現時点における日本の製造業の取り組みの多くは、品質を向上するため、コストを削減するためなど、旧態依然たる改善活動でしかなかったが、今後、「何で儲けていくのか」を考えたとき、それだけでは十分と言得なくなっている。デジタル活用のさらなる進化、すなわち「製造業のサービス化」が求められているという。旧態依然たる部分がモノで、サービス化の部分がコトというわけ。
これまで「良いモノを作る、効率的に作る」に特化してきた日本の製造業が、海外企業との競争も含めて改めて自分たちの付加価値とは何かを考えたとき、その方向性をなかなか見出せていないのが現状ではないでしょうか。
たとえば、材料メーカーと契約すれば、化学品を使った顧客の製品の品質まで、つまりサプライチェーンの一歩先まで保証することまで考えないとビジネスが成立しなくなっているという。
また、、機械用潤滑油提供者は、センサーを顧客の生産設備に設置して稼働状況を常時監視する。潤滑油が足りなくなったら潤滑油メーカーが補充するなどもコト。この仕組みを採用すると、必要最低限の潤滑油しか使わなくなるため、製品自体の使用量は減る。しあkし、顧客にとって“設備保守委託”で品質を担保できるメリットがあり、割高なサービス料金でも検討に値する。『モノからコトへの転換』がBツーB(企業間)主体の素材業界でもようやく本格的に動きだしそうだ。
あるいは、商船運営会社の船に船用回転機器トラブルの予兆検知装置を提供。従来だと装置納入でビジネスは終了していたが、自動車専用船やタンカーのポンプなどに振動センサーを設置して状態を監視し、そのサービス代金はきちんと請求する。従来、このような製品や材料をおさめた後でも、無償のサービスとして行っていたようなこともあったが、それを、ビジネスの一環として行うというのがコト化である。