Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,087(税込) 発売日:1993-04-01 |
スミスフィールドは,馬の品評会でまだごった返していた。派手に着飾った若者や婦人達。密かにさっきのマーサの姉妹の女性達と比べるコーベット。すぐ近くには火あぶりの刑に使った焼け焦げた杭が残っている…(こういう物が人々の生活のすぐ近くにあるオソロシヤ中世)
さて,2人は早速,聖バーソロミュー病院で,薬剤師トマス修道士に面会。トマスは大喜びで,自作のエールを振る舞う。(い~な~坊さんの作ったビールってうまいんだよな)
コーベットは,殺し屋の魂を見に来たと言います。トマスはプロファイリングもできるんですね。犯人は,性的には飽き飽きするほど満足しているが,女性に対しては大きな憎しみを持つ異常者,…しかし,普段は全くノーマル。10年位前にフランスで起きた似たような事件の犯人が聖職者だったという例を挙げ,コーベットが決して認めたくないような("the last person you suspect")人物である可能性も大であると。すなわち「誰もが犯人で有り得る」のだ。
では,サマービル夫人は?体の一部は切り取られてないが,トマス「おそらく犯人は,彼女が娼婦達を助ける仕事をしていたのが気に入らなかったのか,もしくは,何かを知られたかだ」コーベット,サマービル夫人が言っていた事と合致すると感心。
トマスは助手のディビッドを呼ぶ。ディビッドによれば,その日2人のレディ,サマービルとメアリー・ネビルが来て,患者と会った後,サマービル夫人はメアリーが止めるのと聞かず,1人で帰り,メアリーもその後すぐに帰ったとの事。しかしどちらに行ったかは不明。
ディビッドは,外の刑場に元兵士の乞食が住んでいるという情報を耳打ち。コーベットとラナルフは早速行ってみる。しかし「誰もが犯人になり得る」が気になるラナルフ,ケイドにも疑いの目を向ける。彼は娼婦の遺体を検分に行った時すぐ逃げ出したし。。
2人はようやくラグワートに出会う。少し頭がイカれたラグワートから,サマービル夫人と犯人は知り合いだったらしい事,犯人の足音は重く,黒いサンダルを履いていた事を聞き出す。
翌朝,コーベットは自宅で,今までのおさらい。
その1:被害者は16人,事件は月一,13日前後。手口は喉を切られ,体の一部を切り取られる。被害に遭ったのは高級娼婦。多くは自分の部屋で。しかし1人は教会の前で。娼婦が安心して自宅に招き入れるのは,町の警察官か,聖職者か?
その2:サマービル夫人について。彼女は犯人とは知り合いだ。神父か修道士か警察官か,友人か誰か信頼できる人物だったのか?
その3:サマービル夫人の遺した言葉"the cowl does not make the monk"の意味は? それは犯人についての事なのか,それとも関係ない事なのか。彼女を殺した犯人と娼婦連続殺人の犯人は同一犯なのか,それとも,そう見せかけた犯行なのか。
その4:ベネディクト神父について。彼の巻き込まれたトラブルは何か,何故ケイドに謎めいたメッセージを送ったのか,ケイドは何故積極的に捜査しないのか,娼婦連続殺人と関係あるのか。
その5:パドリコットについて。この人物はドゥ・クラオンと関係あるのか,コーベットが捜査している事件のいずれかと関わっているのか
その時,ミーヴが入ってきた。彼女はラナルフとマルトートが昨晩どこかに出かけた事と,彼は誰かに恋しているみたいという事を報告。そして,彼女の叔父,Morgan卿が1週間以内に到着する事も。
ミーヴとの会話の後,コーベットはさらにまとめる。
(1)ドゥ・クラオンは関わっているのか
(2)パドリコットの目的は何か
(3)ケイドは何を隠しているのか
(4)ウォーフィールドは何を隠しているのか
(5)サマービル夫人の言葉の真意は,ウェストミンスターで見た恐ろしい事とは,ベネディクト神父は彼女に協力していたのか,娼婦殺人事件の犯人が2人を殺したのか
(6)皆同一犯とすると5月11日の週は忙しかったはず,サマービル夫人,ベネディクト神父,イサボーは連続して殺されている
(7)最後の犠牲者アグネスが殺されたのは20日であり,お約束の13日からかなり離れている,何故だ
Corvett,思わず身震い。決まったパターンはあるのか,犯人は何人もいるのか?