ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Murder Wears a Cowl:6

2013-09-14 01:08:43 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

スミスフィールドは,馬の品評会でまだごった返していた。派手に着飾った若者や婦人達。密かにさっきのマーサの姉妹の女性達と比べるコーベット。すぐ近くには火あぶりの刑に使った焼け焦げた杭が残っている…(こういう物が人々の生活のすぐ近くにあるオソロシヤ中世)

さて,2人は早速,聖バーソロミュー病院で,薬剤師トマス修道士に面会。トマスは大喜びで,自作のエールを振る舞う。(い~な~坊さんの作ったビールってうまいんだよな)

コーベットは,殺し屋の魂を見に来たと言います。トマスはプロファイリングもできるんですね。犯人は,性的には飽き飽きするほど満足しているが,女性に対しては大きな憎しみを持つ異常者,…しかし,普段は全くノーマル。10年位前にフランスで起きた似たような事件の犯人が聖職者だったという例を挙げ,コーベットが決して認めたくないような("the last person you suspect")人物である可能性も大であると。すなわち「誰もが犯人で有り得る」のだ。

では,サマービル夫人は?体の一部は切り取られてないが,トマス「おそらく犯人は,彼女が娼婦達を助ける仕事をしていたのが気に入らなかったのか,もしくは,何かを知られたかだ」コーベット,サマービル夫人が言っていた事と合致すると感心。

トマスは助手のディビッドを呼ぶ。ディビッドによれば,その日2人のレディ,サマービルとメアリー・ネビルが来て,患者と会った後,サマービル夫人はメアリーが止めるのと聞かず,1人で帰り,メアリーもその後すぐに帰ったとの事。しかしどちらに行ったかは不明。

ディビッドは,外の刑場に元兵士の乞食が住んでいるという情報を耳打ち。コーベットとラナルフは早速行ってみる。しかし「誰もが犯人になり得る」が気になるラナルフ,ケイドにも疑いの目を向ける。彼は娼婦の遺体を検分に行った時すぐ逃げ出したし。。

2人はようやくラグワートに出会う。少し頭がイカれたラグワートから,サマービル夫人と犯人は知り合いだったらしい事,犯人の足音は重く,黒いサンダルを履いていた事を聞き出す。

翌朝,コーベットは自宅で,今までのおさらい。
その1:被害者は16人,事件は月一,13日前後。手口は喉を切られ,体の一部を切り取られる。被害に遭ったのは高級娼婦。多くは自分の部屋で。しかし1人は教会の前で。娼婦が安心して自宅に招き入れるのは,町の警察官か,聖職者か?
その2:サマービル夫人について。彼女は犯人とは知り合いだ。神父か修道士か警察官か,友人か誰か信頼できる人物だったのか?
その3:サマービル夫人の遺した言葉"the cowl does not make the monk"の意味は? それは犯人についての事なのか,それとも関係ない事なのか。彼女を殺した犯人と娼婦連続殺人の犯人は同一犯なのか,それとも,そう見せかけた犯行なのか。
その4:ベネディクト神父について。彼の巻き込まれたトラブルは何か,何故ケイドに謎めいたメッセージを送ったのか,ケイドは何故積極的に捜査しないのか,娼婦連続殺人と関係あるのか。
その5:パドリコットについて。この人物はドゥ・クラオンと関係あるのか,コーベットが捜査している事件のいずれかと関わっているのか

その時,ミーヴが入ってきた。彼女はラナルフとマルトートが昨晩どこかに出かけた事と,彼は誰かに恋しているみたいという事を報告。そして,彼女の叔父,Morgan卿が1週間以内に到着する事も。

ミーヴとの会話の後,コーベットはさらにまとめる。

(1)ドゥ・クラオンは関わっているのか
(2)パドリコットの目的は何か
(3)ケイドは何を隠しているのか
(4)ウォーフィールドは何を隠しているのか
(5)サマービル夫人の言葉の真意は,ウェストミンスターで見た恐ろしい事とは,ベネディクト神父は彼女に協力していたのか,娼婦殺人事件の犯人が2人を殺したのか
(6)皆同一犯とすると5月11日の週は忙しかったはず,サマービル夫人,ベネディクト神父,イサボーは連続して殺されている
(7)最後の犠牲者アグネスが殺されたのは20日であり,お約束の13日からかなり離れている,何故だ

Corvett,思わず身震い。決まったパターンはあるのか,犯人は何人もいるのか?


Murder Wears a Cowl:5

2013-09-14 01:07:26 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
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発売日:1993-04-01

さて,一行は,王の財産を隠してある地下室の入り口へ。ドアは2つの錠前で閉じられ,1つは王,もう1つは市長が持っている。そして,しっかりと封印されていて,壊された様子もなし。
「このドアの向こうに階段があるのですね?」とコーベット。ウォーフィールド「はい,しかし壊されています。もし誰かが押し入ろうとしたらすぐ見つかります。で,マーサの姉妹ですね?」

マーサの姉妹のメンバーの居室は暗く,何かもの悲しい雰囲気。女性達は皆濃い青のベールを被っている。彼女達は一行を見ると話すのを止める。コーベットが進むにつれ,何故かケイドと修道士達は後ろに離れてあたかも身を隠したいかのよう。

「ここで何をしているのですか?」と尋ねるコーベットに,上座に座っていた白髪の女性が立ち上がって手を耳にかざす。右側の長身の女性が「これは我々姉妹の会合である。そなたらはノックもせず,立ち入り許可も得ていないであろう」
「奥方様,我々は国王の命令でここにいます」
すると白髪の女性は,手を叩いて静粛を促す。長身の女性が降りてくる(コーベット,その間に女性を数える,17人いる事を確認)

「レディ・キャスリン・フィッツウォレンである。主人であるレディ・イメルダ・ド・レイシー様からご質問だ。そなたらは誰だ?」(朝鮮王朝の尚宮様風にしてみました(笑))

レディ・フィッツウォレンは白髪ではあるが,顔にシワ1つなく若い。しかし,堅苦しい感じの女性だ。コーベットは宮廷の威厳の空気には慣れている。発言は最小限に控えた方が良い事はわかっている。

「あああ,そなたらは知っておるぞ…」とレディ・フィッツウォレンは軽蔑の眼差しを修道士達に向けケイドを骨ばった指で指して「そなたは不幸な女性達を殺した犯人を捕まえる事のできない二流捜査官であろう。」

コーベット,ここは気をつけないと,と,言い聞かせる。ド・レイシィとかいう婦人は,70才位,国王の助言者の未亡人,フィッツウォレンはウェールズで活躍した将軍の未亡人だ。ラナルフに警告の目線(笑)を送る。

「奥方様,私はサー・ヒュー・コーベットといい,国王の諜報局長官であり,法廷の書記長です。」
(これはすごい,今で言えばMI6長官と最高裁の裁判長を兼任しているという事だ)

するとフィッツウォレン女史,手を差し出してキスを許す。(ラナルフおかしくてしょうがない様子)フィッツウォレン女史は,修道士は必要ないであろうと言って2人を追い出すと,椅子を用意。

ここでド・レイシィ夫人,意外な位はっきりした声で,「さて,陛下の使者に,我々の事について少し話しておいた方がよかろう。我々はロンドンの枢機卿に従って,ロンドン市街を歩き男共の汚らわしい要求を満足させなくてはならぬ女性たちの為に働いておる」と,コーベットを軽蔑の眼差しで睨みながら話す。コーベット,ラナルフの足を蹴り「笑ったら首へし折るぞ」と小声で注意,すると,ド・レイシィは耳に手をあてがい「何事だ?!」「何でもありません奥方様,従者に馬をつないだが確認しただけです」するとド・レイシィ,金槌で机を叩き「しかと聞け! お前に話しているのだ!」
コーベットが周りの女性を見ると,皆下を向いて,何人かが肩を振るわせている。これがおかしくてしょうがないのは自分だけでないとわかってほっとする(^^;)

「話が終わったら,レディ・キャサリンとレディ・メアリー・ネビルに協力させよう。」とド・レイシィ。指名されたメアリー・ネビルという女性は大変美しく,ラナルフ一目惚れ! ところがコーベットはもっと驚く。この女性,亡くなった最初の妻にあまりにもそっくりなのだ。

すると「まだ話は終わってないぞ,気取り屋の騎士と難聴の従者よ!」と怒鳴り声(笑)

しかしコーベットは,この女性達が世の中から無視される哀れな女性達を庇護している事に尊敬の念を感じてきた。それに,ド・レイシィは口こそ悪いが(笑),その話から恵まれない人々への篤い同情の想いが汲み取れた。

話終わって,フィッツウォレン女史とメアリーを残し,退場する際,イメルダ夫人,コーベットをまた怒鳴る…ただし,王の健康を案じるセリフ(笑)

いよいよフィッツウォレン女史,メアリーとコーベット,ラナルフの4人でお話する段になる。ラナルフはあまりにもメアリーばかりじっと見ている。困るコーベット。2人の女史は,娼婦達についてはあまり知っている事はないが,サマービル夫人の死に関しては多少お話できることがあるとメアリー。

メアリーはサマービル夫人の死の当日の5月11日の月曜日,一緒にバーソロミュー病院に行っていた。そこで別れたが,その後彼女は家に着いてない。
そしてサマービル夫人はある悲しみを抱えていた。数年前にスコットランド戦線で戦っていた夫を亡くしたが,夫との間にはギルバートという息子がいる。

しかし息子の興味の対象は享楽。父は王の将軍として首に矢を受けた以外何もしてないじゃない?などと言って,母をがっかりさせていた。

レディ・メアリーによれば,その日サマービル夫人は,教会から出てくる修道士達を見て,何度も"Cacullus nos facit monachum: the cowl does not make the monk"と繰り返していたそうだ。

さらにフィッツウォレン女史,サマービル夫人は,殺される前の週,自分達の仕事は本当に役にたっているのか質問され,金曜日には,会合に少し遅れて来たが,何かとても心配している様子だったと言う。その日彼女はベネディクト神父に会ったそうだ。

そしてメアリーは突然思い出す。そういえば,あの日彼女は会を離れるような事を言ってました,私は反対しましたが,彼女は,寺院には何か邪悪な物があると。。よくわかりませんが。

しかしサマービル夫人はリューマチを患っていて,主な仕事は教会の衣服の洗濯等をする事だったそうだ。それだとすると,寺院の邪悪な物,というのは,ちょっとおかしい。

ベネディクト神父については,優しい神父様だったという以外,特に新しい情報なし。

衣装部屋を見せてもらうと,そこには僧服や頭巾等がかけられていた。この時点では特に変わった事なし。

ここでひとまず終了。2人の女性は今夜お食事でも,と,声をかけたが,ミーヴが怖くてお断りするコーベット。(笑) この間何故かずっとおとなしかったケイドは,外に出てようやく喋り始める。

近くの宿屋でケイドと別れた後,彼は一体何を隠しているんだろね?といぶかしがるコーベット。ラナルフと2人,聖バーソロミュー病院に向かう。


Run!Run!Run!