”2011年9月11日 ブログより”
http://blog.goo.ne.jp/photo884/d/20110911
http://blog.goo.ne.jp/photo884/d/20110912
長い前置きを書くよりも、 上のブログをご覧ください。
東日本大震災が起きた年の半年後、9月11日のブログです。
浪江町の請戸川と、楢葉町の木戸川が必ず寄る場所でした。
”2011年9月11日 ブログより”
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東日本大震災が起きた年の半年後、9月11日のブログです。
浪江町の請戸川と、楢葉町の木戸川が必ず寄る場所でした。
”常磐自動車道 広野IC”(11月1日)(助手席カメラマンマーク)
木戸川河口は、福島第一原子力発電所から南に17kmの所にある。
河口付近はあの津波と、原発の放射能汚染の二重の災害を受けた場所です。
いわき市に事務所を移転している木戸川漁協に数日前から電話をして状況を聞ていました。
鮭がいることは分かったのですが、航空写真で見ると、地震で河口付近の形が変わってしまって、
かつて行けた、河口の浜に立てるのかというのも不明でした。
一般の人も立ち入りが出来るようになった。
その言葉だけを頼りに、消極的なカミサンを助手席にとりあえず目で見て確かめるしかないと出かけたのでした。
”広野火力発電所”
広野ICを出ると海へ向かって下っていく。
「岩沢」という交差点で信号待ち。
「こちらにも岩沢ってあるんだ」。
「あれは原発じゃないよ、火力発電所だよ、撮っておいて」。
”除染作業”
カーナビは良く車を止める場所の少し手前にセットしてある。 突然、「除染作業中」、の看板が現れた。
えっ、通って良いの。 特に規制する人もいない。 運転していて緊張感が走る。 先に進んでみよう。
「危険手当もらってますか。 〇〇労働組合」。という看板が道に置いてあったのがちらっと見えた。
広い風景が見えるところへ出ると、あたり一帯が除染作業中であることが分かる。 車の中で、呼吸が浅くなっている自分がいる。
通って良いのだろうか、ここへ来て良かったのだろうか。 緊張が高まるばかりだ。
突然通行止めの看板が。 川までは後数百mだ。
これは多分、作業中という意味だろう。 これ以上近づけなければ手も足も出ないということになる。
私は、直角に右に曲がって海岸への道をとった。 堤防で道は行き止まりになる。
河口まではあと数百mだが、堤防は崩れていて歩けないし道もない。 「お父さん、もう止めな」。カミサンは車から出ようとしない。
私は双眼鏡を片手に、堤防の欠けている少し先まで歩いて海を眺めたが、河口までは良く見えない。
まして鮭の様子も分からない。
漁協の人が、右岸の簗場の跡までは一般車が行ける。海までも行けそうなことを言っていた 。
一度上流の国道まで上がって、橋の右岸に沿って簗場に下ろう。 海辺を一度離れます。
私の頭には鮭に会う事しかなかった。
海岸から少し離れて、初めて地震と津波の被害を目の当たりにしました。
ここは、河口の左岸が絶壁の岬で、津波は岬に阻まれたか比較的内陸にとどかなかったと聞きました。
この地域は、昼間だけの立ち入りが許可になったばかりで、来年3月からの帰還を目指して除染作業をしているのだそうです。
主の居ない家の屋根に、イソヒヨドリ♀がいた。
カメラを取りに車に帰り、数枚撮ってもう少し近づこうと、セイタカアワダチソウの荒れ地に入り込んだ時、
「お父さん止めな!」。 遠くの車からカミサンが叫んだ。
近くの田んぼには除染のブルトーザーが入っている。
作業者はみんなマスクをしている。ここは自重しなくては。急いで草原から戻った。
”堤防から簗場跡を見下ろす”
国道からの堤防の右岸は、昔ながらの幅広い道で、災害の跡形も感じない道であった。
簗場の段差だけは残っていた。 二人が川を見ていたので、漁協の人かと近づいて話しかけたら、工事関係者だった。
ここの堤防は例年なら、簗場を見る人と、鮭を釣る人たちでにぎわう場所だ。
時々鮭が簗の段差を上流に遡上していく。 数は少ない。 ここへ来た証だ、これ撮って行こう。
”左岸 天神岬公園の 宿泊施設”
以前、ここへ宿泊したことがある。 どうなっているのだろうか。
事務所に明りがついているし、駐車場に車も止まっている。
そこに居たのは楢葉町の職員でした。 もちろん営業もやっていないしお客も来ない。
そこで初めて、この町のことを詳しく聞けました。
この町には出入り自由だが、町の住人も午後4時までしか居られない 。 だから他所から観光に来る人は居ないのです。
人は居ても、ここには生活している人は誰もいない町なのです。
盗難等の事件もあるので警備もしている。他県ナンバーだと職質に会うかも知れないと言われました。
左岸の高台に来たのは、河口の様子を見る為です。川の本体も河口も木の陰で見えません。
フェンスとシートに覆われているのは瓦礫置き場という事です。
私が、対岸の河口へのルートを探している間、カミサンは駐車場に居た除染作業の人と話しています。
この作業がどれくらい意味があるか、「雨が降れば山からどんどん流れて来るし」。
作業者自身も大きな期待をていないような気がしました。 でも、「それで仕事があるから」。とも言っていたといいます。
明日もう一度、河口を詳しく見に来よう。 この日は一時間ほど南下した、いわき市に宿をとりました。