詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

世に倦む日日 早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性

2020年04月10日 | 犯罪
9日、埼玉県で軽症者100人が入院できず自宅療養させられているという報道が出て、世間を震撼させた。8日までに感染が確認された248人のうち約100人の入院先が調整できず、自宅療養を強いられていると言う。10日のモーニングショーで、自宅に留め置かれている感染者が取材され、深刻な実態が報道されたが、戦慄させられる内容だった。248人の感染者には保健所から入院要請が出されているけれど、病床不足のため入院できない。埼玉県が確保を計画していた225床のうち150床が未調整で、その結果、あぶれた感染者が自宅待機を余儀なくされている。もともと医療基盤が脆弱な埼玉県は、コロナ以前に県内に医療資源の余裕がなかった。今回、感染症指定医療機関分の75床が埋まってしまった後、他県 - 典型的なのは神奈川モデル - のように一般病院を調整してコロナ患者用の病床を増やすということができないまま現在に至っている。



早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16335122.png知事の大野元裕の無能と怠慢の誹りは免れないが、神奈川県と違って埼玉県には財政上の余力がなく、医療体制の前提が全く異なっている。疑問がわくのは、それならアパホテルや東横INNに支援をお願いすればよいではないかという点で、アパホテルは県内に3棟(新都心223室、東松山128室、西川口134室)を展開し、東横INNは同じく3棟(新都心227室、浦和美園245室、岩槻178室)を営業させている。ホテル側が快諾すれば、アパホテルで485床、東横INNで650床、合計1135床を隔離療養施設として確保できることになる。ところが、報道ではなぜかアパホテルも東横INNも名前が上がらない。逆に、埼玉県ホテル旅館生活衛生同業組合がコロナ病床の提供活用に二の足を踏み、消極的になっている事実が明らかにされた。対策の遅延と杜撰を憂慮する埼玉県民にとっては不可解な事態だが、どうやら根本的な問題は県の医師・看護師不足にあるようだ。


早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16311144.pngハードであるホテルの客室棟を確保できても、ソフトである医師・看護師を手当できないのである。宿泊施設に常駐して作業する医師・看護師の調達ができないのだ。一般病院の150床が確保できないのは、物理的なベッド数不足の以前に、コロナ治療に専任で担当する医師・看護師の数が足らないからだろう。コロナ襲来の以前に埼玉県は医療従事者が少なく余力のない状態だったから、彼らは、とても自ら診ている患者を放り出してコロナの宿泊施設に任務するということができない。すなわち、現時点で埼玉県は医療崩壊を起こしているのである。9日の報ステに出演した御用学者の中島一敏が、詳しくは触れなかったが、埼玉県の医療担当者が疲弊しているという情報を伝え、重症者を病院で診るという最低限の目標さえ困難になっていると漏らしていた。埼玉県は現時点で感染者数285人で、東京都の5分の1にすぎないが、このレベルですでに医療態勢が破綻してギブアップになっている。


早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16313836.png埼玉県はPCR検査数もきわめて少なく、相談依頼に対して検査を強力に絞ってきた。それは、入院させる病床がないことが第一の原因だったと考えられる。が、病床がないからと言って感染者を隔離せず自宅に留め置くと、今度は家族に感染が拡大する。家族は感染者を介護するためにも市中に出ざるを得ないから、家族が不顕性感染者になった場合は市中で経路不明の感染を連鎖させてしまう。そして、検査に消極的であるために市中の感染濃度はより高くなる。埼玉県の場合は、こうした負のスパイラルで隠れた感染者数が多くなり、潜在的な感染爆発の進行は他の都府県よりも危険な条件を抱えている。おそらく日本で最も早く、埼玉県で野戦病院の絵が現出するだろう。医療崩壊が可視化される。スーパーアリーナのような施設に感染者を詰め込み、簡易ベッドを大量に並べて収容するという、武漢やNYで見られた「医療」に移るだろう。限られた医療資源ではそれが最も効率的だが、その図こそ、医療崩壊を象徴する失態であることは言うまでもない。


早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16582648.png10日のモーニングショーでは、岡田晴恵が、もう体育館のような施設に入れるのでも構いませんから早く対処を、と言う場面があった。埼玉県に対して、ホテル隔離対応をしなくていいから、もう体育館収容をやってしまえと提案している。背中を押している。この発言は、埼玉県民の視聴者にとっては問題だろう。埼玉県民も、神奈川県民も、同じように、同じ制度の下で健康保険の保険料を払い、同じ税金を納めている。同じ憲法25条の権利保障を受ける日本国民だ。もう構わないから体育館収容してしまえと発破を掛ける前に、同じ日本国民なのにコロナの医療提供でここまで格差が出ていいのかと、対策の差別に釘を刺す留保の意見は出ないのだろうか。本来、地域間で不平等や不公平が出ないよう、厚労省が音頭をとり、医療資源を均等に配分する対策こそが求められていて、それこそが岡田晴恵や玉川徹が主張するべきことなのではないか。映画『翔んで埼玉』を地で行くような医療格差の実態と進行を、問題視せず、当然視する番組の論調には肯けない。


早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16320184.png気になるのは、岡田晴恵という人物の言説と役割である。この人は、2月初から一貫してPCR検査を増やせ、発熱外来を設置しろ、サンプリング調査で感染実態を把握しろと正論を言い、視聴者から支持されてきた専門家だ。御用学者ではない、市民の側に立って正論を言う数少ない専門家である。政府・専門家会議の誤った対策方針を批判し、視聴者から信頼を得てきた論者だ。だが、その一方で、注意深く言動を整理検証すると、ずいぶん間違ったことも平気で言い放ってきた。例えば、軽症者なら自宅で待機させろというのは、岡田晴恵が2月中にずっと言い続けてきたことである。自宅だと家族に感染リスクがあるのに、自宅だと隔離にはならないのに、そのことは無視し、自宅、自宅と、自宅待機が当然だと大きな声で言ってきた。隔離施設を病院とは別に用意しなければならないとは言わなかった。今はそれが当然になっているけれど、2月から3月中旬までは誰も言わず、玉川徹も言わず、岡田晴恵と声を合わせてきた。医療崩壊を防ぐ道は自宅療養だと言ってきた。


早くも埼玉県で露呈した医療崩壊の衝撃 - 岡田晴恵の言説の二重性_c0315619_16323010.png岡田晴恵の主張や提言には、医療崩壊を防ぐという第一の動機と目的があるけれど、患者である国民の人権(憲法25条の平等な保障)という観点はきわめて弱い。彼女の言う「医療崩壊を防ぐ」という中身は、医師と看護師と病院を守るということであり、その点、専門家会議の御用学者の言う「医療崩壊を防ぐ」の意味と何ら変わらない。果たして、体育館に感染者が大量に詰め込まれて横たわる図が、国民にとって「医療崩壊が防がれている」図になるのだろうか。岡田晴恵は、医療崩壊を防ぐために、構わないから感染者を体育館に詰め込んでしまえと言い、間に合わないからそうしろと埼玉県を急き立てる。その言説は、実は、緊急事態において、国民の人権のレベルを一段一段と切り下げることを許容し、その行政措置の正当性を既成事実化する言説だ。むしろ先んじて、彼女が政府に代わって人権切り下げの処置断行を提唱し、真摯な言葉で国民を納得させている。岡田晴恵は、客観的にそういう言動者(扇動者)の役割を、かなり無自覚的に、悪意なく果たしていると言える。


丸山真男的に言えば、自ら先に敵側に陣地を譲り渡す愚を犯している。岡田晴恵が政府のやる過激な措置に先行的にお墨付きを与えている。なまじ、岡田晴恵が他と比べてまともな専門家であり、国民の立場に立って果敢に正論を吐く論者であり、国民に支持されているキャラクターだからこそ、彼女の言説は説得力をもって世論の中心軸に位置する。コロナ禍の言論の中で国民の共通認識となってしまう。そのことで、実は次々と、抵抗なく、パンデミック有事環境での事実上の国民の人権切り下げが受け入れられ、その既成事実化が着々と進んでいくことに、われわれは注意を向ける必要があるだろう。

〔週刊 本の発見〕『交通誘導員ヨレヨレ日記』

2020年04月10日 | 犯罪
「誰でもなれる」仕事のリアル
『交通誘導員ヨレヨレ日記』(柏耕一 発行:三五館シンシャ 発売:フォレスト出版) 評者:渡辺照子

 最近、工事現場でヘルメットをかぶり誘導灯を振る人、つまり俗称「ガードマン」さんに高齢者が目につくようになった。ずいぶんと小柄な人もいるものだなあと思っていると、私よりも年長とおぼしき女性もいる。常に屋外での業務だから夏は暑いし、冬は寒いし、当然のことながらいつも立っていないとならない。トイレはどうするのだろう、食事はどこで摂るのか、いずれにせよ、体力勝負の大変な仕事だなと考えることはあった。しかし、あまりに普通に見かける光景の中に溶け込み、景色の一部と化している職業だから、身体的なしんどさ以外にその職業について想起できるものに乏しかったことが正直なところだ。

 この本の筆者は、あと2年で後期高齢者になろうという男性。従来ならばとっくに年金受給年齢であり、悠々自適の老後を過ごす年代のはずだ。ところが、60歳以上の就業者割合が非常に高いという特徴があるらしい。警備業高齢者雇用推進ガイドラインによれば、他の産業の60歳以上の就業者割合が平均で10%程度であるのに対して、警備業では30%に達するというのだから、高齢者雇用の最たる受け皿なのは歴然だ。

 帯には「誰でもなれる」「最底辺の職業」と冠している。これは私を含めた多くの読者の持つイメージそのものだろう。読了して思うことは「誰でもなれるが、誰もが十全にできる仕事でもない」ということだ。その根拠が筆者自身の仕事ぶりと、その時々に出会った同業者のふるまいの仔細な描写により明らかになる。

 そもそもこの「ガードマン」、正式名称は「交通誘導警備員」。警備業法第2条にその根拠規定がある職務であり、第1号は施設警備員、第3号は現金等の運搬、要人などの身辺警備は第4号業務なのだそうだ。この交通誘導警備員は2017年の統計によると全警備員の4割をなす主流なのだ。業務の範囲は「警備業法」によって規定され、事故の発生の防止以外をすれば違反となる。看板やカラーコーンの設置すら本来はその責務ではないが、作業員に忖度し、やらざるを得ない場合もあるという。

 工事現場に「車両通行禁止」の看板を立てて進入しようとする車を止めて迂回させ、住民の車等は通す等の見極めが必要な「立哨」。道路の工事帯を確保するために片側を止めて誘導する「片側交互通行」。普段、何気なく目にしていた動作は全て法的根拠のあるしかるべきものなのだ。

 毎日のように現場が変わり、「同僚」もその度に変わるため、濃密な人間関係は発生しないものの、人間観察は鋭い。自分の子どもくらいの現場監督らに理不尽に怒鳴られたり、相手が目上だと態度を豹変させる同僚に慨嘆したり。ワケアリの人生を抱える「同僚」たちの生活背景を、わずかな人物の情報を頼りに分析したり、類型化したり。

 筆者の言語化の適切さに対し「筆が立つな」と思ったら、かつては編集プロダクションも設立し、編集、ライターのベテランでもあったという。その筆者がこの稼業に就いたことに、筆者自身の人生の浮き沈みの激しさと、出版業界の厳しさを見る。

 昨今、じわじわと流行っている「お仕事本」の一種でもあるが、緊迫したドラマも、カリスマ仕事師の登場も、感動を押し付ける妙なストーリーもないのが私には好ましく感じられる。筆者自身も述べているが、取材のための潜入ルポではなく、実際に仕事をしている人間が著した書き物だから、余分な気負いもなく、それゆえにリアルさが伝わる。

 昨年の7月の初版以来、同年の11月には早くも五刷だ。広く読まれていることが私はうれしい。工事現場で、作業員とは少し離れた箇所で「お足元にお気をつけ下さい」と誘導してくれる交通誘導員の方々にいくらかでも優しいまなざしを向ける人が増えることを願う。共に生活を抱える労働者なのだから。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子、杜海樹、ほかです。

プレカリアートユニオン通信(4/9)/東京都庁の警備をさせるテイケイは安全配慮義務を果たせ!

2020年04月10日 | 犯罪
プレカリアートユニオンの清水直子です。メールマガジンを発行しました。
登録はこちらから→http://www.mag2.com/m/0001556593.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━https://precariatunion.hateblo.jp/

 Precariat Union 駆け込み寺から砦へ
 非正規雇用でも若い世代の正社員でも組合を作って労働条件をよくしたい!
 プレカリアートユニオン(PU)通信 第101号 <2020.04.09発行>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━https://www.precariat-union.or.jp/

─□ 目次 □───────────────────────────
1.長時間労働に伴う休業などについて交渉していたOYO Hotels Japan合同会社と和解、解雇問題について交渉していたOYO LIFE(オヨライフ
  /OYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY JAPAN株式会社)と和解、株式会社東武と東京地方裁判所で和解し、これまでの労使紛争について全面的に解決 ほか 2020年3月の解決報告       【解決!】

2.取材協力した記事が『FLASH』(2020年3月24日号)に掲載されました                   【メディア】

3.小池都知事記者会見の翌日も新型コロナウイルス対策を無視してマスクを着用させず東京都庁の警備をさせるテイケイは、安全配慮義務を果たせ!           【新型コロナウイルス対策】

4.理不尽な格差是正して介護の現場を守りたい!パート差別問うクローバー集団訴訟  第1回期日報告で原告組合員が意見陳述
                【静岡支部・クローバー分会】

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 1.長時間労働に伴う休業などについて交渉していたOYO Hotels Japan合同会社と和解、解雇問題について交渉していたOYO LIFE(オヨライフ
   /OYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY JAPAN株式会社)と和解、株式会社東武と東京地方裁判所で和解し、これまでの労使紛争について全面的に解決 ほか 2020年3月の解決報告【解決!】

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2020年3月
・長時間労働に伴う休業などについて交渉していたOYO Hotels Japan合同会社と和解しました。引き続き、労働環境改善と日本の商習慣に合うマネジメントスタイルとサービスの改善などに取り組んでいきます。
・雇い止め問題などについて交渉していたOYO LIFE(オヨライフ/OYO TECHNOLOGY & HOS
PITALITY JAPAN株式会社)と和解しました。
・解雇問題について交渉していたOYO LIFE(オヨライフ/OYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY
JAPAN株式会社)と和解しました。
・雇い止め問題などについて交渉していた神奈川県内のIT企業と和解しました。
・株式会社東武と東京地方裁判所で和解し、これまでの労使紛争について全面的に解決することができました。ご支援、ご協力くださった多くの皆様に心から感謝します。
・安全衛生問題、未払い賃金問題、雇用に関する問題について交渉していた、東京都内の電気工事会社と和解しました。会社は、アスベスト、粉塵の安全衛生に関する対策を真摯に講じることを確約。
・ハラスメント問題などについて交渉していた製薬会社の日本法人と和解しました。ハラスメントの再発防止策を講じることも合意。
・未払い残業代問題、未払い賃金問題、事業所閉鎖に伴う解雇問題などについて交渉していた株式会社エニシアホールディングスと和解しました。東京都労働委員会で、不当労働行為問題についても合わせて解決。

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 2.取材協力した記事が『FLASH』(2020年3月24日号)に掲載されました                   【メディア】

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プレカリアートユニオンが取材協力した記事が『FLASH』(2020年3月24日号)に掲載されました。
https://precariatunion.hateblo.jp/entry/2020/03/13/221706

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 3.小池都知事記者会見の翌日も新型コロナウイルス対策を無視してマスクを着用させず東京都庁の警備をさせるテイケイは、安全配慮義務を果たせ!          【新型コロナウイルス対策】

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 警備業界の大手テイケイ株式会社(代表取締役 影山嘉昭)は、毎週水曜日に「勤務実績報告」と称し、一週間の勤務場所や労働時間を報告させ、装備点検や服装・身だしなみのチェック等の労働をさせているにも関わらず、賃金を支払っていません。労働基準監督署の指導にも従わず、「労基署と闘う」とさえ息巻いているという話を聞きます。

 また、私たち労働組合に対する姿勢も極めて攻撃的です。労働組合に加入し適正な賃金の支払いを要求した警備員をホテルの一室に閉じ込め、約5時間にもわたって「犯罪者」と言ったり、「警察沙汰にする」等と脅かした結果、無理矢理退職届を書かせて辞めさせたのです。この件について、地位確認を求め東京地裁に労働審判を申し立て、会社に支払いを求める審判が下されましたが、現在会社がこれを不服とし本訴へと紛争は拡大しています。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、安全配慮義務に基づいて、会社は従業員を感染から守る義務が当然にあると考えられます。
しかし、テイケイの警備員は、施設内の警備など一部の例外を除き、原則的にマスクを着用することを禁止されているのだという情報も当労組に寄せられています。実際に街を歩いてみると、マスクをしているテイケイの警備員は全く見当たりませんでした。公共施設の警備など公益性の高いの警備を行うテイケイが、安全配慮義務を果たさず、正当な理由なく警備員にマスクを着用させないことが日本全体に与える影響は決して無視できるものではありません。

テイケイに対する「警備員のマスク着用禁止に抗議し、新型コロナウイルス感染予防措置を求める申入書」

2020年3月30日

テイケイ株式会社
代表取締役 影山 嘉昭様

代理人
卓照綜合法律事務所
弁護士 齊籐貴一様
弁護士 深瀬仁志様
弁護士 玉巻輝久様
弁護士 三浦隆司様

プレカリアートユニオン
執行委員長 清水 直子
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-29-4
西新宿ミノシマビル2F ユニオン運動センター内
TEL 03-6276-1024
FAX 03-4335-0971

警備員のマスク着用禁止に抗議し、新型コロナウイルス感染予防措置を求める申入書

 国内で新型コロナウイルス感染が拡大しているにも関わらず、貴社は、警備業務に従事する従業員にマスクの着用を禁じています。不合理な業務命令に強く抗議し、安全配慮義務(労働契約法第5条)を履行し、警備員にマスク着用を認め、必要なマスクを従業員に支給するよう申し入れます。

 小池東京都知事が3月25日に緊急記者会見を開き、「感染爆発の重大局面」と訴えた、まさにその記者会見が行われている東京都庁の出入り口を警備している貴社警備員はマスクを着用しないまま警備業務に従事していました。本日3月30日の記者会見でも、小池都知事は夜間の外出自粛などを求めるに至りましたが、貴社はその足下の東京都庁で都庁利用者にも感染を拡大しかねない対応を続けています。

 貴社は、「警備の質」に関わるなどとして「重度の花粉症」以外の警備員にはマスクの着用を認めていません。当労組には、貴社が警備を請け負っている施設の関係者から、警備員にマスク着用を認めない貴社の姿勢を問題視する意見が寄せられています。労働災害を防止し、安全配慮義務を履行すること、適切な感染予防措置をとることを要求します。

 本状については、2020年4月3日(金)正午必着で文書にてご回答ください。速やかに感染予防措置をとった上で、2020年4月8日に開催する団体交渉で協議事項とし、マスク着用を認めてこなかった理由と根拠についても詳細な説明を行うことを求めます


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 4.理不尽な格差是正して介護の現場を守りたい!パート差別問うクローバー集団訴訟  第1回期日報告で原告組合員が意見陳述
                【静岡支部・クローバー分会】

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 プレカリアートユニオン静岡支部クローバー分会の仲間が、未払い残業代や労働契約法20条に掛かる正社員と非正規の待遇格差の解消(3年分の賞与の支払い)を求め、株式会社クローバーに対して総額約3731万円の支払いを求める裁判を提訴しました。3月27日、その第1回目の期日が静岡地方裁判所沼津支部にて行われました。

 介護業界のワンオペ問題 
 この法廷闘争は、大きく2つの問題を世の中に問いかけています。まず1つは、介護業界では当たり前として野放しにされていた、夜勤のワンオペによる休憩問題です。多くの介護事業所が、特に夜勤帯でワンオペ業務を行わせています。介護現場はまさしく緊張の連続で、いつ何が起こるか予断を許しません。業務から完全に解放される休憩など取ることは不可能です。それにもかかわらず、給与の計算において、休憩を取得したことにして残業代を支払わないといった労務管理が横行しているのです。
 パートだから1円も賞与を払わない
もう1つは、非正規労働者への待遇・処遇面での差別の問題です。在、クローバーで働くパート職員は、正職員と同じ働き方をしているにもかかわらず、理由もなく待遇・処遇面での差別を受けています。今回の裁判では賞与の支払いを求めていますが、クローバーでは、正社員には業績と関係なく一律で賞与を1月分支給しているにも関わらずパート社員に一切賞与を支払っていません。

 有利な条件背景に賞与でも勝つ
 これまでも、パートタイマーや有期雇用の所謂非正規労働者への賞与の支払いを求めた裁判は行われてきましたが、支払い命令に対して裁判所は極めて消極的慎重な姿勢をとり続けてきました。クローバーのケースはそれらの裁判と比べ、極めて有利な条件が揃っており、画期的な判例が出されるのではと提訴に先立つ記者会見でも多くのディアからの注目を集めています。

 意見陳述に身を乗り出す裁判官
 第1回期日では原告による意見陳述が行われました。クローバーで働く介護と看護の労働者が、それぞれひとりずつ自身の思いの丈や現場での労働の実態、今回の裁判の意義について裁判官に陳述しました。それらの陳述を聞き、一番強く感じたのは「介護の現場が崩壊してしまう」という強い危機感でした。理不尽な待遇格差や違法な労務管理によって労働者の生活が破壊されてしまい、これ以上「労働者の介護離れ」が進めば介護そのものが成り立たなくなってしまいます。裁判官は終始身を乗り出して真剣に2人の意見に耳を傾けていました。
 次回の期日は6月12日(金)午後2時から行われます。この裁判を組合のみんなで支え、介護業界の労働環境改善のための画期的な判決を勝ち取っていきましょう。

▼労働相談はこちらへ
月~土曜日 10~19時 ※緊急相談は随時対応します。
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F
ユニオン運動センター内 プレカリアートユニオン
TEL03-6276-1024 FAX03-4335-0971【FAX番号が変わりました】
http://www.precariat-union.or.jp/
https://precariatunion.hateblo.jp/
メールinfo@precariat-union.or.jp
※会社のPCからはメールを送らないでください。相談内容を会社側に知られる可能性があります。

OurPlanet-TV : 「政府指定機関からNHKの除外を~国境なき記者団が勧告」

2020年04月10日 | 犯罪

   Standing Together, Creating the Future
    OurPlanet-TV メールマガジン  2020.4.10
       http://www.ourplanet-tv.org    

 国境なき記者団は8日、新型コロナウイルスに対応した特措法
に基づく「緊急事態宣言」で、日本放送協会(NHK)が政府の
指示を受ける「指定公共機関」に入っているのは問題だとして、
NHKを外すよう勧告しました。

 新型コロナウィルス特措法では、「緊急事態宣言」が出される
と、病院や交通機関、運輸・電気・通信などの「指定公共機関」
が政府の行動計画に基づき行動することとなります。国境なき記
者団は、この「指定公共機関」にNHKが含まれていることを問
題視。編集権の独立性が侵害される可能性があるとして、NHK
を「指定公共機関」から除外するよう安倍首相に求めました。

 国境なき記者団は、ジャーナリズムに対するパンデミックの影
響を評価するプロジェクト「Tracker 19」を始動。国家の検閲状
況や意図的な虚偽情報などについて文書化するほか、ジャーナリ
ズムを守る方法についても提言しています。

News「政府指定機関からNHKの除外を~国境なき記者団が勧告」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2492
 
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 Today's Topics
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□配信情報
*News「政府指定機関からNHKの除外を~国境なき記者団が勧告」
□福島映像祭2020
*上映作品公募~映画、ドキュメンタリー、テレビ番組、市民作品
□事務局からのお知らせ
*NPOやNGO、市民団体のみなさまにご提案
 イベントのオンライン開催・緊急パッケージのご案内
*新型コロナウイルス感染予防に伴う、リモートワーク実施のお知らせ
□おすすめ情報
*トーク・プログラム#Studio202X
「ウイルス・トラッキング/プライバシー・ハッキング―監視社会と自由の挟間で」


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 配信情報
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 News「政府指定機関からNHKの除外を
              ~国境なき記者団が勧告」
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 国境なき記者団(本部:フランス)は8日、新型コロナ
ウィルスに対応した特措法に基づく「緊急事態宣言」で、
日本放送協会(NHK)が政府の指示を受ける「指定公共
機関」に入っているのは問題だとして外すよう勧告した。
■配信日 2020年4月8日(水)
■視聴URL http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2492


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すべての番組は視聴者のみなさまからの
寄付を基金に制作しています
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 福島映像祭2020
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 上映作品公募
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 新型コロナウィルスの感染が拡大し、先が見えない中で
はありますが、福島映像祭は現時点では例年通り2020年も
9月に開催を予定しています。
 現在、上映作品の公募を受け付けています。映画、ドキ
ュメンタリー、テレビ番組、市民作品などの上映作品を広
く募集します。今回は初めて、製作途中のラフカットでの
募集も可能です。たくさんのご応募お待ちしております。
※応募規定は詳細をご確認ください
■締 切 2020年6月30日(火)
■詳 細 http://fukushimavoice.net/2020/04/3486


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 事務局からのお知らせ
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 NPOやNGO、市民団体のみなさまにご提案
 イベントのオンライン開催・緊急パッケージのご案内
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 OurPlanet-TVでは、新型コロナウィルス感染拡大の影響
でイベントの中止が相次いでいることに鑑み、NPO・N
GOや市民団体等がイベントを中止とするのではなく、オ
ンライン開催できるよう積極的にご相談に応じています。
 時間をかけて練り上げた企画をこのまま中止にするのは
残念とお考えの団体や行政組織の皆様がご負担なくオンラ
イン開催を導入できるようサービスをご提供いたします。
ご検討の際にはお早めにご相談ください。
■詳 細 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2474

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 新型コロナウイルス感染予防に伴う
 リモートワーク実施のお知らせ
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 OurPlanet-TVでは、新型コロナウイルス感染拡大をうけ、
原則リモートワークへ移行することとなりました。お問い
合わせはできるだけメールでいただけましたら幸いです。
ご理解いただけますようお願い申し上げます。
※感染の状況が落ち着き次第、内容を見直します

■お問い合わせ
OurPlanet-TV事務局 Email:info@ourplanet-tv.org

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 おすすめ情報
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 トーク・プログラム#Studio202X
「ウイルス・トラッキング/プライバシー・ハッキング
             ―監視社会と自由の挟間で」
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 コロナ危機におけるビッグ・データの利用について、全
世界で活発に議論が行われています。民主主義の社会にお
いて、このような技術を導入するメリットとリスクはどこ
にあるのか。危機管理と個人情報保護、市民の人権の間の
バランスはどのようにしたら保てるのか―。
 日常生活における具体的な危機管理対策というレベルを
越え、コロナウイルスの危機が今後、文化・芸術にもたら
すかもしれない状況に視線を向けるトーク・プログラム#S
tudio202X「コロナ危機と文明の転換」の第二弾。ジャーナ
リストの津田大介さんがナビゲートです。ゲーテ・インス
ティトゥート東京のTwitterとFacebookから生配信。

■トーク・ゲスト
ステファニー・ハンキー(NGO Tactical Tech代表)
亀石倫子(弁護士)
奥村貴史(北見工業大学教授、保健管理センター長)
■日 時 2020年4月10日(金)20:00~22:00
■詳 細 https://bit.ly/2K5X56B

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 編集後記
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 緊急事態宣言を受け、休館せざるを得なくなった全国の
ミニシアター(小規模映画館)を応援する動きが活発です。
現在、政府に緊急支援を求める署名募集がchange.orgで行
われています。

●新型コロナウィルスによって大きな打撃を受けている小
規模映画館(ミニシアター)等への緊急支援を求めます
http://chng.it/96LSBkDFY8

 また、来週からは「ミニシアター・エイド基金」による
小規模映画館支援のためのクラウドファンディングも始ま
るようです。

●《緊急》ミニシアター支援~4/13(月)始動!
https://minitheater-aid.org/

 大手シネコンでは観られない、多様な映画に出会えるミ
ニシアター。現在活躍するたくさんの映画関係者だけでな
く、ミニシアターはたくさんの観客も育ててきました。豊
かな映画文化を育む、なくてはならない存在です。ぜひ応
援をお願いします。(高木)


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プレカリアートユニオン通信(4/10)/緊急事態宣言が出されるも警備員にマスク着用禁止

2020年04月10日 | 犯罪
プレカリアートユニオンの清水直子です。
先日に引き続きメールマガジンを発行しました。
登録はこちらから→http://www.mag2.com/m/0001556593.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━https://precariatunion.hateblo.jp/

 Precariat Union 駆け込み寺から砦へ
 非正規雇用でも若い世代の正社員でも組合を作って労働条件をよくしたい!
 プレカリアートユニオン(PU)通信 第102号 <2020.04.10発行>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━https://www.precariat-union.or.jp/

─□ 目次 □───────────────────────────

1.緊急事態宣言が出されるも警備員にマスク着用禁止の「見解に相違な
  し」と繰り返す大手警備会社テイケイ 
                    【新型コロナウイルス対策】

2.社前行動の動画公開!かかとを粉砕骨折したのに「労災が使えないか
   ら」救急車を呼ばない DVD鑑賞「金太郎花太郎グループ」を運営する
  (株)白鳳ビル 「御輿に乗ってカネをばらまく」「森下社長」は北川
   さんの労災問題の責任をとれ!
                     【ブラック企業/メディア】

3.介護施設内でデイサービスの利用者にマスク配布すると回答あり
                     【新型コロナウイルス対策】

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 1.緊急事態宣言が出されるも警備員にマスク着用禁止の「見解に相違な
   し」と繰り返す大手警備会社テイケイ 
                      【新型コロナウイルス対策】

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 東京都庁ほか官庁など公共施設や工事現場の警備を担っている大手警備会社テイケイで働く警備員から、会社でマスクの着用を禁止され、新型コロナウイルス感染を心配しながら命がけで仕事をしている、といった深刻な相談が寄せられています。

 毎週水曜日に「勤務実績報告書」を持参させられる際、警備員と内勤者が密集した状態になり感染が心配、家族に高齢者がいるため勤務を続けられない、といった悲痛な声が上がっているにも関わらず、改善を申し入れているプレカリアートユニオンに対して、会社は、写真のように「勤務中のマスクは基本的に禁止!」「再度徹底を」とする通達文書を送付してきました。

 この間、会社は警備員に、「透明マスク」と呼ばれる、口元で唾液の一部を受け止める構造の透明な板をつけさせています。メーカーに問い合わせたところ、メーカーは、新型コロナウイルスの感染予防・拡大防止の効果はないので、それを期待して使用しないでほしいと回答しました。

 本日4月8日の団体交渉で会社にマスク着用を禁止しないこと、感染対策としては何ら効果の無い透明マスクではなく、感染拡大防止に有効なマスクを使用させるよう改めて求めました。しかし会社側は、「透明マスク」に感染防止・感染拡大防止の効果はないことは自ら認める発言をしながらも、飛沫を飛ばさないから感染防止になると矛盾した主張を繰り返すばかりでした(テイケイのロゴ入りの「透明マスク」を大量に製作してしまったからでしょうか)。

 公共施設の警備を担う責任を放棄するテイケイに、警備員のマスク着用を禁止するな、との声をぜひ一緒に届けてください。

ご意見・抗議は→テイケイ株式会社(旧 帝国警備保障株式会社)
〒160-0021東京都新宿区歌舞伎町1-1-16
テイケイトレード新宿ビル(靖国通り)
電話番号 03-3207-8511(代表) FAX03-3232-7404

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 2.社前行動の動画公開!かかとを粉砕骨折したのに「労災が使えないか
   ら」救急車を呼ばない DVD鑑賞「金太郎花太郎グループ」を運営する
  (株)白鳳ビル 「御輿に乗ってカネをばらまく」「森下社長」は北川
   さんの労災問題の責任をとれ!
                     【ブラック企業/メディア】

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社前での街宣行動の動画を公開しました。拡散にご協力ください。
https://youtu.be/yCZWw5MkuAU

株式会社白鵬ビルの当該の北川龍一さんは、労災事故で後遺障害の残る大怪我を負ってしまいました。会社は労災を使わず隠蔽を図ります。北川さんが自力で労災を申請すると、療養期間中に解雇。現在、不当な解雇の撤回と労災事故の責任を取ることを会社に求め闘っています。

4ヶ国語を操るグローバリスト北川さん
北川さんは翻訳の仕事をしていた父の影響で、幼少期より海外の方と触れ合う機会が多かったのだといいます。
初恋の人もアメリカの女性、生まれついてのグローバリストです。
現在では英語、スペイン語、ルーマニア語、日本語と4ヶ国語を操り、年に数回は海外を訪れていたそうです。いつも笑顔を絶やさない温和な性格で、おしゃべりが大好きな彼は、冗談混じりの会話の中でも、とても細やかな気配りができる方です。組合事務所を度々訪れては、色々な作業の合間に場を和ませてくれます。若い頃は柔道で慣らしたスポーツマンだった北川さんですが、今は車椅子での生活を余儀なくされています。その原因は労働災害、しかも、会社経営者の「道楽」ともいえるイベントに動員された末のものでした。

神輿に乗って現金をばらまく、グループの実質的トップ「森下社長」
北川さんの働いていた会社は株式会社白鵬ビル。ネットカフェのマンボーや、DVD鑑賞「花太郎」「金太郎」の運営を行っています。
会社の登記上の代表とは異なり、その頂点には「森下社長」と呼ばれる人物が実質的経営者として「君臨」しています。
白鳳ビルのだけでなくグループ会社全体を支配する「森下社長」は、毎年年末にかけて、にわかには信じられないようなイベントを行っています。
グループ会社が経営する新宿の「ロボットレストラン」に系列で働く女性従業員を集め、水着を着せて現金の奪い合いをさせるのです。
「森下社長」は神輿に乗って現れ、その上から札束をばらまきます。総額は数千万円にも及ぶのだそうです。互いに押しのけあい、転んだ者を蹴りつけ、引き倒し、エゴと欲望を剥き出しにした闘いが繰り広げられます。蹴り飛ばされ、昏倒する方もいたそうです。北川さんも黒子の格好をさせられ、蹴られてうずくまった女性や、怪我をした女性、意識を失った女性の介助の任に就いたことがあったそうです。会場の人々は、そんな中でもまるで神を崇めるかのように熱狂的に「森下社長」の名前を叫んでいたそうです。

「森下社長」の「ライブ」ステージ設営で重大労災
株式会社2018年6月20日、北川さんはステージの設営に従事していました。
安全確保も不十分な高所での溶接作業をしていた時、乗っていた足場が櫓から離れ転落、左足の踵を粉砕骨折してしまいます。
骨が露出するほどの大怪我であったにもかかわらず、会社は救急車を呼ばせず、労災は使えないと露骨な労災隠しをしました。
当然、北川さんが行っていた「溶接」は彼の本来の業務ではありません。彼がステージを作っていたのは「森下社長」の道楽のためのものでした。
「森下社長」は趣味で大掛かりなライブを定期的に行っており、派手なステージの上で専属バンドの演奏をバックに喉を鳴らすのだそうです。
専属バンドのメンバーは系列会社の従業員ですが、彼らにはプライベートというものがなく、いつでも「森下社長」の歌いたい時、練習したい時に駆けつけることを義務付けられているそうです。こういったライブやイベントの度に従業員がステージ設営に駆り出され、安全配慮も不十分な環境の中、多くの人が重大な労働災害にあっています。社長の道楽のために発生した重大な労働災害、そのことごとくを会社は隠蔽し続けているのです。

強制退院→出勤強要
会社は、重症を負った北川さんに対し、労災を使わない代わりとして、完治までの治療費と休業補償を約束しました。3度のオペを行っての入院中、病院に上司が訪れます。「退院してくれ」「(自宅で)ゆっくり休んでいいから」と北川さんは無理やり退院させられてしまいました。自宅での療養を余儀なくされた北川さんですが、「出勤しないとクビにする」と今度は出勤を強要されてしまいます。会社に言われるがまま、医師に「足を上げてデスクワークならできます」と就業可能を伝え職場に戻ることとなりました。

「もう片方の足も折っちゃえばいいのに」
仕事に復帰させられた北川さんを待っていたのは、謝罪でも励ましの言葉でもなく、上司からの酷いパワハラでした。仕事でパソコンに触らせてもらえず、「もう片方の足も折っちゃえばいいのに」「足を机の上に上げて仕事するのは失礼だ」など心無い言葉を浴びせかけられ、松葉杖で移動中に倒れても見てみないふりをされました。また、立って作業ができないことを、復職に際して予め会社に了解を取っていたにも関わらず、片足だけで立ってカッティング作業(大きなポスターを切る作業)をするよう命じられたこともあったそうです。

労災療養中の解雇
あまりのパワハラに耐えかねた北川さんは、労働基準監督署に行き自力で労災認定を受け、自宅での療養を再開しました。しかし、会社は「出てこなければクビにする」と、労災療養中の北川さんを無理やり解雇したのです。労働基準法では労災療養中の労働者の解雇を明確に禁止しています。法律など歯牙にもかけない会社の態度に北川さんは驚愕しました。また、北川さんは社宅住まいだったため、職を失うことで住む場所も失ってしまいました。会社は一瞬にして北川さんの生活の全てを奪い去ったのです。

人生をメチャクチャにした会社を許さない!
解雇後、療養を続けていた北川さんを更なる悲劇が襲います。薬の飲み合わせによる副作用で極度の高血圧症を発症していたのです。そのため、療養中に急に意識を失い、幾度も病院に運ばれました。今年の8月、高血圧症による頸動脈狭窄症と熱中症により搬送先で生死の境を彷徨い、退院後も左半身に強い痺れが残り車椅子での生活を余儀なくされたのです。自分の人生をメチャクチャにした会社に、北川さんは激しい怒りを抱き闘っています。団体交渉の申し入れと並行し、現在は労災の損害賠償請求等の準備を進めています。

【ご意見は】
株式会社白鳳ビル 代表取締役 久保田典孝
〒160-0022東京都新宿区新宿5-9-24新宿白鳳ビル
TEL03-5367-2444  FAX03-5367-9686

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 3.介護施設内でデイサービスの利用者にマスク配布すると回答あり
                      【新型コロナウイルス対策】

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埼玉県内の社会福祉法人に対し、法人の運営する介護施設内で、デイサービスの利用者数十名がマスクなしで同じ部屋の中でデイケアを受けていた事に対し、安全配慮と感染拡大防止の観点から改善を要請しました。

法人から「現在、利用者に対してマスクの配布やマスク着用についての指導を準備しています」との返答があり、次回の団体交渉までに十分な感染対策を行い、事態の改善をすることが約束されました。

▼労働相談はこちらへ
月~土曜日 10~19時 ※緊急相談は随時対応します。
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F
ユニオン運動センター内 プレカリアートユニオン
TEL03-6276-1024 FAX03-4335-0971【FAX番号が変わりました】
http://www.precariat-union.or.jp/
https://precariatunion.hateblo.jp/
メールinfo@precariat-union.or.jp
※会社のPCからはメールを送らないでください。相談内容を会社側に知られる可能性があります。

ご案内 : 4/10 カネは公共医療と人々の生活のために使え!日銀前スタンデ ィング

2020年04月10日 | 犯罪
直前ですが、あす三回目の日銀前スタンディングの案
内です。無理のない範囲で!(I)

━━━━━━━━━━
緊急事態宣言!? 
カネは公共医療と人々の生活のために使え!
4・10 Friday for Fair Finacial(FFFF)公正な金融のための金曜日@日銀前スタンデ
ィング(その3)

日時:4月10日(金)19~20時
場所:日本銀行本店裏
 メトロ日本橋駅A1出口、三越前駅A8出口など
呼びかけ:attac首都圏
http://attaction.seesaa.net/

発言予定
加藤匡通さん(茨城不安定労働組合)
小倉利丸さん(批評家)ほか

緊急事態宣言とあわせて発表された事業規模108兆円の経済対策。新型コロナウイルスの感染拡大に無策な安倍政権の煩悩を表したかのような金額です。

しかし実際の新規の財政支出は29.2兆円、しかも減収家庭への給付金は4兆円など市民生活に関係する支出学力の少なさに比べ、財政投融資を活用した「新型コロナリバイバル成長基盤強化ファンド」などに9.3兆円、そして金融措置によるメガバンクをはじめとする金融機関による民間資金は42兆円と最大の金額を誇っています。

この巨額のマネーの出どころはニッポンギンコー。その原資はいうまでもなく自然環境と人間労働からの搾取から。そしてそのマネーは金融システムと大量廃棄の生産システムを温存する大企業へと流れるだけ。膨大なCO2排出をつづけてきた大企業、たとえば航空会社は2兆円の支援要請、トヨタもメガバンクに対して1兆円の融資枠を要請…。
カネの使い方、完全に間違えてます!

減収補償やリストラ阻止とともに、いま最も重要なのは、最前線で感染症に取り組む医療従事者や公衆衛生人員の増員などを担保する財政支出です。しかし政府の緊急経済対策ではそのことがほとんど語られておらず、ただ医療従事者らの自己犠牲に感謝するだけです。
これでは現場からの悲鳴に応えることはできません。

「過去最大の経済対策」と自画自賛するアベノマスクの経済対策の本当の狙いは、感染収束までの「緊急支援フェイズ」のあとの「V字回復フェイズ」に向けられています。人命よりも国益第一のアベノマスクに従うかのように、日本銀行も証券取引所も休むことなくマネーを回し続けています。問題はどこに、何にマネーを回すのかということ。

世界を襲った新型コロナウイルスの感染症危機で分かったのは、マネーファーストの新自由主義は、危機の時にその牙を剥き、人々の命と生活を犠牲にしてシステムを守ろうとすることでした。

V字回復?この悲惨な感染症危機のあと、もう一度ネオリベ資本主義に戻ってどうする!
 
メガバンクと大資本による大量浪費の生産システムの温存ではなく、自然環境を守り、公共サービスや福祉医療などの必要が満たされた社会システムへの転換こそ、この危機の先に見出すべき出口です。

3回目となったFriday for Fair Finacial(FFFF)公正な金融のための金曜日では、この
パンデミック恐慌に乗じてさらなる金融緩和と新自由主義政策でシステムの延命を図ろうとするクロダノミのアベノマスクの問題点を浮き彫りにします。

パンデミック(世界的大流行)の語源は、ギリシャ語のパン(すべての)デモス(ひとびと)。パンデミック恐慌にパンデモスの連帯で未来を切り開こう。

※スタンディングでの発言を収録して、後日attac japan radio programとしてON AIIRします。前回のON AIIRはこちら→http://attaction.seesaa.net/article/474450903.html

※次回は4月17日(金)19~20時の予定です。変更の可能性もありますのでブログなどで確認してください。次回の発言予定は、大利英昭さん(都庁職病院支部)、桑原よもぎさん(2019年4月日本学生支援機構抗議デモ参加者)ほかです。

※不急不要の搾取労働など、人との接触をできるだけ減らし、3密に十分に配慮してご参加ください。

緊急事態宣言に異議あり、改憲利用とんでもない!〜160人が官邸前で声上げる  菱山南帆子

2020年04月10日 | 犯罪
http://www.labornetjp.org/news/2020/0409shasin
緊急事態宣言に異議あり、改憲利用とんでもない!〜160人が官邸前で声上げる
    菱山南帆子
→動画(9分半)・全編動画(42分 川島撮影)

【勇気を持って参加された仲間のみなさんに敬意!】

 本日(4月9日)、首相官邸前で行われた「緊急事態宣言に異議あり!改憲利用とんでもない!」行動は緊急の呼びかけにもかかわらず160名が集まりました。

 九条の会事務局長の小森陽一さん、看護師、ライターの宮子あずささん(写真下)、労組から全国一般労働組合南部の渡辺さん、日本山妙法寺武田さん、キリスト教協議会総幹事のキムさん、日野市議、憲法会議、憲法生かす会と3分ほどのスピーチで50分ほどで終わりました。

 マイクは一人ずつ消毒、参加者同士2メートル間隔で開けるように何度もアナウンスしたので、随分と長い参加者の列になりました。今日行ったこの行動はとても重要でした。

 Twitterでは「テロ行為!」「非国民」「日本から出てけ」のオンパレードでしたが、おかしな事にはおかしい!としかも改憲とか言い出していて、こちらが分断されている場合ではない!と。気持ちは一つ、意思一致できて本当によかった!

 これから更に運動はやりにくくなると思いますが、それぞれの場所でやり方で頑張ろう。そしてコロナが落ち着いたらまた元に戻って団結して安倍政権を倒そう。反撃を開始しよう!

 以下は、本日配布した宣言です。
●緊急事態宣言に異議あり、改憲利用とんでもない!
4・9官邸前緊急行動での市民の要求

安倍政権は4月7日、新型インフルエンザ特措法による緊急事態宣言を発令しました。

しかし、この宣言の発令は日本国憲法が定める基本的人権の重大な侵害にあたる恐れがあるだけでなく、新型コロナウィルス対策に関しても極めて重要な問題を含むものであり、私たち市民は主権者としての立場から厳重に異議を申し立てます。

安倍政権が緊急事態を理由に、日本国憲法第3章がすべての市民に保障する「権利」の不当な侵害を許しません。いかなる場合においても政府はこれを最大限保障しなくてはならなりません。それは政府の義務にほかなりません。

この間の日本政府の新型コロナ対策の立ち遅れは政治的理由によるところが大きいことは否めません。日中首脳会談準備、および東京五輪準備、あるいは客船ダイヤモンド・プリンセスのゲットー化などによって、感染症対策が大幅に遅れたという指摘は果たして当たっていないでしょうか。全国の小中高の一斉休校や、布製マスク2枚の配布など、この間の安倍政権の対応はあまりにもずさんで、場当たりすぎないでしょうか。

他国と比べて日本が大幅に少ないPCR「検査母数」を、「医療崩壊の危険」の脅迫・強調でごまかしてはなりません。検査を故意に絞り込んだうえに市民に情報を隠蔽したまま、いたずらに「危機の脅迫」を行い、緊急事態宣言への「(市民の)協力」を強要するのは本末転倒です。

私たち市民は、この緊急事態宣言や無謀・無策ともいえる政府の施策によって、政治の犠牲のしわ寄せを受けているすべての「社会的弱者」、市民への例外のない経済的救済・保障を行うべきです。医療・介護・障碍者・高齢者・子どもなどに対する社会保障に全力をあげるべきです。非正規雇用労働者をはじめ、この社会を支えてきた働くものに犠牲をしわ寄せしてはなりません。私たちは叫びます。すべての市民を「生きさせろ!」と。

米国からの莫大な武器の購入を即刻中止し、その財源を市民生活の救済や、治療法の開発などを含む医療と福祉の充実に回すべきです。大企業がため込んだ莫大な内部留保を吐き出させなくてはなりません。消費税をはじめ税制を直ちに抜本的に見直すべきです。

信頼できない政権の下で、私たち市民が危機対応を求められるのは最大の不幸です。ドイツのメルケル首相を少しは見習ってはどうでしょう。モリカケはじめ偽造・ねつ造・隠蔽、違憲・違法・脱法、権力私物化、強権・暴走の安倍政権の責任は重大です。

さらに、この期に及んでなお、緊急事態対策に名を借りて自己の政治的野心のための改憲策動を進める安倍首相の改憲推進発言は許されません。

私たちはコロナ対策に市民がものを言えない空気を作る政治に反対し、安倍政権の責任を糾弾し、安倍政権の即時退陣を求めます。 市民は安倍政権の分断策動に乗せられるな! 市民は連帯して抵抗しよう、前進しよう!

2020年4月9日
首相官邸前緊急行動参加者一同

*菱山南帆子さんのFBより転載・写真はレイバーネット

世に倦む日日 @yoniumuhib 埼玉県で100人が病院に入れず自宅療養を強いられている件

2020年04月10日 | 犯罪
埼玉県で100人が病院に入れ ず、自宅療養を強いられている件、実際に自宅に留め置かれている感染者の取材を含めて、モーニングショーが詳しく中身を報道していた。要するに県内の病院に余裕がなく、県が他の隔離施設を手配できていない。何をやっていたんだろう。大野元裕、無能の誹りは免れないぞ。

埼玉県、とっくの昔に医療崩壊していた。病院の空きベッドが全然無いため、患者を無理やり自宅療養させている。他の都府県は、空き病床の数を睨んで、検査して陽性の数を出しているが、埼玉県はその余裕すらない。異常に高い検査拒否率。アフリカの途上国状態。翔んでコロナ。https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3951994.html …

東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」渋谷健司の発言。https://diamond.jp/articles/-/234205?page=4 … モーニングショーで玉川徹も紹介していた。これが正論。これで決まりだ。専門家会議(尾身・脇田・釜萢・押谷)は自己批判して解散しろ。無検査方針で失敗した責任をとれ。総括して国民に謝罪しろ。

安倍晋三、NHKを使って、東京の気の毒な理髪店の絵を見せて、視聴者の同情を集め、世論を小池百合子叩きへの同調に誘導したよね。見え見えのいつもの政治だが、汚い情報操作。安倍晋三が休業補償を決めればいいだけの話なのに、小池百合子のせいで休業強制させられているような絵にしている。

休業要請の2週間様子見の悶着の件、要するに、小池百合子が感染対策のリーダーシップで活躍するのを見て、安倍晋三が嫉妬して足を引っ張っているわけだ。目立ちたいのは自分だから。簡単な政治だ。だから、テレビ論者に小池百合子を叩かせ、黒岩祐治らを取り込んで小池叩きをやってるわけだ。