明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

まんざらでもない

2022-05-18 | 母との確執
昨日は母のデイサービス体験利用日だった。

私と弟は10時前に母宅到着。
別に何も準備することはないのだが、
初めてのことゆえ、一応お見送りしたいじゃないですか(笑)
ていうか、トンチンカンな格好をしていないか、気がかりだったのだ。
ブラウスにズボン、薄いカーディガンといういでたちで、まぁ安心した。

体温測定し、昼食後の薬もカバンに入れ、準備完了。
「こんな格好でいい?財布ほんとに持って行かんでもいいのん」
と落ち着かない母。
「いいのんいいのん。持って行ったらアカンのよ」

指定された時間にエントランスで待っているとデイの車が到着し、
職員さんからざっくりと一日の流れや食事の説明を受ける。
のちほど二人で見学に行くことを伝え、出発。
「行ってらっしゃーい」「行ってきまーす」
外面のいい母、職員さんの前ではニコニコしている。


とりあえず行ったわ。ほっ。

「いきなり10時から4時は長いんちゃう?」と弟。
「保育園の慣らし保育じゃあるまいし、レクしてゴハン食べたらあっという間よ」
「ふーん。そんなもんか」
私より心配性なのが弟だ。


さ、留守の間にやることやっちゃお。
文字通り、鬼の居ぬ間に洗濯して、掃除して・・・。
弟は脚立を引っ張り出してきて、リビングの大窓を拭いていた。

一段落したところでちょうどいい時間。
歩いて10分ほどの事業所まで行く。

ちょうど昼食の配膳中で、利用者さんはビデオに合わせて口腔体操をしていた。

「あ、いた。あ、違うか」
早とちりする弟。
後ろから見たらみんな同じ。
母と似たような利用者さんが10数名、男性がひとりで他は女性だ。
車椅子利用の人は少ない。
母は一番前の端の席でかしこまっていた。

職員さんに室内を案内してもらう。
トイレが3か所、お風呂が2か所。介護ベッドが2つ。
お風呂は個浴で職員の介助または見守りで入る(今回はお試しなので入れず)。
食事は厨房で手作りだ。
今日は肉じゃが、いい匂いがしている。
一汁三菜、食器も普通に家庭で使うようなものだ。
テーブルはアクリル板で仕切られ、みんな静かに自力で食べている。
食べ終わって立ち上がる人がいると、スッと職員さんが近寄ってトイレ誘導。

「木がふんだんに使われてて山小屋みたいな感じやな。いいやん」と弟。
部屋は明るくて思ったより広く、三角屋根の天井が高い。
そこかしこに飾ってあるのは利用者さんたちの作品だね。
ふたりしてキョロキョロ。

そろそろ食後の歯磨き、というところまで見て退出したが、
弟は気に入った様子。
「イヤや~言わんとってくれたらいいけどなぁ」
私も同感。近いだけでもじゅうぶん。
職員さんの感じがいい。殺気立っていない。

私が働いていた老健での食事の時はもう時間との勝負で、
なかなか食べてくれない利用者さんには急かすこともあった。
職員が時間に追われ、殺気立っていた。

それに比べれば、少人数というのもあるだろうが、ゆったりしている。
食後にはティータイムがあり、瞑想の時間もあるそうだ。
「食後にちょっとウトウトしたいかたもおられますので」
瞑想タイム=昼寝タイムか(笑)







4時前に送りのバスで母帰宅。
どうだった?

第一声が
「歩きたかったわ。ずっと椅子に座りっぱなしやもん。
 お膳下げたりテーブル拭いたりしたかってんけど、させてもらえへんかった」
(あれまぁ何を言いだすやら)

「味がすごい薄かったわ。年寄り向けやな」
(年寄りしか来てへんがな)

「気に入らんかったんなら他のデイも行ってみる?」と言うと、
「いやいや、ここでいい」

コーヒーとカステラがおいしかった、歌もいっぱい歌った、ゲームもしたetc.
アドレナリンが出まくって、よくしゃべる。
鼻歌まで出ますよ(驚)
緊張がほどけてホッとしたのだろう。わかりやすい(笑)
なんだかんだ言ってはいるが、まんざらでもない様子でよかった。

「私の隣にいた人、100歳やねんて。あなた93才なら若いわよ、て言われてしもた」
上には上がいたね。マウント取れなくて残念だったことだろう(^0^)

気が変わらないうちに、さっさと明日契約することとなった。