土曜日、NHKBSで放映される朝の連ドラ一週間分を見終わると、そのまま続けて『俳句王国』を見ることがある。
先週の土曜日も見ていたら、広瀬さんという方の句がとてもいいなと思った。
海苔刈りて海の暗さを持ち帰る
そして、この句を聞いて、「赤はんば」を採りに行くことを楽しみにしていた、友人のお父さんを思い出した。
私が「赤はんば」を知ったのは十年ほど前のこと。
そのころ清水区庵原(いはら)に住んでいて、無人売店に「みかん、しいたけ、赤はんば」と書いてある看板があり、いつも気になりながら車を運転していた。
私は、無人売店には農作物を中心とした物が売られてると思い込んでいたので、赤はんばは野菜の一種だと思っていた。
ある日、同じアパートに住む友人が、
「うちのお父さんが採ってきたけど食べる?」と持ってきてくれたのが赤はんばだった。
このとき初めて、これが海草の一種で、海のものであることを知った。
海水の入ったビニール袋の中に浸かっている赤はんばを取り出すと、磯の香りがぷーんとした。
彼女は、赤はんばが採れるのは厳冬で、お父さんは自転車で寒風を切りながら興津川(おきつがわ)河口あたりの海まで出かけていく、と話してくれた。
彼女に食べ方を聞き、まず味噌汁の具にしてみた。
これがこれがなんともおいしい。
身が引き締まるような冬の朝、赤はんばの味噌汁は身も心も温まった。
それから何度か赤はんばをいただいたけれど、その後、お父さんは体調をくずされ海へ行けなくなってしまったと聞いた。
あれからずっと口にしていない。
今、とても赤はんばの香りと味が恋しい。
先週の土曜日も見ていたら、広瀬さんという方の句がとてもいいなと思った。
海苔刈りて海の暗さを持ち帰る
そして、この句を聞いて、「赤はんば」を採りに行くことを楽しみにしていた、友人のお父さんを思い出した。
私が「赤はんば」を知ったのは十年ほど前のこと。
そのころ清水区庵原(いはら)に住んでいて、無人売店に「みかん、しいたけ、赤はんば」と書いてある看板があり、いつも気になりながら車を運転していた。
私は、無人売店には農作物を中心とした物が売られてると思い込んでいたので、赤はんばは野菜の一種だと思っていた。
ある日、同じアパートに住む友人が、
「うちのお父さんが採ってきたけど食べる?」と持ってきてくれたのが赤はんばだった。
このとき初めて、これが海草の一種で、海のものであることを知った。
海水の入ったビニール袋の中に浸かっている赤はんばを取り出すと、磯の香りがぷーんとした。
彼女は、赤はんばが採れるのは厳冬で、お父さんは自転車で寒風を切りながら興津川(おきつがわ)河口あたりの海まで出かけていく、と話してくれた。
彼女に食べ方を聞き、まず味噌汁の具にしてみた。
これがこれがなんともおいしい。
身が引き締まるような冬の朝、赤はんばの味噌汁は身も心も温まった。
それから何度か赤はんばをいただいたけれど、その後、お父さんは体調をくずされ海へ行けなくなってしまったと聞いた。
あれからずっと口にしていない。
今、とても赤はんばの香りと味が恋しい。