先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

エネルギー基本計画では30年代の重要電源は原発、主力電源は再生エネルギー

2018年03月29日 18時42分31秒 | 日記

エネルギー基本計画の骨子が出来上がったようだ。原発の新増設は明示せず 30年度エネ計画、「重要電源」位置づけ、再生エネルギーを「主力電源」と位置づけたのがエネルギー基本計画だという。原発が現在稼働中の7基を更に30基にするというが、南海トラフ大地震が起きるとされているのに、何故、原発に固執するのだろうか?

経済産業省は26日、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本政策分科会を開き、2030年度に想定する電源構成の実現へ向けた対応の方向性案を示した。温暖化対策などの観点から火力発電の高効率化や、太陽光など再生可能エネルギー普及への環境を整備。原子力発電は「重要電源」として再稼働を進める方針だが、焦点の新増設は明示しなかった。

 経産省は50年に向けた対応を議論する別の有識者会議の意見も盛り込み、今夏にまとめるエネルギー基本計画の改定案に反映させる。

 方向性案は、原子力や再生エネなど4分野の対策を整理した。原子力は30年度に全電源に占める割合「20~22%程度」の実現に向け、安全性を向上しつつ再稼働を進める。再稼働は現状、7基にとどまるが、30基程度が必要になる見込みだ。

 一方、再生エネは国際的に割高な発電費用の低減や、送電線への接続を制限するルールの見直しを図る。震災前に約10%だった比率を「22~24%程度」まで拡大し、「主力電源」と位置付ける。また、燃料電池車(FCV)などで活用が期待される水素は再生エネと並ぶ新エネルギーとして、基本計画に明記する見通しだ。

 


暗黒物質のない銀河が発見される!

2018年03月29日 18時06分11秒 | 日記

暗黒物質とは、光でも電波でも観測できない宇宙の95%を構成する未知の物質のことで、いくつかの天体観測からその存在が信じられている。まずは暗黒物質とは?

宇宙で目に見える物質はたった5%

宇宙の組成宇宙が何でできているかを調べてみると、われわれが知っている、陽子や中性子など”目に見える”(観測されている)物質は全体の約5パーセントにすぎません。その5~6倍は未知の物質(ダークマター)が占めていると考えられます。残りはダークエネルギーと呼ばれている正体不明のものです(図1)。これまで宇宙の観測に利用されてきたのは、主に光やX線、赤外線などの電磁波ですが、”暗黒”物質というのは、電磁波での観測では見ることができないため、”暗黒(ダーク)”という呼び名がついています。

 

ダークマター存在の証拠はいくつもある

ダークマターは様々な観測からその存在が示唆されてきました。1970年代後半、渦巻き銀河の回転速度分布を観測し、銀河内の明るい星や星間ガスではない、光では観測できないが重力を感じる物質の存在を立証しました(図2)。また、非常に重い物質(すなわち大きな重力)があると光が曲げられる、という「重力レンズ効果」からもダークマターの存在を示す証拠が得られています。

 

 初期の宇宙のわずかなゆらぎからダークマターの密度に差が生じ、密度の濃いところは重力によってさらにダークマターを引き寄せていき、しだいに目に見える物質であるチリやガスも引き寄せ、やがて星や銀河が形成されていきました。このようにダークマターは宇宙の成り立ちに非常に密接に関わっているのです。

 

 

ところがAFPが暗黒のない銀河を発見したと報じていた。「暗黒物質」のない銀河の存在が28日、天文学者らによって初めて明らかにされた。

 英科学誌ネイチャーに発表された論文は、今回の発見によって、銀河の形成方法に関するさまざまな仮説の見直し、あるいは大幅な修正が必要となる可能性があると指摘している。

 論文の共同執筆者であるカナダ・トロント大学の天文学者ロベルト・アブラハム氏はAFPの電話取材に応じ、「非常に奇妙」と述べ、「この大きさの銀河なら、通常の物質の30倍の暗黒物質があるはずだが、全くなかった」「こんなことはありえない」と驚きの声を上げた。

 地球から約6500万光年離れた「NGC1052-DF2」、略して「DF2」銀河は、太陽系を含む天の川銀河(銀河系、Milky Way)とほぼ同じ大きさだが、恒星の数は1000分の1~100分の1しかないという。

 論文の共同執筆者である独マックス・プランク天文学研究所のアリソン・メリット氏は、「(暗黒物質は)すべての銀河に不可欠で、銀河をつなぎとめる接着剤、銀河が形成される際の足場と考えられてきた」と話す。

 暗黒物質がまったく存在しない銀河というのは難問であり、天文学者らを悩ませている。

研究者は銀河ほどの大きさのものが暗黒物質なしでどのようにまとまっているのかを解明するのは難しいが、そもそもどう形成されたかを理解するのはなおさら困難だと指摘している。

 説明はどうであれ、論文によると、暗黒物質のない銀河は暗黒物質の存在そのものに疑問を呈する天文学者らに皮肉な課題を提示した。


宇宙誕生時に誕生した星からの電波が観測される!

2018年03月29日 17時45分10秒 | 日記

ビッグバンで宇宙が誕生して初めて誕生した星からの電波が観測されたという。多くの天文学者が狙っていたファーストスターからの電波の観測は、ブラックホールが衝突して発生する重力波観測並みの重要な発見だという。AFPがレポートしていた。

宇宙で最初に誕生した恒星の想像図(2018年2月28日提供) NATIONAL SCIENCE FOUNDATION

宇宙の歴史を時系列で示したのが下の図。図には、宇宙誕生から1億8000万年後に最初の恒星が生まれたとする米アリゾナ大学の研究結果が含まれている(2018年2月28日提供) 図の左下がビッグバンによる宇宙誕生で、右上が現在を示す。

米アリゾナ州立大学などの天文学者チームは2月28日、宇宙がビッグバンで誕生した直後に生まれた宇宙最古の星々「ファーストスター」に由来する電波を、史上初めて検出したと発表した。この観測結果に科学界は騒然となっている。

 ファーストスターの痕跡検出に向けた取り組みは10年前から続けられてきたが、実際に観測できるのはまだ何年も先になると予想されていた。観測結果は今後、別の実験によって裏づけられる必要があるが、一部からは既に、ノーベル賞を受賞した2015年の重力波検出以降で最大級の天文学的発見だとの声も上がっている。

 今回の発見は、宇宙の大部分を構成すると考えられている謎の透明物質「暗黒物質(ダークマター)」の謎を解明する手がかりとなることも期待されている。

 検出されたのは、今から136億年前、ビッグバンによる宇宙誕生からわずか1億8000万年後にすでに活動を始めていたファーストスターの痕跡で、オーストラリアの砂漠に設置されたダイニングテーブルほどの大きさの電波分光計により観測された。

 この電波には、誰もが驚き、歓喜するような興味深い情報が含まれていた。英科学誌ネイチャーに掲載された論文によると、初期宇宙の温度がマイナス270度と、これまで推定されていたより2倍も低温だったとみられることが、観測データから判明したのだ。

 ネイチャー誌に同時掲載された別の関連論文では、ダークマターがこれに関与している可能性が示唆されている。同論文を執筆したイスラエル・テルアビブ大学のレナン・バルカナ氏によると、この極度の低温状態は、通常物質がダークマターと相互作用してエネルギーを受け渡したことで説明できる可能性があるという。