フーテン
「男はつらいよ」という映画がありました。
ご存知、渥美清さん主演で、1969年(昭和44年)から1995年(平成7年)までに全48作が、そして1997年(平成9年)に特別編1本が製作された映画です。
『わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します』という寅さんの仁義は皆さんよくご存知だと思いますが、今日は寅さんの肩書となっているフーテンについて調べました。
・フーテンの寅さんです。(ネットより)
フーテンとは、寅さんから想像して、「風」に吹かれて転々とする「風転」と思われている方はおられませんか?
フーテンを広辞苑で調べてみました。
フウテンとは、①精神状態が正常ではないこと。また、そう言う人。
②定まった仕事を持たず、ぶらぶらしている人。
と説明しており、漢字では「瘋癲」と書き、二文字とも病垂(やまいだれ)が使われているところから、元々の意味は①なのかもしれません。
フーテンは、1967年の夏、新宿東口に集まる長髪に妙なデザインのラッパズボン、サングラスといった格好をし、定職にも就かず、ブラブラしている無気力な若者集団をフーテン族と呼ぶようになり、アメリカのヒッピーに近いイメージで使われたそうです。
1968年(昭和43年)にはフジテレビのドラマ「男はつらいよ」で「フーテンの寅さん」が登場し、翌1969年(昭和44年)8月には松竹によって映画「男はつらいよ」の第1作が上映されました。
映画やドラマでは、寅さんはフーテンの肩書が付けられていますが、フーテンの寅さんこと、車寅次郎には的屋という定職があり、さらに正月・盆の稼ぎ時をむかえ、的屋業に戻るため、旅立つシーンで毎回映画は終わっていることから、寅さんはフーテンと呼ばれるような無職でもなければ、ぶらぶらしてばかりの無気力な人でもありません。
なのに、寅さんの肩書フーテンは広辞苑の②に近いことからフーテンと自称しているのではないでしょうか?
本当のことは原作・脚本を担当した 山田洋次監督に聞く以外確かめようがありませんが・・・。