Henry VIII: The King and His Court (Ballantine Reader's Circle) 価格:¥ 1,734(税込) 発売日:2002-10-29 |
ヘンリー8世はイングランドの他のどの王様よりたくさんの城を持っていたそうです。特に大事な城はテムズ川沿いにありました。実はアセルスタンシリーズ等を読むとよくわかるのですが、ウェストミンスター宮とかロンドン塔とかへのアクセスは、船が1番だったんですよね。
ちなみに、これらの城は「大きな城」と「小さな城」の2種類。「大きな城」には、公務に使うホールがありましたが、「小さな城」はこじんまりしていて、王様のプライベートの狩猟やお気に入りと過ごす時に使われました。ヘンリー8世が相続した「大きな城」は、ウェストミンスター宮殿、ロンドン塔、グリニッチ城、リッチモンド城、エルサム宮殿、ウッドストック城、ウィンザー城です。また「小さな城」として17あるそうです。やっぱ王様金持ちだねぇ。(笑) ウィンブルドンなんかにもあったそうですよ。こないだ読んだコーベットシリーズに出てきたウッドストック城は、「大きな城」だったか。。これで終わりかと思いきや、さらに14の中世の城。あまりの多さに、さすがのヘンリー8世も、あまり使いきってなかったようですけどね。
しかし、城を建てるにあたっては、彼はパーフェクト、でございました。最初に、彼はとても勉強家だったとありましたが、建築学もしっかり学び、グリニッチ城のホワイトホールや、ハンプトン宮殿等で、自ら建物のデザインをする事もあったようです。建築現場に赴き、大工の兄ちゃん達に声をかけたりも。(やだダーリンのお父さんみたい(笑))悪天候が続く時は、自らビールとおつまみを持って現場に行って、大工さんを働かせたとか。。。
ヘンリー8世の時代、王家の宮殿にはそれこそ様々な装飾が施されていたそうです。現存する物は少ないそうで、もったいなあ。。実はこうした装飾は、外国から来た職工によって作られたのだそうです。当時イングランドの職人の世界は何故か非常に排他的。決して外国の職人を仲間に入れなかったそうですが、王家はそういう職人を自由に雇う事ができました。‥という事で、宮殿の装飾を担当したのは、フランス、イタリア、オランダ等から来た職人達でした。
もう1つ面白いお話が‥‥
イングランドでは、王様と言えども元々は雑魚寝。それを多少小さな部屋で家族やお気に入りと過ごせるようになったのは15世紀以降、しかしそれでも王様が1人になる事はなかったそうです。‥で、完全プライベート化を図ったのが、ヘンリー8世だそうです。(^^;) 。。。あ~なるほど! 思わず膝を叩いてしまったのは、映画LOTRのTTTのSEE! はっはっはっ、覚えてる~?(^o^;) エオウィン。大広間で寝てましたよね。それって戦時体制だからって事でなく、日常的にそうだったんですね。
ところで、当時の王室は、王と王妃で別々の居室がありました。大抵はおそろい(対称)のデザインで。それぞれ、謁見の間、私室、寝室、その他もろもろの個人的な部屋等から成ります。
歴代の王様が次第に個人のプライバシーを尊重するようになった為、(黄金館のような)大ホールというものはあまり作られなくなりました。イングランドではヘンリー8世のハンプトン宮のが最後だそうです。
1番贅沢に飾られるのは、謁見の間。王様はここでいろいろな人と会います。ややプライベートな執務室は大抵その奥だそう。そこでは王様が食事をしたり、お気に入りと(今で言う所の)打ち合わせ等をしたようですね。
さらにその奥に、完全に個人的な用事で使う部屋が控えていたそうです。
ヘンリーさんは庭いじりにも興味があったそうです。花の種類のあまりなかった時代ですが、珍しい植物や美しい植物をたくさん集めていたようです。残念ながらチューダー家の庭園は残ってないそうですが。。。