ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Story Layla and Majnun : 感想

2010-03-07 12:01:20 | 読書
Story Layla & MajnunStory Layla & Majnun
価格:¥ 1,140(税込)
発売日:1996-02

‥という事で、怒涛のようにブログ投稿終わりました。(笑)実際読んだのは、先月の後半でしたけどね。

前半は主人公Majnunのヘタレぶりに全然共感持てないし、もうイライラさせられっぱなしで、呆れまくりましたが、後半、盛り上がって参りましたね。最後までヘタレのままでしたけど(^^;)、動物が集まってくるようになってちょっと救われた気がしました。それに最後は墓。ロミオとジュリエットのようにまとまりました。

Shahnamehもそうでしたが、この本でも杉とザクロは美しい物の象徴なんですね。そして美しい女性は、「太陽」とか「月」とかに譬えられます。特に月に譬えられる事が多いですね。千の輝く太陽:A Thousand Splendid Sunsのタイトルロールともなった、カブールを讃えるあの詩、
One could not count the moons that shimmer on her roofs
And the thousand splendid suns that hide behind her walls

の意味もさらに深く理解できますね。

A Thousand Splendid Sunsと言えば、この本は、2人の女性主人公のうちの1人、Lailaが騙されて結婚させられたろくでなしの夫Rasheedの愛読書?(笑)として登場、Rasheedは、幼馴染カップルLailaとTariqを、LaylaとMajnunに譬えて、執拗に揶揄しておりましたが、このおっさん、この話を最後まで読んだ事あるのでしょうか?(爆) だって、この本の中でLaylaは無理やり結婚させられた夫Ibn Salamとは最後まで床を共にせず、挙句にIbn Salamは原因不明の熱病で不慮の死を遂げてしまうんですよ。で、死後とはいえ、LaylaとMajnunは、めでたく仲良く一緒にお墓。まあ、Rasheedって、ホントにおバカですねぇ~~。(笑) あまりにおバカなんで、憎々しさを通り越して、むしろかわいい奴だなあと思えて参ります。このお話を知っている人は、おそらく笑っていたでしょうね。さすが、どんな伏線も無駄遣いしないKhaled Hosseini氏。(笑) 副読本まで、しっかり伏線に使っておりました。

副読本まで、と言うと、Hosseiniさん、The Kite Runnerでは、Shahnamehを伏線として上手に使っていました。RostamとSohrabのお話を知っていた人は、やっぱり気付いたのではないでしょうか。Hassanは。。。。という事。

話が逸れてしまいましたが、このお話の中で、男性が女性に「あなたの足元にひれ伏します」とか「あなたの足は私の冠」とか言うシーンが結構多かったです。イスラムの世界は男尊女卑なのかと思っていたのですが、単純にそうではないという事ですね。(昔の)日本だったら、男性が女性の足元にひれ伏すなんて死んでも言わなかったと思います。案外女性の地位は日本よりむしろ高いのかも。もっとも、Laylaは父と夫がいる間は、全く自由はなかったと言っているので、‥‥やっぱりわからん、フクザツなんですねぇ。。。


Story Layla and Majnun : 45-52

2010-03-07 11:25:50 | 読書
Story Layla & MajnunStory Layla & Majnun
価格:¥ 1,140(税込)
発売日:1996-02

一方Layla、彼女はMajnunの手紙を読んで、一層苦しい思いをしていました。彼は疑った事を許してくれと書いている、彼は自分と違い自由だと思っていたのに、彼もまた愛に囚われた身。。。

ある夜、不思議な声に誘われるまま外に出ると、何という偶然! 手紙を送ってくれた男です。彼は神の遣いKhizrなのか? Laylaは男に宝石を渡して、Majnunを連れてくるよう頼みます。そして、いよいよ、Majnun、やってきました!!!

Laylaは魔法に阻まれMajnunに一定の距離以上近付く事はできませんが、それでも幸せ一杯。。。Majnunは、‥幸せのあまり、気を失ってます(笑) 男がMajnunを起こして、Majnunは長い間の思いの丈を、詩で表現します。....


バグダッドのSalamという男は報われない恋に悩んでいました。彼はMajnunの詩が好きで、ある時決意して、Majnunを探し出します。SalamはしばらくMajnunと一緒に暮らしたいと申し出ますが、結局、彼とは意見が合わず、食事や生活も合わず、失意のまま山を下ります。。。。

Laylaの夫、Ibn Salamは不可解な熱病で病死。Laylaは夫を愛しませんでしたが、彼女の言う事をきいて夜を共にしないで我慢してくれた優しい人だったし、ちょっとはかわいそうに思いました。しかし、2年間喪に服さなくてはなりませんが、これでLaylaは完全に自由の身に。。

秋がきました。寒さの訪れと共に、Laylaは体調を崩します。ついに死期を悟ったLaylaは、母を呼び寄せ、今までずっと秘密にしていたMajnunへの想いを語ります。そして、母に、彼女は終生Majnunを思い続けた事を伝え、おそらくMajnunが墓を訪ねてくるだろうから、手荒な扱いはしないようにと伝えて、この世を去りました。

Majnun、Laylaの死を聞き、予想通りに墓にやってきます。動物を引き連れ、何度も何度も訪れた為、人々は恐れて墓に近付かなくなりました。そして、Laylaの墓の前で嘆き続けたMajnunも、ついに力尽きます。

動物達はしばらくその場に残りましたが、Majnunの体が朽ちると、やがて1匹また1匹と去って行きました。残ったのはMajnunの骨。両家の人々はようやく2人の想いを理解して、MajnunをLaylaの傍らに埋葬しました。

その後どうなかったかって。。。

Zaydという男は、LaylaとMajnunの物語が好き。しかしある日ふと彼らはその後どうなったのだろうかと心配になりました。Majnunは果たして暗い地の煉瓦になったのか、神の椅子の銀の飾りになったのかと。。
すると、ある日の夢の中、美しい庭園の中で、ワインを手に幸せそうなカップルがいました。この人達は誰なのですかと訪ねると、老人が、彼らはこの世でお互い想い続けたが一緒になれなかったLaylaとMajnunじゃよ、と、答えたそうです。


Story Layla and Majnun : 34-44

2010-03-07 08:46:39 | 読書
Story Layla & MajnunStory Layla & Majnun
価格:¥ 1,140(税込)
発売日:1996-02

この頃からMajnunは不思議な力を発揮するようになります。彼はどんなどう猛な動物と打ち解ける力を持っていました。あたかも動物の王になったかのように、動物達は彼に従い、肉食獣は殺生をやめ、Majnunを守るようになります。

昔、ある王様が恐ろしい犬を飼っていて、気に入らない家来を襲わせるという事をしていたそうな。ある王様のお気に入りの家来は、いつ王様の寵愛が失われるかわからない、と、犬達を手なずけます。するとある時ついに王様の怒りに触れ、犬達の中に放り込まれてしまいます。しかし努力の甲斐あって、犬達は彼を助けます。数日後、後悔した王様が覗きに来た所、お気に入りの家来は無事で、再会を喜び合いました。。。とさ。その後、事実を知った王様は、犬を使うのを止めたそうな。

さて、Majnunと動物の関係はいかなものか。。。

Majnunは(動物と暮らす事で幾らか癒されそんな余裕ができたのか)、金星と木星にお祈りをささげます。そして全能の神にも。

すると、小鳥が小石を届けてくれる夢を見ます。

しばらくすると、見知らぬ男がMajnunを訪ねてきます。以前、黒い駱駝に乗った男からもたらされた、Layla結婚の知らせのせいで、今もMajnunの心は傷付いたまま。しかし、今度の男は悪い奴ではなさそう。。。

男は、何と、Laylaからのメッセージを持っていました。
何でも、ある日あるテントの前を通りかかると、庭園に、美しいけれど悲しげな女性。あなたは誰? 何がそんなに悲しいの? と尋ねると、それはLayla。Laylaは、カラスの父とハゲタカの夫の囚われの身。逃れる事ができず、ずっと苦しんできたと告白。すると男は、有名なMajnunの詩を聞かせます。Laylaは彼を信用し、手紙を託してくれました。

Majnun、手紙を見て(まだ読んでない)、狂喜乱舞。(笑)

Laylaからの手紙には、あなたを片時も忘れた事はない。夫と床を共にした事はない。お父様の為に喪に服している、。。。などなど。

Majnun、早速返事。

Laylaを讃える言葉、どんなに君を想っていたか、すまん疑ってしまった、でもやっぱりダンナにはちょっと嫉妬している。君の周りを飛び回る蚊のような(笑)ダンナに。。

場面変わって、Majnunの家族。Majnunには、Salimという母方のおじがいました。Salimおじさんは、密かにMajnunを助けたいと思い、常日頃サポートしていましたが、ついに、Majnunが住む山へ向かいます。

ようやく見つけた甥は気狂いでこそありませんでしたが、裸で幽霊のようにやせ細っています。心配して服や食べ物を差し出しますが、Majnunは断ります。

そんなMajnunに、おじさんはこんな話を。。
ある王様が、ある隠者に出会います。従者が隠者に、何を食べているのかと尋ねると、隠者は草を食べていると言います。驚いた従者は、ウチに来ればもっといい物食べれるのに、と、言いますが、隠者はこれは草ではない、蜜の花だ、と、言います。これを食べたら、王のお供などしたくなくなる。これを聞いた王様、感銘を受けます。自由に勝る喜びはない。

Majnun、この話、結構気に入ります。
おじさんといろいろ話をしているうちに、母を懐かしく思い出すMajnun。それを見て取ったおじさんは、彼をこの生活から救う為に母を連れてくる事を思いつきます。

。。。そして洞窟までやってきた母と再会。
母は、涙を流して喜ぶ一方、父が悲しみにくれたまま亡くなったと言い、いつまで他の男から隠れているのだ、蛇や蟻の中に踏み込めぬのだ、と母ならではの苦言を呈します。しかし、魂を拷問するのは止めなさい、お前の心は鉄ではありません、とも。

さすがのMajnunも、母よ、あなたの足は私の冠、私は(貝に例えて)あなたを苦しめる真珠です。と、反省しますが、結局これが自分の道と断ります。母は仕方なく帰宅。ほどなく、夫のもとへ旅立ちます。

Majnunは母の死を知ると、またその墓前で嘆きます。


Story Layla and Majnun : 26-33

2010-03-07 08:43:25 | 読書
Story Layla & MajnunStory Layla & Majnun
価格:¥ 1,140(税込)
発売日:1996-02

一方、Laylaはどうしていたか。
Laylaの父は戦に負けたのに嬉しそう。気違いMajnunを退けた事が嬉しくて仕方ないのです。Layla黙って話を聞き、密かに涙。

その後、Laylaの家は牢屋のよう。Majnunの歌は相変わらず巷に流れ、Laylaの父は相変わらず頑なに娘を嫁に出す事を拒んでいましたが、1番の求婚者Ibn Salamの弁舌爽やかさに負け、ついに結婚を許す事にします。

いよいよ結婚式。周りは幸せ一杯ですが、Laylaは1人悲しみに沈んでいます。テントを移って来たLaylaをIbn Salamは優しく迎えますが、Laylaなんと夜伽を拒否。Ibn Salamは我慢強く待ちます。ある時力でもぎ取ろうとしましたが、それでも拒否。Laylaを愛するIbn Salama、怒らずじっと待ち続けます。

その頃Majnunは世界を彷徨い、1年が過ぎてもLaylaが結婚した事すら知りませんでした。ある時、黒い駱駝に乗った男に出会います。彼をMajnunと認識した男は、LaylaはMajnunを裏切って結婚したと告げますが、あまりの彼の落ち込みように、詫びて本当の事、Laylaは尚もMajnunを待っていると教えます。

(ここで男がウソをつき通したら、Majnun救えたかもしれないのにねぇ。。。)

一方、Majnunの父。そろそろ天命を悟るお父さん、息子を最後に一目見たいと、驚異的な力を発揮して、砂漠に山に、海の近くも歩いて息子を訪ね歩きます。ようやく遊牧民から情報を得て彼が出会ったのは、・・・he writhed like a serpant, bare-headed, naked, expect for a scrap of leather round his loins....何か、これじゃまるで某ファンタジーで一世を風靡した某キャラクタ状態でございます~。

最初、父を識別すらできなかったその魔物のような生物、声を聞いてようやく認識。泣いて再会を喜びますが、正常な暮らしに戻る事はきっぱり拒否。父を一人帰してしまいます。

父はどうしても正常な世界に戻る事を拒否するMajnunを理解。ではこの世で会う事はもうなかろうと帰宅後、すぐに亡くなりました。

父が亡くなったと聞いて、墓に駆けつけ、一人で帰した事を大後悔のMajnun。泣くだけ泣いて、また山に帰ります。


Run!Run!Run!