ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Shadowlands (11)

2006-11-16 23:58:00 | ナルニア・C.S.Lewis
Chapter 11:Further up and Further in
1961年,ジャックは,心臓と腎臓と前立腺を患い,カテーテル漬けになり,家の1階にずっといなくてはならない体になってしまいました。(62才で,これにプラス骨粗鬆症と高血圧,‥う~む,ホントに何食っていたんでしょ?(汗))

ウォーニーはジョイの死後再発したアルコール中毒を一時制覇,ダグラスはオックスフォード大学のMagdalen校で学ぶようになって,家にいるようになり,ジャックにとってはKilnsはまた住みやすい環境になっていました。この頃Inklingsの残った仲間の一部は,月曜にLamb and Flagというパブに集まっていましたが,ジャックが顔を出す事もありました。

そんな折,ビルがガンで亡くなります。また,アイルランド時代からの長い間の親友Arthur Greevesが心臓の病になり,ジャックは,自分の体調を棚に上げて心配します。ただ,Arthurの症状はその後少しよくなり,ジャックを訪問する計画を始めます。

1963年の初め,アメリカからやってきたWalter Hooperという研究者は,ジャックと会うとすぐウマが合い,親友になります。3月には,ジャックはダグラスとアイルランドの旅行の計画を練ります。しかし,7月になるとひどく体調を崩し,14日,一緒に教会に行く為にやってきたWalter Hooperは,彼が既に煙草も持てないほど衰弱している事に気付きます。その場でジャックはWalterを私設秘書として雇う事に。翌日,ジャックは心臓発作を起こして病院へ。この時彼は死にかけますが,なんとか一命を取りとめます。で,何とか帰宅するまで回復しますが,大学には戻れません。(ペンが持てない‥)

そこから2ヶ月は静かに過ぎます。Walter Hooperは一旦アメリカに戻ります。(彼は結局ジャックに二度と会えず) ウォーニーは,アイルランドへ旅行にいってしまいます。しかも一旦収まったアル中がまたまた再発。ジャックは寂しい日々。

11月,ジャックの友達が何人かKilnsを訪ねてきますが,彼らは既に「今生の別れ」を予感していました。ある日ジャックはLamb and Flagに,最後の訪問。その日友達はColin Hardieだけでしたが,とても意義深い日を過ごしたそうです。

しかし実はジャックにはまだやる事が残っておりました。まだナルニアに,幾つか話の矛盾が残っていたのです。という事で,11月21日,出版社の女性と打ち合わせ。次の日,11月22日,ウォーニーは,ジャックと,いつもと変わらない1日を過ごします。夕方4時,少し眠そうなジャックをベッドへ連れて行き,お茶を出して,ちょっとだけ言葉を交わします。。。

5時半,何かが壊れる物音に慌てて走り寄ったウォーニーは,ジャックがベッドの下に倒れているのを発見。。。

お誕生日は1週間後だったそうです。

ジャックの葬式の日,ウォーニーは錯乱状態に陥り,参列できませんでした。

トールキンは,娘さんに宛てた手紙に「この年になると(いろいろあって)葉が1枚1枚落ちていくように感じるが,これは根元に大きな一撃を喰らったようだ,」と悼みますが,彼らはここしばらくずっと会ってなかったようです。で,「‥‥‥ジャックの葬式に家族で出席していたのはダグラスだけだったな‥‥」と証言してます。(汗)


Shadowlands (10)

2006-11-16 00:18:06 | ナルニア・C.S.Lewis
Chapter 10:A Greif Observed
映画Shadowlandsの重要シーンのネタバレあります。

学校が忙しくて母の死に目に会えなかったダグラスがようやくKilnsに帰ってきた時,ジャックは「ちょっと前に見た時より20~30才老けてしまった。」実際のダグラスはこの時14才,映画のダグラスより随分大人になっておりますが,映画のラスト近くの超感動シーンとほぼ同じ事が。。実はジャックは,男友達は多けれど,同性と抱き合う事など「決して」なかったのだそうですが。

1960年7月18日,ジョイの葬式の日,ジャックの友達はFarrerさんを除いて参列しなかったのだそうです。これについて,ジャックは皆自分とジョイとの結婚をよく思ってなかったんだ!と思っていたようですが,ギリシャに同行した夫妻はジョイの死を知らなかったそうですし,ダグラスは,ジャックの悲しみを見るに忍びなかったから来なかったんだと信じているそうです。(ダグラス,君はなんて素直でいい子なんだ!) ダグラスはさらに,弔辞を辛そうに読むFarrerさんを見て,自分が泣かないようにするのが大変だったと回想します。

その後のジャックは,気持ちを立て直すのが大変そう。何せ,彼は今まで「人を助けてきた」人です。今更誰にも頼れません。さらに,息子達の前で亡くなったお母さんの話をするのはどうも具合がよくないようで,と,彼自身も経験があってトラウマになっていたようですが,ダグラスも,後に,「母の話をされると自分が泣き出してしまうのではないかと怖くて。。。」と本音を語っております。という事で,どうもジョイの息子達の前では,話もできません。

とにかく作家だから書いてみようとしたり,ジョイに出会う前の幸せだった自分に戻ろうと試みたり。しかし何をやっても,ジョイとの楽しい思い出が蘇ってきてしまいます。彼は彼女を思い出せるようなよい写真すら持ってませんでした。

ジャックは長い間(2ヶ月位かな)悩みます。一時は生活の全てがうざくて,髭を剃る事も忘れたり,ある時は神は悪い奴か?とまで考えたり。(それで本の中ではずーっと宗教的哲学的な説明が続いているんですが,そこはちょっとパス(笑))‥‥‥ジャックはやがて,現実を受け止められるようになり,(おそらくダグラスも同じようなプロセスを辿っていたのでしょうが),ようやくダグラスとは楽しく話ができるようになったそうです。


Run!Run!Run!