞ(笑))エオウィンは,最初からエオメルの妹(姉妹)として登場しますが,セオデンの近くにはもう1人の女性,Idis(なんと,セオデンの娘だそうです),が仕えてます。しかしIdisにはセリフがなく,しかもガンダルフがセオデンのるすの間に誰が国をまとめるのかという質問に対しても,セオデンはエオウィンに任せようと思っていると言い,ガンダルフも「それはいい考えですな。」と答えるそうです。
そして,下書きが進むにつれ,Idisは次第に消えていきます。その代わり,エオウィンに関しては「皆が彼女を愛している。我々が留守の間は彼女をEorlingasの指導者にしよう。」と,最初から,そういう役割を考えていたのですね。
(クリストファーさんは,お父さんがIdisにどんな役割を与えたかったのか,何故王の娘がセリフもなく静かにしていて,従姉妹の影に隠れていなくてはならないのかは,謎だと言ってます)
一方,アラゴルンとエオウィンの出会いは,ますます重要性を増し,形を変えて参ります。初期の下書きでは,セオデンの「厄払い」が終ってエオウィンを見た後のアラゴルンは,「(エオウィンの消えた後の?)ドアをじーっと見ていて,他の事に注意を払わなかった。」とか,出発前のお食事で「アラゴルンは黙っていたが,目はエオウィンを追っていた。(→削除)」とか,エオウィンがワインを持ってきた時,"Long she looked upon Aragorn, and long he looked upon her."だったりとか,またこれが書き換えられ「彼女はアラゴルンの前で立ち止まり彼を見る,まるで今しかはっきり見れないかのように。アラゴルンは,彼女の顔を見る,目が合う。少しの間彼らはそのまま立ちつくし,彼が彼女からカップを取った時,『手』が触れ合う。(ここで,あれれ~?と思ったのは私だけか?(笑))"Hail Aragorn son of Arathorn!"と彼女は言う。」
トールキンさんの恋の場面の描写は,私はいつも,素直,直接的,情熱的だと私は思っているのですが,‥まあそれはいいとして,‥‥(笑)
そしてアラゴルンは,エオウィンに,もし生きて帰ったら,一緒に馬に乗っていこう,と,約束までしちゃいます。そして,最初の計画は,このようになっていました。
<メモ>
アラゴルンはエオメルの妹エオウィン(ローハンの女王?になっている)と結婚し,ゴンドールの王になる
ゴンドールでの祝宴,帰還の旅。彼らはロスロリアンを回って帰る(1番下参照)
</メモ>
ところが,アラゴルンとエオウィンの話は,またまた予想外の方向に展開します。
<メモ>
アラゴルンとエオウィンのラブストーリーは切ってしまおうか? アラゴルンは年取り過ぎ,威厳あり過ぎ,厳格過ぎ。エオウィンを,エオムンドの妹にして,いかめしい男まさりの女とするか?
もしそうなら,ガラドリエルのメッセージを変えねば。
おそらく,エオウィンは,セオデンを守る為か復讐の為に死ぬのがいいだろう。
</メモ>
しかし,お父さんはすぐに,「アラゴルンはエオウィンを本当に愛し,彼女の死後は誰とも結婚しなかった」と書き足したそうです。
ガラドリエルのメッセージとはこちらの最後にへたれ抄訳(笑)したものですが。実はその詩が「変えねば」と言ったその結果なのだそうです。
その2行目と3行目,
In the south under snow a green stone thou shalt see.
Look well, Elfstone! In the shadow of the dark stone
なのですが,このgreen stoneは,セオデンが持っていて,エオウィンが,In the shadow of the dark stoneに立っているという事だそうです。
ところで,上の,「彼らはロスロリアンを回って帰る」ですが,註にとても面白い事が書いてありました。
<メモ>
(ホビット達は)ナズグルがロスロリアンを破壊した事を聞く,ケレボルンは生き残りと逃げ,ガラドリエルは失われたか,隠れたか。それともロリアンはゆっくり失われる事にするか? そうだ,ガラドリエルはケレボルンと別れる。彼はこの世に残る。彼女はフロド(年取って?)に会う。(エルロンドは? いや,彼はまだ裂け谷だ)
</メモ>
この,HoME7巻最後は,いろいろ考えさせられるようなお話がありましたね。トールキンさんは,この時期から,アラゴルンとエオウィンではやっぱり合わないだろうと考えていたのですね。それと,エオウィンの身に試練が起きるという事も,早いうちから決められた事だったのですね。
そして,やはり,ガラドリエルとケレボルンは別れる事が決められていたんですね。。
さて,次の予定ですが,実は今,仕事がギンギンに大変な事になっていて,もう1冊読んでいる本がなかなか進まないので,ちょっとの間,そちらを優先にしようかなあと思います。そして余裕が出てきたら7巻の感想を書こうと思います。おそらく,8巻を始められるのはそんなに先ではない,と,思います。