則天時の宰相婁師徳は田舎の農夫という風采で
動作ものろのろしており、愚鈍としかみえなかった。
新任宰相狄仁傑からみると無能で保守的な俗物の代表としか思えなかった。
「陛下、師徳は同僚としては我慢できない愚物でございます」
「彼には政見も、人を見る目もございません」
仁傑は則天皇帝を懼れず上奏した。
「そうかな?」
則天はにやりとして答えた。
「師徳は人を見る目のない愚物か?」
「いかにも」と仁傑
則天は書棚より書類を取り出した。
「これは師徳が、お前を是非とも宰相にと推薦した上奏文なのだがな」
「人を見る目はありそうだが・・・」
傲岸な仁傑もさすがに顔を真っ赤にしうつむいた。
そしてあわてて退出していった。
動作ものろのろしており、愚鈍としかみえなかった。
新任宰相狄仁傑からみると無能で保守的な俗物の代表としか思えなかった。
「陛下、師徳は同僚としては我慢できない愚物でございます」
「彼には政見も、人を見る目もございません」
仁傑は則天皇帝を懼れず上奏した。
「そうかな?」
則天はにやりとして答えた。
「師徳は人を見る目のない愚物か?」
「いかにも」と仁傑
則天は書棚より書類を取り出した。
「これは師徳が、お前を是非とも宰相にと推薦した上奏文なのだがな」
「人を見る目はありそうだが・・・」
傲岸な仁傑もさすがに顔を真っ赤にしうつむいた。
そしてあわてて退出していった。