内地に初めてやってきて
驚いたのは
あまりの田んぼの広さと
夕暮れ時から
さ迷いだす蛍の群れだった
天の川がどこにも見えな空の下
まるで水上都市の辺に
ひとり迷子になって
田んぼのあちこちから
捕まえてきては 部屋中に放し
擦り切れた四畳間に 寝転んでは
音もなく消えてゆく輝きから
目を離せなかった
星さえ見えない夜には
とっくに この世にはいない
君の魂とも思いながら
橋の上に立ち尽くして
沼沢へと還りゆく蛍を見ていた
死にゆくものは美しい
死にゆくこころはの輝きは
忘れられない
死すべき 短いいのちは
ひとり抱きしめてゆくしかない
驚いたのは
あまりの田んぼの広さと
夕暮れ時から
さ迷いだす蛍の群れだった
天の川がどこにも見えな空の下
まるで水上都市の辺に
ひとり迷子になって
田んぼのあちこちから
捕まえてきては 部屋中に放し
擦り切れた四畳間に 寝転んでは
音もなく消えてゆく輝きから
目を離せなかった
星さえ見えない夜には
とっくに この世にはいない
君の魂とも思いながら
橋の上に立ち尽くして
沼沢へと還りゆく蛍を見ていた
死にゆくものは美しい
死にゆくこころはの輝きは
忘れられない
死すべき 短いいのちは
ひとり抱きしめてゆくしかない