風の数え方

私の身の回りのちょっとした出来事

いさぎよい夏

2006年09月11日 | 清水ともゑ帳
ニュージーランドにいたころに経験した夏は、とても潔かった。
3月下旬、10日間のスクールホリデーが明け、4月から再び学校が始まった間もないころ、ある日を境に突然 秋が来た。
前日までTシャツ一枚でいられたのに、急に寒くなり、トレーナーを重ね着しても、さらに一枚、上着が欲しいほどだった。
秋といっても晩秋に近い。

それからの1週間で、木々の葉があっという間に紅葉し、散っていった。
学校のそばにある、オークランド大学のキャンパスの枯葉を踏みながら、「秋はドカンとやってくる」と思った。

学校からの帰り道、日本人のクラスメートたちに会ったら、丸めた布団をそれぞれ手にしていた。
寒くて辛いから買ってきたのだと言う。
私も布団を買いに行こうか思案していた。
フラットの私の部屋は地階にあり、日中は日が差すものの、夜は寒さがこたえた。
でも、私が帰国する5月までは、あとひと月、布団を買うのをためらった。
薄いベッドカバーの上に、トレーナーやジーンズなど、ありとあらゆる衣類を並べて暖をとり、眠りについていた。

あの夏だけがたまたまそういう気象だったのか、それとも毎年、ニュージーランドの秋はそのようにやってくるのかわからない。
でも、あまりに潔く、夏が秋にその座を明け渡してしまったので、日本のように季節の余韻が残らなかった。

このところ残暑が厳しくて、もう少し涼しければなぁと思う半面、夏のしっぽを今しばらくつかまえておきたいと思ったりもする。
そのくせ、強い寒気団とともに上空に居座る冬は、早く去ってほしいと願ってしまうのだけれど…。

日陰を探しつつ歩きながら、見送る季節、迎える季節に心の準備期間があるっていいことかも…なんて思った。
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2 コメント

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日本人 (徒然日暮)
2006-09-13 22:12:34
もうほんと暑い日が続いてた頃には

“ドカン!”なんて涼しい秋が一気に来たら

どんなにいいかなんて思ってしまった

暑がり屋の日暮です…。

でも“ある日”を境に急に季節が変わって

しまうのもなんだか寂しいような気も…。

やっぱ、寄せては返す波のように徐々に

季節が移り変わっていくのが風情もあって

いいのかもしれませんねぇ。
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♪徒然日暮さん (ともゑ)
2006-09-15 04:15:14
徒然さん、私も…でした。

蒸し暑い毎日に、「早くほんとの秋が来てよ」と思いながら過ごしていました。

私は、暑がりで寒がりです。

周りの女性を見ると、秋の装いなのですが、

私は夏真っ盛りの服でないとまだまだ暑くて…

「三暑四涼」…ナイスです

秋が少しずつ近づいてきますね。 
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