私は懐古主義者ではありませんが、ふとした時に昔のことを思い出すことがあります。
先日、雑用が重なっててんてこ舞いをした時、ふと、「このような名前の芸人さんがいたな?」ということで、漫才師の獅子てんや・瀬戸わんやを思い出しました。
彼らの得意としたギャグには「たまごの親じゃ、ピーヨコちゃんじゃ。ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ、アヒルじゃがぁがぁ。」とか「いーとこはーとこいとはとこ」などがあり、今で言うところの流行語をよく作っていたような気がします。
・獅子てんや・瀬戸わんやのお二人です(ネットより)
さて、今日は漫才師の話題ではなく、私のドタバタから、彼らの芸名である「てんやわんや」の由来を調べることにしました。
てんやわんやとは、われがちに騒ぎ立てるさまや、互いに先を争って混乱するさまを云います。
この言葉の由来は二つの言葉、「てんでん」と「わや」の合成語であるという説が有力とされているようです。
「てんでん」は「手に手に」もしくは「手々」が転じて「各自」「銘々」という意味になった言葉で、「各自が思い思いの行動をする」意味の「てんでんばらばら」に使われます。
「わや」は「無理」とか「無茶」を意味する関西地方の方言で「わや」が「わんや」となり、それに語調を合わせるように「てんでん」が「てんや」になったと考えられているようです。
他には、「わんや」にはワイワイと騒ぐ意味の「ワヤワヤ」や、関西で「私」を意味する「わい」を語源とする説もあるようです。
関西地方の方言が喧騒、混乱を意味する標準語となっていたのですね。
そういえば、昭和25年(1950年)に発売されて大ヒットした「買物ブギ」の歌詞の中に「てんやわんや」の言葉が出てきますが、この歌を歌った歌手は大阪出身の笠置シズ子 でしたね。
笠置シズ子はこの歌がピッタリの歌手であり、大阪言葉の歌詞を上手な大阪弁で歌っていましたね。
当時、子供ながらラジオから流れる騒がしいこの歌をよく聴いたものでした。
買物ブギ 作詩・作曲 服部良一
〽 今日は朝から 私のお家は てんやわんやの 大さわぎ
盆と正月 一緒に来たよな てんてこ舞いの 忙しさ
何が何だか さっぱり分からず どれがどれやら さっぱり分からず
何も聞かずに とんでは来たけど 何を買うやら どこで買うやら
それがごっちゃに なりまして
わてほんまに よう言わんわ わてほんまに よう言わんわ