◎国体は滅亡するのか
伯家神道は、代々白川伯王家に伝えられていた宮中の神事を司る神道で、明治初期に途絶えた。同時に伯家神道が伝えていた宮中の神事も途絶した。
これは、明治5年(1872年)に皇室祭祀が、白川家から宮内省式部寮に引き継がれたことを指すのだろう。
さて伯家神道には、予言があって神事を伝えられない天皇の世が百年続くと日本の国体が滅亡するというのがある。(出典:超常現象大辞典/羽仁礼/成甲書房P265)
百年の計算始期を1872年にとれば、1972年は百年目。
あるいは、計算始期を大正天皇即位の1912年にとれば、2012年が百年目。
こういう年代計算はずれるものだが、そもそも国体が滅亡するのかどうか。
エドガー・ケーシー以来、日本沈没を幻視する人はちらほら見かける。そもそも予言というのは、予言した時代の集合的無意識=霊界の状態から将来を敷衍したものであって、現状が変化すれば未来も当然に変化する。
また幻視する人間が天上を幻視する場合、地獄を幻視する場合、この世を幻視する場合に分かれるので、彼がどれを見ているかというのも、見分けるポイント。これには審神者が必要となる。
百年後であった1970年代、世界のメジャー覚者であったクリシュナムルティとOSHOバグワンは、日本人の集合的無意識=霊的状態が良くないため、日本来日を忌避して終わった。一方ダンテス・ダイジはその不調な日本で布教の胎動を見せていた時期。
国体が滅亡するかどうかは、我々日本人自身が無意識に承知していることで、他人に問うて知ることではあるまい。多数の亡国の相があるが、最後の一厘の逆転シナリオもある。
今時代の帰趨は少数の覚者ではなく、多数の覚者でない大衆が鍵を握る。王家の秘伝はいつか途絶えるが、途絶えたもののうち縁あるものは再興する可能性がある。伊勢神宮が荒廃していた時期にその祭祀の本義を細々と伝承した中心人物は、神道家でなく、仏教の比丘尼であったように、こうしたものは古神道独力でなく、オールジャパンで、切羽詰まらないと興らないのだろうと思う。