ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Things Fall Apart (18)

2008-03-23 16:37:46 | BookClub
村人は,最初,教会はそんなに長くは持たないと思います。彼らは双子を助け出していたのですが,村人は,邪悪の森内での事だからとあまり気に留めませんでした。1度改宗者が村に出て「神は死んだ,力を失った。神殿を皆燃やしてやる」と言って袋叩きに遭った事もあったようです。それでも,村人と教会の関係は,基本的にあまり変らないようでした。

ある時,オスと呼ばれる,「神に捧げられ追放された」双子が教会に逃げ込んで来た事があります。(生き延びた双子がいたのね)彼らは,髪を切ると死ぬと言われ,伸ばし放題。キアガ氏は「神の前では皆平等だ」と言って,「村人はここに家を建てれば我々は死ぬと言ったが,死なないではないか。髪を切っても大丈夫だ。君達の神は間違っているよ。神様はお一人なんだよ。」と,髪を切らせ仲間に迎え入れますが,改宗者の中には,オスを仲間に入れるのは耐えられない,と,村へ戻った者がいました。

一方,村では,この頃少し力を付けてきたオコンクォが,「戦うべきだ」と主張しますが,村人は,神を守る為に戦う習慣はないと尻込み。オコンクォは「ある日よそ者が家に入ってきていきなり排便したら,どうするんだ?! 私は戦うぞ!」(汗) 他の村人は「まあまあまあ,彼らを村八分にしようじゃないか。」しかし不満気なオコンクォ。この村には男気がないなあと密かに思ってます。

教会の女性が水場から締め出され,キアガ氏は何故なのか確かめに村に入ります。オコリという男が神聖なパイソンを殺したという話を耳にします。しかしオコリはその日のうちに病気で亡くなってしまいました。村人は,これはまだ自分達の神は戦う力があると理解し,キリスト教を迫害する理由はなくなったと見ます。


Things Fall Apart (17)

2008-03-23 12:25:25 | BookClub
宣教師はムバンタに住む事になって,村のお偉いさん方に,どこか教会を建設する場所を分けて欲しいと言います。優しいウチェンドゥは,まともな土地を提供しようかと言います(この人ホントに優しいのね)が,皆ムバンタの邪悪の森にしてやろうという事で同意。白人は恐れる様子もなく感謝します。どうせ,1市場週(1市場週=4日)も持たないよ,と,思っていたのですが,白人達は生き延びます。彼らは7日に1回教会に来なさいと言います。日曜日(初めてSundayという言葉が使われた),ンウォイェはうろうろしますが,父が怖くて帰宅。村人は神々が人々の不敬を我慢するギリギリの7市場週待ちますが,まだ彼らは死なず。(笑)この辺で一気に信者が増えます。中には,連続で双子を生んで子供を皆捨てられ,家族からも不審の目を向けられる,ンネカという女性の姿も。

この頃,オコンクォの従弟アミクウが,教会にンウォイェを発見。慌てて彼に告げます。オコンクォは家で待ち構え,どもりながらンウォイェを尋問。何も答えないンウォイェを打ち始めると,その声を聞いたウチェンドゥ「息子を放しなされ!」と止めに入ります。ンウォイェはオコンクォの小屋を去り,宣教師キアガ氏に,自分は家を捨ててウムオフィアに行きます!と告げます。

オコンクォは一瞬,なたを持って教会に押し入ろうかと思いますが,心底で教会を「女々しい男どもの集まり」と思っているオコンクォは,また父のウノカを思い出し,ンウォイェを取り戻す価値もない,と,思い直します。


Things Fall Apart (16)

2008-03-23 11:18:39 | BookClub
著者チヌア・アチェベは,実はイボ族の中でもキリスト教の一家に生まれたんですね。という事は,これからの話の展開は,著者自身のルーツを語る話にもなるんですね。

2年後,オビエリカは不幸なニュースを持ってオコンクォを訪ねました。
何でも,ウムオフィアに宣教師がやってきて,教会を建て始めたのだそうです。村の人達は,白人の神は長続きしないと思いましたが,村人の中には彼らの手先となって働く裏切り者がいました。彼らは誰もタイトルを持たずエフルフ(役立たず,中身のない人の意味)と呼ばれ,アグバラの預言者チエロなどは彼らを「○ソ」(笑)と呼びました。

オビエリカは,そうした「宣教師」の中に,オコンクォの息子ンウォイェを見つけ,慌ててオコンクォに会いに来たのでした。オコンクォはンウォイェについて語る事を拒否。ンウォイェの母が事情を話してくれました。

彼女によると,ムバンタに,白人の宣教師が,異なる地域のイボ人を通訳として従えて来たのだそうです。よそ者のイボ人の訛りは何とか理解はできましたが,「私自身」が「私の尻」と聞こえてしまう(おっと日本語でも近いぞ(笑))ので,ムバンタの人々の失笑を買ったそうです。宣教師によれば,人類は皆神の子だから人類皆兄弟(あ,だからそう言うのね→今頃そんな事を知る私(爆)),神は1人,あなたがたが神と思っているのはただの木切れや石ころ。そんなの捨てても何も祟りはない,と,多神教を拒否。それを聞いたムバンタの大人達は,大地の神アニや雷の神アマディオラの祟りがないって?とびっくり。神の息子キリストについて話が及ぶと,オコンクォは「では神には奥さんがいるんだろ?」と質問。(笑)冗談好きな村人が「ああ,奥さんがいるに違いない,そして皆尻を持ってるだろうよ。」

多神教はあり得ないと言った宣教師が,三位一体(Trinity)の話をするに及んで,オコンクォは,彼らは頭がおかしいと判断しました。

ところが,彼らのわけのわからん教義を受け入れた奴がいたんですねぇ。ンウォイェ。彼はずっと,双子の泣き声,イケメフナの事を考えてきました。宣教師の言った事を正確に理解できたのではありません。でも何か,安らぎを感じたんですね。

ところで,インターネットで「鉄の馬(iron horse)」を検索したら,自転車を意味しているような言葉がたくさん出てきました。で,この章で,確かに自転車の意味だった事が明らかになりました。


Things Fall Apart (15)

2008-03-23 02:29:13 | BookClub
私は了見が狭いので,職場のオコンクォ達が没落したりでもしたら,絶対に救済の手なんか差し伸べる気はありません(^^;)が,ウチェンドゥとその家族は,本当にいい人達ですね。そしてこの人も。。。

オコンクォが流刑になって2年目に,オビエリカがオコンクォのヤムから得たお金を持って訪ねて来ました。ウチェンドゥは,オビエリカの父を知っていて昔はもっと人々の交流が盛んだったと言います。するとオビエリカが不思議な話をします。アバメという村(ウムオフィアだと思っていたら,違うのね!)が滅びた,と言うんですね! 

アバメから逃げて来た人々の話によれば,種蒔きの季節に,1人の白人が「鉄の馬」に乗って現れ,預言者が,コイツは村人を滅亡に追い込むと言ったので,殺してしまい,鉄の馬は木につないだのだそう。で,白人は何も言わずたまに彼らに理解できない言葉を話していたそうですが,何でも「ムバイノ」と似た言葉を繰り返し言っていたとか。

ここで,「鉄の馬」「ムバイノに似た言葉」とは何の事か,気になる私。(笑) 「鉄の馬」って車の事でしょうか? 1850年頃の話と聞いたけど,そんな物あったのかな? 「ムバイノに似た言葉」。。。Good-bye,Why,Christ。。。

収穫の季節までは何も起きませんでした。ところが収穫の季節に皆が市場に出かけた時,数人の白人がやってきました。そして人々市場に集まったのを見計らって,銃で皆殺しにしてしまったのだそうです。

これを聞いたウチェンドゥ,「物を言わない者を殺してはいかん。鳶の娘が子アヒルを取ってきたのを見た親が,『その時その親は何て言った?』と聞くと,娘は,『何も言わずに立ち去った。』これを聞くと鳶の親は,すぐさまアヒルを返させた。何も言わない事の裏には不吉な物があると言う。代りに鳶の娘はひよこを取った。ひよこの親は大騒ぎしたそうじゃ。これで鳶の親も安心してひよこを食べる事にした。」奥が深い言い伝えです。物言わぬ自然を破壊している人間って。。。


Run!Run!Run!