月イチの母宅訪問。
昨日の母はどことなく元気がなかった。
毒舌も影を潜めている。
「アンタ、兼高かおるって知ってる?」
「知ってるよ。世界じゅう旅してて、昔テレビでもやってたやん。よく見てたわ」
「徹子の部屋に出ててんけど、私と同い年やねん。
ものすごくキレイで若々しいねん。びっくりしたわ」
「へえ~あの人そんなトシなんや」
「私もみんなに若い若いて言われてて、陶芸の仲間には『魔女』て言われてるねんけど
あのひとには負けたわ。アカンわ~」
は!? 何を言うてんねん? 兼高かおると張り合う気?
「やっぱり、ああいう仕事してる人は違うな~」
「そら、普段から人の目も気にして仕事もバリバリがんばってきたひとと、
家で夫に守られてノンビリ暮らしてたひととでは全然違ってきて当たり前やろ」
反論が来るかと思ったが、おとなしい。
「そやな~。上には上がいるもんや。私はアカンわ~」
しみじみ言う母。そんな、何を今さら。
「ま、見た目だけではわからんし、
兼高さんが持ってないもん、おばあちゃんは持ってるかもしれんやん。
子供とか孫とかひ孫とかさ」
「うん・・・」
「ひとのことはよく見えるもんよ。ひとはひと、自分は自分。
私がおばあちゃんの年になったとき、そんなふうにシャンシャン歩けてるかどうか」
「あのなぁ・・・最近、何かした拍子にちょびっとウンコが出るねん

「はっ!

いきなり キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「小指の先ぐらい、ちょびっとだけやねんけど」
まぁ高齢者にはありがちな話。
「そうなんや。括約筋が緩んできてるんやな。
家にいる時はいいけど外やったら困るなぁ」
「紙おむつ履かなアカンやろか。ナプキン当てとこか」
「いやいや、そんなんせんでも。軟らかいのン?」
「いや、普通の硬くも軟らかくもないのんがちょっとだけ。イヤやわぁどないしよ」
「尿取りパッドていうの売ってるけど、固形ブツは吸い取らへんよ。
下着が汚れるのは防げるけど」
「それ、買ってみるわ」
とりあえずお尻の穴を閉める体操を頑張ろう、ということで話は落ち着いたが。
そっか、チョイ漏れと兼高さんの美貌のダブルパンチで元気がなかったのか~。
いくら若く見えても、それなりに老化現象は母にも起こっているのだとミョーに納得。